2005年10月アーカイブ

・相手に伝わる日本語を書く技術
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日本経済新聞社の記者が書いた文章の教科書。

主題の明確化から文章の構成論、文法論、陥りやすい間違い集など、基礎から正しい文章の書き方を教えている。句読点の打ち方や、複数の修飾語がある場合の係り受けの処理など、大人になると”いまさら聞けない”と考えがちな事項も丁寧に解説してくれる。

この本は書き方が教科書、参考書風なため、ここで過去に書評してきた文章読本のような楽しさはない。その代わり、解説が丁寧で網羅的なので、学習教材としてとてもよくできていると思った。毎日のように文章を書いていて、いつか改めて調べておきたいと思った事項が点検できた。

新聞記事やビジネス文書を書く際のガイドとして良書。

なるほどと思った部分をメモとして抜書き。

・文章の材料の出所

体験・観察(直接材料)
読書・聴取(間接材料)
思考(発展材料)

・中心文は段落の最後に配置すると書きやすい


ヨーロッパ語の文章では、中心文が段落の冒頭におかれることが80%近くある。これに対して日本語の文章の場合、主語と述語が密着しているヨーロッパ語とちがって、文の”幹”にあたる述語が文末にくる組み立てになっているため、中心文を段落の冒頭に置く、書き方をするにはかなりの努力がいる。中心文を段落の最後に置くほうが書きやすい。

・1センテンスの長さは42、3字が適当

第2次大戦中、アメリカ政府が心理学者、社会学者、言語学者を集めて、軍隊の指示として1センテンスの長さはどの程度が適切かを、調査させたそうだ。その結果、20語以内が理解しやすいという結論になった。日本語の文章心理学の研究成果では、一文が75文字を超えると読みにくく、42、3文字が最も読みやすいそうだ。これは具体的で参考になる数字だ。

・日本語では受動態を使わなくても文章が書ける。

基本的に日本語の発送は能動態であり、受動態は翻訳を介してヨーロッパ語の影響を受けた舶来品だそうである。

・以下はすべて間違い(このほかにも多数の事例が掲載されている)

知名度がない。利益がトントン。愛想をふりまく。いやがうえでも。押しも押されぬ。けんけんがくがく。古式豊かに。弁舌が立つ。怒り心頭に達した。白黒をつける。

関連書評:

・頭の良くなる「短い、短い」文章術―あなたの文章が「劇的に」変わる!
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003740.html

・大人のための文章教室
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002489.html

・40字要約で仕事はどんどんうまくいく―1日15分で身につく習慣術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002286.html

・分かりやすい文章の技術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001598.html

・人の心を動かす文章術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001400.html

・人生の物語を書きたいあなたへ −回想記・エッセイのための創作教室
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001383.html

・書きあぐねている人のための小説入門
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001082.html

・大人のための文章法
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000957.html

・伝わる・揺さぶる!文章を書く
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002952.html

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http://www.tvblog.jp/event11/
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・AKI 黒板 Ex - akiroom
http://akiroom.com/freeware/recommend/ake.html
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極めてリアルな黒板ソフトウェア。パソコンの画面上に、小中学校で使っているような本物感たっぷりの黒板を表示し、マウスを使ってチョーク書きを行うことができる。チョークの筆跡や、黒板消しで消すときの粉の飛び具合など、細かいところまでこだわりまくっている逸品。

【使い方】
起動すると黒板がでてきます。
緑色の部分をマウスをドラッグすると線が引けます。
ゆっくり引くとラインに、すばやく引くと点描になります。
右でドラッグすると指で消せます。
受け皿の上にのっているチョークをクリックすると取り替えられます。
黒板消しで文字を消せます。
右下のコインをクリックするとメニューが出てきます。

第26回 U20プログラミングコンテストで最優秀賞を受賞している。

実際に教育の現場で使ってみても楽しそうだ。

・平成17年度情報化月間 第26回 U20プログラミングコンテスト
http://www.jipdec.jp/procon/

・人はなぜ恋に落ちるのか?―恋と愛情と性欲の脳科学
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夏に日本科学未来館でこんな展示を家族で見た。

・日本科学未来館 特別企画展(既に終了)
『恋愛物語展 − どうして一人ではいられないの?』
http://www.miraikan.jst.go.jp/j/event/2005/0815_plan_01.html

恋愛という言葉を聞くと、誰もがなぜか反応します。
人間であると同時に、一つの生命システムに組み込まれた一つの個体であるわたしたち。その個体はさらに細かく見ていけば、さまざまな物質の集合体です。そんな人間にとって、他人を好きになり、パートナーを見つけ、生涯を送るということにどのような意味があるのでしょうか。
このような疑問から、わたしたちは「恋愛」というものを、あえて科学的な立場からとらえ直してみることにしました。すると、それが生命の神秘であると同時に、人間という生命にとってきわめて特徴的な行為であるということが見えてきました。

ハイテクで触れる展示が多くて、2歳の息子も楽しんでいた。

恋愛を科学するというのは、娯楽としても成立するのだなと思った。

この本は、恋愛感情は主に脳内で交配衝動を作動させるための動機システムであるという脳科学の本。前作では生物学的に人間の愛は4年しか続かないという内容で物議を醸した人類学者が書いている。今回は熱烈恋愛中や失恋直後の被験者を集めて、fMRI装置にかけて、脳内部位の活性状態を分析するなど、意欲的な実験も満載。

・浮気性か家庭的かはホルモンバランスで決まる
・なかなか手に入らない相手に燃える
・好きになったら引き返せない
・近くにいる人と恋に落ちやすい
・男性が好む理想の女性の体型は世界中でウエスト:ヒップ=7:10

など、恋愛カウンセラーではなくて、学者がデータに基づいて真面目に知見を述べる。

「愛」の中身は、

1 性欲
2 恋愛感情
3 愛着

であり、それぞれが、出会いたいと思うこと、熱く燃えること、長く安定した愛情を維持することに関与している。3つの仕組みを動作させる脳内の化学物質も列挙されている。著者の手にかかると「愛」が化学物質や脳の活性化に還元されていく。


しかし、恋愛を理解したからといって、感じかたまで変わったわけではない。ベートーベンの第九の楽譜をすべて知っていたとしても、それを耳にするごとにおぼえる興奮が変わらないのと同じだ

まあ、そういうことかもしれないが、割り切ってしまうのも、割り切れない気がする読後感であった。

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・新聞なんていらない? 記者たちの大学講義
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これから新聞記者になりたい人にとって最適の本。朝日新聞社の記者、営業、編集委員らが大学で講義した内容を書籍化。

新聞は中身の55%が記事で残りが広告。記事の量は400字詰めの原稿用紙でざっと450枚で新書一冊分に相当する。編集の過程でボツにされるため、この記事の倍の量が書かれている。編集に関わる人2500人、そのほか印刷や販売流通などに関わる人4000人。総計6500人が130年の歴史を持つ、830万部の朝日を支えている。

新聞記者による新聞の特徴は総合性、一覧性、詳報性、保存性の4つで、すなわち、「何でも載っている」、「一目で見られる」、「詳しく伝えている」、「そのままとっておける」である。

新聞の収益は販売5、広告4、その他1.90年代前半以降、値上げはしていない。広告比率を抑えて独立性を維持し、広く読んでもらうために値上げを行わないでやってきている。

新聞とはなんだろう?と言う自問にある記者はこう答えた。「歴史のある一日を、ワールドワイドで(宇宙まで含め)、ある明確な判断と意思のもとに切り取り、刻印し、それを日本中に配り、伝えようとする、それを受け止めようとする人々が列島の隅々までいる、そういう人間たちの」意思のすさまじさなんじゃないかと。

視点と哲学を持って自律するメディアというのは、”勝手なメディア”全盛になるインターネット時代において、まだまだ活きる価値だと読みながら思った。紙の新聞をあまり熱心に読まない私でも、ネットで新聞社の記事は当てにして読んでいる。「新聞なんていらない」わけでは決してないと思っている。

「古い酒袋に新しい酒を注ぐ」という諺があるけれど、このすさまじい意思を受け継ぎつつ、紙以外の新しいメディアとどう融合するかが、当たり前だけれども課題だろう。映像のテレビ、考えさせる新聞、スピードのインターネットという組み合わせで情報を見ることが大切なのではないかと訴える編集委員もいた。知る権利とならんで考える権利があると言った人もいた。

読者が「考える」メディアという位置づけは面白い。書籍・新聞という紙メディアは、他の媒体に比較して、読者を考え込ませるアフォーダンスがあるメディアだと思う。考えたことをネットに吐き出させ、フィードバックするという仕組みがあると、ネットと両立する紙の新聞の付加価値になるのではないかと思った。

各講師の講演テーマは以下。

1 新聞へのアプローチ―面白がる力、社会力、意見力をつけよう
2 「経済記事」の読み方―事件の背後の時代相
3 球界再編とメディア―スポーツライティングの立ち位置
4 被害者と記者―なぜ「事件取材」からスタートするのか
5 アメリカ大統領選挙と特派員―自国の利益と世界の利益
6 首相と番記者―特異な宰相・小泉純一郎を報道する
7 営業マンと販売店―新聞ってインテリが作ってヤクザが売るの?
8 広告は語る―メディアによる違い、魅力
9 新聞の未来―言葉への感度を取り戻そう
闘う社説
科学記者と地球
文化記者の志

大学生に語りかける内容なので、どちらかというとタテマエが多いのだが、現場仕事の面白さを語る際に本音もでてくる。古い考え方と新しい考え方が世代や役職によって入り混じっており、保守的なメディアという印象があるが、変革の必要性を現場も意外に強く感じているのだなあと思った。

・図説 日本のマスメディア
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003900.html

・新聞がなくなる日
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003811.html

・メディア裏支配―語られざる巨大マスコミの暗闘史
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003332.html

・日本経済新聞は信用できるか
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002805.html

・実話怪談「新耳袋」一ノ章
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これは傑作だと思う。

PSPの「怪談体感ソフト」。全編が音声+写真+テキストで構成されたショートノベル集。内容はもちろん幽霊や超常現象を扱うホラーである。全部で50話を収録。最初に質問があり、答えるとその気分に最適な一話が選ばれるシステム。だいたい一話3分から5分程度で終わる。

私は電車の通勤時間に何本かずつ見ていた。通勤時間しかゲームの時間がとれないということもあるが、それよりも隣に人がいなければ怖くて進められなかったから。静止画なのに臨場感たっぷりで怪異が迫ってくる。秘密はPSP初の“3Dサウンド”。イヤホンで聴くと音声や効果音が立体的に聞こえる。ヒタヒタと歩く音や、すーっと障子が開く音がよく聞こえる。聞こえなくていいのに。

ナレーションが映画やテレビ番組なみの完成度でひきこまれる。ゲーム内の要所要所の演出も見事。

公式サイトを見れば、なんとなく怖さをわかってもらえるだろうか。

・実話怪談「新耳袋」一ノ章
http://www.metro-japan.com/game/shinmimi_psp/

無線LAN機能を使って、体験した怪異は友人のPSPに転送し、見てもらうこともできる。50話をコンプリートすると特典として、映像のホラー作品を一本視聴できるようになる。これもよくできていたが、もしも映像を見たいだけならば、映画版のDVDボックスがある。短いので怖いもの見たさでホラーが好きという私のようなライト級のホラーファンに向いている。

・怪談新耳袋劇場版 DVD-BOX
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2004年夏に劇場公開し、渋谷シネ・ラ・セットで初日動員記録を達成するなど、大ヒットした「怪談新耳袋劇場版」と、TVシリーズのサードシーズンをひとつにしたDVD-BOX。DVD-BOXだけの特典になる、原作者・木原浩勝、中山市朗による怪談語り(映像)とオーディオコメンタリーを収録!

本で原作を読むこともできる。新耳袋はベストセラーで気になっていた。


・新耳袋〈第1夜〉現代百物語
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見てはならないものが、起こってはならないことが、この世にあってはならないものが。本書に収められた"怖い話"はすべて、本当のことなのだろうか…。百話を語り終えると、怪しきことが起こると古より言い伝えられる「百物語」。これを当代きっての怪異蒐集家の二人が鮮やかに現代に甦らせた、かつてない怪談集シリーズ第一弾。

そもそもオリジナルは江戸時代の作品である。

・耳袋(1)
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狐狸妖怪譚から庶民の風俗・犯罪まで、江戸後期の巷説奇聞を集めた随筆集。不思議な話・味のある話が大好きだった江戸人の姿が浮かび出る。1972年刊の再刊。

・@WinTime(Windows95/98/Me/パーソナル)
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WinTimeは、アクティブウインドウタイトルバー上に、日付及び時刻の表示を行います。
また、2週間分のスケジュール登録が出来ます。
スケジュール登録することにより、アクティブウインドウタイトルバーの点滅及びビープ音で登録予定時刻を知らせます。
拡張機能として、インターネット(SNTP・HTTP)を使用し、パソコン内部時計の時刻を合わせます。(プロキシ対応)

という便利ソフト。

エクスプローラやブラウザなどあらゆるアプリのタイトルバーに時刻が表示されるので、時間を意識しながら作業がしやすい。

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自動でパソコンの時計を正確に合わせる機能もある。

また、未来のスケジュールを登録でき、その時刻が来ると点滅やビープで知らせてくれる。長期予定だけでなく、分刻みのスケジュールで作業を進めたいときのペースメーカーとしても便利である。

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日本人の神

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・日本人の神
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■日本のカミの由来

国語学の重鎮が書いた日本の神様論。

まず日本の神という言葉の由来を考える。

・カミはカガミ(鏡)の意である
・カミはカシコミ(畏)の略である
・カミのミはヒの転化で太陽のことである
・カミはカミ(上)の意である

などの諸説を語源学的には成り立たないとして退ける。

日本語の「mi」の発音は奈良時代には2種類あって、カミのミと上記のミは別物のmiであったという。

そこで語源ではなく日本の神の特徴を見る。

・カミは唯一の存在ではなく多数存在した。
・カミは具体的な姿・形を持たなかった。
・カミは漂動し、彷徨し、時に来臨し、カミガカリした。
・カミはそれぞれの場所や物・事柄を領有し、支配する主体であった。
・カミは超人的な威力を持つ恐ろしい存在である
・カミは人格化されることがある

キリスト教、ユダヤ教、イスラム教などの唯一神とはまったく異なる性格を持つ。

■神の祭祀と政治

「政」とかいてマツリゴトと読むように古代の祭祀は政治と密接に結びついていた。

1 年ごとの五穀豊穣・息災の祈願
2 新穀に対する感謝の祭祀
3 個々の災害が生じないようにとの祈願
4 天皇即位の際の祓除と祈願
5 国民の罪悪の祓除と祈願


1から4にいたる神への祈願や5の罪の祓除について見ると、これは、今日の日本人の実際の政治の運用の仕方に対する基本的な考え方・対処の仕方の原型である。すなわちこれは金品を権力者に贈与することによって、下賜される便益を享受しようとする行動の原型であり、ハラヘの考え方は、今日広く行われているオハライの根源であって、罪過・公害・公金私用などは隠蔽し、先送りしていけば、いずれ消失するにちがいないとする考え方の原型をここに見ることができる。

ここにはまた、神と人間との間で約束をとりかわし、その約束を守るという契約の観念はない。個々の人間が自分の約束・責任を果たすことによって仕合わせを得るという自己規律の観念もない。その裏には、人間は自然の成り行きとして生まれて来て、日本の自然の中でよしとされる明るい・清水のような心を持てば、食糧が得られ、繁殖行為を営んで死んでいく。それをくりかえすところに世界があるとする考え方がある。

日本の神は成り行きまかせなのである。

神々の起源神話をみても、

1 はじめ天地は混沌としていた
2 その中に大地が現れた
3 その泥の中に
4 葦の芽(生命)が生えてきた

こんな調子で人類の祖先であるイザナギ・イザナミの神々までが自然に生まれ出ている。「光あれ」のように、神々は、偉大な何かが命令して作った(アラセル)わけではなく、「成る神」なのであり、所成神と分類されている。

モンスーン地域は気候が、穏やかで自然に対して、受動的に生きることができ、厳しい環境である砂漠から生まれた宗教とは性質が異なるのだと著者は述べている。

■インドのタミル語との共通点

だが、仏教の伝来によって日本の宗教は大きく変化する。そもそも古来の神は岩や山それ自体がご神体であったらしい。建築としての神社は意外にも歴史が浅く、仏教の寺院をみならって建てられた可能性が高いという。

本地垂迹、廃仏毀釈など日本の神々は時代の移り変わりに翻弄されてきた。あるときは仏教の神々と同じだとして習合されたり、あるときは別物だとして分離されたりの複雑な経緯がある。そうした事情を丁寧にこの本は紐解いて、日本のカミの原型を追究していく。
そして言語学の分野で突き当たるのがインドのタミル語と日本語の多数の共通点。神、祭る、祓う、祈む、米、粟、餅、苗、畑、田んぼ、畦、モノ、コト、アハレ、などの古語の500語以上がタミル語にも同様の概念を持つ同音語がみつかったという。これを根拠に著者は、日本の神々はインドのタミル語族の神に源流を持つはずだと主張する。

日本語=タミル語語言説が真実かどうかはよくわからないが、カミの語源や概念の源流をたどる研究は、大変興味深い。薄めの本だが丁寧な論説と明確な主張があって勉強になる一冊。

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ERobertSabuda.com: Pop-Up Books
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・発想法―創造性開発のために
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初版は1967年。読まれ続けて第80版を数える発想法の古典。この本に登場する当時の最新テクノロジーは”ゼロックス”(コピー機)である。データ整理にはパンチカードをうまく使えとも書かれている。隔世の感があるが、発想法の核となる思想はまだ読み応えがある。

KJ法の考案者である著者 川喜田 二郎氏は、科学を書斎科学、実験科学、野外科学の3つに大別した。文献と推論に依存する書斎科学、実験室での検証に重きをおく実験科学に対して、現場や現実を観察するのが野外科学である。この場合の野外とは、場所が屋内、屋外に関わりなく、ものごとが起きている現場を扱っているという意味だ。社会問題やビジネスの課題を解くプロセスも多くは野外科学の範囲となる。

野外科学の方法論として、問題提起→内部探検(頭の中)→外部探検(情報集め)→観察→記録→分類→統合というプロセスを著者は提唱している。問題提起と頭の中でのまとめが終わったら、フィールドへでての野外観察による情報集めが始まる。野外観察とは現地調査であったり、インタビューであったり、アンケート調査であったりする。

野外観察の4条件として、集める情報には、

(1)とき、(2)ところ、(3)出所、(4)採集者

という項目をつけることを徹底せよという。

そして発想法の古典KJ法に集めた情報を持ち込む。

KJ法に必要なもの

1 黒鉛筆とサインペン
2 赤・青などの色鉛筆
3 クリップ多数
4 ゴム輪を多数
5 名刺大の紙片多数
6 図解用の半紙大の白紙
7 文書を書くための原稿用紙
8 紙を広げる場所

KJ法に必要な正式用具がわかったのは収穫だった。集めた情報を紙片に書き出す。意味を圧縮してほどほどの大きさの意味単位に分割する。量的には約2時間のブレインストーミングで紙片数十枚から百数十枚を書き出せという。

次にグループ化。「この紙きれとあの紙きれの内容は同じだ」「非常に近いな」と親近感を覚える紙きれを一箇所に集めていく。5枚程度の小チームを編成して中チームをつくり、同様にして大チームをつくる。チームの次元をわかりやすくするために赤や青で色分けする。小チームはクリップで、中・大チームは輪ゴムで束ねるのがよい。

1 離れ小島は無理にまとめずおいておく
2 小チームから大チームをつくる、逆はだめ

がコツ。

複雑すぎず、相互に親近感を持ちながら、ある程度質的に異なるグループは、独創的解釈を引き出す鍵になる。このようなアイデアの基点となるグループは「基本的発想データ群」でありBAD(ベーシック・アブダクティブ・データ)とも呼ばれる。

図解化、文章化にあたっては、最初にとっかかりとなるBADをみつけ、そこから隣接するグループへとつなげていくのが正しいそうである。離れた島へ飛んで図解化や文章化を行うと全体の関係の説明が破綻しやすいということのようだ。

KJ法で難しいのはグループ化の後のプロセスであると思う。A型とB型、そして複合型のAB型、BA型がある。

KJ法A型 グループ編成した材料を図解化する
KJ法B型 グループ編成した材料を文章化する
KJ法AB型 図解化したものを文章化する
KJ法BA型 文章化したものを図解化する

図解化と文章化の長所、短所を次のようにまとめている点がとても参考になったのでそのまま引用してみる。


まず文章化は図解のもっている弱点を修正する力をもっている。もっと平たくいえば、その誤りを見破って、発見し、かつ修正の道を暗示する力をもっている。これが一つの経験的に重要な点である。図解と文章化とを対比してみると、図解の長所は、瞬時に多くのものごとのあいだの関係が同時的にわかることである。この長所は文章とか会話にはない。しかし他面、図解のなかのものごとのあいだの関係は、「関係がある」ことはわかっても、その関係の鎖のメカニズム(たとえば因果関係)、性質、強さなどは、かならずしもあきらかではない。もちろんこれらの関係のメカニズム、性質、強さなども、わかってからあとでは図解上に表現することはできる。それにもかかわらず図解化という手続きは、それを鮮明にあきらかにするためには最適の方法ではない。すくなくとも文章などに劣るのである

それでは一方的に、文章化の方が図解化よりもものごとの関係認知の方法としてすぐれているかといえば、けっしてそうではない。文章化は今のべた点で図解化にまさるかわりに、ものごとを前から後へと鎖状にしか関係づけられないのである。

日本人は理論よりも、日常体験を重視するので、現場の事実や声に密着したところからスタートするKJ法が向いているが、根気のいる組み立て作業である文章化では日本人は不利になるだろう、と国民性と発想法の適性まで分析されている。確かに日本人は雰囲気を把握するのは得意だが、論理的にそれを説明する能力は不得意である気がする。

発想法の古典を読み返して意外な発見もあった。KJ法というのは、そのスタイルから純粋に帰納法的方法論であると思っていたが、当初からアブダクションの要素を強く織り込んだものであったということ。そしてアブダクションは職人芸であるがゆえに、できる人はできるが、できない人が大半という事実が、古典KJ法の限界だったのではないかと感じた。

KJ法は改良が重ねられ、コンピュータも利用できる時代になった。今も有効な手法だとは思うが、グループ化後の解釈プロセスは依然、「才能のある○○さんだからできる」という側面は否定できないように思われる。

そうした人材を組織内につくるための習慣強化技法として、私はこのブログで何度か取り上げているアイデアマラソン法が有効なのではないかと考えている。またIT(ネットワークとデータベース)が、発想を生み出すための人と人、人と情報のセレンディピティを創発するきっかけとなる気がしている。

関連情報の紹介。

・企画がスラスラ湧いてくる アイデアマラソン発想法
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000904.html

・「超」整理法―情報検索と発想の新システム
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003283.html

・「超」時間管理法2005
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002584.html

・創造学のすすめ
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000846.html

・情報検索のスキル―未知の問題をどう解くか
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000616.html

・分かる使える思考法事典―アイディアを生み出し、形にする50の技法
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000725.html

・それは「情報」ではない
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000510.html

・デスクトップ発想支援ツール
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000139.html

・文書アウトライン作成支援ツール iEdit
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000317.html

・理想のアウトラインプロセッサを求めて
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000360.html

・現場調査の知的生産法
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001804.html

・「挫折しない整理」の極意
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001794.html

・知識経営のすすめ―ナレッジマネジメントとその時代
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001734.html

・共視論―母子像の心理学
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蛍、シャボン玉、花火、傘の穴などを共に眺める母子。この共に眺める行為を「共視」と名づけて、日本文化の中に、その独特の意味を見出そうとする共同研究プロジェクトの8本の論文集。

著者らは浮世絵の母子像数百枚を調査し、その構図によって「密着」「接触・共視」「分離・共視」「対面」「平行・支持」「無関係」「その他」に分類した。すると共視の出現率が3割以上、平行・支持を含めると半数を超える母子像に「共に眺める」要素が含まれていることが判明する。この率が5%の西洋画に比べてとても高い。

発達心理学では二人が肩を並べてひとつの対象を眺めることをジョイント・アテンション(共同注視、共同注意)と呼び、幼児が他者の意図や心的状態を読み取り始める発達上の一大ターニングポイントとみなしている。「子は母の視線を追い、母の見ている対象を共に見ながら母の発語を聞く。逆に母もこの視線を追い、子の見ているモノを共に眺める。このような共同の前言語的行為のなかで得られた形や関係性が言語活動へ展開するのである。」。

心理学では共同注意は、他者が考えていることを想像する過程「心の理論」の一部としてとらえられている。私とモノの二項関係から、社会的に共有される象徴を介した三項関係への発展である。指している指ではなく、指している先の対象に気がつくことは、人間以外の動物には稀で、それには相手も自分と同じような心を持っていることを認識する必要があるとされる。

日本人は特に、共視という構図が伝統的に好きなようだ。二者が同じものを眺める構図は大衆のニードにこたえて浮世絵に多数作られてきた。この母子の在り方は単なる絵の構図ではなく、日本人の親子関係、養育関係、コミュニケーションの特徴をあらわしているのではないかと著者らは多様な分析と仮説を提示している。

たとえば指さしの行為は子が指差したモノのラベル(名前)を親が教える語彙獲得という側面とは別に、子が「アー」といえば親も「アー」と返す感情共有のコミュニケーションという側面が大切に考えられていること。

タテ社会における特徴的な視線としての「共視」を分析した研究者もいる。共に視るパートナーは多くがウチの人間である。ヨソの人間ではない。共視の関係は、タテ社会における”同じものをみたら同じように考える”と言う集団の幻想があってはじめて成り立つ。自己は他者や周りの物事とのつながりの中で存在するという日本流の「相互協調(依存)的価値観」と共視には深い関係があるという。

母子像が共に視るモノは蛍、シャボン玉、花火、傘の穴などのはかないモノが多いという分析も興味深かった。親と子の蜜月関係がいまだけのものであり、いずれは子は育って独立した存在になる。親もいつまでも同じ役割関係だけでは生きられない。

そして、浮世絵の母子像のほとんどの子は男の子である。絵師たちは、江戸時代に春画が禁止されたため、男女の絡みを直接的には描けなくなった。そこで男性の代役として男の子を魅惑的な若い母親の女性に抱かせることで、浮世絵を見る男性たちの欲求を満足させようとした側面があるらしい。男女関係もまた、移ろいやすくはかないものである。

共視する母子像の美しさはそうした愛の一瞬の美しさを切り取ったものだから、そうしたうつろう存在が好きな日本人に長く愛されてきたものであるようだ。絵にあらわれる視線を分析することで、これだけたくさんの意味を見出せるというのが面白かった。美術館で絵を鑑賞するときの参考にもなる。

・YamiPod
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iTunesにはない機能満載のiPod管理フリーソフト。インストール不要で軽快動作、iPod接続は自動認識する。unicode対応なので日本語の情報も問題なく表示される。iTunesが重いと感じる人は乗り換え候補にもなる。

iTuneと同様の基本機能に加えて、以下のような特徴がある。

・iPodの楽曲をPCへコピーする
iPodの楽曲をPCの任意のフォルダへダウンロードすることができる。バックアップに便利。

・歌詞をWebからダウンロードして表示する(一部洋楽に限る)
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Web上の歌詞データベースへアクセスして歌詞を取得する。

・歌詞情報の管理
歌詞データはユーザが入力して管理することもできる。

・重複楽曲の削除
重複楽曲を削除する。

・プレイリストのHTML化機能
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プレイリストをHTMLやテキストファイルに書き出すことができる。出力する項目や順番はユーザが設定することができる。

さて、上記のスクリーンショットでサンプルとして表示しているボン・ジョヴィが今の私のお気に入り。大ヒットのHave a Nice Dayだけでなく全曲、いかにもBon Joviらしい感じだから、Bon Joviを聴きたい人にはとてもいい。朝の通勤で聴いて気合いれてます。

・ハヴ・ア・ナイス・デイ(初回限定盤DVD付)
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初回限定版はライブとインタビューを収録したDVD付。

・オンスクリーンボリュームビューア
http://61.213.197.199/~valgus/freesoft/onscrvol.html
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テレビの音量表示と同様の操作感覚で、パソコンの音量を変更できるソフト。


音量やミュートの変化を捉え、その変更されたコントロールの状態を
リアルタイムで表示します。

一定時間が経過すると自動的に消えます。

ホットキー/ホイールにより音量変更を行う場合は、
音量切り替えのステップと音量変更の加速を指定できます。

簡単に言えば、小さな音量はきめ細かく、大きな音量は大雑把に
音感に合わせて音量を変更できるというわけです。

Windowsのボリュームコントロールは、呼び出しにくい。会社で大きな音を出してしまったときなど、ボリュームを急いで変更したいときに、音量調節のアイコンを探すのが面倒だ。

このソフトは音量調節を任意のホットキーに割り当てることができる。そして現在の音量をテレビのような横型バー表示で可視化する。

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・日本トンデモ祭―珍祭・奇祭きてれつガイド
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興味があれば強くオススメできる一冊。

日本には1日に1000個、1年に30万個の祭りがあるといわれている。

著者が実際に取材した奇祭が約50個も写真と体験談入りで紹介されている。開催場所や日時も記載されているので、実際に見に行く際のガイドとしても参考になる。

とにかくユニークな凄い内容で圧倒される。

・ひょっとこが巨大な男根で踊りまくる祭り
・男が女をつねり放題、たたき放題の祭り
・男根に女の子を乗せてゆっさゆさの祭り
・暗闇の中でお尻を触る祭り
・天狗とお多福がセックスショウをする祭り
・ひげを撫でながら酒を飲む祭り
・神輿を破壊するバイオレンスな祭り
・幽霊がズンドコ節を踊る祭り

性の祭り、笑の祭り、暴の祭り、変の祭り、獣の祭りの5つに分類されている。特に充実しているのが性の祭りである。祭りというのは現代の普通の祭りでも、なにかエロティックな要素があるが、ここに取り上げられるのは性を濃密に圧縮してしまった祭りばかり。きわどい。

たとえばかなまら祭り。

・かなまら祭り - Google イメージ検索
http://images.google.co.jp/images?sourceid=navclient-menuext&ie=UTF-8&q=%E3%81%8B%E3%81%AA%E3%81%BE%E3%82%89%E7%A5%AD%E3%82%8A&sa=N&tab=wi

画像検索しただけでもかなりユニークであることがわかる。

日本の古い寺社の御神体には男性器や女性器の形のものが多いと言われる。祭りの多くが古い形では乱交を伴ったと言われる。「明治時代、日本政府は「盆踊り禁止令」というのを出している。これは、当時は盆踊りというのは要するに「乱交」を意味し、それがあまりに目に余ったので、明治政府が風紀を引き締めるために禁止にまわったのだ。」と著者。

まあ、とにかく、トンデモなく面白い一冊なので、民俗好き、祭り好きなら買って損はない。著者のサイトも情報が充実している。

・杉岡幸徳のページ〜奇祭評論家・エッセイスト
http://www.sugikoto.com/index.htm

ちなみに私が所属する地元町内会の祭りも結構変である。ギネス認定の世界一大きい金魚すくいを売り物にしている。毎年、これを見るのが楽しみなのだが、この著者は取材に来てくれないかな。

・藤沢銀座土曜会どっと混む〜世界一大きい金魚すくい
http://www.doyokai.com/event/2005/
2002年 100.8メートル(2003年7月ギネス認定)
金魚:60,000匹/メダカ:15,000匹/水槽内水量:15トン

・図説 日本のマスメディア
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とてもよく書かれた本である。実用書として5段階評価なら5つ星。

企画提案や調査の仕事にすぐ使える最新データが満載で、動向を把握するための丁寧な解説がつけられている。図表とグラフが多数収録されていて出典も明らか。この一冊を手元においておけば、ネット検索するよりも、メディア関連の大きな数字はすぐみつかる。

全体像を把握するデータだけでなく、「切り口」を持った統計調査の引用も多い。たとえば、テレビについて面白いデータがあった。(以下、各データの出典についてはこの本を参照ください)

テレビは依然メディアの王様で90%以上の人が視聴しており、一番「役に立つメディア」として筆頭にあがっている。1日の平均接触時間は3時間を超える。この5年間の変化では「くつろいで楽しめる番組」を期待する人よりも、「世の中の出来事や動きを伝える番組」を求める人の割合が多くなり、報道と娯楽の逆転、もしくは娯楽のなかにも情報を求める融合現象が起きている。

視聴スタイルの変化がある。「テレビは一人だけで見たい」という視聴者は1985年の32%から05年は39%に増加、「実際、一人で見ることが多い」は90年の36%から05年の42%に増加している。

「テレビ番組は自分で選ぶか」には「自分で選ぶことが多い」が増加傾向であり、家庭内で「チャンネル権」を争う場面は減っているようだ。背景には家族人数の減少、テレビの複数台所有(半数の世帯が3台以上を保有)などがあると推測される。

実態としてはまだ他の人と見ることが多いが、その差は縮まってきており、テレビは家族そろって見るものから自分の好きな番組を一人で見るものになりつつある。

ながら視聴の割合のメディア別比較も興味深い。テレビ38%、ラジオ71%、新聞52%、雑誌・マンガ43%、本33%、CD・テープ60%。テレビはつけたままにしておき、気になったときだけ目を向ける人が6割。

私はテレビをつけながら、MP3を聞きながら、ネットサーフィンをするというのが常態なのだが、3種以上のメディアに同時接触する超ながら率なども今後は調査してみたら面白いかもしれない。

この本は新聞、放送、出版、広告、映画、音楽、インターネット・携帯電話の7章で構成されている。各章をそれぞれの専門家が担当執筆している。全体の監修も的確で、日本のメディアの各論から、総論が浮かび上がってくる。2000年に出版された第一版に音楽、インターネット・携帯電話の項目を付加した上で2005年度秋に抜本的に改訂した内容なので、フレッシュな情報が多い。

ちらっと関心のある項目を読んでおくだけでも仲間内で「メディア通」を気取れる。

・出版社は4300社くらいあるんだよ
・100万部以上の雑誌のトップ10のうち9誌はコミック雑誌なんですよ
・発行部数 読売新聞1007万部、朝日新聞827万部、毎日新聞400万部、日経新聞302万部
・04年の書籍の新刊点数7万7千点、発行部数13億冊、雑誌44億冊、出版は2.4兆円市場
・インターネット広告費はラジオの広告費を上回り04年に1814億円
・年間映画観客数1,6億人、03年で国民一人当たり年に1.28回。全盛期の58年は12.3回。
・カラオケ参加人口は4780万人で横ばい
・新聞を一面から読む人49.5%、最終面から読む人31.2%、決まってない13.2%
・04年の書店の数は17716、出店数370に対して閉店数1114、小規模書店減少の一途

こうした何千ものデータから動向を把握する見方を与えてくれるので、読み物としても十分楽しかった。

・一瞬で信じこませる話術コールドリーディング
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占い師の「人の心を読む」話術を暴露し、営業や日常生活への応用をたくらむ本。

■バーナム効果、ストックスピール

まずは、ほとんどの人がそうだと思えるセンテンスを多数用意する。これをストックスピールと著者は呼んでいる。

バーナム効果、フォーラー効果と呼ばれる心理学の実験では以下のようなセンテンスが使われる。


外向的で愛想がよく、付き合いがいいときもある半面、内向的で用心深く、ひきこもってしまうこともある

外見は自信があるように見えるけれども、心の中はくよくよしたり不安になってしまう面がある

これが自分に該当しているかを問うと、被験者は5ポイント中、4.3ポイントという高い率でYESと答える。

著者のサンプルでは、


あなたは自分に対して厳しすぎることがある

あなたはどんなに頑張っても本当の悪人にはなれない人です

あなたのこれまでの人生はもらうよりも与えることの方が多かったですよね

のようなものが例示される。

我の強いMeタイプと協調性重視のWeタイプの2種類に大別し、それぞれにヒット率の高いストックスピールやそれを誘導する質問群を用意しておくのが秘訣らしい。

■当たったことが強く印象に残るセレクティブメモリ効果

傑作だと思うのは「あの、あなた左利きじゃないですよね?」という質問。これを会う人、会う人に投げかけてみる。これは一種の賭けであるが、失敗のリスクは小さい。

もし相手が右利きなら「そうですよね」「どうしてですか?」「いや、ここのところ、会う人が自然とみんな左利きだったんですよ。まさか今日は違うよなと思って」などとやり過ごせばいいという。結局、人は当てたときのことが強く印象に残るセレクティブメモリのおかげで、はずれたことは無難にやりすごせれば、印象に残らない。

もしも本当に左利きだったら「え、なんでわかるんですか!」と信じ込ませるための第一歩を踏み出すことができる。

相手から間接的に答えを誘導する質問や、当たったことになる予言、「あなたは普通の人よりも....」という人が信じたがる言葉のテンプレートがこの本にはいっぱい紹介されている。営業やコンサルに応用できるかもしれない。

ただ、この手の話術は詐術に近いこともあって、この技術だけでは信頼されない気がする。信頼のベースがあって、より一層満足度を高めたり、顧客を安心させるために、こうした小手先のテクニックを駆使して、お化粧するというのが正しい使い方である気がした。

愛読ブログの俺100にも紹介されていた。

・[俺100]:幻のセミナーの音声ファイルをスペシャルプレゼント :なぜ、占い師は信用されるのか? 「コールドリーディング」のすべて石井裕之著
http://blog.zikokeihatu.com/archives/000822.html
著者はテレビで活躍中らしい。
・[俺100]:一瞬で信じこませる話術コールドリーディング
http://blog.zikokeihatu.com/archives/000684.html

以下、「話術」関連書評。

・「心理テスト」はウソでした。 受けたみんなが馬鹿を見た
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003417.html

・人を10分ひきつける話す力
hhttp://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003857.html

・ワルに学ぶ「実戦心理術」
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003180.html

・NYPD No.1ネゴシエーター最強の交渉術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003031.html

・トップに売り込む最強交渉術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000324.html

・心の動きが手にとるようにわかるNLP理論
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000609.html

・「できる人」の話し方、その見逃せない法則
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000445.html

・悪の対話術
hthttp://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002109.html

・ハーバード流「話す力」の伸ばし方!―仕事で120%の成果を出す最強の会話術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000228.html

・パワープレイ―気づかれずに相手を操る悪魔の心理術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000150.html

・ソリューション・セリング―賢い売り手になるための10の戦略
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000145.html

・外見だけで「品よく」見せる技術 ファッション、しぐさ、話し方
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003381.html

・話し方の技術が面白いほど身につく本
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001029.html

・人生を変える黄金のスピーチ〈上〉準備編―自信と勇気、魅力を引き出す「話し方」の極意
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001456.html

・人生を変える黄金のスピーチ〈下〉実践編―自信と勇気、魅力を引き出す「話し方」の極意
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002404.html