わかりやすく〈伝える〉技術

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・わかりやすく〈伝える〉技術
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「たとえば、「○○鉄道の料金が上がることになりました」という原稿が出稿されてきますと、キャスターの私は、「○○鉄道をご利用の皆さん、料金が値上がりしますよ」と言い換えるのです。」「「誰か警察に連絡してください」では誰も通報してくれないが「あなた、警察に連絡してください」なら動く。」

明解な説明に定評のある池上 彰氏が、テレビの現場で培った情報伝達ノウハウを公開する新書。わかりやすい説明のルール「聞き手に地図を」「対象化」「階層化」というステップを、署名に偽り無く実にわかりやすく説明する内容。広く応用が効きそうな方法論が多く、ビジネスプレゼンの参考にもなった。

たとえば「相手に自分が体験したことを面白く伝えたい。自分の気持ちをわかってほしい。そんなとき、まず、「ねえ、ねえ、大変」という言葉から始まる文章を考えましょう。文章ができあがったら、冒頭の「ねえ、ねえ、大変」という言葉は削除してしまいます。そうすると、勢いのある、説得力のある文章がつくれます。」という方法。

これは平板な話に勢いをつけるのに効きそうだ。わかりやすいけどつまらないというのも問題だから、「面白い」は重要なのだ。そうやって冒頭でつかんでおいて、最後にまたつかみネタに戻ると話がきれいにまとまるというアドバイスもある。数十秒から数分で印象的な話をするための秘訣が満載である。

極めつけの極意だなと思うのが「接続詞を使わない」。これは確かに有効なテクニックのように思うのだが、実際には組み合わせる素材が豊富に揃っていないとできない技だと思う。素材同士をくっつけようとするから接着剤としての接続詞が必要になるのであって、並べて話せば自然とつながる素材がいっぱいあれば不要だ。著者は大量の情報収集でも有名な人物。イディオムやネタを貯蔵しておく日常の心がけもまたわかりやすさのために重要なことのように思う。

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このページは、daiyaが2009年10月 4日 23:59に書いたブログ記事です。

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