2012年3月アーカイブ
ブレインストーミングに使うために設計されたトランプ。
普通のトランプの数字やマークと一緒に、発想を支援するフレーズが印刷されている。
・繰り返し、なにかが起こるようにする
・ならべ方を、変える
・前にあったことを、ヒントにする
・向きを、逆にする
・皆が、大事にしたいと思うものをつける
・なにかの用事と、一緒にやる
・軽くする
・置く場所を、変える
・みんなで、一緒にやる
などなど。
このトランプの使い方が2つ、説明書に紹介されている。
何にせよ、まずブレインストーミングのテーマを決めておく。
■使い方1 クイックドロー
テーブルの上にトランプを表にして並べる。じゃんけんで勝った人から時計回りで、発想のきっかけになりそうなカードを一枚手に取って、フレーズをヒントにして、テーマに沿ったアイデアをいう。30秒以内なら何枚引いてもかまわない。アイデアが言えたらカードを手元におく。机の上のカードがなくなった時点で手元カードが一番多い人が勝利。
■使い方2 発想ババ抜き
普通のババ抜きのようにカードを配る。ペアのカードがあったら場に捨てる。じゃんけんで勝った人から時計回りに隣の人の裏向きカードを一枚引く。引いたカードと手元のカードがペアになったら、どちらかのカードに書かれたフレーズに沿ってテーマについてのアイデアをいう。一番早く手札がなくなった人が勝利。
もちろんこのほかにも新しい使い方を発想してもよい。ジョーカーは自由なフレーズを言えるという特別ルールも推奨されている。使い方は無限に広がりそうだ。
社内で使ってみたが、トランプは遊びの感覚を取り戻すのにもってこいのツールだと感じた。会議でアイデアに行き詰ったときに、お菓子でも食べながら、ムードを変えるのに最適。手や指を動かす、人と触れ合うことで、頭が働くようになるのを実感。
スマホでどこでも印刷 セブンイレブンのネットプリント
ずいぶん前から気になっていたサービスをついに試す機会があった(自宅プリンタが壊れた)。
ネットプリントは富士ゼロックスが全国のセブンイレブンで展開している印刷サービス。PCやケータイから文書を送って、セブンイレブンのマルチコピー機で印刷をできるしくみ。ノマドワークのインフラ。
・Netprint
http://www.printing.ne.jp/
今回はiPhoneからエクセルの文書を印刷させてみた。白黒はA41枚20円だった。印刷文書はアプリから登録または特定のメールアドレスへ文書をメールすることで登録する。文書の登録はパソコンからも行える。
登録した文書ごとに8ケタの予約番号がもらえるので、これをマルチコピー機に入力すると印刷ができる。
テキスト入力→そのまま印刷ということもできるので、簡単な文書ならば外出先で思いついたらすぐつくることが可能。あわただしいイベント現場で「そのドキュメント、いつ準備してきたの?」と驚いてもらえそう。
もちろん文書だけでなく、写真の印刷も可能。URLを指定してプリントというのもある。
ノマドワーカーでなくても知っておいて損はないサービス。
ソーシャルラーニング企業のキャスタリアが面白そうなアプリをリリースした。
Wikipediaの検索アプリなのだが、ソーシャルネットワークと連動する。ツイッターやフェイスブックの友人をGoocusの世界に連れてきてつながることができる。そしてお互いの検索履歴と「学んだ」を押した(いいね!に近い)内容、ふせんの内容を共有する。
要するに自分の調べものを進めると同時に、友人たちが何を調べて、なにを学んだかをみることができるのだ。友人の調べものを追いかけるという体験は案外楽しい。
たとえば私は仏教用語を調べていたら、『醍醐味』の項目を読んで「学んだ」を押した。醍醐とはチーズのようなもの、醍醐味とはチーズの味ということを知ったからだ。ふせんにそのことを書いたら、友人は「知ってた」とふせんをつける。ふーん、結構このうんちくは知られているのね、と。
現在地で探す、ではGPS位置情報を使って、近隣の情報を見つけることもできる。これなどは旅先でいいかもしれない。
開発会社の社長の山脇さんからはGoocusという名前は「ググれカス」からきていると1月のソーシャルラーニング入門イベントで聞いた。同じテーマで調べものをしているチーム、ラボのメンバーがみんなで使ったら、学びが加速しそうだ。教育分野のIT化が進んでいるが、本質は電子教科書ではなくて、教えあい、学び合う"ソーシャルラーニング"にこそあると思う。
なお1月のイベント内容が日本能率協会の発行する「人材教育」4月号に取り上げられた。お持ちの方は読んでください。
「人材教育」4月号
http://www.jmam.co.jp/productservice/jinzai/backnumber/issue/201204.html
58.TOPIC
『「ソーシャルラーニング」入門』出版記念
「ソーシャルラーニング元年! 学びで加速するソーシャル世界」セミナーレポート
ソーシャル×ITからの
「学び」への最終回答
じわじわきている『孤独のグルメ』『遥かな町へ』『神々の山嶺』などで知られる谷口ジロー作品。江戸情緒がテーマの落ち着いた大人向けの漫画。
大英博物館で展示された諸星大二郎、星野之宣らにつづいて、地味だが味のある大人向けの漫画作家谷口ジローが、フランス芸術文化勲章を受賞した。『ONE PIECE』や『鋼の錬金術師』が評価されるのとは違って、文化的な深みが評価されたようで、ファンとしてはうれしい。
モーニング公式サイト インタビューも。
http://morningmanga.com/lineup/145
おそらく測量の旅にでる前の伊能忠敬がモデル。
ふらりふらりと江戸の町を隠居した初老の男が散策をする。男はひたすら自分の歩数を数えて歩いている。一歩を二尺三寸の歩幅にきっちり揃えようと意識しながら歩く。測量を道楽としている男は、いつか日本の国土を測って歩きたいと考えて、そのチャンスが訪れるときを静かに待っているのだった。
散策で出会う人たちとの人間的な交流、江戸のにぎやかな町人文化、移り変わる四季と自然。男はときどき動物を眺めていると、その視点に憑依してしまう癖がある。人間の目とは違った鳥や魚や小動物の目でも江戸の世界を歩き回る。
江戸時代の庶民風俗、町人文化をとりあげた作品というと、杉浦 日向子がいいなと思うがこれからは谷口ジローも注目だなと思わせる円熟作品。
・ソニー ノートパソコン VAIO Sシリーズ (Office H&B搭載) VPCSE29FJ/B
ノートPCを買い換えた。今回は故障→買換というパターンではないので、選ぶ時間がかなりあった。結局、液晶の大きさと美しさが決め手で、VAIOの15インチサイズになった。2週間ほど使っているがかなり満足したのでここで紹介。
主なスペックは、
CPU:インテル Core i7-2640M プロセッサー(2.80GHz)
RAM: 4G
HDD:750G)
Blurayドライブ
15.5型ワイド(16:9)液晶
AMD Radeon HD 6470M グラフィックス
USB 2.0×2、USB 3.0×1
無線LAN、Bluetooth、WiMAX
指紋認証センサー
Webカメラ
SDカード、メモリースティックDUOスロット
電池持続時間 約6.5 時間
約2.04 kg(バッテリーパック装着時)
重視した点は3つある。(1)ブログ(原稿)を書きやすいこと。高解像度1920×1080ドットのフルHD液晶は、ブラウザとエディタを同時に立ち上げることができるので、データを参照しながら物書きがしやすい。そしてキーピッチがフルサイズである。(テンキーもついている)。
そして(2)ブルーレイを搭載していること。ブルーレイで映画をみたいのではなくて、50ギガバイトのバックアップメディアを気軽に使いたかった。主に写真や動画の管理である。
最後に(3)週一回レベルでモバイル利用できること。私は普段はiPadを持ち歩いているが、週一日くらいプレゼンでノートPCが必要になる。これまで使っていたノートPCは1.2kgだったのに対して、このVAIOの本体重量は約2.04kg。毎日持ち歩くのは辛いが、週一であればどうにかなる重さになっている。
で、実際に毎日使ってみて不満点を3つ挙げると、(1)キーストロークの浅さ がある。バックライトが点いている点面白さはあるが、ストロークは深いほうが良い気がする。ただ、これは好みの問題だし、もう慣れてどうでもよくなった。そして(2)解像度が高すぎること。これは良いことなのだが初期設定の横幅1920では文字が小さくなってしまうので目に負担がかかる。結局普段は横1600モードで使うことにした。(3)は実は暗い所で使うとき、キーボードバックライトがまぶしい。まあ消せばいいのだが。
そして意外に便利だったのが指紋認証機能。WindowsやWebサービスのログインにパスワードを入力せずとも、タッチパッドの前面にあるセンサー上で、指をすっとすべらせるだけで認証できてしまうのだ。慣れてしまうともう手放せない機能だ。
このVAIOにも「Quick Web Access」機能がある。これはWindowsOSを起動することなく、VAIOの「Web」ボタンを押すだけで、専用OS(Ubuntuらしい)が起動してすぐにWebブラウザーが使えるようになるというもの。ちょっと期待したが、Windows起動もそこそこ速い機種なので、中途半端にWebブラウズしかできない(Evernoteは使えるが)モードが使えても、、あまり意味はなかった。
別売りの3Dパネルをかぶせると裸眼3D映像を再生できたり、Dolby Home Theater v4だったりと全体的にホームユースでマルチメディアに活きるPCである。ビジネスマンが主に家庭で使う、ときどき持ち出すのに最適のようだ。画面に余裕があるのでパワーポイントや大きなエクセル表の資料作成にも向いている。
・VPCSE オフィシャルサイト
http://www.sony.jp/vaio/products/SE2/
前半はコペルニクス、ガリレオからアインシュタインまでの古典的宇宙論、後半は超ひも理論、ブレーン宇宙までの現代の宇宙論。数式はなしで、科学好きの一般読者のために書かれた入門書。
ビッグバンは宇宙のはじまりではなく、その前には量子宇宙があり、インフレーションが起きてビッグバンに至ったというのが定説になろうとしている。量子宇宙のはじまりにおいては時間が存在しないので、その「前」はない。こんな風に宇宙のはじまりを明解に説明してくれる。
著者は古典的宇宙論から現代の宇宙論への流れを「モノからコトへ」ととらえている。
「思想という側面から忘れてはならないのが、モノからコトへ、という大きな流れでしょう。コペルニクスの「天球」にあらわれているようなモノとしての時空は、まるで触って固さを確かめられそうな気がします。それに対して、光でさえ曲げてしまう、時空のゆがみというアインシュタインの発想は、完全にコト的だといえるでしょう。」
宇宙論は数学であると同時にほとんど哲学である。特に現代宇宙論はコトばかりで話が進んでいく。運がよけえれば何十年もしてからモノとして検証される。そしてコトの想像力の次元はどんどん高くなっていく。超ひもやブレーン(膜)理論は、その命名からして、ひもや膜というモノとしてとらえようという意図があるわけだが、その正体はメタファーではとらえきれない高次の概念である。だからこそ、本書みたいに、ざっくりわかる解説は大切だ。
「この宇宙にたくさんあるブラックホールが、じつは、すべて小さな宇宙の始まりではないか?」「ブラックホールを裏側から見ると、それはどんどん広がっていく宇宙なのではないか」という仮説が紹介されていた。実は超ひももブラックホールだという学者もいるらしい。私の子供時代にはなんでも飲み込んでしまう大穴として、閑話休題的に教えられた存在が、実は宇宙の本質かもしれないということになっている。20年とか30年で宇宙論は書き換えられていく。おもいのほか動きが速い。
Bubblyはインドを中心にアジアで急成長している音声版のつぶやき共有サービス。Bubblymotion社自身がサイトで'Twitter with a voiceといっているように音声版のツイッター。ユーザー数1500人超。日本語版が出たので試してみた。
ユーザーは音声(またはテキスト)でつぶやきを投稿する。90秒まで録音できる。声を聞きたいユーザーをフォローする。基本はおしゃべりだが、歌を歌っている人もいて面白い。うまい人は人気のつうやきに表示される。残念ながらまだ開始したばかりで日本人は少ない。ツイッターとフェイスブックのともだちを検索することができる。
ツイッターと違うのはアイドル(たぶん)が目立つこと。芸能プロダクションが最初から参加している。有料サービスを始めるつもりらしい。芸能人の声は、一般人のつぶやきと違って、明瞭で聞きやすくて、どきっとする。発声の違いもあるが録音環境も重要だと思った。
みんなのおしゃべりを聞くソーシャルラジオ的なサービスになったら楽しそう。そもそもツイッターに音声でつぶやけばいいのじゃないかという話もあるが...。
この次は映像版ツイッターか?でもそれってYoutubeじゃ?
田中 慎弥作。第146回(平成23年度下半期) 芥川賞受賞
芥川賞受賞時に辛い点数をつけた審査員の石原慎太郎とメディアで舌戦を繰り広げた際の反論映像は好感がもてて、人物的にファンになってしまったが、作品を読んでみると石原慎太郎が批判的だった理由もよくわかるのであった。まず第一印象として車谷長吉の『赤目四十八瀧心中未遂』あたりが近いなあと思った。読ませる小説ではあるが、今を描いていない。まるっきり昭和が舞台の暗くて湿っぽい小説なのである。
下水のにおいが漂う町で、主人公の少年は、女を殴ることに快感を覚える父と、その再婚相手である継母と一緒に暮らしている。愛想をつかした少年の実母は近所で魚屋を営んでいる。女性との交際をはじめた少年は、やがて自分にも女を殴る性癖の血が流れていることを知り愕然とする。ドブのような川に棲む鰻を喰って精をつけては女を殴る父と同じになってしまうのか。性と暴力にまみれた狭い人間関係が鬱屈をため込んで行って遂に暴発するまでを描く。緊張感があって短編にしては読みごたえがあった。
全体としては面白い小説であった。テーマ性が古い感は否めないのだけれど。
切れた鎖
http://www.ringolab.com/note/daiya/2010/10/post-1321.html
鼻に差し込む見えないマスク ノーズマスクピット2
鼻に差し込むマスク。鼻の穴にフィルターをつけることで花粉、粉塵、ウィルス、黄砂
を防ぐ。考え方としては顔半分を覆ってしまうマスクよりも合理的です。ただ、この左右の鼻の穴の間をブリッジする形状をみると、接合部があるわけで見た目が「鼻輪みたいなファンキーな感じになってしまうのではないか?」と疑問に思うことでしょう。
CM映像にもあるように、透明で細いので、接合部はかなり注意してみないとわかりません。フィルター部分も外側は黒いので気が付きにくいデザインになっています。じろじろ見られなければ装着はばれません。私も1日気づかれませんでした(笑)。
10ミクロンの粒子をカットできる高性能フィルター
とはいっても、じろじろ見られることが多い美少女は装着しないほうがいいでしょうね。
メーカーの想定するユースケースは、
・マスクをしてると息苦しい
・仕事の都合でマスクをする事が出来ない
・マスクのゴムで耳が痛い
・デートの時にマスクはちょっと...
だそうですがデートはやめましょう、デートは。
つけているのを忘れてしまうくらいとまではいきませんが装着時の違和感はありません。肝心の効果はあると感じました。
・鼻の周りに静電界をつくって花粉やホコリの流入を防ぐ"塗るマスク" ネイザルガードhttp://www.ringolab.com/note/daiya/2012/03/post-1605.html
芥川賞をはじめ文学賞とりまくりの小説家 村田喜代子による文章術。
自分にしか書けないことを、だれが読んでもわかるように書く。それがこの本の良しとする文章だ。そして「散文とは誠実に言葉数を費やして、自分の前にある事象に迫るものだ」といい、「豊満な体。熟れた若い女の肉体」などという語彙のみをもって最小限の言葉数で語る不誠実な文章を書くなという。かっこをつけた名文は不要、文章は口から。書くときにはモグモグいいながら、自分の言葉で語りなさいという。
何かの拍子にさらっといい一行が書けることがあって、それをベースに文章を仕上げていくということはよくあるが、その一行が名文だと勘違いしてはいけないという指摘に、私はうなった。推敲では鬼にならねばならない。
「削除には多大な勇気がいる。名文なんか惜しみなく捨ててしまおう。ここであらためて名文の定義をすると、真の名文とは、用途に合った表現の文章をさすのである。テーマに沿って効果的な働きをしている文章のみが名文というに値する。 たった一行のいかにも気の利いた文章や、格好の良い表現を名文と思い込んで、愛憎のあまり削ることができず、苦しんでいる人がいる。一行や一句の名文なんてあるはずがない。文章は前後と連結してこそ機能を果たすもので、そこだけ独立しているのではない。」
前半は文章術の基本と応用編。テーマや構成のつくりかた。導入部の書き出し方、地の文のかき分け、描写、セリフ、タイトル、推敲などについてノウハウがまとめられている。後半は質問編、独習編、鑑賞編。インパクトのある文章の書き方やですます調の使い方など、物書きが一度は突き当たる具体的な疑問点に、作家がわかりやすく答える。
ところどころにどきっとすることがある。たとえばこんなことはなかなか教えてもらえない。
「まず作者の意識の問題としては、自分のことを書く際は少し貶めるというのも、常識でわかることだ。」
これは私が原稿を書く際によく気になっていたことだ。最初に読者との距離や上下関係が決まると書き出せることは多い。次書き出しで困ったら、このアドバイスを思い出そう。メモメモ。
著者が考える、書くに値する文章、読むに値する文章とは、
1 誰もが心に思っている事柄を、再認識させ共感させる
2 誰もが知りながら心で見過ごしている事柄を、あらためて再認識し実感させる
3 人に知られていない事柄を書き直して、そこに意味を発見し光を当てる
というもの。書いた文章にあてはめてどれにも該当しないものは価値がないということ。名文とは何かに実践的に迫る、学びの多い本。
村田喜代子のおすすめ作品
・蕨野行
http://www.ringolab.com/note/daiya/2011/05/post-1437.html
・龍秘御天歌
http://www.ringolab.com/note/daiya/2011/04/post-1426.html
・閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義
「グーグルで○○で検索して3番目にでてくるのが私のページです」という説明は、少し前から通じなくなっている。グーグルは検索結果のパーソナライズに取り組んでおり、過去にどんな検索をしたかによって、検索結果の順位をユーザーごとに変更しているのだ。ある人には3番目でも、普段の検索傾向が違う人には異なる順位で出てくる。
グーグルだけでなくネットの至る所にパーソナライズは仕掛けられている。ネット技術に習熟した人ほど、自分の興味関心のある情報が密度濃く現れる情報宇宙に包まれる。この現象を著者は"フィルターバブル"(これが原題)と呼んでいる。
フィルターバブルに包まれると目障りなものは見なくていいし、聞きたくないことは聞こえない。一見、自分を中心に世界が回っているような魅力的な情報空間に思えるが、多様な情報、異質な情報のインターネットの本来の魅力が失われてしまう。我々は、そうと気づかぬうちにグローバルなロボトミーを受けつつある」と著者は危惧する。
私たちは多様性や異質性と向き合うよりも、よく知っている情報ばかり好んで吸収しようとする。専門家ほどその傾向は強いという。
「専門家は、多大な投資をして世界を説明する自分の理論を構築する。だから数年もたつと、右にも左にも自分の理論が見えるようになる。たとえば、バラ色の経済に賭けている強気の株式アナリストは経済全体が破綻しかねなかった住宅バブルに気が付かなかった───誰にでもわかりそうなほどトレンドは明確だったというのに。」
「ある政党の支持者は自分の政治的信条に沿ったニュースソースを消費する傾向がある。教育程度の高い人は政治関連のニュースに興味を持つ割合が高い。だから、教育程度が高いほうが、まちがったことを学んでしまう可能性がある。」
そしてユーザーの検索や購買の履歴、交友関係、サービス利用状況などはグーグルやアマゾンのような企業によって膨大に収集され、統合されていく。そのデータはおすすめに使われるだけでなく、いずれは与信にも利用されるだろうと著者は予言している。友達に支払いがルーズな人がいるとあなたが銀行でお金を借りるとき不利な条件が課されるようなことがあるかもしれない。
グーグル・パーソナライズ・民主主義という副題がついているが、多くのエンジニアはこの問題に対して鈍感である。エンジニアの多くが自分は便利なサービスをつくっているだけと考えていて、ユーザーのニーズにこたえることが善だと考えているイメージがある。エンジニアが自分たちの仕事の倫理性や政治性を意識すべきだという指摘があったが、教育が文系と理系と両方を融合させることが真に重要な時代になってきたということでもある。
政治や倫理の世界と、情報科学と工学の世界はいまはとても離れてしまっている。住んでいる人種が違いすぎる。理系の科目をいっぱいとるには文系の科目も何割とらないとダメみたいなルールを作ったらいいのかもしれない。それから異質な人との逃げ場のないリアルな討論会もよさそうだ。
イヌっぽいデザインのステイプラー DULTON BONOX Stapler
会社の備品や同僚のを借りてばかりでずっときて、ついにはじめて買ったマイ・ホッチキス。とても気に入っている。
クロームの質感とシンプルで品のあるデザインに一目ぼれして買った。機能性重視のシンプルデザインだとばかり思っていたのだが、実は犬の顔のかわいい系デザインでもあるということに後から気がついた。どちらにせよ机の上に常に展示しておきたくなる。
ほどよい重量感も心地いい。
最も一般的な10号の針を使う。
カラーバリエーションもあるが、やはり素材の質感がいきるクロームがベストなのではないかと思う。
31歳の女性イラストレーターが世の中のおじさんを観察し、分類し、イラスト化したビジュアル図鑑。酔っ払いのおじさん、正体不明のおじさん、ちょいワルおじさん、仙人おじさん、カメラ好きおじさん、あほ面のおじさん、普通のスーツのおじさん、偉いおじさんなど、ありがちなおじさんが次々に出てくる。
おじさんの人物像を深掘りするためインタビューもある。取材対象には蒸発歴20年で娘の結婚式に女装して列席したという変人おじさんや、ホームレスの炊き出しでキレるおじさんや、一緒に貝を拾おうと誘う島のエロおやじなど、怪しいおじさんもいっぱいいるのだが、デザイナーの原研哉や写真家の岩合光昭やコラムニストの泉麻人みたいな有名おじさんも混じっている。幅広い。
おじさんに共通するのは、人生の悲哀を背景とするさまざまな味わい。それは出そうとしなくても自然と出ている加齢臭みたいなもの。若者は頑張っても出せないものであって、いかにそれをポジティブにとらえて、見せるかがよいおじさんと悪いおじさんの勝負の分かれ目なのであった。
すでにおじさんである私も、どんなおじさんになるか「おじさん予想診断」を受けてみた。結果は「趣味人なおじさん」。「すでに人生観が決まっているあなたは、おじさんになっても今の雰囲気とあまり変化がなさそうです。「変わってるね」と言われがちなタイプです。」。まあ、当たっていますかね。
幽霊、占い師、幽体離脱、念力と超能力、予知夢と予言者。ニュースになった"超常現象"を最先端科学で解き明かす。著者は超常現象は全部嘘というスタンス。科学でトリックを説明できるという本。そして、各章でトリックを解き明かすと同時に、「あなたにもできるスプーン投げ」のように、誰にでも実際にできるやり方を示している。
驚くようなトリックというのはほとんどなくて、たとえばスプーン投げは折れる寸前まで曲げた「応力のかかったスプーン」を用意して隠し持っておく。いかに観客にこれを意識させないかがすべてのポイントになる。
ほとんどの超常現象に共通するのは錯覚だ。脳は環境の中で最も重要と思われる事柄を選び集中する。その他の事柄にはほとんど注意が払われない。詐欺師たちはこの脳の性質を利用して、見るものを欺く。
人間の脳のはたらきを知っていると思考さえ操ることができる。こんな実験があった。
「ウェグナーは、白クマが大好きな人だった。もっと正確に言えば、クマのことを考えないでくれと人に頼むのが好きな人だった。彼は有名な一連の実験で、参加者に白クマのことを考えないように頼み、現れてほしくないクマが頭の中に侵入してきたら、その都度ベルを鳴らしてもらった。すると、被験者たちは頭の中からクマの姿を消し去るのに驚くほど苦労し、数秒おきにベルが鳴ることも多かった。」
考えるなと言われると人はそのことばかり考えるようになる。
白いシーツを被った典型的な幽霊の格好をして夜の公園に出没するとどうなるかを試した実験もあった。こちらでは逆にほとんどの幽霊が発見してもらえなかった。人はなかなか幽霊には気がつかないのだ。だがここには幽霊がでるという暗示をかけると人は簡単に幽霊を見てしまう。任意の何かを考えさせたり、あるいは気がつかなくさせることは、脳の仕組みを知っていると、割合、容易にできてしまうことのようだ。
超常現象というよりも認知科学に興味のある人向けの科学読み物。手品の数々が披露されているのでこれを人に試してみるのも面白そうだ。
ガイド罫・タイトル枠付 整うノート B5・30枚・6mm横罫
http://www.muji.net/store/cmdty/detail/4548718957774
今使っているほとんど普通の、でも、ほんのわずかに特徴のあるノートの紹介。わずか過ぎて微妙なのであるが。
"ガイド罫"とは行頭をそろえるための罫線のこと。すべてのページに行頭部分をそろえるための補助罫線が5本ひかれている。それ以外は普通の無印のB5ノートである。ワープロの行頭揃え機能やタブ・インデント機能があるかのように、整然と書き込むことができる。だから「整うノート」。
本や講演の内容をメモするときに、要点を箇条書きでまとめることが多いが、ガイド罫はこういうときに向いている。見出し語と連番数字をきちっとそろえて書くことができるからちょっとうれしい。そういえばタイトルを記入できるスペースもある。読書ノートにもよさそう。
ところで、何度か無印のノートを紹介しているが、結局、私は無印のノートの表紙の色が好きだ。この色のノートPCやケータイあるといいのに。
iPhone用ケース。
サクラクレパスのクーピーのケースデザインが印刷されている。
店頭でみてデザインに衝動買いしたが、とても気にいり現在常用中。材質がほかにはあまりない柔らかなプラスチック素材で、とてもさわり心地が良く手になじむ。温かい感じがする。
おじさんの私が持っているのを他人が見てどう思うかという話はちょっと脇に置いておいて、この絵柄は子供心を忘れないクリエイティブなイメージがする。私は子供の頃、クーピーをかじってみたことがあって、見ると味が浮かんでくる(変な味)という個人的な思い入れもあったりして...。
カラフルな色合いのケースを探していたのだが、単にカラフルなのではなく、デザインに必然性があってカラフルな点が購入の決め手。
本来はiPhone4用なので4Sだと音量ボタンなどの穴の位置が若干ずれてしまうが、実用上はあまり問題は感じないレベル。
本物のクーピーのケースと同じように右端に小さく「おす」という表示があるのがよいセンス。
・「クーピーペンシルの名前の由来
http://www.craypas.com/products/pickup/coupy.php
クーピーペンシルの「クーピー:COUPY」とは、フランス語の「COUP(クー)」という単語に「Y」をつけてクーピーと耳にやわらかく響くように工夫した造語。フランス語「COUP(クー)」は「打つ」「一撃」という意味。発売当時、色鉛筆は消しゴムで消せませんでしたが、クーピーペンシルは、全部が芯で消せるという今までの色鉛筆にはない画期的な商品でした。この全部が芯で消せるという特長で色鉛筆市場に一撃を加え、色鉛筆分野においてもトップブランドになることを目指して「COUPY」という商品名が付けられました。」
脱原発と自然エネルギーへのシフト。農業革命、産業革命、IT革命に次ぐ第4の革命を提唱する環境エネルギー政策研究所 飯田哲也さんの新書。ご本人の講演を聴く機械があり、会場で感銘して購入。自然エネルギー、小規模分散型システムへの見方が少し変わった。
私はこの本を読む前の考えは、10年くらいかけて徐々に脱原発を進めながら、従来方式の発電方式の効率を高めるのが無難ではないかというものだった。自然エネルギーといっても現状は2%程度であるし、太陽電池にせよ水力、風力にせよ、諸々の障害があって、20%レベルへ持っていくのは不可能と思っていた。その信念が3割くらい、自然エネルギーシフト可能説へと動かされた。
ドイツやデンマークなどエネルギーシフト先進国では、研究開発や初期投資に政府のお金を投じるのではなく、自然エネルギーで発電された電力の固定買取価格制度によって、急速な普及を実現できている。供給プッシュ型から需要プル型へ。これまでの政府のやり方とはまったく違う市場メカニズムを組み込んだエネルギー政策。
環境エネルギー政策研究所の目指すエネルギーシフト計画では今後10年程度で原発を停止し、2050年には石炭・石油と天然ガスもゼロにする。その代わり自然エネルギーを30%に引き上げ、(我慢しない)省エネ節電を20%実現する。これで現状よりも50%増しになるから、もはや10%程度だった原発が消えても問題なしという内容。
「情報、マネー、エネルギー、この3つは、現代社会を構成している重要な媒介(メディア)として考えることができます。その意味で、その3つのあり方は、国や地域の政治のあり方を色濃く表わしています。これまでは、3つすべてが中央集権的な構造のなかで一元管理されていました。しかし、そうした構造は解体を余儀なくされつつあり、新しいうねりが生まれてきています。」
情報はインターネット革命によって、マネーはリーマンショックによって中央集権から分散型へとシフトが起きた。自然エネルギー、小規模分散型の発電システムの普及を実現することは、社会構造、権力構造の革命的な再構築を意味する。著者のビジョンは3.11を起点にして、いままさにその動きが始まるのかもしれないと思わせる。
アルバニアを代表するノーベル文学賞候補作家による反ユートピア小説。やっと文庫化された。寓意に満ちていて非常に面白かった。
19世紀のオスマントルコらしき世界で、国民の見る夢を収集する巨大な官僚機構 夢宮殿。そこは何千人ものエリート官僚が働く秘密主義の機関だった。全国から集まる膨大な数の夢の報告を<受理>は受け取り、<選別>課は重要性で分類し、<解釈>課は隠された意味を読みとる。そして夢宮殿の最高機関<親夢>は、上にあがってきた夢の中から、帝国の運命にかかわる予兆を含む「親夢」をひとつだけ選びだして、皇帝に伝える。それが戦争や平和、国家プロジェクトや政治的粛清の意思決定につながることもある重大な仕事だ。
国の名門キョプリュリュ家に生まれたマルク=アレムは縁故で夢宮殿に就職し、大臣や知事を親戚に持つ家柄の力で、順調に出世の階段を昇っていく。国家に奉仕する巨大官僚機構の恐ろしさ、滑稽さがこの小説の主題。マルク=アレムは眼の前の仕事に没頭しているうちに、夢宮殿をめぐる権力の謀略に巻き込まれていく。
セクショナリズムと秘密主義に覆われた組織の中で働く官僚たちは、自分の仕事が全体に置いてどのような役割を果たしているのかわからない、そして知るつもりもない。夢宮殿に限らず、現実世界の多くの官僚組織も同じように腐っている。無意味に情報を集め、無意味なルールで選別し、恣意的に解釈して上へあげる。為政者はそれに基づいて決定を行う。
異世界の幻想的な空気の文学作品。権力機構の不気味さな正体が霧の中から浮かび上がってくる。テーマは重いが、語り口は重苦しくなくて、ミステリー的展開で楽しめる。原語がアルバニア語なので翻訳が数少ないみたいだが、他の作品も全部読んでみたいと思わせるとても魅力的な作家だ。
最近はまっているドラマがあって小泉今日子が主役の『最後から二番目の恋』。身近な鎌倉が舞台なのでロケ地が毎回とても気になるのだ。ドラマにでてくる場所を回ってみようと週末に出かけた。このとき移動経路のマップを写真付きで作成するソフトとしてTripmeterを使ってみた。
・最後から二番目の恋
http://www.fujitv.co.jp/nibanmeno_koi/index.html
Tripmeterはいつでも(携帯の電波がなくても)地図上にチェックインして写真やメモを残せる。Foursquare、Facebookの位置情報を使ってチェックインを公開することもできる。写真やコメントをTwitter、Instagramに投稿する連携機能もある。
そして旅行が終わったら複数のチェックインデータをまとめて1日のマップを作成する。
時刻が出るので、移動にかかった時間や滞在時間が細かくわかって面白い。
そして作成したマップはWebに公開することができる。旅行記をつくって公開することができるのだ。下は私のサンプル。
ドラマのロケ地旅 鎌倉 最後から二番目の恋の撮影地を見に行く
http://tripmeter.me/4S448
全然ロケ地と関係ない所(最初に腹ごしらえしたラーメン屋や最後にお茶した喫茶店は関係ありません)も入っていますが。
よく考えると、このアプリのようにわざわざチェックインしなくても、位置情報が入った写真があれば旅行マップを後からつくることもできるんじゃないかと思いました。そういう機能も欲しいところ。
異なる時代の女たちの官能をテーマにした坂東 眞砂子の連作短編集。
「海は未知への扉であり、山々には精霊が宿っていた太古・弥生時代。男の心に狂おしい愛情の念を残しながら、魂が肉体を離れ飛び去って行く女の哀しみを描く「緑の女の還る地は」、室町時代に山城国の有力領主に嫁いだ誇り高き女と、京の遊里で名をなした女が都で儚き運命を交差させ、性を開花し散って行く「乱の徒花」、江戸を訪れた阿蘭陀(オランダ)商人に性の悦びを教えられ身も心も崩壊する町女を描く「伽羅の魔」...他4編。」
時代の幅が広い。弥生、鎌倉、室町、江戸、昭和、平成と時代順に並んでいて特に古い時代の作品が幻想的で良かった。
山々に精霊が宿っていた弥生時代。海賊の黒魔蜂が倭国の平和な村を襲い、「緑の女」たちを連れ去っていく。村に住む若い男の兎足は、思い人の若菜を賊に奪われる。『緑の女の還る地は』。大陸から波状的に人々が日本に押し寄せてきた頃というのはおそらく、こんなドラマがあったんじゃないかと思わせる。
この作品は当初、梟森南溟という筆名で出版された。当時の坂東 眞砂子のパートナーのフランス人との共作だったそうだが、「共作というのは二人でテーマについて話し合い、だいたいの路線が決まると、ミッシェルがエロティックな描写部分を英語で書き、私がそれをできるだけ忠実に日本語に翻訳し、さらに物語としての形を整えていった」という。どことなくエキゾチックな感じがあるのは外国人の感性が混じったからかもしれない。
・くちぬい
http://www.ringolab.com/note/daiya/2011/10/post-1530.html
・異国の迷路
http://www.ringolab.com/note/daiya/2006/06/post-394.html
視聴率が低迷するNHK大河ドラマ『平清盛』ですが、登場人物が知られていない、関係が複雑というのが人気がない理由なのではないかと思います。
振り返ってみると、私が戦国時代の武将の名前を覚えたのはゲーム『信長の野望』の攻略本でした。三国志もそうでした。光栄万歳。歴史上の人物の顔は、現代風の絵でみたほうがリアリティがあって、歴史の物語にも感情移入しやすくなるなあと思います。
このビジュアルガイドは源平合戦に登場する人物たちをゲーム攻略風に解説したたいへんわかりやすい本です。源氏と平氏、藤原氏、天皇系をイラストと簡単なプロフィールで紹介していきます。解説の大きさでだいたいの重要度もわかります。
そして源平合戦といえばたくさんある戦いですが、誰が誰と戦っているのかがわかりにくい。この本では全23合戦を4段階チャートで分析し、主要人物たちの「勝ち」「負け」を明らかにします。図式が理解できました。
一般には無視されますが、ゲームの攻略本はしばしば書店のベストセラーになります。子供も大人も慣れ親しんだゲーム攻略本的な様式の教科書を作ったらいいのではないかなあと思いました。
・源平武将伝 平清盛 (コミック版日本の歴史)
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/01/post-1578.html
・清盛
http://www.ringolab.com/note/daiya/2011/12/post-1567.html
・平清盛 -栄華と退廃の平安を往く-
http://www.ringolab.com/note/daiya/2011/12/post-1565.html
・平家の群像 物語から史実へ
http://www.ringolab.com/note/daiya/2011/10/post-1533.html
・「平家物語 あらすじで楽しむ源平の戦い」と「繪本 平家物語」
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/09/post-823.html
・安徳天皇漂海記
http://www.ringolab.com/note/daiya/2006/09/post-445.html
平家物語のバリエーション。
・琵琶法師―"異界"を語る人びと
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/07/post-1034.html
よくできた年表ソフトだ。
-まず西暦1年~2111年の年表があり、
主な出来事(これが結構詳しい)
天皇/摂政関白
将軍/首相/院政/執権
和暦/干支/皇暦
時代トレンド
というデータベースになっている。自由メモ欄があって、ユーザーが写真やメモを登録することができる。史跡めぐりをしながら、知った事柄や撮影した写真を年表上に登録していくと自分の歴史学習データベースが育っていく。
特に便利なのが年齢計算だ。年を選ぶと各時代の主要人物たちの年齢がまとめて表示される。たとえば平清盛が太政大臣になった1167年(仁安2年)、清盛は49歳、後白河天皇40歳、西行49歳ということがわかる。テレビドラマをみながらこのとき、この人何歳?とすぐに調べることができる。近現代ならば自分の生年を登録して表示させることもできる。
歴史上の人物たちについての内蔵データは生年没年享年がある程度だが、Google、Youtube、Wikipediaで検索する機能がある。
さあ花粉症の季節到来です。
今年は鼻の周りに静電界をつくって花粉やホコリの流入を防ぐ"塗るマスク"を試してみました。チューブからジェル状の薬を1,2滴指に出して伸ばし、鼻の周辺に塗ります。鼻孔の周りを囲むように塗るのがポイントです。メントール配合で、つけた時スッキリ感があります。これで微粒子が鼻に入りません。
原料は水溶性陽電荷帯電ポリマー。
どういう原理かというとメーカーの説明の引用では以下の通りです。
「ネイザルガードのジェルはプラスの成分を持っており鼻の周りに塗布すれば、鼻の周りにプラスの静電界ができます。空中に浮遊する花粉、ホコリや汚染物質はプラスとマイナスのいずれかに帯電しています。ジェルを塗ることにより鼻の周りはプラスになっていますので、プラスの微粒子はプラス同士の反発で跳ね飛ばされます。また、マイナスの微粒子はプラスとマイナスが引き合い、微粒子は鼻の中に入ることなくジェルにくっつきます 。このような仕組みで、微粒子が鼻の中へ入ることをブロックしてくれるのです。(米国特許No.6,844,005)」
私はコンサルタントであり教員なので、人前で話をするのが大切な仕事ですが、花粉症の季節だからといってマスクをして壇上に上がるのは気が引けます。マスクなしでどうにかしたいと思っていたので、塗るマスクは大歓迎です。早速使い始めています。
で、効果のほどですが...。
効いているように思いますが、実ははっきり効いていると言えません。これほど検証が難しいグッズもないなと思ったわけです。マスクの効果っていうのは、どんなタイプのものであれ、わかりにくいのです。毎日環境も違いますしね。花粉が飛んでいる日でも、これで症状がそれほど悪化しないので、普通のマスクレベルの効果があると思っていいような気がしています。
結論としてはマスクと併用がよいです。通勤は普通のマスクで、人前に出る時は塗るマスクと使い分けれることにしました。
弱点としてはすでに鼻水がぐずぐずのときは塗れないことと、鼻をかむと落ちてしまうということ。飽くまでまだ大丈夫な段階で塗らないといけません。
・除菌・消臭機能がついたコクヨのマスクケース DRK-MC2W 「防災の達人」
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/02/drkmc2w.html
『CITY ROAD』『WIRED日本版』『季刊・本とコンピュータ』の元編集者で、「本と出版の未来」を考えるウェブサイト『マガジン航』編集人の仲俣 暁生さんの本。POPEYE、ユリイカ、文芸春秋、東洋経済、NUMBER、OZマガジン、ぴあ、などさまざまなジャンルの30種類以上の雑誌をとりあげて批評する。
全記事が雑誌愛に満ちた批評で楽しい。今イケてる雑誌はどれか、ダメなのはどれか、意外な人気メディア、新しいビジネスモデルなど幅広い話題が盛り込まれている。1つのジャンルで必ず複数の雑誌をとりあげて、特徴比較をしている。歴史的に果たした役割も説明されている。通読すると雑誌メディアの全体を俯瞰する視点が得られる。
「いま思えば、かつての『POPEYE』は、現在のインターネットのような存在だった。書き手と読者の距離を近く感じさせるカジュアルな文体による短いコラムや、スナップ写真のようなグラフィックに添えられた短いキャプション。これはいまのブログとツイッターで行われているコミュニケーションの形態とよく似ている。」
雑誌が売れなくなったのはやはりネットのせいなのだろうと私も思う。雑誌は今でも月に5,6誌を買うが、ネット以前はもっと買って読んでいた。かつて雑誌に費やした時間やお金や好奇心を今はネットに注ぎ込んでいる。
iPadの登場で、寝転がりながら読めるメディアとしての雑誌という需要も、だいぶ電子化の浸食が進んだ。レイアウトやフォントの美しさ、プロの加工する写真やイラストという強みも、デジタルツールとソーシャルパワーで、デジタルメディアが急速に追いついてきている。
ただ本質は利便性や機能の優位というよりも、紙のメディアが時代の先端を共有する場ではなくなったというのが、最大の凋落の要因だろう。情報感度が高いキーマンたちが、読み手としても書き手としても、紙の雑誌の編集部界隈から、ネット界隈へと移民してしまった。彼らにとって紙は原稿料をもらえるからやる割り切った仕事に堕しつつある。あの雑誌に原稿を書きたい、登場したいと思われなくなった。
コンピュータ雑誌、音楽雑誌、ゲーム雑誌...。学生の頃むさぼるように読んだ雑誌の魅力とは、誌面の向こう側に私が知らない凄い世界が広がっているという感覚だった。編集者やライター達が編集後記に書くぼやきや裏話がまぶしかった。若い読者の私はそんなにふうにぼやいてみたかった。その感覚が今の紙の雑誌では薄れている。いまや「大変だ」なんてぼやきを見ると、本当に大変なんだなあ、と気の毒、可哀そうになってくる。先端をつくりだす余裕が感じられない。
サブカルとカルチャーの間をつなぐような紙の雑誌が読みたい。
「さきの「ブルータス30年目の真実!?」のなかで都築氏が、彼が在籍した時代には編集会議など一度もなかった、と話している。逆にいまの誌面から感じられるのは、編集会議やマーケティングのしすぎではないか、と思えるほどの「現実」に対する後追い感覚だ。文化を扱う特集も、かつてのような遊び心から生まれたものではなく、いかにも生真面目なお勉強路線、いいかえるなら実利志向が目につく。」
と仲俣さんが書いているが、雑誌はかつてのようにトレンドをつくりだす現実歪曲空間であってほしいと思う。出版不況で売れる雑誌をつくらねばならないという環境がそうしているのであろうが、それだけでは「再起動」は果たせないだろう。
この本からは、カメラ雑誌や山岳雑誌などオヤジ趣味の女子化、ローカル雑誌復活の可能性など、雑誌のトレンドがを10個くらい教えてもらった。知らない雑誌の発見もあった。雑誌連載がベースらしいので、ぜひ記事が貯まったら続編も出してほしい。
そういえば、欄外に多数詰め込まれた注釈記事が楽しかった。本文ではわざわざ書かなくてもいいようなことが書いてあったりするとニヤリとする。こういう遊び心と余裕が、雑誌の本来の魅力なのでもあったな、と。
NHKの同名の番組がとても素晴らしかった。全4回で人間が人間的である理由について探究するドキュメンタリ。考古学・人類学・動物学・脳科学・心理学などの最新成果を総合して、人間性や社会性の起源を明らかにしていく内容だった。近日DVDでも出るだろう。
・ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか
http://www.nhk.or.jp/special/onair/human.html
これはその書籍版。4部構成の番組の流れはほぼそのままに、研究の詳細、取材過程でのエピソードを加えて、文字で深く知ることができる内容になっている。
脳の進化が心の進化につながり、心の進化が社会の進化へと影響を及ぼしていく。キーワードは交換、飛び道具、農業、貨幣。どれも人間にしか見られない事象であり、複雑な心が発達していないと成立しないものであるということを、毎回、少し意外な展開を交えて明らかにしていくプロセスが面白い。
人間社会の複雑さは心の複雑さの反映なのだ。研究によるとチンパンジーにも喜怒哀楽があるが、うらむ、ねたむ、恥じる、ひがむ、のろうといった自他の差の認識に起因する感情はないのだそうだ。人間はやたらと自分と他者の違いに対し感受性が強い。良い面も悪い面も屈折する心から生じている。
ちょっと意外だったのが信頼に基づく協力の起源である。人類の狩猟採集時代は平等な社会であり、分かち合いが当然である時代が何万年もあったらしい。原始時代というと弱肉強食をイメージしてしまうが、逆であり、助け合わなければ非力な人間は生きていくことがままならなかったのだ。農業が発達し、富の畜性が始まり、貨幣制度ができたからこそ、利己的な人間が存在できるようになった。人間と言うのは本来的には人間的なのだ。進化することで非人間的になってしまったのだ。
衣食足りて礼を知るという言葉は疑ってみる必要がる言葉なのかもしれないなと、この番組を見ていて思った。
米イェール大学歴史学部教授で『大国の興亡』などの著書で知られるポール・ケネディのエッセイ集。
「偉大な指導者は歴史を作るのか、時流に乗っただけなのか」
「地球規模の繁栄に必要なのは正統性と言語と位置である」
「石油と食糧の交換取引に新たな展開も?」
ここ数年に書かれた数ページのエッセイが36本収録されている。国際関係を歴史学の観点から読み解くというのが全体としてのテーマだ。国際時事ニュースの見方が変わるヒントが多数盛り込まれている。
数字から入るネタが特によかった。
たとえばパレスチナでは異常な高出生率が続いており若いアラブ人が激増している。彼らには仕事がなく欲求不満に陥っている。イスラエルの武力にはかなわなくても数の上では圧倒しつつある。この数字はアラブ地域が不可避的に動乱期へ向かうことを示しているという(「数字が物を言う時代」)。国の力を領土の広さと人口と耕地面積の関係から分析したり(「領土と力 常に大きいほど良いわけではない」)
国際関係と言うと複雑な要因が絡み合っていると考えがちだが、賢者はシンプルに考える。公開されている、基本的な数字や事実を見れば、おおまかな未来の予測は可能なのだろうと思わせる。
真面目な大先生的口調が基本だが、冬季オリンピックのメダル数が寒い国に偏っていることに対して、バランスをとるため「ラクダ競走」とか「真珠採りダイビング」とか「長距離唾液飛ばし」なども競技化してはどうかと提案する「なぜ雪国だけに楽しませておくのか」のようなおちゃめな一面もある。
・握った時だけペン先が出て普段は引っ込む 行動派のボールペン ゼブラ ワークダッシュ+U 白 ATU2-W
イベント時に便利でした。ネームカードのストラップと相性がいい。
ペン先がカバーにおおわれているが、軸先を握っている間だけペン先がでてくる。手を離すとペン先は引っ込む。片手でコントロールできるので、さっと取り出してさっと書ける。
ペンで服を汚してしまうとか、ペンキャップをなくす心配がない。それから、子供の頃よく「鉛筆を持って走ってはいけません」なんていわれましたが、大人でも、ペンを首からぶら下げていて(あるいはポケットに入れていて)転んだら危ないんですね。これだと安全です。
クリップとひも通し穴がついている。ネックストラップにぶら下げて使う、あるいは、書類にクリップして携帯することが前提の行動派のためのボールペンです。
私は必要ないので選びませんでしたがペンの頭にUSBアダプタがついていて、別売りのmictroSDカードをアダプタにセットすればUSBメモリーとして利用できる+Uタイプもあります。
放射能を考える映画2作をDVDで観た。
フィンランドの高レベル放射性廃棄物の最終処分場オンカロ建設のドキュメンタリ。
フィンランドでは原発からでる放射性廃棄物を、南西部のオルキルオト島の地中数百メートルにつくった施設に詰め込んでいき、22世紀になって一杯になったら、穴をすべて埋め戻して入口を封鎖するというのが"最終処分"の計画である。何億年も変化がなかった土地なのでおそらく安全だろうという考え。埋めた廃棄物の放射線が人類にとって安全なレベルになるのは10万年後。
過去を振り返ると現生人類の祖先がネアンデルタール人と共に暮らしていたのが10万年前くらいである。人類のこれまでと同じだけの期間、どうやって「ここは危ないから掘り返すな」と未来人たちに伝えることができるかを考えることが、オンカロの設計者たちの責務だ。それが本作のテーマ。
10万年後へのメッセージ伝達の議論が面白い。未来人の行動予測の知恵比べだ。
これから10万年後までに現在の人類は一旦滅びている可能性もある。我々の言語で残してもまず伝わらないだろう。パイオニア10号にのせた宇宙人へのメッセージと同じくらいの難問だ。
長期的に残る石碑や文書館を建築して、埋蔵物の危険性を骸骨の標識だとかムンクの叫びのような絵で伝えるという方法は有力な案。しかし、古代ルーン碑文にも埋蔵した宝物を盗掘者から守るため「触れてはならない、呪われる」というメッセージがあったが、人類は掘り返した。未来人も宝が埋まっていると思って掘るかもしれない。逆に考古学者の中には敢えて何も標識や記録を残さず忘れ去られるほうがいいという者もいる。辺境の島の特定の場所を偶然掘り当てる可能性は低いからだ。
100年か200年くらいのエネルギー確保のために、10万年間の安全に対して責任を負うはめになるというのは割に合わないという計算がよくわかる作品である。敢えてプロパガンダではなく科学的なメッセージとして構成されている、映像は美しい詩情さえ漂う。
★★★★☆
1986年4月26日のチェルノブイリ原発事故で汚染された地域を16年後の2002年に取材。
ベラルーシは国土の99%が汚染された。若者の甲状腺がんの発生率は30~40%という衝撃的な高さ。手術を受けた若者たちは首に傷跡を残しており「ベラルーシの首飾り」と呼ばれている。チェルノブイリハートとは事故の影響で心臓に障害を負った子供たちのこと。現地では障害児が生まれる確率が事故前の25倍になっており、近隣の病院では身体や精神に障害を持った子供たちでいっぱいである。
しかし、何年も経ってからの発症したガンは、事故との因果関係を立証するのが難しいため、多くの人たちがまともな保証を受けることができていない。福島原発でもチェルノブイリと同じかそれ以上に放射能がまき散らされたと言われている。こういう光景が日本に再現しないように、監督たちはフクシマに対して、直感にしたがって行動すること、おかしいと思ったらすぐ逃げること、子供たちのためにできることはなんでもすること、を勧めている。
冷温停止だけではまだ何も終わっていないことを思い知らされる作品。
アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞受賞作品。
★★★☆☆
・キャンパスノートA7変形細横罫(C罫)30枚 コクヨ[ノ-242CN]
コクヨのキャンパスノートの一番小さなA6サイズを買ってみた。上の写真はセミB5版、B6版と比べてみた図。10.2センチ×7.2センチ。小さい。おもちゃみたい。でもサイズはおとしても品質はそのままに、つくりはしっかりしたキャンパスノート。
ミニサイズなので情報の格納量は限られる。基本的にメモ帳として使うのだろうが、仕事などで良く使うワザ(キーボードショートカットなど)をまとめておいて、アンチョコのように使うというのもよさそうだ。パラパラマンガをつくるというのも王道か。
私は早速、本を読んでこれは雑談のネタにつかえると思ったキーワードを見開きでひとつ書いている。スーツの胸ポケットに入れておき、訪問先でどんな話から入ろうかと電車の中で検討できる。
アピカもA6サイズのノートを出している。こちらは高級感がある。並べてみた。比較するペンを横に置かないと実際のサイズがわからないくらい普通サイズとそっくりだ。
アピカ CD 糸綴じノート A6 鶸(ひわ) CD10HN 5セット
そういえばキャンパスノートといえば尾崎豊のノートが公開されている。ファンは必見。http://www.kokuyo-st.co.jp/campus/noteviewer/index.html
未来SF『カッシアの物語』の原型になったといわれる名作。ちょっとアイデアを借りただけというのではなく、原作といっていいほど世界の設定は似ている。3部作というのも同じ。カッシアがよかった人におすすめ。初版は93年で、これは2010年に出た新訳版。
未来世界で人々は、あらゆる苦痛が取り除かれた完璧な"コミュニティ"に住んでいる。貧困も格差もなく平穏に暮らす代わりに、人々は自由やプライバシーを手放し、与えられた規則を厳密に守らなければならない。決められた時間に決められた仕事をする毎日。頭の中で考えたことや、感じたことまで、わかちあう"感情共有"も義務とされていた。
国家の管理と市民の相互監視によって完全に予定調和の理想郷。隠しごとや嘘など規則を破るものは"解放"されてコミュニティからいなくなる。超えてはならない川の向こうへ追放されるらしい。
少年少女は"12歳の儀式"で各々の能力や性格に最適な職業を任命される。言語への感受性が強い主人公のジョナスはその儀式で、数十年に一人しか任命されない特別の役割「レシーヴァー」を与えられた。
コミュニティにはただ一人の「レシーヴァー」(記憶の器)がいて、コミュニティの過去のあらゆる記憶を受け継いでいる。「レシーヴァー」が老いると、「ギヴァー」(記憶を注ぐ者)となり、次の世代の新たな「レシーヴァー」にすべての記憶を渡す。「ギヴァー」が「レシーヴァー」の背中に手をおき念じることで、生の記憶が直接的に「レシーヴァー」に注ぎ込まれるのだった。
その過程で自分が生まれ育ったコミュニティの正体を知ったジョナスは故郷からの脱出を考え始める。
この作品の出版から約20年。国家権力のビッグブラザーによる管理社会ではなくて、グーグル的なライフログ全共有とソーシャルネットワークによる相互監視という形で、"コミュニティ"は現出してきている。
・カッシアの物語
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/01/post-1586.html
京極夏彦と町田尚子による絵本。
古い日本家屋の暗がりの怖さを子供の心にトラウマのごとく植え付ける怪作。
おばあさんの家にやってきた少年は、ふと天井のはりの闇をみつめた。そこになにかがいるような気配を感じる。本当になにかいるのか、気のせいなのか、心配になる。猫がいっぱいいて、暗がりだらけの古い家で、おばあさんと二人の平穏な生活。常に天井の気配の正体はなかなかわからない。
日本家屋の闇について谷崎潤一郎は『陰翳礼讃』でこんなことをいっている。
「思うに西洋人のいう「東洋の神秘」とは、かくの如き暗がりが持つ不気味な静かさを指すのであろう。われらといえども少年のころは日の目の届かぬ茶の間や書院の床の間の奥を視つめると、云い知れぬ怖れと寒けを覚えたものである。しかもその神秘の鍵は何処にあるのか。種明かしをすれば、畢竟それは陰翳の魔法であって、もし隅々に作られている蔭を追い除けてしまったら、忽焉としてその床の間はただの空白に帰するのである。われらの祖先の天才は、虚無の空間を任意に遮蔽して自ら生ずる陰翳の世界に、いかなる壁画や装飾にも優る幽玄味を持たせたのである。」
日本の伝統的な暗がりの怖さと味を子供に教える絵本としてよくできている。いつ出るのかと思わせてなかなかでなくて、もう出ないのかと思うとぐわっと出る。びっくり箱的な展開。読み聞かせるには親が演出をよく考えてちゃんと怖がらせてやりましょう。