2013年8月アーカイブ

電子出版イノベーション 7つの突破口
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日本電子出版協会 定例会運営委員会のイベントで「電子出版イノベーション 7つの突破口 」というテーマの講演をさせていただきます。「昨年に大好評だった橋本氏を再びお招きし」と書いていただいてうれしいです。私は単なる本好き、出版人というわけではありませんが、ITビジネスとの境界線上にいる人間として、メディアのイノベーションを考えてみたいと思います。

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     電子出版イノベーション 7つの突破口
 ~ 読者視点で発想する、読みたい、買いたい電子書籍の未来形 ~
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 電子の黒船は来たけれど、なかなか文明が開化しない日本の出版市場。 英語にクリーン・スレート(きれいな石板)という言葉がありますが、これまでの常識にとらわれず、ゼロから発想することこそ、日本の出版業界の新しい石板(メディア)づくりのキーワードかも知れません。
 今回の定例会は、現状の「儲かるコンテンツ」や「売れるしくみづくり」を考えるのは一旦やめにして、読者はどんなコンテンツならば読みたいか、買いたいかという視点から、「7つの課題」を整理します。
 そして、各課題に対して新潮流や新技術をテコとして、成長率が急上昇カーブを描くような新市場を生み出すイノベーションをワクワクしながら発想します。
 昨年に大好評だった橋本氏を再びお招きし、電子出版の読者として視点から熱く語っていただきますので、奮ってご参加ください。

【講師】 橋本 大也 氏 (データセクション株式会社 取締役会長)

【日時】 平成25年9月4日(水) 15時30分~  (受付開始 15時)
【場所】 研究社英語センター B2 大会議室
東京都新宿区神楽坂1-2 (JR・メトロ/飯田橋駅から徒歩5分)
【参加費】 会員社、 無料   
非会員社、¥2,000円/人(当日ご持参下さい。引換えに領収書を発行します)

※内容は一部変更になる場合がございます。予めご了解ください。
※JEPA会員社は無料です。
※JEPA会員社は下記URLに記載されている企業・団体のみです。
http://www.jepa.or.jp/member/kaiinsha.php
会員社の法人構成も複雑になり、事務局で把握することが困難となりました。関係会社それぞれが個別に会員になられている場合もありますので、JEPA会員社リストに社名掲載の企業・団体以外は原則的に「非会員」とさせていただきます。
グループ企業で登録しているJEPA会員は、会員登録企業名で申し込んでください。

お申し込みはこちら
http://kokucheese.com/event/index/104539/

・ウルトラマンが泣いている――円谷プロの失敗
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「「日本人の一般的な感性として、亡くなった人をムチ打つようなことは、言ってはいけないのかもしれません。でも、そのときばかりは、激しい怒りがこみ上げ、「あなたが私を排除したのは、こんなことが目的だったのですか」と、叔父の霊に問うてみたいと、切実に思いました。」」

円谷プロ創業者の円谷英二の孫で、6代目社長をつとめた円谷英明氏の悔恨の書。なぜ創業者一族は追放されたのか。キャラクターブームの終焉や著作権をめぐる訴訟もあったが、度重なるお家騒動が大きな原因であり、かなり赤裸々に内情が暴露されている部分もある。著者はワンマン経営の失敗と言っているが、同族経営の失敗の典型的な事例集になっている。

「我々円谷一族の末裔は、祖父が作った円谷プロの経営を全うすることができませんでした。現存する円谷プロとは、役員はおろか、資本(株式)も含め、いっさいの関わりを断たれています。 これから約半世紀にわたる円谷プロの歩み、真実の歴史を明かそうと思います。その中には、今もウルトラマンを愛してくださる皆さんにとって、あまり知りたくないエピソードも含まれているかもしれません。」

円谷プロにはビジョナリーもマネジメントもいなかった。東宝に実質支配されていた間はマネジメント部分はまだましだったが、創業家が株式を買い戻してからはやりたい放題ができるようになり、かなり怪しい経営内容だったらしい。何度も倒産の危機が来るが、腐っても鯛なウルトラマンの権利に救われて円谷プロは21世紀まで生き延びてきたことがわかる。

現在の円谷プロは玩具産業(バンダイ)とパチンコ産業(フィールズ)に買収されており、創業家は追放されている。これを読む限りでは、追い出されるのも当然というか、新経営陣の賢明な判断だったように思われる。元社長の著者は今は会社を離れて「ブライダル会社の衣装を運ぶ仕事」に就いているという。

適切に管理しないとキャラクタービジネスは価値が損なわれてしまうものなのだなあと思うと同時に、ここまでボロボロでありながらも、みんなに愛されているウルトラマンってのは偉大なヒーローだと妙なところに感心する一冊。

風立ちぬ 公式サイト
http://kazetachinu.jp/
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映画「風立ちぬ」を観た。空に憧れて 空をかけてゆく あの子の命はひこうき雲。ユーミンの歌が良かった。実に綺麗なファンタジーでありました。拍手。

風は吹いているか?夢の中で少年は憧れの天才飛行機設計者に問いかけられる。美しい飛行機をいつか作る。後のゼロ戦設計者の二郎は、大人になり時代の風、運命の逆風に立ち向かう。

ものづくりエンジニアの夢がメインテーマなのだが、技術はセンス、創造的人生の持ち時間は10年だというセリフがある。今を生きろというメッセージ。でも、それ過ぎちゃったら、後進の指導に回れということかなあ。いつがその十年なのかはわかりませんがね、まだ私も、とか思ってしまうのは年齢か(笑)。

1920年代の日本。不景気と震災が現代に通じるが、空気は相変わらずの懐古趣味。これじゃ、ある年代以上にしか受けないのでは?という私の予想を裏切って、Facebookつながりの今の大学生たちが良かった、と言っている。そうか、逆に新鮮なのか。逆に上の年齢には酷評する人も。

すれてない目で見ないと感動できない作品。醒めない夢の中に生き続けた二郎はすごい。凡人はちょっと風が強いと醒めてしまうからなあ。

かぐや姫の物語 公式サイト
http://kaguyahime-monogatari.jp/
次も気になりますが。

オーディオブック 桜の森の満開の下 坂口安吾
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学生時代に読んで強烈な印象を持っていたこの作品。オーディオブックで20年ぶりに味わって、ラストのあたりで震えがきた。やっぱりこれは声に出して読むべき作品だった。幻想文学の極みだと思う。朗読だと1時間17分ほど物語に没頭できる。

本筋は人間の自我や欲望の正体を描いた作品だと思うが、物語の最初と最後の桜の森の満開のイメージの記述がやはり印象的だ。

「 桜の花が咲くと人々は酒をぶらさげたり団子をたべて花の下を歩いて絶景だの春ランマンだのと浮かれて陽気になりますが、これは嘘です。なぜ嘘かと申しますと、桜の花の下へ人がより集って酔っ払ってゲロを吐いて喧嘩して、これは江戸時代からの話で、大昔は桜の花の下は怖しいと思っても、絶景だなどとは誰も思いませんでした。近頃は桜の花の下といえば人間がより集って酒をのんで喧嘩していますから陽気でにぎやかだと思いこんでいますが、桜の花の下から人間を取り去ると怖ろしい景色になりますので、能にも、さる母親が愛児を人さらいにさらわれて子供を探して発狂して桜の花の満開の林の下へ来かかり見渡す花びらの陰に子供の幻を描いて狂い死して花びらに埋まってしまう(このところ小生の蛇足)という話もあり、桜の林の花の下に人の姿がなければ怖しいばかりです。」

という冒頭が凄い。

この「大昔は桜の花の下は怖しいと思っても、絶景だなどとは誰も思いませんでした」は民俗学的には本当なのだろうか?。それが本当であるとしても嘘であるにしても、出だしの一説で、満開の桜のイメージを華やかさから恐ろしさへと変転させて、物語への導入にしてしまうのが見事。

・ダイオウイカと深海の生物
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イカもサメもばっちりです!

ダイオウイカと深海の生物の学研ムック。NHKスペシャル深海プロジェクト監修。

豪華とじこみ最大770ミリ超巨大イカポスター4枚+シールというオマケが子供だましよのうと思ったが実物みたら結構良いなシール。

ダイオウイカQ&Aより
「ダイオウイカはどのくらいいる?

相当数いるはずです。北太平洋だけでもマッコウクジラは約20万頭いると推定されているので、もし1週間にダイオウイカを1個体食べたとしても、1年で約1000万個体にもなります。もちろんほの何倍も生息しているはずなのですがなぜか見つかりません。」

世界に何千万もうじゃうじゃいるものなんですね。

サメもNHKスペシャルで見ましたが、メガマウス、ミツクリザメ、カグラザメ、ラブカ。個人的にはオンデンザメが好きですが。

ミツクリザメは長い吻と前に伸びる顎で獲物をキャッチするのがトラウマになりそうなほど印象的ですが、あれって本当に役立つのだろうか。稼げるリーチって50センチくらい?4mのミツクリザメが間近にきても獲物は油断しているということ?

撮影秘話。カメラマンはダイオウイカが現れる前からカメラを回していて見事に現れる瞬間を映像にとらえていた。なんとなくくる気がしたという動物的な勘がはたらいたとのこと。

奇跡の映像、次はマッコウクジラとの死闘シーンを見てみたいですが。

ダイオウイカ、食べられるそうです。塩化アンモニア水が入った小さな液胞を身体中にもっていて泳がなくても沈まないのですが、そのため、ダイオウイカの身は噛んで食べると苦味やニオイがするので噛まずに飲み込むように食べると普通のイカみたいな味だそうです。

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