2004年12月21日

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論理サバイバル―議論力を鍛える108問
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アキレスと亀、クレタ島の嘘つき、囚人のジレンマ、マーフィーの法則など、古今東西のややこしい論理ばかり集めては、根気よく説明していく本。この本を読んでも議論力につながるとはとても思えない。説得材料にしてはややこしすぎる。だが、ロジックのパターンをたくさん知っておくということは物事を考える上でとても役立ちそうである。頭の体操をしたいときには楽しく読める。

「韓非子の矛と盾」。これは矛盾という言葉の由来になった問題のようだ。

ある武器商人が賞品の矛と盾を売っている。矛を売るときには「この矛はどんな強力な盾でも突き通すことができるのだ」。「この盾はどんな矛でも破ることはできないのだ」。」。それを見ていた客が商人に「その矛でその盾を突いたら、どうなるんだ?」。商人はつじつまがあわず答えることができなかった。

という比較的よく知られた話。

以後、辻褄があわないことを矛盾というようになりました、嘘つくのはやめましょう、マル、で普通の本は終わってしまうのだが、この本では先へすすむ。商人が嘘を言っていない可能性があり、その場合、

ずばり盾の勝ち。

になる確率が高いのではないか、というのだ。

矛が最強の最強を証明するには盾を貫かなければならない

だが、

盾が最強を証明するには貫かれなければ良い

という違いがあり、どちらにせよ、実際に突いてみないといけない。

どのくらいの強さで突けば良いのか。弱く突くこともできるし強くも突ける。仮にどちらも無敵の矛と盾であったならば、人間の有限の力では盾は破られない可能性が高い。すると、盾が最強だということになってしまうのである。あるいは矛が実は無敵であったとしても、強さが足りなくて無敵ではない盾を貫くに至らない可能性がある。確率としては盾は破られない可能性の方が高くなる。

矛と盾を対等の関係と思ってしまっていると、この「矛盾」は解けない問題だったが、前提条件を疑うと違う答えが見えてくる。

こうしたロジックはへ理屈扱いされる可能性が高いので、実際の議論に使うのはどうかと思うのだが、議論で劣勢を泥沼ドローやエンドレス議論で粘り勝ちへ持ち込みたい場合、この手のパターンは知っておくと得なのかもしれない。

・Miura TOSHIHIKO's World (三浦俊彦の世界), designed by Akiyoshi MATSUSHITA.
http://members.jcom.home.ne.jp/miurat/index.html
著者のサイト。関連情報多い。


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Posted by daiya at 2004年12月21日 23:59 | TrackBack このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加
Daiya Hashimoto. Get yours at bighugelabs.com/flickr
Comments

この商人はインチキだったという設定があるのでどっちも強いと呼べるレベルのものですらなかったと思われます。
どちらも最強レベルであるという前提がまず崩れるわけで比較することに意味が無いかと。

と、議論をつぶしてしまうのはダメですか?

Posted by: Timeserver at 2004年12月27日 19:45

あるサイトで、商人は「買ってみればわかります」と答えればいいとあり、なるほどと思いました。
商人の目的は売ることであって、商品の無敵性を保証することではないので。

「じゃあそっちがやれ」と、相手に矛先を向けるのは、現実の議論でも使える手ですね。

Posted by: F at 2004年12月29日 13:57

 面白い話してますね^^僕がこの矛盾という話を疑い始めたのは、丁度幼稚園のころでしたが、やっぱりいろいろな議論が出ましたね。この問題は(笑)^^
 みなさんの意見それ以外に、考えた事は、これは商人の言う事が本当に事実であった場合、やってみせた結果、「無敵の力」同士がぶつかり合うわけですから、人間の有限力がどうであれ、どえらいことになるかもしれません。一つの考えとしては、両方大爆発かもしれません。   
※以上は、僕の考えの一つのうちであります。

Posted by: ユウ at 2006年07月19日 00:04

↑付け加えですが。そう答えても理解してもらえないと考えて言わなかったという可能性も、ないとはおもいますね^^
それと、インチキだったいう設定というより、そう思ったのは客であったので、その道具を良く知らないとされる客人よりも、商人の言っている事の方に考えをもつことが、この問題の大事な部分だとも、これもひとつの考えです^^ 
まだ幼かった頃にそれを考えていた僕は、「屁理屈大魔人」と言われていました(笑

Posted by: ユウ at 2006年07月19日 00:15

それと今は、「矛盾」と言う言葉よりもっと適した、例えや、言葉の可能性を検討しているところであります^^  【矛盾】という字が陰気臭すぎるかもしれません(笑)もうちょっと、「ちょ、ちょっと、まってよ!」「ありえないよ!」「わぉ!」という感じの字の方がいいかもしれません(笑)^^
 

Posted by: ユウ at 2006年07月19日 00:23

↑書き間違い・・・・
 「↑付け加えですが。そう答えても理解してもらえないと考えて言わなかったという可能性も、ないとはいえないかと思います^^」
に、訂正【笑
 

Posted by: ユウ at 2006年07月19日 00:28
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