2007年4月アーカイブ

若き数学者への手紙

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・若き数学者への手紙
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偉大な数学者が、数学に興味を持った親友の娘「メグ」にあてて書いた21通の手紙。メグは一通目では高校生だが、数学者のアドバイスに従い、数学を専攻して大学、大学院へ進み、研究者となり、21通目では教授の終身職に就く。数学者で科学読み物の名手イアン・スチュアートいよるフィクション。

数学の世界の面白さ、広がりと深さ、才能の磨き方、数学者という職業について、研究者や教授としてうまくやっていくには、など、数学を専門とする人生への総合的な指南書。数学者の半生の疑似体験ができる。

数学の普遍性についての哲学語りが勉強になる。

「人間の数学は人間が自覚しているよりずっと密接に、人間固有の生理学や、経験や、心理的な思考に結びついている。あくまで局地的なものであって、普遍的ではないんだ。幾何学で扱う点や線は、物の形に関する理論の、ごく自然な基盤に見えるかもしれない。しかし点や線は、人間の視覚システムがこの世界を分析するときの端にでもある。異星人の頭脳は、形ではなく、匂いや、引き起こされる困惑の度合いなどを基本に世界を知覚するのかもしれない。それに、1,2,3といった離散数は、わたしたちには普遍的に感じられるとしても、元をたどれば、たとえば羊のように似たものを集めてそれを財産と考える人間の傾向から生まれたものなんだ。」

私達は恐らく手指がたまたま10本あるから、10進数を使っている。12本だったら12進数を一般的に使っていたのだろう。高次元や量子論などのプロの数学者が取り組む高度な問題は、想像力で人間固有の数学から一旦離陸しないと理解できない。

「微分方程式にしろ時計にしろ、これらは道具であって、答ではない。これらの道具は、もともとの問題をより一般的な状況に埋め込んで、物事の流れを理解するためのより一般的な方法を導き出すことによって、機能している。こうして一般化されたことによって、これらの道具が別の場面でも使える可能性は高くなる。だから、理屈に合わないほど有効に見えるんだ。」

数学だけでなく、多くの学問に共通しそうな、教育のコツが次のように語られている。

「数学は(概念的な意味で)手順を物に変えて進んできた。たとえば「数」は、物を数える手順から始まった。片手の指を(親指も含めて)折っていくと、「一、二、三、四、五」となって五という数に到達する。しかし、そこからさらに先に進むには、ある時点で数えるのをやめて、五それ自体を物と考えなくてはならない。」

「トールは、このような手順(プロセス)を伴った概念(コンセプト)のことを「プロセプト」と呼んでいる。プロセプトというのは、場合によっては手順と見られるし、場合によっては概念、つまり物としても見ることができる便利な物だ。この二つの観点を楽々と切り替えるのが、数学のコツなんだ。」

あらゆる知識は答えではなく、道具なのだと知るということが、数学に限らず、多くの学習の極意なのかもしれないと思った。


・数学と論理をめぐる不思議な冒険
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004631.html

・なぜ数学が「得意な人」と「苦手な人」がいるのか
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003518.html

・数学的思考法―説明力を鍛えるヒント
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003395.html

カメラの雑学図鑑

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・カメラの雑学図鑑
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ニコン退職後、大学で写真を教えている著者によるカメラの雑学本。

35ミリフィルムの1枚に2コマを撮るから、36枚撮りで72枚撮れる「ハーフカメラ」。全盛期にはカメラの出荷台数の半数を占める人気機種であったと聞く。代表格のオリンパスPENを私はちょうど中古オークションで探しているところである。

ハーフカメラは、フィルム送りの方向に横長の35ミリフィルムを1コマを横に分割し縦長の2コマが作られる。だから写真のタテヨコが逆になる。横長に普通に写そうと思ったらカメラを縦にして写さないといけない。だから、ハーフカメラの写真には縦位置のものがおおかったそうだ。おもしろそうでますます欲しくなった。

・しゃべるカメラ「トークマン」
・ラジオ付きカメラ「ラメラ」
・写真に手書き文字を書く「フォトレコーザー」
・シャッターボタンが2つあって自分撮りができる「シルヴィF2.8」

など、ユニークな特徴のある珍しいカメラが次々に紹介される。

フィルムもいろいろあった。35ミリフィルムとAPSフィルムが普通のフィルムである。「110フィルム(1970年代)」「ブローニー(本来はプロの中判カメラ用)」はトイカメラで私もときどき使うので知っていた。見たことはないが、「スパイカメラ」用ミノックスのフィルムや126判(1960年代)というのがあるのも知っていた。

まったく知らなかったのがディスクフィルム。1982年にコダックが開発し、カメラメーカーがこのフィルム用カメラを発売したが不発に終わった失敗フォーマット。直径65ミリの円盤外周に15コマのフィルムが配置されている。これは一度も見たことがない。フィルムは失敗したが、このフィルム用の新型レンズや電池の開発は最新のカメラにも活かされているそうだ。

かつて高級フィルムカメラは一生モノとして売られた。機能は成熟しているので、、フィルムが流通している限りは、使うことができる。電子部品が少ないので修理も比較的容易だ。希少な機種はプレミアがついて数十年後でも高値で取引される。これに対してデジカメの寿命は、長くて5年くらいである。年々、高機能の新機種が発売されて、目立って型落ちしていくから使用価値もゼロになってしまう。モノとしての価値はフィルムカメラが優っている。

オークションの状況を見ていると、その傾向が顕著だ。デジカメの価値の低下スピードはフィルムの何倍も速い。10年前に200万円のモデルが2万円程度で売られていることもある。デジタル分野でも、1000万画素を超えたデジカメ、何万曲を持ち歩けるMP3プレイヤーなど機能が成熟期に入った分野もある。そろそろ一生モノのデジタル製品というマーケティングもありなのかもしれないと思った。

・光の神話 心の扉を開くピンホール・アートフォト
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スピリチュアル系の本を冷やかな疑いの眼差しで見ている私であるが、この写真集にはうっかり癒されてしまった。ピンホールカメラで写真を撮すという行為をセラピー療法として売り出した女性カメラマンによるアートフォト。撮影技法の解説やセラピーのガイドもある。

ピンホールカメラにはレンズがないから、本来はピントという概念がない。普通の写真と比べたら、シャープに撮れたものでもかなりピンボケの部類に入る。光の反射や現像処理の手違いで意外な光の効果が出たりもする。撮りたいようには撮れないのである。だから、偶然の効果で得られたピンボケ写像が自分の心の反映みたいに思えることがある。

「しかし、「撮りたい」という「思い」で写真を撮ること自体が主体的な行為なのです。その上、アングルを見ることができないということは、結果が予測できないため、一枚撮るのに通常のカメラに比べてはるかに勇気がいります。それによって予想できないことに対して自分を信じて思い切って行動する「チャレンジ」を楽しみながら学べます。」

著者は、プロのカメラマンからピンホールフォトのセラピストへ転身した人なので、ポラロイドだがいい写真ばかりだ。くっきりとは写さず、わざとぶらしたりして、抽象的な絵を撮っている。ポラロイドフィルムならではの色合いと粒子の粗さもいいなと思った。

心象風景みたいなピンホール写真で独特なものを私も撮れないかなと思って方法を考えた。使ったのは例のソニプラ入手のピンホールカメラ

まず絵を抽象化するためにフィルムはモノクロでいくことにした。本来は真黒なモノクロが好きなのだが、独創性を狙って逆に真っ白なピンホール写真ってどうだろうかと考えた。敢えて露光過多にしてみよう。そこで、フィルム売り場へ行ってとんでもない高感度のフィルムを探したところ、あった。ISO 3200のモノクロフィルムがあるのだ。

・ILFORD 3200 DELTA
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そして屋外、晴天で露光時間10秒から20秒で撮影してきた。30秒にしたコマもある。このピンホールのスペックが不明だが、適正露出は1秒以下だろう。100分の1以下かもしれない。普通に考えたら真っ白になる。だが現像ラボは粘ってくれるかもしれないと期待。どうなるんだ、いったい。

普通の街のDPEに出したところ、モノクロはラボ送りになるので3日位待ってとのこと。ところが、数時間後に電話がかかってきた。「これは感度がいくつですか?」。「3200です」と答えたら「ちょっとお渡しまでにお時間かかります」との答え。一週間後に受け取りに行ったら、やはり妙なことになっていた。「コマずれがある上に全部真っ白で何か写っているように現像するのが大変でした」とのこと。

フィルムを普通に切れないのでネガは変な返却容器に入っていた。いやあ、困らせて悪いことをしたと一瞬反省、でも相手はプロだから気にしないでもいいか。受付の人も興味がありそうな眼をしていたので「理科の実験みたいなものです」と答えておいた。

できてきたのはこんな感じ。超高感度のざらつきとかろうじて結んだ像。カメラの歴史の始まりのダゲレオタイプ写真みたいである。独特なのは間違いないが、何が映っているのか、よくわからない。心象風景っぽい、かな(笑)。









さて次はどんな実験をしようか。

・WORLD of PINHOLE
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004933.html

・ピンホールカメラ
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004930.html

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タグ検索エンジンのTaggyはご存知ですか。YouTube、はてなブックマーク、Flickr、ブログなどで、情報整理のために付けられるタグを横断検索する便利な検索エンジンです。みんなの付けた分類名で、ブログ、画像、動画、ニュースなどを検索し、一覧表示できるのが魅力です。名詞のタグだけでなく、”これはすごい””かわいい””これはひどい”などのタグで検索すると、感性検索として使えたりします。

TaggyはAPIをプログラマ向けに公開していますが、このたび、これを利用したユニークなサービスの開発コンテストを開催します。Taggy Mash Up Contest 2007。私は審査員のひとりとして運営に関わっています。

・Taggy Mash Up Contest 2007
http://taggy.jp/mashup/index.html
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Taggy自体が多数のサイトの情報を組み合わせた”マッシュアップ”サイトだとも言えますが、さらに組み合わせて使うことで、究極のマッシュアップ作品が誕生するのではないかと期待しています。

大賞賞金は30万円。プログラムの腕に自信がある人、アイデアがある人のたくさんのご応募をお待ちしております。詳細は公式サイトをご覧ください。


■開催趣旨

インターネットユーザーの賢い情報収集をサポートするため、CGMサイト上に散在している有用な情報をクロスメディアで集約したTAGGYのデータベースを開放し、マッシュアップを通じてネット上にフィードバックすることを目的として開催します。

■募集内容

TAGGYが提供する「TAGGY Search API」と他社APIとをマッシュアップした独創性あふれるオリジナルWEBサービスを募集します。

■提供リソース

「TAGGY Search API」は動画、ニュース、画像、ブログ、ブックマーク、ポッドキャストの6メディアのタグ検索に対応しています。「TAGGY Search API」を通じてタグを指定すると、そのタグを含む情報を複数のCGMサイトから横断的に検索し、結果を最新100件までJSONP形式で取得することができます。(JSONP形式について詳しくはこちら)
JSONP形式のAPIは、TAGGYのブログパーツでもすでに採用されていますので、データ取得のイメージはこちらからご確認ください。

■開催期間

開始日時:2007年4月26日(木) 10:00(日本時間)
終了日時:2007年6月30日(土) 24:00(日本時間)

■結果発表

8月初旬、TAGGYサイト上にて発表を予定しています。

■審査基準

斬新なアイディアによる独創性と、ユーザーベネフィットを考慮した実用性、またそれらを実現するための先進的テクノロジー。この3つの観点から総合的に審査を行います。

■賞金

審査基準に基づきWEBサービスとして秀逸と認められた作品には賞金が授与されます。
グランプリ(1点)30万円
準グランプリ(1点)10万円

■審査員
後藤 康成(株式会社ネットエイジ 取締役)
橋本 大也(データセクション株式会社 代表取締役)
石上 裕(株式会社TAGGY 代表取締役社長)

■詳細はこちらへ

・Taggy Mash Up Contest 2007
http://taggy.jp/mashup/index.html

・中世日本の予言書 <未来記>を読む
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中世の日本では政治や社会の大きな変化があると、人々は、ずっと昔にそのことを予言していたという「未来記」のことを話題にしたそうだ。この本では「野馬台詩」と聖徳太子が書いたと言われる「聖徳太子未来記」の二つの未来記を読み解き、中世の日本に果たしたその役割を指摘する。

こうした未来記の多くは予言であるにも関わらず、事件が起きた後になって”発掘”されていることが多い。あの事件を予言していた昔の文書が見つかったという風にでてくる。内容は、世の中の荒廃に嫌気がさして神仏が日本を見捨てて去っていき、社会が崩壊するという末法思想である。空から猿が飛来し、黒鼠が牛腸を食らうという象徴的な記述に満ちている。ノストラダムスの大予言みたいである。

未来記は由緒が怪しいし、記述にも矛盾が多く、偽書に分類される。特に近世にはいってからは本気で信じる者が少なく、パロディとして扱われていた。歴史学者はまともな研究対象として見てこなかった。

著者は未来記が発見された中世の当時には、偽書として切り捨ててはならないくらい、大きな影響力を持つ文書だったろう、と再評価している。朝廷が菅原道真の怨霊を本気で信じて政治の意思決定を行ったような時代である。少なくない人々が、予言書の内容に影響を受けていたはずだとして、当時の世情を解説する。民衆だけでなく、後白河院も未来記の一つに魅了されていたという事実も紹介されている。

そこには十分なリアリティがあったのである。そして、現在の状況への批判の姿勢がある。

「もちろん利権や私利私欲をねらって捏造した場合もあるだろう。しかし、時代を動かし、難局を乗り越え、ひたすら世の中や人々の救済を指向し、あらたな未来に挑戦しようとする強い意志がそこには横溢するのではないか。名もない人たちの、未来記に託した想いが凝縮されているともいえよう。」

未来記は、混迷する世の中への問題提起として、当時の誰かが書いた怪文書ということのようだ。怪文書はそれが出てきたコンテクストと突き合わせて読み解くことで、時代状況を知るための有意義なテクストにもなる。中世から近世まで、日本人がどんなフィクションにリアリティを感じてきたかの歴史学として面白く読めた。

硝子戸の中

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・硝子戸の中
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夏目漱石が1915年1月13日から2月23日まで新聞連載したエッセイ36本。

「硝子戸の中から外を見渡すと、霜徐をした芭蕉だの、赤い実の梅もどきの枝だの、無遠慮に直立した電信柱だのがすぐ眼に着くが、その他にこれといって数え立てるほどのものは殆ど視線に入って来ない。書斎にいる私の眼界は極めて単調でそうしてまた極めて狭いのである。」

この時期、漱石は持病の胃腸病に悩まされて、自宅療養生活を送っている。「自分以外にあまり関係のない詰らぬ」事を書くと断って、日々の生活や追憶を短く綴っている。当時すでに文豪としての地位を確立していた漱石だが、このエッセイ集では意外にナイーブな内面を見せている。

自分が親から疎まれていたのは性格が悪かったからだろう、とつぶやいたり、偏執的な読者から繰り返し送られてくる手紙にほとほと参ってしまったり、あなたの講演は難しかった、わからなかったと言われて、随分落ち込んだりしている。

「今の私は馬鹿で人に騙されるか、あるいは疑り深くて人を容れる事が出来ないか、この両方だけしかない気がする。不安で、不透明で、不愉快に充ちている。もしそれが生涯続くとするならば、人間とはどんなに不幸なものだろう。」

他人の眼をとても気にする人だったのだなと驚く。そんな世間と自分を連載の題名「硝子戸」で隔てた上で、新聞の依頼で書くけどこれは「つまらぬこと」ですよ、という断りまで入れる。何重にも対読者バリアを用意しているわけである。こうしたナイーブな感性が数多くの傑作を書けた理由なのかもしれない。

「ある人が私の家の猫を見て、「これは何代目の猫ですか」と訊いた時、私は何気なく「二代目です」と答えたが、あとで考えると、二代目はもう通り越して、その実三代目になっていた。」という、有名作品を連想させる記述もある。有名作家だからいろいろな人から相談を受けている日常も書かれている。女性の身の上相談に理屈で答えている。カウンセラーとしてはあまりうまくない先生だったみたいだが、物語のネタをそうやって吸収していたのだろう。自分語りが少ないと言われる文豪漱石の、日常と内面がのぞけるのが、このエッセイ集の面白さでもある。

漱石の文体は、エッセイでも、ちゃんと四角いなと感じた。漢字や仮名遣い、接続詞、句読点の打ち方が、なんというか、お手本的である。無駄がない。特に事の顛末を、時系列に、短文を並べて、説明するのがうまいなと思う。

「この小包と前後して、名古屋から茶の缶が届いた。しかし誰が何のために送ったものかその意味は全く解らなかった。私は遠慮なくその茶を飲んでしまった。するとほどなく板越の男から、富士登山の絵を返してくれといってきた。彼からそんなものを貰った覚のない私は、打ち遣って置いた。しかし彼は富士登山の画を返せ返せと三度も四度も催促してやまない。私はついにこの男の精神状態を疑い出した。「大方気違だろう。」私は心の中でこう極めたなり向こうの催促には一切取り合わない事にした。」

という風に数週間を短く圧縮してみる一方で、時間的には一瞬の心理描写を同じくらいの行数で綴ったりする。文章の意味の圧縮率を自在に変えられるから、全体として構成の整った文章になっているように思えた。こういうのを実際に書こうとすると、下手な私は思い入れのある部分が冗長に引き延ばされてしまう。文章のうまさというのは、こういうところでも差が出るのかもしれないなと、文豪の手すさみを読んで思うのであった。

教育力

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・教育力
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冒頭で「教育の根底にあるのはあこがれの伝染である」と著者は結論をいう。いきなり納得して、続きを読みたくなった。

私は中学、高校(退学)と長い間、落ちこぼれだった。それでも入試が難しい大学に入れたのは、近所の小さな私塾の一人の英語教師のおかげだった。そこのT先生は東大でギリシアの方言研究をしていて非常勤講師をする傍らで、恐らくは生計を立てるために、高校生向けの塾を開いていた。

来る日も来る日も、学校の教科書は使わず、古今東西の名文の全文和訳ばかりを生徒にやらせていた。希望者は授業前に黒板に自分の和訳をびっしりと板書しておく。授業ではそれを先生が添削する。キング牧師の「私には夢がある」演説や、シェイクスピアの一節、ジョージ・バーナード・ショーのエッセイなど、歴史に残る名文ばかりが授業の題材であった。今でも内容を覚えている。

私はまず先生に憧れた。日本の最高峰の東京大学でギリシアの方言を教えている。その内容はさっぱり知らないが、まだ見ぬ高尚な世界の奥行きを漠然と感じた。それから歴史的な名文をいきなり自分の手で訳すチャンスに恵まれたことが嬉しかった。偉人になったつもりで全文を訳して添削してもらうことに一喜一憂した。

あれから20年。先生の名前を検索したら、有名大学の学部長の名前がヒットした。経歴からしておそらく同一人物らしい。本当に凄い人だったのだと感心したが、実は先生の実力はどうでもよいのだ。先生と教材に憧れることができたのが、私にとっては最上の教育だったのだと思う。憧れたから与えられたものを盲目的に学ぶことができた。

現代の学校教育は学生が自ら何を学ぶかを細かく選択できる。好みの料理を好きなだけ食べられるビュッフェ形式みたいなものである。数字やカタカナがとっつきにくい物理や世界史は、やりたくなければ、やらないで済む。学生の個性を尊重していくという目的でこういうスタイルになっている。

しかし、それでは偏りが生じてしまう。カタツムリなんか食べる気がしないよ、ということではエスカルゴのうまさは一生分からないで終わる。

「武士の時代であるならば「黙ってやっておけ」で全部済む」「『論語』をなぜやるのか」という質問を許されていない世界であり、「やれ」と言われたらやるしかない。そして人生を過ごすうちに「ああ、やってよかったな」というふうに思えてくる。そういう順序だったわけである。
 だが、いまの社会は、個人の主体性が重んじられるようになっていて、「何でもいいから、とにかくやれ」というのでは、説得力がない。だから教師としては「ただやれ」という強制力だけではなく、むしろそのことに対するあこがれを喚起する力が重要になるのだ。」

そして、その憧れを生み出すのは関係性である。

「個人の才能と、関係の中で生まれてくる力との二つに分けた場合、関係の中で生まれてくる力を一般の人よりはずっと信じているのが、教師としての条件だと思う。
 たとえば、二人一組になってずっと話していたり、ディスカッションしたり、お互いにチェックし合ったりしている中で伸びていく力である。これで両方が伸びていく場合は、その二人にそれぞれ個別に才能があったという言い方もできるけれども、そういう関係性がクリエイティブであったと言った方が当たっているだろう。関係をクリエイティブにできるかどうか、というところに教師の力量が問われるのである。」

学習意欲は内発的だとか外発的だとかいう議論があるが、著者が言うように、関係性が本質だというのが正しそうだ。

この本は人気作家 斉藤孝が、本業の教育者としての視点で真面目に書いていて、とても参考になった。

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・The Photography Book
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古今東西500人の有名写真家の写真を、1枚ずつ500枚集めた写真集。一作に写真家を代表させるというのは難しいと思うのだが、ピンとくる一枚と出会えたら深追いしていくきっかけになる。写真芸術の世界の見通しを作るのによさそうな大判サイズの本。洋書。

それぞれの作品には英語で数行の解説がつけられている。作品を見て解説を読むと1枚当たり、2,3分かかるので、写真集とはいえ読み通すのにはかなりの時間がかかる。毎晩、寝る前に少しずつ味わいながら見ていった。好きな作品に付箋を貼ったら20枚にもなった。

・気になった写真家リスト
Allard William Albert
Burri Rene
Carroll Lewis
Dijkstra Rineke
Erwitt Elliot
Evans Frederick H
Ghirri Luigi
Goldblatt David
Goldin Nan
Gowin Emmet
Groover Jan
Gursky Andreas
Hockney David
Hofer Candida
Knight Nick
Krims Les
Levy & Sons
Lichfield Patrick
McCurry Steve
Parkinson Norman

500人の写真家の個人的なベストを一人挙げるとしたら、エリオット・アーウィットである。ウィットとユーモアに富んだ決定的瞬間を撮り続けている。作品は白黒ばかりだが、強烈な個性があって、アーウィットの作品であることが一目瞭然といっていい。私が利き酒ならぬ利き写真で、かなりの確率で作家を言い当てられる数少ない写真家だ。

私がアーウィットの作品を初めて見たのは、学生時代に聴いたフェアグラウンド・アトラクションというバンドの、アルバム 「The First Kiss of Million kisses」のジャケットだった。バックミラーの中で男女がキスしている印象的な一枚。音楽と同じくらいこの写真が気に入って衝動買いした。それがアーウィットの作品の一部を切り取ったものだと知ったのは数年前のこと。

・Personal Best
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代表作。

エリオット・アーウィットの作品はポートレートでも風景でもない。彼の被写体は物語であり、まさに「情景」という言葉がふさわしい。見るものの感情を動かすドラマチックな場面の連続なのである。

アーウィットの撮影技法について詳しくないが、おそらく一部または多くが作為の演出で作った写真なのではないかと思われる。偶然にスナップしたにしては道具立てや構図が整いすぎている。しかし、その作為は高度に洗練されており、映画のワンシーン以上に背景を物語ってくる。長々と見惚れてしまう。

なお、5月6日まで銀座のシャネル ネクサスホールでエリオット・アーウィットの代表作の無料展覧会が開催されている。ここでは無料でパンフレットと呼ぶにはもったいないくらいの立派な、多数の写真入り冊子が配布されている。この冊子なら1000円でも払うのだが、タダで配るシャネルはえらいえらい、よくやった。

・エリオット・アーウィット写真展
http://www.chanel-ginza.com/nexushall/elliott/

また恵比寿の写真美術館でも5月まで、世界最強の写真家集団マグナム・フォトスの東京写真展が開かれている。エリオット・アーウィットもマグナムの一員であり、こちらでも傑作が展示されていた。どちらもおすすめである。

・”TOKYO” マグナムが撮った東京
http://www.syabi.com/details/magnam.html

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・FlickDown
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Flickrから写真や画像を指定したキーワードで一括ダウンロードするフリーソフト。

タグ、ユーザ名、グループ名、メールアドレスをキーに検索を行う。するとマッチした画像がアプリケーション内に一覧表示される。ダウンロードしたい画像にチェックをいれ、保存フォルダを指定して、ダウンロードボタンをおす。すると、チェックした画像が順番にダウンロードされる。

Flickrは表示が遅いのでいらいらすることがあるが、画像だけをダウンロードしておけば、高速に閲覧ができて便利だ。

グノーシスと古代宇宙論

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・グノーシスと古代宇宙論
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古代の異端思想グノーシスに関する本格的な研究書。

「さて、神なるヌースは男女であり、命にして光であるが、ロゴスによって造物主なるもう一人のヌースを生み出した。彼は火と霊気の神であって、ある七人の支配者(ディオイケーテース)を造りだした。この者たちは感覚で把握される世界を円周によって包んでいて、その支配は運命と呼ばれている。」(古代ヘルメス文書ポイマンドレースより)

グノーシスの宇宙観では、神は二人いる。至高神と造物主である。至高神は宇宙を開闢したあと造物主を生み、目に見える物質界の創造はそれにまかせた。造物主はこの世界や生物をつくり、惑星を司る7人の支配者にその世界を委ねた。これにより神の叡知界→星辰界→地上世界という創造と被造、支配と被支配のヒエラルキーが確立される。

世界の創造は至高神の働きではなく、造物主の手によるものであった。これに対し人間は至高神から直接生まれた神の子であるとされる。もともとは最高レベルの神の叡智界に属していた。しかし、造物主の創造した世界を観察したいという好奇心が原因で、地上へ転落し、物質的身体に閉じ込められ、本来は下位の存在であるはずの造物主や星辰界の支配下におかれてしまった。

だから人間は「不死であり、万物の権威を有しながら、運命に服して死ぬべきものを負っている。こうして組織の上に立つ者でありながらその中の奴隷と化している」という実に不本意な状態にある。人間は再び昇天し至高神と一体になるべきだと考え、造物主や星辰界を敵対視する。この世界も神も偽物であるという世界拒否の姿勢が特徴的だ。

過去にグノーシスに興味を持ち、一般向けの本を何冊も読んだが、そもそも、なぜこのような二重の支配構造、世界拒否が組み込まれているのかが分からなかった。この本では、グノーシス思想の成立したヘレニズム世界の古文書「ポイマンドレース」に現れる宇宙論に注目し、他の古文書との比較研究によってグノーシス思想の本質に迫っていく。

ヘレニズムの文化の中心都市エジプトのアレクサンドリアはグノーシス思想の生まれたころ、ローマ帝国の属州として駐留ローマ軍総督の支配を受けていた。総督のギリシア語官名がディオイケーテースであり、この言葉は星辰の7人の支配者を指す言葉でもあることを著者は指摘する。

グノーシスの宇宙構造を造物主=ローマ皇帝、星辰界の支配者=総督と読み替えれば、不思議な二重構造の意味がはっきりする。当時のヘレニズム都市の政治の構造がそのままグノーシス思想に反映されていることになる。

著者は、多数の古文書を時代背景とともに分析して、グノーシスの本来の姿を丁寧に描き出す。グノーシス思想は、フィクションやオカルトの素材としてよく取りあげられているが、詳細な内容と歴史上の位置づけがこの本を読んでとても明確になった。

・グノーシス―古代キリスト教の“異端思想”
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004060.html

・土門拳の写真撮影入門―入魂のシャッター二十二条
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近代写真のパイオニア 土門拳はリアリズムを徹底的に追求する写真家だ。「絶対非演出の絶対スナップ」を信条に、戦前戦後の貧困にあえぐ市井の人々や、原爆の後遺症に苦しむ広島の人々にファインダーを向けた。写真集「筑豊のこどもたち」「ヒロシマ」がその代表作だ。

「少しでも演出的な作為的なものが加わるならば、その写真がどんなに構成的に、説明的にまとまりを示していようとも、長い時間の、くりかえしでの鑑賞に堪えないものとして、つまり底の浅い、飽きる写真になってしまうのである」

「モチーフを発見した時は、もうシャッターを切っておった、というのでなくては、スナップの醍醐味はない」

「ボケていようがブレていようが、いい写真はいい写真なのである。そんな末梢的な説明描写にスナップの境地はないのである。スナップはスリのようなものだ」

土門は禁欲的な求道者であり、自らの肉体をカメラと一体化させるための訓練に熱心であった。愛用する135ミリレンズの距離感をつかむため、すべてを7フィート(人物の全身が入る距離)で撮影して、百発百中になるフレーミング技術をまず身につけた。

そしてピント合わせは夜の窓からみえるライオン歯磨きの看板を使って修行する。

「ぼくはそのために、ライオン歯磨のラの字を目標にして、カメラ保持、ファインダーのぞき、シャッター切りという一連の操作を一組にしたトレーニングを横位置五百回、縦位置五百回、合計千回ずつを毎日晩御飯の食休みにやった。本当に撮影しているときの気分を出して、毎日千回シャッターを切った。それも二ヶ月ほどで完全にものにできた」

絶対スナップで世に出た土門拳だったが、脂の乗った時期に、二度の脳梗塞の発作で半身不随、車椅子生活を余儀なくされる。スナップ写真家にとって大切なフットワークを失った。しかし不屈の精神力と肉体修行で復活し、今度は大型カメラと弟子を引き連れた「大名行列」の撮影スタイルで、全国の寺社と仏像を撮影し、代表作のシリーズ「古寺巡礼」を撮り続けた。

・古寺巡礼
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古寺巡礼の写真は画面のすべてにピントを合わせるために、極限まで絞った写真である。絞るということはレンズから光が入る穴を小さくするということである。寺社はもともと暗いから、絞り込んだら普通はちゃんと写らない。

弟子が「暗くて撮影になりません」というと「写る、写ると思って写せば写るのだ」と怒鳴り返す土門。「念力で写すのだ」とまでいう。じゃあ、どう撮りますかと聞かれて、F64からF45というとんでもない高い絞り値でやれと命令する。(一般的に普通のカメラの撮影は1.4から16くらいのはず、しかも当時は高感度フィルムはない)。逆らうとゲンコと怒号が飛んでくる。弟子たちは寒い撮影現場で長時間、ガタガタ震えながら、写るかもわからぬ写真を気合いで撮った、撮らされた。

30分という長時間露光で仏像を撮影し、光不足を補うために何十回もあらゆる角度からフラッシュを焚いた。こうすることで、仏像の質感がはっきりと作品に浮かび上がった。非現実的な光線状態の中で、仏像に魂が宿っているようにさえ見える。土門が撮影技法をどこまで考えていたのかはわからないのだが、結果的には歴史的傑作となった。

リアリズムの土門と、軽妙洒脱の木村伊兵衛は、近代写真の双璧であるが、性格も作風も対極にあった。旦那衆の道楽的な粋を極める木村伊兵衛に対して、貧しい少年時代を送った土門は強烈なライバル意識を持っていたようだ。二人の名前を冠した二つの写真賞が戦後の日本のカメラマンを育てたが、今も両賞の受賞作品はその二つの作風を反映しているようにみえる。

「マチエール」(質感、存在感)を写すために徹底的に絞り込む、肉眼をカメラと一体化する訓練を行う、演出と作為を完全に排除する。それが土門の撮影技法であった。タイトルは撮影技法の本であるが、カメラの操作方法の記述はほとんどない。そのかわり写真芸術とは何かの本質に迫る本である。迫力のある精神論と人生論が読み応えのある名著である。

・木村伊兵衛の眼―スナップショットはこう撮れ!
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004923.html

裁判官の爆笑お言葉集

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・裁判官の爆笑お言葉集
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裁判の傍聴をライフワークにする著者が書いた、本当にあった裁判官のお言葉と解説。裁判官という、真面目で仏頂面のイメージが崩れ去っていく。面白い。

たとえば有名な話では、「この前から聞いてると、あなた切迫感ないんですよ」と姉歯被告は裁判官に怒られた。

裁判には、裁判官が説諭、付言、所感、傍論などの個人的見解を述べる部分があり、そこに人間性あふれる名言、迷言、失言、暴言が飛び出すことがある。著者はたくさんの裁判を傍聴し、そうした発言ばかりを収集して、文脈つきで紹介している。

「死刑はやむを得ないが、私としては、君には出来るだけ長く生きてもらいたい。」

「二人して、どこを探しても見つからなかった青い鳥を身近に探すべく、じっくり腰をすえて真剣に話し合うよう、離婚の請求を棄却する次第である。」

「暴力団にとっては、石ころを投げたぐらいのことかもしれませんが、人の家に銃弾を撃ち込むと相当、罪が重くなるわけです。」

「変態を通り越して、ど変態だ。」

など、裁判官らしからぬ私的な感情が混じった「お言葉」がある。

データとして、面白いお言葉を連発する裁判官の名前も記載があるので、裁判ウォッチャーの参考にもなる。

そういえば、ホリエモンの裁判について、面白いニュース記事を思い出した。

http://www.asahi.com/special/060116/TKY200703160146.html


 小坂裁判長は判決理由読み上げ後、堀江前社長に向かい、東京地裁に送られてき
た、ハンディキャップのある子どもを持つ母親からの手紙を紹介し始めた。

 「大きな夢を持ち、会社を起こし、上場企業までにした被告に対し、あこがれに似
た感情を抱いて働く力をもらった。ためたお金でライブドア株を購入して今でも持ち
続けている」。手紙にはそう書かれていたという。

 小坂裁判長は「被告のこれまですべての生き方を否定されたわけではない。この子
のように勇気づけられた多くの人がいる。罪を償い、その能力を生かし、再出発を期
待している」と諭した。堀江前社長はそれを聞きながら、何度も深くうなずいてい
た。

これなどは、思いつきの行動ではなくて、あらかじめ手紙を準備した演出である。これで本当にホリエモンに対して説諭効果があるのか、裁判官がやりたかっただけなんとちがうか、とか思うわけだが、それがこうして報道されると、ニュースのドラマ性が高まって、注目が集まるのは確かだ。

この本を読んで、裁判って一度も傍聴したことがないのだが、一度、見てみたくなった。

大ファンの諸星大二郎の漫画。

・私家版鳥類図譜
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・私家版魚類図譜
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諸星大二郎の作品は、大きくオドロオドロしい系と、シュールな喜劇系がある。前者は「暗黒神話」、「マッドメン」、「妖怪ハンター」シリーズなど日本と海外の神話をモチーフにした作品群であり、後者は「しおりとしみこの」などの創作物語の作品群である。
私は前者が圧倒的に好きだ。

・妖怪ハンター最新作
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諸星大二郎の作品に携帯が出てくるのが古いファンとしては衝撃だった。

「魚類」と「鳥類」はともにどちらかといえば後者寄りなのだが、両者が混在した短編集でもあり、魚類が若干前者に近いように感じた。日本神話には海寄りの話が多いから自然とそうしたイメージになるのかもしれない。鳥類の方が哲学的思索的な印象がある。

2冊を通じてのベストは「鮫人」。中国の宋の将軍がひとり謎の漁村に漂着して出会う不思議譚。絵のタッチや物語の雰囲気が諸星大二郎の真骨頂であるドロドロ神話系のイメージに染まっている。

6作収録の鳥類編は、各作のバリエーションが楽しい。諸星大二郎の作品の幅の広さがこの短編集で味わえる。ホラー、ファンタジー、ミステリー、ギャグ、なんだそりゃ、など、次はどう出てくるのか意表を突かれる。

諸星大二郎が、あとがきに文章を書いている(漫画の天才だが文章はなぜか下手)。いつも興味しんしんでこの人の文章を読むのだが、今回もまた拍子ぬけさせられる。「鳥類図譜」と「魚類図譜」が書棚に二冊並べて置いたら気持ちいいなと思ったから、鳥類に続けて魚類を描いただけ、だそうである。作品から深い哲学を感じるのだが、作家は結構、思いつきで描いているようだ。天然の才能はすごいな。

写真のワナ

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・写真のワナ ビジュアル・イメージの読み方
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「もし、あなたの写真が何かのミスで凶悪犯と間違えられて新聞やテレビ、雑誌に発表されたらどうなるであろうか。顔写真というのは見る人が「いかにも」という心理でそれを見ると、その顔写真は「いかにも」というように見えるのだ。試みに、あなたやあなたの身近な人の顔写真を切り抜いて新聞に貼ってみよう。誰もが、いかにも「それらしき顔」のイメージに見えてしまうから」

1976年、マニラ国際空港でハイジャックされた日航旅客機のコックピットに、ぬっと現れた顔が撮影され「犯人」としてマスコミに報道された。実はこれは機長の顔で、事件後、本人がカンカンに怒って抗議したそうだ。歴史的な大事件でも写真の誤報道は数多い。

戦後、20年ほど前まで広島の原爆キノコ雲として教科書にも掲載されていた写真は、実は長崎の原爆のものだったそうだ。長崎の方が外観がキノコ風で印象が強かったので、いつのまにか入れ替わってしまった。

1972年、沖縄返還時に新聞には「佐藤さん、感涙、これで”戦後”は終わった」というキャプションの写真が掲載された。ところが佐藤元首相はもともと目が悪く、国会審議中もよくハンカチでめをこする人なのであった。

かつてのソ連では政争に敗れた政治家は、集合写真から姿を消した。写真の修正技術でその姿が消されてしまうのである。当時の政治アナリストは、写真から誰が消されて誰が中央に写っているかで、ソ連の国内政治の動きを推測したという。

この本にはそうした写真によるマスメディアの情報操作の事例がたくさん解説されている。写真の実物も紹介されていて、ビジュアルに戦後史の闇をのぞけるようになっている。出版当時、傑作ベストセラーであったようだが、今読んでも素晴らしく面白い。いや、むしろ写真情報操作は現代の方が危険性が高くなっているはずだ。

この本の旧版の初版は、1984年なので写真技術は当時と比べて飛躍的に進歩した。最近のデジカメやレタッチソフトは当時の諜報機関が情報操作に使ったような、合成技術を簡単に使えるようになった。

たとえば、このフォトアルバムサービスには、ツアーリスト・リムーバー(旅行者除去機能)が搭載されている。

・SnapMania Tourist Remover
http://www.snapmania.com/info/en/trm/

人気の観光地で撮影した写真にはどうしても旅行者が映りこんでしまう。そこでこのサービスに2枚の写真をアップロードすると、旅行者が映っている部分と写っていない部分を合成して、旅行者がいない写真を作り上げてしまう。旅行者を消した部分を手で描くわけではないので、自然に仕上がる。

写真は撮るものだが、同時に作るものになった。画像処理にはもうスーパーコンピュータは要らない。普通のPCがあれば写真のワナは誰でも仕掛けることができる。この本の全面改訂版が出されている意義は大きい。

・TrueCrypt
http://www.truecrypt.org/
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今年は企業の内部統制の徹底の年である。ハードディスク上の重要なデータは暗号化するように、会社から指示された人も多いと思う。TrueCryptはハードディスク上に比較的簡単に、パスワード管理できる暗号化領域を作成し、仮想ドライブとして運用するセキュリティ対策ソフトである。AESなどの高度な暗号アルゴリズムでデータを守ることができる。

既存のハードディスクドライブを丸ごと暗号化することに抵抗を感じる人は多いと思う。暗号化することで、動作が遅くなったり、アプリケーションが動作しなくなったりするのではないかという不安がある。TrueCryptは、ファイルをドライブとして利用可能にすることができるので、安心して導入できるのが素晴らしい。

具体的には、たとえば”Truecryptdb”というファイルを最初に作成する。このファイルの大きさを2Gに設定する。次にパスワードを設定する。そして、このファイルをTrueCryptからドライブXとしてマウントすると、普通のハードディスクと同じように容量2GのドライブXがWindowsに追加されるのである。

このドライブはマウントを解除すると、ドライブXは消えて、中身が暗号化された、ただのファイルになる。重要な文書フォルダ、メールの保存フォルダを、このドライブに設定しておけば、パスワードを知らない人はアクセスできなくなる。ノートパソコンを紛失しても情報はかなり強固に守られる。

・Text2Prn
http://www.vector.co.jp/soft/win95/writing/se302439.html
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これは入れておくと便利だ。

テキストファイルやクリップボード内のテキストを、きちんとしたレイアウトで印刷するフリーソフト。テキストエディタで書いた文章やWebからコピーしたテキストを、整形して印刷したい。そういうとき一般的にはWordの印刷機能を使うことが私は多かった。一時的に印刷用ファイルを作ることになるので、このやり方は少し面倒だ。

Text2Prnは、フォントの種類とサイズ、段組み(区切り線)、余白、ページ数表示などを指定してテキストを簡単に整形印刷する。ソフトを起動して、印刷したいファイルを選ぶかコピーし、整形方法を指定するだけである。

段組みや余白指定ができるので、紙の無駄なくメモを複数並べて印刷したいというときに重宝する。印刷範囲指定もできるので、とりあえず最初の段落だけ紙に出してみるなんて使い方もできる。

・外出前に備忘録メモを急いでプリントしたい
・社内の打ち合わせ資料を会議用にプリントする
・複数のメールを段組みでプリントする

こういうシーンで活躍する。

昨年12月の忘年会議2007で、私と百式管理人は共著で「Web3.0 Book」を自費出版し、参加者限定で無料配布しました。内容的には”ネタ”であるにも関わらず、その後、Web3.0 Bookの噂を聞いた方々から、「私にも一冊ください」と言われて、渡してきましたが、そろそろ在庫が切れます。

イベントから四半期が経過したし、そろそろ公開してもいいかな、イベント参加者も怒りはしないだろうと思うので、私のパートのみをPDFにして公開することにしました。

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「はじめに」

Web3.0 2007年に注目すべき? 7つの力
〜 情報考学 Passion For The Future 橋本大也 〜

今年始めたことに公開ソーシャルブックマークがあります。毎日いくつかの気になるリンクを登録して約600サイトになりました。その中から、これから面白くなりそうな注目要素をピックアップして、来年こんなサービスが流行るのじゃないかなという予想を立ててみました。

章立てをつくるにあたっては本のタイトルによく見る○○力でいくことにしました。時間のあまったときに気楽に考えてみたら、直感的に7つおもいつきました。

だから、このWeb3.0は脈絡のないおもいつきで構成されています。

暇なときに思いついたアイデアの方が、会議室にこもってウンウンいって出したアイデアより、的を得ているってことがあるかもしれません。そう思って本にすることになりました。

(なお、タテマエ的なWeb2.0論は情報処理学会誌11月号の巻頭特集に「Web2.0とは」8ページほど書きました。興味のある方はぜひ見てみてください。)

Web2.0には7つの要素があったりしましたが3.0にはこんな要素があったりして論です。

【顔面力】【集合力】【隠蔽力】
【代打力】【年表力】【注釈力】【空撮力】

それではひとつひとつ解説していきましょう。

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続きが読みたい方は、こちらのPDFをダウンロードしてください。

http://tvnews.jp/files/Web30.pdf

危ない写真集246

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・危ない写真集246
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いろいろな意味で危ないサブカルチャー写真集を246冊もレビューした奇書。それぞれ代表的な作品が掲載されているので、紹介されている写真集を見た気になることができる。
ここに取り上げられる写真はどれもマスメディアには出てこない危ない写真ばかりである。死体、セックス、奇形、精神病患者、自傷などなど、ちょっとパスしたいシロモノ多数。一人の女性の陰部ばかりを長期にわたってマクロ撮影した写真家や、少年の勃起した裸体ばかり集めたモノもある。

目次

00-ベスト
01-屍体のある風景
02-医学・フリークス・タトゥー
03-ボンデージの愉しみと恐怖
04-セックス&ボディ
05-狂気のポートレイト
06-グロテスクの劇場
07-人間人形時代
08-オールド・ファッションド・エロティカ
09-クラシック・ドキュメンタリー
10-現代のドキュメンタリー
11-危ないアーティスト・ブック
12-コレクションの魔

インターネットの路地裏へ一歩入るとこうした写真は簡単に見つかったりするものだが、体系的にその危うさの意味が論じられているのが、この本の価値である。

たとえば、かつて写真がまだ高級なものであった頃、亡くなった家族の遺体を写真に撮ることは思い出を残す行為として、広く行われていたようだ。精神病院の患者の写真集というのも、人権やプライバシーが重視されていなかった時代には多数出版されていた。それから、結構長期にわたってヌード自体がイリーガルな時代が各国にあった。今見るとライトなヌードも当時は人目を忍ぶディープなポルノであったらしい。時代背景とセットで作品を見ることで、各時代に、権力が何を隠さねばならなかったかがわかってくる。

何を隠すかもまた時代を写す鏡である。

たとえば、いまどきのネットで隠されているものとして「キムタク」がある。

久々に毎週見ていた人気ドラマのサイト(番組は終了)を見ると、

・TBS 日曜劇場「華麗なる一族」
http://www.tbs.co.jp/karei2007/

他の木村拓也の写真は一枚もないのである。他の俳優は配役紹介で顔写真が出ているがキムタクだけイメージ画像であり、極めて不自然だ。

調べてみると分かるが、ネット上ではジャニーズのタレントの肖像権は厳しく管理されている。キムタクがCM出演しているニコンのデジカメのサイトにいけば顔を拝めたりするが、この画像を保存しようとすると「このサイトでは、右クリック操作ができません」とポップアップが出てくる。

・ニコン アドギャラリー
http://www.adgallery.nikon-image.com/

キムタクの顔も、業界関係者にとっては、ある種の危ない写真なのである。別の意味でメディアには封印作品がある。音楽では放送禁止の歌もある。なぜそれが危ないのか、出してはいけないのかを考えると、時代の構造が垣間見えてくる。

そして、危ないものが多い時代はやっぱり危ないのじゃないか、と思う。

・封印作品の謎
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002818.html

封印作品の謎 2
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004341.html

・放送禁止歌
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001449.html

・案外、知らずに歌ってた童謡の謎
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003167.html

1万円の世界地図

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・1万円の世界地図
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日本の格差、世界の格差を多数の統計データを使って解説する。世界と国内の経済状況を把握するための、とても有益な情報源。

国際比較というと気になるのは購買力平価である。マクドナルドのビックマックの価格を比較する、有名なビックマック指数というのがある。日本のビックマックは280円、米国では3.1ドル。この本の執筆時点でビックマック指数で為替レートをつくると、1ドル=90.3円になる。ビックマックで経済をはかると、東京は一人当たりの可処分所得でトップになる。

しかし、より広い商品・サービス(2500品目)で比較した場合、日本は10位に後退する。世界の可処分所得1位はスイスのチューリヒ、最下位がインドのデリーだそうで、そこには16倍の格差がある。住宅や教育などの支出も大きな差がある。これらの国々でのお小遣いとしての1万円の使い手は、何十倍も違いそうである。

国際間と同時に国内にも格差はある。所得の分配における不平等さを表す指数「ジニ係数」が紹介されている。発展途上国の多くはジニ係数が極めて高い。この係数は0〜1の間の値をとる。1は一人がすべての富を独占している状態で、0は全員が平等な状態だ。1位のナミビアは0.7を超える。0.2〜0.3が普通の所得分布らしい。0.3を超えると格差の大きい社会に分類される。現在の日本は0.314。まさに格差社会に突入していることが国際比較でも明確になった。

世界のGNI(国民総所得)を見ると日本は第2位の経済大国である。しかし国民一人当たりのGNIを出すと11位に転落する。日本人は勤勉で労働時間は国際比較でも長い。にもかかわらず、一人当たりGNIが低いということは、労働生産性が低いということである。OECDの労働生産性を調べたデータでは加盟30カ国のうち20位に位置する。

ホワイトカラーの生産効率を高めるIT化は日本は世界のトップクラスである。研究者も数は多くて世界第3位。研究費もそこそこある。しかし、実績評価のレベルでは日本の研究者は自慢できる状態にない。つまり、恵まれた労働環境にあり、いっぱい働いていているのに、生産性が悪いのである。

だらだら働いている日本の会社、最適化されていない経済構造が、日本の伸び悩みの最大の原因であると、データで再認識することになった。

この格差データブックを読んで、可能性を感じるのが今、大人気の仮想世界セカンドライフである。セカンドライフでは、世界中のプレイヤーが仮想通貨リンデンドルでバーチャルな不動産や動産を売り買いしている。労働して稼ぐこともできる。そしてリンデンドルを実世界のドルや円に交換するサービスがある。

考えてみるに、日本人の1万円が途上国の数十万円に相当するのであれば、仮想世界内での労働は、圧倒的に途上国のプレイヤーに有利である。セカンドライフで必死に働いて一万円を得ても日本ではお小遣いに過ぎないが、途上国のプレイヤーにとってそれは一か月分の生活費に相当してしまうのだ。これからは仮想世界へ出稼ぎという発想も生まれてくるかもしれない。

逆に考えれば、日本のプレイヤーは手持ちの1万円をセカンドライフへ投資することで、数十倍の労働力(ゲーム内の、だが)を手に入れることができるのだとも言える。アウトソースの場としてのインターネットという発想は、仮想世界でこれから盛んになったりするかもしれない。

しかし、結局のところ、このモデルでも途上国は出稼ぎができて助かるが、手持ちの金額の初期設定が多い先進国プレイヤーが最終的には儲かるという格差拡大の図式は変わらないわけで、世界の格差の解消にはつながっていかない気もする。

セカンドライフに限らず、インターネットこそ、世界の格差解決の手段になりうると思うのだが、そのためには市場メカニズム以外の発想が求められているのだなあ。この本にも何項目がでてきたが、生活の質、幸福感、価値観といった要素がカギを握っているような気もするのだが。

郊外の社会学

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・郊外の社会学
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都市でも田舎でもなくて郊外こそ、テーマにすべきなのではないかと郊外居住者として思ってきた。珠玉混交のネットの集合知を信頼できるものに変える仕掛けとして、地域コミュニティの信頼ネットワークというソーシャルキャピタルがこれから重要になってくると考えている。

それにはおそらく二つの世代が深く関係してくる。ひとつは私の属する30代の世代。郊外に居住して子供もできて、生活環境としても教育環境としても地域コミュニティを無視できなくなったインターネット第一世代。そして、会社を退職して地域の人になる60代の団塊の世代である。

この二つの世代の多くが都心でもなく田舎でもなく、郊外に多くが居住しているはずなのである。その割に郊外の生活の質や内容が政治や社会の論点として取り上げられることが少ないなあと思う。

私が子供時代から住む神奈川県藤沢市には秋に大規模な「市民まつり」がある。「世界最大の金魚すくい」なるイベントが10年くらい前に発案されて人気を呼び、ギネスブックに登録されて話題になっている。一方で伝統的な地元の寺社の祭りもある。これは新興住宅地としての新住民や商工会主体の人工的なコミュニティと、伝統的地元コミュニティによるふたつの祭りである。

郊外のふたつの祭りを通した著者の関わり方に自分の姿がそのまま重なる。

「こうした「新しい祭り」に対する違和感は、旧来の地域の伝統のなかにこそ、「祭り」という名に値するものがあるという感覚に由来する。私もまた石原と同じく、団地やマンション、町内会が主催する「祭り」の神も闇も存在しない白々しさには「嘘っぽさ」を感じる方だ。だがしかし、神と闇のある祭りを「本物」だと感じるからといって、私は地元の神社の氏子ではないので神輿を担いだりして参加することはなく、夜店の間をそぞろ歩き、信心もなしに賽銭箱に小銭を投げ込んだりして、祭り気分を味わうにとどまっている。」

新しい祭りの白々しさ、つくりもの臭さは、不動産デベロッパーの開発した新興地区の「○○台」「○○夕が丘」式ネーミングや「ショートケーキハウス」のような家のデザインにも通じる。郊外のつくりものっぽさは近年の大型ショッピングモールの進出によって加速しているように思える。だが、それが新しい地域文化を作り上げていることも認めざるを得ない。

「こうして郊外という場所と社会が私たちの生きる日常の分厚い膨らみとなるにつれ、「郊外の神話」は地域という構造のなかで年々繰り返される”制度化された祝祭”になっていったのだ」

つくりものっぽさの背景にあるのは、人間関係の希薄さである。良くも悪くもつながらざるを得なかった伝統的コミュニティの人間関係と違って、新しい祭りは希望者の自由参加を主体とする。ショートケーキハウスのクリスマス・イルミネーション現象も個々の家が自分の家だけをデコレーションする。この本ではそうした個々の表現の集まりを「集列体」と呼んでいる。

郊外は都市に従属している。郊外の住民の多くは日中は都市部へ通勤している。地域共同体といっても決して地域を共有しているわけではなく、都市への移動を共有する「共移体」というのが現在の郊外コミュニティの本質なのだと著者は結論している。

集列体、共移体は、地域の濃い人間関係を持たないから、地域を超えたメディアや大衆消費文化の影響を受けて文化が形成されていく。つくりものっぽさ、白々しさはマスメディアとの距離感に由来するものなわけだ。

つくりものは時間の経過で本物になるのか、いつまでたっても偽物のままなのか。全国各地に、地域性が消去された、金太郎飴のような同質の郊外文化が量産されていくのか。ニュータウンという「立場なき場所」の立場がどう定まるかというのは、郊外住民の生活の質に大きな影響を与える日本の、結構大きな論点であると思う。

郊外に住む著者の本音と社会学のキーワードとの紐づけが勉強になる本だ。

モノクローム写真の魅力

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・モノクローム写真の魅力
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モノクローム写真の魅力を、国内有名写真家50人の作品、インタビューと一緒に紹介している。「写真の持つ記録性と表現性を、カラーとモノクロームに照らし合わせて考えると、記録としての写真は自ずと情報量を備えたカラーが有利であり、表現としての写真は抽象的なモノクロームが有効と受け止めるのが自然です。」

モノクロ写真は情報が整理され、被写体が持つ意味をはっきりさせる。

「モノトーンのなかに色を読み取って欲しいし、見る側にとってもカラーよりモノトーンのほうが自由に受け止められるはず」「モノクロームは絵で言えばデッサンでしょ。写真の基本じゃないかしら」といった写真家もいた。

雑賀雄二という写真家の「月の道」は、夜中に長時間露光で無人島の背景を撮影したもの。普通に撮影したら真っ暗闇だが、月の明かりをゆっくりじっくり吸うことで、夜でも昼でもない不思議な世界が現れる。カラーではこういう表現はできないだろう。

・月の道/Tsuki no Michi-Borderland-top,by SAIGA yuji
http://www.ne.jp/asahi/saiga/yuji/gallary/tsuki/top.html
Webで作品を鑑賞できる。

魚を使ってオブジェを作る今道子の写真もカラーではあまりにグロテスクで鑑賞に耐えない作品になる気がする。色を消すことで純粋にカタチの面白さが味わえるのだと思う。

・The PHOTOGRAPHER/今 道子
http://www.fujifilm.co.jp/photographer/2004_12kon/index.html

この写真集を見ていて面白そうなので、モノクローム写真を自分でも撮影してみることにした。デジカメのカラー写真をモノクロ化するのは簡単なのだが、それでは味が出ない。ここはやはりフィルムだろうということで、先日入手したチープなカメラにこの白黒フィルムを入れてみた。

フジフィルム 35mm白黒フィルム ネオパン100 アクロス 36枚撮り

・メーカーのサイト
http://fujifilm.jp/personal/film/monochrome/film.html
「中庸感度、超高画質の黒白写真用ネガティブフィルムです。このフィルムは、ISO100としては世界最高水準の粒状性と豊かな階調、優れたシャープネスを備えていますので、ポートレート、風景写真、建築写真、商品写真から顕微鏡写真や複写用途に至るまで幅広い分野の撮影に適しています。また、優れた相反則不軌特性を有しており、低照度長時間露光による感度低下が非常に少なく、建築写真や夜景などの長時間露光の撮影では特に効果を発揮します。」

白黒で撮影してよく写りそうなものを探して撮影してみた。


他に人物もかなり撮影した。

モノクロがいいなと思ったのは飲み会の写真。赤ら顔や食べ残しが写っていても気にならない。さわやかな飲み会写真になる。街のスナップでも使いやすい。人物の背景に真っ青なゴミバケツが写りこむとカラーでは見苦しいが、モノクロでは気にならない。

・i万華 for Mac&Windows
http://macer-page.jp/imange.html
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「このソフトは任意画像を万華鏡で見たように表現するものです。画像は2:1 の大きさでその中を万華鏡の視野がが時計回り左上から右上 →右下 →左下 →左上と移動します。8 角形と6 角形の2 種類の表示ができ 視野の三角形の一辺のドット数と縮小率の設定ができます。表示は640*480 ドット固定ですが JPEG 及びクイックタイムの書き出しのサイズを設定できます。」


自分で撮影したデジカメ画像を、万華鏡アートに変換するのは楽しい。花の写真を入力すると万華鏡が季節の色に染まる。できあがりの動画MOVファイルはサイズが大きいので、別のファイル形式に変換して、Webなどで公開するとよさそう。

・世界共和国へ―資本=ネーション=国家を超えて
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「私が本書で考えたいのは、資本=ネーション=国家を超える道筋、いいかえれば「世界共和国」に至る道筋です。」。評論家 柄谷行人著。

資本主義と国民国家というスキームでは、主役が資本であって肝心の人間が疎外されている。著者はこのスキームを超える世界観として、カントが提唱した世界共和国の概念にポストモダンの理想を追求している。

資本=ネーション=国家の基盤は貨幣を仲立ちにした交換様式である。この交換には非対称性が伴う。貨幣には商品と無条件に交換する権利があるが、商品には貨幣と交換する権利がない。商品は売れなければ価値がないからである。この非対称性が、資本の支配をもたらしている。

福祉国家資本主義、国家社会主義、リベラリズムという、既存の国家の形態に加えて4つめに、平等と自由を原理とする新しい交換原理を基盤とした「世界共和国」があるという。チョムスキーは、この第4の形態の例として、アナキズムや評議会コミュニズムを入れているが、これらはこれまでのところ、現実には存在しない「統整的理念」に終わってきた。

「むろんカントは、こうした「世界市民的な道徳共同体」は政治的、経済的な基盤が根底になければ成立しないと考えていました。しかも、彼はそれをきわめて具体的に考えていた。たとえば、カントのいう「他者を手段としてのみならず同時に目的として扱う」という道徳法則は、資本主義においては実現できません。貨幣と商品(資本と賃労働)の非対称性があるかぎり、そこにおかれた個人は他者を手段としてのみ扱うことを余儀なくされるのです。もちろん、国家による統制や富の再分配によって、資本主義のもたらす階級格差を解消しようとすることは可能です。しかし、階級格差をもたらすシステムそのものを変えるべきなのです。」

「目的として扱う」とは自由な存在として扱うということ。自分が自由な存在であることが他者を手段にしてしまうことではならないとし、自由の相互性の実現こそカントの見出した道徳法則であった。

著者は再分配、互酬、商品交換という既存国家の交換原理に代わる新しい交換原理Xを世界共和国の基盤として見出す。カントはその世界を小生産者(かつての多数であった職人的労働者)たちのアソシエーションと、「神の国」の実現のために諸国家がその主権を譲渡する世界共和制として考えた。

著者はその考えを現代的に読み替えて、共同体の想像的回復(普遍宗教的な運動)によるアソシエーションと、各国が軍事的主権と国際連合へ譲渡し、それによって国際連合を強化再編する道筋に、世界共和国実現の可能性があると結論している。

難しい本なのだが、ひらたくいえば、自由や平等や友愛という崇高な理念にひとりひとりが共鳴するなら、相互の自由を尊重する交換原理による、新しい社会主義的な世界共和国は理論的には実現できるはずだという思想家の意見表明である。

今日、世界の運営方法を個人が直接に話し合う場として、インターネットがあると思う。オンラインで小さなネットワークや共同体は無数に生まれているが、国家に対抗する力にまでは育っていない。ネットで理想を唱えても、各人の足場は国家にあるからだ。著者は「下から」の運動は「上から」封じ込めることによってのみ、分断をまぬかれ、徐々に新交換原理にもとづくグローバルコミュニティは実現に向かうと書いている。

何が足りないのだろうか。やはりリーダーなのだろうな。

・デザインにひそむ〈美しさ〉の法則
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工業デザインの入門書。

これを読むと「ご祝儀のお札はなぜ3つに折るのか?」なるほどと納得する。

・トランプ
・クレジットカード
・ハイビジョンの画面
・新書
・デジカメIXY digital
・名刺
・iPod
・マルボロの箱

これらの共通点は黄金比(1:1.618)の長方形であるということ。デザインの世界で黄金比は神話化されているが、その意識的な利用はルネサンス時代くらいからだそうである。写真の世界ではフレーミングの理論として画面を縦横に三分割し、4つの交線上におもな被写体を配置する「三分割法」があるが、これも結果的に黄金比に近いレイアウトを得る手法である。

・黄金比はすべてを美しくするか?―最も謎めいた「比率」をめぐる数学物語
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004272.html

黄金比と並んでよく使われるのが白銀比(1:ルート2)で、A4、B5などの紙のサイズに使われているという。現代の人気キャラクターの全身は白銀比に収まるものが多いと紹介されている。「しっくりくる」「かわいい」という主観的な印象も、実はこうした客観的な数学が作り出している可能性があると著者は説く。

この本が扱うのは形だけではない。

「日本の子供たちが大好きなアンパンマンも、シンプルさの法則に忠実です。実は日本語には色を表す形容詞が、「赤い」「青い」「白い」「黒い」の四つと、江戸時代に追加された「黄色い」「茶色い」の六つしかありません。この六色は日本の伝統色、いわば日本版の「原色」だということができます。アンパンマンにはこの六色のうち五色だけで表現されています。そして残りの青は適役バイキンマンの基本色です。」といった色の秘密もある。

質感をデザインする造形技法である「角アール」「面取り」「ハマグリ締め」などについても教えている。私たちが日常使っているモノのデザインの定石がたくさん語られていて非常に勉強になった。

そして、著者の結論的な一節にこういう文章があった。

「そして、現在の工業デザインの流行は、素材感や質感の追求になっています。これからの市場は、本物指向に向かっていきます。そのような市場の要求に、色や形だけで応えるには限界があります。本物が持っている高級感を表現するための素材感や質感の開発と研究が、現在の工業デザインの大きな課題になっているのです。」

ここでは、本物ってなんだろうか?と考えさせられた。

ブランドの偽物はあるが、本質的には、存在するものに本物も偽物もないから、ここでいう本物とはみんなが本物と思っているモノのことだろう。新素材で作った方が安くて高機能にできるモノでも、木や鉄や布という伝統的な素材でつくると本物っぽかったりする。
Webデザインにも本物っぽさってあると感じている。レイアウトやインタフェースがイケているかどうかの印象のことである。写真アルバムであればFlickr、地図であればGoogleマップ、検索であればYAHOO!やGoogleのインタフェースデザインを踏襲すると、本物っぽかったりする。しかし、これらも実は既にあったパーツの組み合わせなのでもある。

まったく新しいものなのだけれども、どこかに過去のイディオムを再利用していることが本物っぽさの正体なのかもしれない。伝統と断絶したデザインは、斬新だけれども使いづらく感じることが多い。新しいイディオムは一度、ユーザに受け入れられると、クラシックになり、次の世代のイディオムの要素になるのだろう。そう考えると、クリエイターの創造性の魔法のように思えるデザイン技術も、歴史学や社会心理学的な理論で検証できる体系があるのかもしれないと思えてくる。

工業製品の「美しさ」について考えるきっかけになるいい本だなあと思った。

・長嶺輝明の「かわいい」写真術―誰も教えてくれなかった「被写体探し」と「空気感」のつかみ方!
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妻が買った本だが、読んだら面白かったので紹介。

大きなトレンドとしてデジタル一眼レフが売れている一方で、おもちゃみたいなチープなトイカメラ。中古カメラというブームがある。Holgaなど私も実は数台持っている。この本はそうしたトイカメラ、中古カメラの作品集で、撮影技術にこだわらず、手軽に雰囲気のある写真の撮影方法が紹介されている。

なにげない日常を、なにげなく写すのには、レンズがプラスチックでできているようなトイカメラは相性がいい。逆にあまりに鮮明にピントが合って背景のボケが美しかったりすると、カメラの値段やプロ撮影者の存在を意識してしまう。

トイカメラ。実はフィルム代、現像代がかかって、撮影費用ではデジカメより高くつくのだが、チープな「かわいい」写真を撮るにはうってつけである。同じピンボケ系でも、ピンホールよりもお手軽である。

フィルムの種類によって雰囲気は変わる。今回は雑誌のレビューを読んでいて、このフィルムを使ってみたいと思ったのであった。

・Kodak Professional ウルトラ カラー フィルム
http://wwwjp.kodak.com/JP/ja/professional/products/films/ultra/index.shtml
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「「カラープレシジョン技術」により優れた肌色再現を保ちながら、高彩度な発色を得られるのが特長です。また「アドバンスドT-粒子」の採用により細やかな粒状性を実現し、なめらかで美しい肌色が得られます。」

コダックのプロ向けフィルム。一本590円くらいで販売されている35mmネガフィルムとしてのハイエンド製品。あざといくらいの、鮮やかな発色が特色らしい。忠実な再現ではなく、主張のあるフィルムである点が気になった。

週末、深く考えもせずに、量販店でみつけて、買ってしまった。晴天下を想定していたのでISO100を選択。こんな高い35mmフィルム買ったことがないのだが。次はカメラだ。へんなカメラを入手できないものか。

そこで、その足で実家に帰り父に「あまっているカメラないかな?」と聞いたら、いくつか出てきたので、未使用らしい箱入りのカメラを借りてきた。ファインダーが大きいのが気に入った。今は亡きミノルタというのも渋い。

・ミノルタ F-35 ビッグファインダー
http://www1.kiwi-us.com/~mizusawa/penguin/CAMEdata/mirax/F35.html
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レンズ 35mm/F6.3
撮影距離 フォーカスフリー 1.3m〜∞
シャッター 1/125単速
ストロボ 内蔵固定式

ネット上の情報を見ると、「ミノルタのカメラをアーガス商事が販売するもの。ギフト、販売促進用なので、店頭販売はなかった模様。また、同時期にミノルタではこの型番のカメラは存在していない。」だそうだ。もらいものだったか。

ネットオークションで調べてみると、このカメラは500円くらいで落札されている。ウルトラカラーは590円だから、フィルムの方が高いことになる。レンズ性能F6.3は暗いのだが、どうなるだろうか。早速、素晴らしい晴天のお昼に撮影してみた。

現像プリント後、デジタルにスキャンして公開。

周辺光量の低下とレンズの歪みという安物カメラっぽさがよくでている。フィルムの彩度の高さをいかすにはもっと高級なレンズの方が良いのだろうけれど、この写真の質感、結構気に入った。


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もらいもののもらいもののカメラであるが、まさに狙い通りのトイカメラ的な写真が撮影できた気がする。ちょっと満足。

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http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004923.html

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新年度です。今年はエイプリルフール企画はお休みします。
その代り、本来は年初にやりたかったランキングです。

2006年にこのブログで紹介したノンフィクションの中から、これは本当によかったと思う本をランキングで10冊+1冊並べてみました。私が2006年中に読んだというのが基準なので、昔に発表された作品も一部含まれています。

参考:
・2006年度 年間オススメ書籍ランキング フィクション編
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004849.html

まず超1位です。

・情報考学―WEB時代の羅針盤213冊
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あ、いや、よろしくお願いいたします。

さて、本番です。

■1位 フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004192.html

・フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
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・フェルマーの最終定理 文庫版
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クライマックスではこみあげてくるものがあって目頭が熱くなった。知的好奇心を満足させる科学読み物でありながら、心をゆさぶる感動のドラマとして成立している。アマゾンの50以上の読者レビューのほとんどが最高点5つ星をつけての絶賛となっている。私は6つ星をあげたいくらいだ。はやくも文庫化されている。しかしこれはこの分野で10年に1冊の名著だと思う。ハードカバーで読む価値があると思う。

■2位 「みんなの意見」は案外正しい
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004473.html

・「みんなの意見」は案外正しい
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私がこの本を読んで思ったのは「集団の知恵」方式は、参加型であり、より多くの人が決定プロセスに関与することができて「楽しい」ということ。その楽しさに決定と行動を結びつけるヒントが隠されているのではないかと思った。

■3位 戦争における「人殺し」の心理学
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004370.html

・戦争における「人殺し」の心理学
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アマゾンのレビューにも絶賛コメントが多いが、この本は戦争における人殺しの実例から、人間存在の本質へと深く切り込む洞察に満ちた素晴らしい本だと思う。「殺人本」に素晴らしいという形容詞を使うのは少しためらわれるのだが。

■4位 ヴォイニッチ写本の謎
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004123.html

・ヴォイニッチ写本の謎
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中世に書かれたとされるヴォイニッチ写本は、考古学上のミステリとして有名である。まったく解読できない文字群と地球上に存在しない植物の図説、妊娠していると思しき妖精たちが不思議な配管を流れる液体に浸かって踊っている挿画。写本が作られた時代には、知られていなかったはずの、銀河の形状を描いた図までも収録されている。

■5位 ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004611.html

・ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する
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経済学は、抽象化度の強い学問のように思えるが、スティーブン・D・レヴィットは人々の日常を具体的に説明するために、その優れた頭脳を使っている。もう一人の著者でジャーナリストのスティーブン・J・ダフナーは、その分析内容を一般読者向けに分かりやすく書き直している。経済社会学あるいは経済社会学の傑作。

■6位 人類が知っていることすべての短い歴史
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004707.html

・人類が知っていることすべての短い歴史
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面白い教科書がないと考えたベストセラー作家ビル・ブライソンは3年間をかけて、多数の科学者に取材し、世界の成り立ちすべてを、わかりやすく説明してみせた。677ページもあるので持ち歩いて電車で読むには重い。寝床で寝転がりながら、少しずつ、大切に読み進めた。読む価値のある科学史の名著。

■7位 国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004269.html

・国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて
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著者は佐藤優 元外務省主席分析官。「鈴木宗男事件」で背任と偽計業務妨害容疑で東京拘置所に512日間拘留され、第一審判決は懲役2年6ヶ月、執行猶予4年。事件当時「巨悪のムネオ」の右腕としてマスメディアに大々的に取り上げられた人物。政敵田中真紀子がいう「伏魔殿」の「ラスプーチン」である。

■8位 詩のこころを読む
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004585.html

・詩のこころを読む
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普段、ビジネス文書や研究論文ばかりを相手にしていると、アタマにでなく、ココロに響くことばの使い方があることを忘れてしまいがちである。ときどき言語感覚をリフレッシュするのに詩はいいなと思う。

■9位 ビッグバン宇宙論 (上)(下)
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004613.html

・ビッグバン宇宙論 (上)
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あとがきでも訳者が、この本を評して、「エース投手」による「直球ど真ん中」で「王道」の切り口の本と書いている。難解な事柄が絶妙に要約され、わかりやすく頭に入ってきて整理される感覚は相変わらず。宇宙論の入門として傑作であると思う。

■10位 第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004336.html

・第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい
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最初の2秒の状況判断=第一感はかなり正しいということの科学。全米連続50週のベストセラー、世界34カ国で翻訳された話題の本。

■11位 書きたがる脳 言語と創造性の科学
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004283.html

・書きたがる脳 言語と創造性の科学
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ハイパーグラフィア(書かずにいられない病)とライターズ・ブロック(書きたくても書けない病)について、自ら両方の症状を経験した医師でもある著者が、脳科学と精神医学の視点で言語と創造性の科学に迫る。最初から最後まで共感するところの多い一冊だった。

■12位 日本奥地紀行
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004156.html

・日本奥地紀行
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今から128年前。明治11年6月から9月の3ヶ月間東京から北海道までを、一人の英国人女性がお供の”伊藤”を連れて旅をした記録である。著者が妹に送った44通の手紙をもとにして書かれている。世界中を旅行し紀行本を何冊も著した彼女は、人類学者のように細やかで冷静な観察眼と小説家並みの文章能力を持っている。この本は、当時の日本の貴重なスナップショットになっている。

■13位 SAS特殊任務―対革命戦ウィング副指揮官の戦闘記録
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004518.html

・SAS特殊任務―対革命戦ウィング副指揮官の戦闘記録
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過酷な訓練、戦闘の恐怖、戦慄の殺人、残酷な拷問、非情な現場判断、突入の緊張感、九死に一生の瞬間、チームの連帯感、統率者の孤独、別れ、戦士のつかの間の休息。生々しいシーンの描写が卓越した文章力をもって語られる。ぐいぐい引き込まれると同時に眼をそむけたくなる行もある。映像以上にリアリティを感じさせる本だ。

■14位 フロー体験 喜びの現象学
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004389.html

・フロー体験 喜びの現象学
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「一言で言うならフロー体験とは、自己目的的体験に夢中になることだ。ただそれが楽しいと感じるから没頭する瞬間である。そうしたフロー体験が生じる最適経験について、著者らの研究グループは長年、さまざまな研究を行った。」。「楽しみの社会学」とあわせて読むと理解が深まる。

■15位 ブログスフィア アメリカ企業を変えた100人のブロガーたち
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004727.html

・ブログスフィア アメリカ企業を変えた100人のブロガーたち
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原題は「裸の対話」。企業と顧客が飾らない言葉で、率直に意見を交換すること。その対話によって、マス広告には不可能だった、理想的なパブリックリレーションズを実現できるという。100人以上の企業のブロガーの実例を取り上げて、ここ数年の欧米のブログ事情を総括する。

■16位 文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)(下)
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004210.html

・文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)
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歴史から消滅した社会を比較研究することで、文明の崩壊の法則を論じた大作。
過去の文明崩壊に共通する、5つの要因として環境破壊、気候変動、近隣の敵対集団、友好的な取引相手、環境問題への社会の適応があると結論している。

■17位 プロファイリング・ビジネス 米国「諜報産業」の最強戦略
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004636.html

・プロファイリング・ビジネス~米国「諜報産業」の最強戦略
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9.11同時多発テロ以降の米国で、急成長している民間の「諜報」産業の実態に肉薄したレポート。主役はこんな企業たちである。企業ごとにひとつの章で語られており、新しいがグレーゾーンのニーズに目を付けた経営者のベンチャー物語としても面白く読める。

■18位 音楽する脳
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004148.html

・音楽する脳
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著者は認知学者でミュージシャンというこのテーマにうってつけの人物。音楽と脳の共進化仮説を提唱し、音楽の本質とは何かを、生物学的、文化的、社会学的に分析していく。音楽が単なる娯楽ではなく、人類とその社会にとって、いかに重要な役割を果たしているかを、膨大な情報量で語る。

私たちの音楽の感動体験の中身とは何なのか、演奏する喜びはどこからくるのか、

■19位 量子が変える情報の宇宙
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004357.html

・量子が変える情報の宇宙
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情報の定義、定量化の議論の歴史の解説がこの本の最も面白いメインパートとなっている。「量子が変える情報の宇宙」という邦題の通り、量子力学の成果が情報論の世界に大きな影響を与えている。長く君臨した情報の最小単位ビットさえも新たな概念に置き換えられるかもしれないのだ。

■20位 眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004466.html

・眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く
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生物進化史上、5億4300万年前のカンブリア紀は一大イベントであった。それまではゆっくりと進化していた生物が、この時期に、爆発的に多様になった。カンブリア紀の大進化と呼ばれる大きな謎に対して、「眼の誕生」がその原因であったという仮説が展開されている。

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