2007年08月14日

悪霊このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加


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・悪霊
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久々に大ヒットな漫画を読んだ。(ぜんぜん新作じゃないけど。)

「この島では祭りの宵に出歩いてはいけない。濃密な「気」に満ち満ちたこの島では…。わだつみから来るもの、屋敷に住まうものが宵を占める。幻のホラー・コミックが、遂に蘇る。「リング0」脚本家、高橋洋特別解説収録。」

高寺彰彦は、大友克洋の元アシスタントだったということで、絵柄は似ている。天が落ちて地が揺らぐような、大友作品のダイナミックでスピーディな迫力は、この「悪霊」でも発揮された。

言い伝えのある島に人々が集まってくるという初期設定は、ゲーム「かまいたちの夜2」を連想させる。」。あれが良かった人はこれもよいはず、である。抑制されたホラーが少しずつ、壮大なスペクタクルへと発展していく。

古今東西のさまざまなホラー要素が各所で使われている。元ネタはあれかなと考えながら読むのも楽しかった。たとえば増築され続ける屋敷というモチーフは、米国の「ウィンチェスターハウス」日本の「二笑亭」あたりが元ネタであろうか。

・ウィンチェスターハウス Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA
「部開拓ではウィンチェスター銃が多用されたので犠牲者が特に多い西部へ引っ越し、怨霊を鎮めるためにその家を拡張し続け、霊魂の居場所を作ってやるしかない」と。夫人はすぐさまニューヘイブンの家を売却。現在のサンノゼはサウスウィンチェスター通り525番地に引っ越し、お告げの通り生涯に渡り実に38年もの間休むことなく増築を続けた。その結果、部屋数160、寝室40を有する4階建ての大豪邸と化した。豪邸内部は悪霊が侵入しにくく出て行きやすいよう、突き当たる階段や天窓が床にある部屋など奇怪な設計をし、さらには不吉とされる番号「13」を重視した階段や石畳などを多用したため、さながら迷宮を彷彿とさせる構造となった。」

・「二笑亭」wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E7%AC%91%E4%BA%AD
「二笑亭(にしょうてい)は、東京深川の地主渡辺金蔵(1877年?〜1942年6月20日)が自ら設計し大工を指揮して建築させた個人住宅(渡辺邸)である。

関東大震災後の1925-1926年、渡辺は世界一周旅行に出かけた。帰国後、(関東大震災後の)区画整理が終るとバラック建ての自邸を本建築に改築する工事を始めた。着工は1927年12月頃で、1931年8月に新築(竣工)届が出されたが、その後も工事が続けられた。この間、渡辺の奇行に耐え切れなくなった家族は別居し、渡辺1人と女中のみが残っていた。その後、「電話返却事件」(後述)をきっかけに1936年4月24日に渡辺が加命堂脳病院に入院させられ、2年後の1938年4月頃に取り壊された。

とても面白かったので同じ作者のこれも読んでみた。3作収録されているが、表題作はどちらかというとコメディ系のドタバタ。それ以外はハードボイルドな警察モノ。高寺彰彦の作風を知る上での研究に、よいかも。

・サルタン防衛隊
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「SF界きっての2大巨頭の原作を得た沈黙の鬼才・が、圧倒的な描写力で迫るスラップスティック作品の最高傑作、いよいよ復刊!雑誌掲載時のカラー扉を加筆のうえ完全収録!!」


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Posted by daiya at 2007年08月14日 23:59 このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加
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