2005年11月29日

羞恥心はどこへ消えた?

・羞恥心はどこへ消えた?
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レンタルビデオ店でアダルトビデオを借りる際の男子学生200人の行動を調査分析したところ、そこには4つの作戦が発見されたという。

隠蔽工作
・カウンターに他の客がいないときを狙う
・カウンターに女性の店員がいないときを狙う

偽装工作
・用がなくても他のビデオコーナーを回る
・アダルトビデオ以外にも興味があるように装う

関与否認
・連続して借りない
・借りたらしばらくその店にいかない

他人行儀
・店員にわざと無愛想にふるまう
・店員とはできるだけ視線を合わせないようにする

地べたに座り込んだり、電車で化粧をしたりと、若者は羞恥心が薄れたなどと言われるが、こんな事例を見るとまだまだ根強く機能していることがわかる。羞恥心は進化上、極めて重要な役割を果たしてきた人間社会にとって本質的なものだと著者は論じる。


羞恥心は単なる自己顕示欲や虚栄心といった世俗的なプライドを守る道具ではない。人類が社会に依存して生きることを決めたときから、世代を重ねる中でアップグレードされてきたシステムである。進化心理学の視点から考えてみると、恐らく人類史の中で敏感な羞恥心を持たない人物は、社会から排斥されその形質を後世に伝えることができなかったはずだ。これが繰り返される中、より優秀な羞恥心の持ち主が社会の中で生き残り、このシステムはさらに洗練されていったものと考えられる。

人間は集団で生きるため、自分の中に「集団の存続や福祉に貢献できないこと」「協調性や道徳性の欠如」「対人魅力の欠如」につながる要素をみつけると強い不安を感じる。社会から排斥されてしまうのではないかと恐れて改善しようとする。そのセンサーとしてはたらくソシオメーターが、羞恥心なのだ。

この本に紹介された研究結果によると、羞恥心は以下の式で計算できる。

羞恥心=相手との関係の重要度×自己への評価の不安度

この式では、自分の会社の社長と初対面で失言をしてしまったときはかなり恥ずかしい、と例がある。関係は家族のように極めて親密であったり、二度と会うことがない他人のように極めて疎遠であったりすると、羞恥心は鈍くなる。ほどほどに親しい関係の相手が最も恥ずかしさを感じる対象であるようだ。

「ミウチ」「タニン」「セケン」という日本文化の区分けでいうと、ミウチとタニンはあまり羞恥心を感じない。「セケン」は恥ずかしいということになる。最近の若者の羞恥心の弱体化は「地域社会のセケン機能の低下」「地域社会のタニン領域への移行」「セケンの機能細分化とミニセケンの増加」というセケン弱体化と関係があるのではないかと書かれている。

ジベタに座り込む若者は、その地域社会をセケンと考えていないし、仲間同士の目だけを気にするミニセケンに生きていると指摘する。アンケート調査の分析により、ジベタに座ることが恥ずかしくないから、ではなくて、座らない方が仲間内で恥ずかしいから座っていることが判明する。羞恥心は弱体化したのではなく、感じる部分が変化してきただけなのだ。

羞恥心は文化によってかなり異なるようだ。世界には裸で暮らす民族がいるが、彼らの社会では男性は女性の性器を直視してはいけないという厳しい規律があるのだという研究が紹介されていた。

この話を聞いて、ちょっと思い出してしまった。

昨年の今頃、私は中国に出張中の休日、山東省の奥地、泰山という場所を訪問していた。
・孔子
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002572.html
昨年の中国訪問のレポート。

ここにある大きな比較的高級と思われるホテルに宿泊した。泰山は観光地とはいえ外国人に人気とは思えない。やはり中国人ばかり。私たち以外に外国人滞在者はいないような印象だった。そのホテルにはスパがあった。別料金の大浴場である。部屋の小さな風呂に入るより、そっちのほうがいいじゃないかと出かけたのが、羞恥心を深く考えるきっかけになる事件の始まりだった。

私は中国語は喋れない。ホテルの従業員は英語が喋れない。基本的に意思疎通は困難な状況であったが、お風呂くらい万国共通でしょうと思っていた。ちょっと違った。

まず途方にくれたのがスパの着替えのロッカールームに入ったときである。ホテルの係の男性が何人も迎えてくれるのだが、どうやら彼らの前で素っ裸になるらしい。いきなり気恥ずかしかったが風呂であるので当然かと思って脱ぐとロッカーの鍵をくれる。

こころもとなく鍵を握り締め、裸で大浴場に入った。特大プールのように、大きくて快適な風呂だ。桶でいったん汗を流して湯船に使った。ふー。観察する余裕ができる。湯気の向こうには、ベッドが10以上あって、地元客がうつ伏せや仰向けに寝転がっている。ちょっと異様なのはそれぞれの客に一人、洗う係の男性がついている。どうやら別料金で体を洗ってくれるようなのだ。

男性が男性を至れり尽くせりな状態で丁寧に洗っている風景は、日本人の私からすると既に恥ずかしい感じがしたのだが、女性が男性を洗っていてもまたそれはそれで大変なことになってしまう。まあこれもお国柄でアリなサービスなんだなと感慨にふけりながら、ちらちら見ていると、驚きのサービスが含まれていた。体を洗う際に局部も洗ってもわうわけだが、洗い係はサオの部分を手で持ち上げて丁寧に洗ったりしているのである。これは見ているほうが恥ずかしくなってしまう。

裸体に対する羞恥心は日本人と中国人ではかなり違うようだとわかった。彼らは洗い場でもロッカールームでも堂々と隠さない。さすが大陸文化はおおらかなのだなあとしみじみ感動した体験だった。郷に入れば郷に従えということか。

しかし、恥ずかしさを表現する、赤面やぎこちない微笑や手で顔を隠すジェスチャーは万国共通のものであると、この本には書かれている。こうした表情は「私はだめな人間です」と同時に「自分は失敗したと自覚している」というメッセージを周囲に伝達し、「わざとやったわけではなく、社会のルールを守る意思はある」という態度を明示する作用がある。実際、羞恥の表情は、見るものの好感度を高め、不信感や怒りを鎮める効果があるそうである。

長い進化の結果、得た形質だから万国共通なのだろう。じゃあ、恥ずかしさの万国博覧会などあったら傑作かもしれない。意外なものに赤面する様を相互鑑賞する国際交流が心の裸のつきあいにつながったりして。

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2005年11月28日

起業バカ 2 やってみたら地獄だった!

・起業バカ 2 やってみたら地獄だった!
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起業が失敗した成れの果てを起業地獄と著者は名づけた。


ある会社は、会社をたたんで自己破産、夜逃げ、一家離散と奈落の底に転がり堕ちる。ある人間はタガが外れて銀行強盗、コンビニ強盗、放火、殺人、幼児誘拐に突っ走る。また、ある人間は、すべての負債を一身に背負い自殺に追い込まれ無残な最期を遂げる。父親の借金のカタに、風俗に堕ちる娘だって少なからずいる。

地獄を見た体験者の実例が多数、取材されて収録されている。著者自身が倒産の修羅場をくぐった実践者でもある。

・起業バカ
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003465.html

のパート2。

続編の方が面白くなっていると珍しい例だと思う。

紹介される実例の中で一番魅力的だったのが、1980年代にウィークリーマンションで大富豪となるも、バブル崩壊時に1000億円の負債を負い、しかし、諦めずに新事業で復活を果たした川又三智彦社長の章。

・川又三智彦公式ホームページ
http://www.222.co.jp/president/
このホームページは面白い。

1000億円の負債の話は、

・毎日連載!1000億円失って:バックナンバー
http://www.222.co.jp/president/daily/

で詳細が読める。

「社長になっちゃいけないヤツがなったから失敗する」というのが川又社長の結論で、とにかく、気が遠くなるほど諦めない人間以外は社長は向いていないということになる。

ところで前作で起業詐欺の例としてナマナマしい実態が書かれていて面白かったのだが、案の定、著者は、書いた先から訴訟を起こされているらしい。今回もそれ書いちゃって大丈夫ですか?と心配になる体験談がいくつか書かれている。

ブームに乗った安易な起業に、強烈な警鐘を鳴らす本であるが、起業家にとっての試金石みたいな本であるとも思う。この本の裏テーマが、実は起業のススメであることは間違いないようにも感じる。

とりあえず、この本を読んで少しでも怖いと感じた人は起業は諦めた方が賢明だろう。そもそもこの本を読むような人間は起業に向いていないからやめておきなさいと書いてあったりもする。やる人は読む前にやってしまっているはずだからという。こういう警告の本はもっとあってもいいと思った。


・逆風野郎 ダイソン成功物語
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003886.html

・成功前夜 21の起業ストーリー
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003020.html

・ 起業人 成功するには理由がある
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000712.html

・図解 株式市場とM&A
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003975.html

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2005年11月27日

明日は誰のものか イノベーションの最終解

・明日は誰のものか イノベーションの最終解
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『イノベーションのジレンマ』『イノベーションへの解』に続く破壊的イノベーション論の集大成。「ハイテクのマーケティングを理論的にやりましょう」という内容で、情報通信業界では教科書の如く引用されるようになった。ケース満載。

マーケットリーダー企業は、要求の厳しい顧客の声に耳を傾けて、自社の製品・サービスを進化させる。その「生き残りのイノベーション」企業は、より利益率の高い金持ちマーケットに積極的に進出していく。一方で、新興企業は彼らが狙わないローエンドで新たなマーケットの創出を狙う。その武器が破壊的なイノベーションである。

・イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002943.html
詳しくは前作の書評を参照。

破壊的なイノベーションは、

・非消費に挑み全く新しいマーケットの確立を目指す
・ローエンドにおける攻撃(非金持ちマーケット)

という特徴を持つ。

本作でも、破壊的イノベーションに関わるたくさんの企業ケースが丁寧に解説されている。そこから抽出された、以下のような教訓が掲げられている。

1 破壊はあるプロセスであって、結果ではない

2 破壊は相対的な現象だ。ある企業にとっては破壊的なことが、他の企業にとっては生き残りに役立つということもあるだろう。

3 今までとは違っているテクノロジー、あるいは過激なテクノロジーが、そのまま破壊的だということはない

4 破壊のイノベーションがハイテクのマーケットに限定されているわけではない。破壊はどんな製品やサービスのマーケットでも起こりえるし、国家経済間の競争を説明するのにも役立つはずだ。

破壊的イノベーションが市場を席巻するまでには

1 変化のシグナル

2 競争のための戦い

3 戦略的な判断

という3つのプロセスがある。

大企業のマネージャーにとっては、ベンチャー企業の話題の新製品をまめにチェックし、自社の品質基準で比較したときに見くびらないこと、それが異なる評価軸で新しい顧客を開拓しているかもしれないと疑ってみること、が大切な心構えになる。ベンチャー企業にとっては、大企業同士がハイエンド向けの開発中心の生き残りフェイズに入った市場を発見したら、ローエンド対象に、まったく違う需要を満たす低価格帯製品の開発にアイデアを絞っていけということになる。

時代は動いている。常に眼を光らせて、破壊的イノベーションで勝利する側にまわれ、そのためには、この本を読んで理論を勉強せよ、という本である。一冊目から順に読んだほうがわかりやすいのだが、これは集大成本なので、巻末の資料も読めば、この本一冊でも著者の理論の全体像を理解できるようにまとめられている。

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2005年11月26日

しあわせの理由

・しあわせの理由
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例によってグレッグ・イーガン作品。


12歳の誕生日をすぎてまもなく、ぼくはいつもしあわせな気分でいるようになった…脳内の化学物質によって感情を左右されてしまうことの意味を探る表題作をはじめ、仮想ボールを使って量子サッカーに興ずる人々と未来社会を描く、ローカス賞受賞作「ボーダー・ガード」、事故に遭遇して脳だけが助かった夫を復活させようと妻が必死で努力する「適切な愛」など、本邦初訳三篇を含む九篇を収録する日本版オリジナル短篇集。

TRONの開発などで有名な坂村健東京大学教授があとがきでグレッグイーガンのすすめを熱烈に書いているのも付加価値。

この短編集の基底にあるテーマを探すとすれば「アイデンティティ」だろう。しあわせの理由の主人公は、異常な化学物質の分泌によって、しあわせな人生を生きているが、あるとき、その分泌が止まる。自分が本当は何が好きなのか、その理由は何なのか、を考える内容だ。実のところ、私たち自身、自分が何かを好きな本当の理由は不明だろう。何かが好きで何かが嫌いだという組み合わせこそ、アイデンティティの基本なのだと気がつかされる。

そしてグレッグイーガンは、あるときは脳の物質への還元によって、あるときは量子論的不可能性によって、あるときは個々の意識の還元不能性によって、幾重にもアイデンティティを崩壊させていく。「私」という問題の不可思議さを味わえるおすすめの一冊。

グレッグ・イーガンのサイトがとても充実していることに最近、気がついた。

・Greg Egan's Home Page
http://gregegan.customer.netspace.net.au/
作品に登場する科学理論の解説や、一部作品の全文公開。

・Quantum Soccer
http://gregegan.customer.netspace.net.au/BORDER/Soccer/Soccer.html
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短編「ボーダー・ガード」に登場する「量子サッカー」をプレイすることができる。


収録作品の個人的ベスト3は以下。

1位 しあわせの理由
2位 適切な愛
3位 闇の中へ

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2005年11月25日

顔文字7千種類を辞書登録 オレンジの顔文字辞書ver3.1

・顔文字パーティー オレンジの顔文字辞書ver3.1
http://facemark.vis.ne.jp/download.htm
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顔文字入力支援辞書。

7000種類の顔文字をWindowsやMacの日本語入力支援ソフトから”読み”で入力できるようになる。♪⌒ヽ(*゜O゜)ノ スゴイッ!!!。ヽ(`Д´)ノ (д´ノ) ヽ(   )ノ (ヽ´△) ヽ(´△`)ノ。

顔文字を苦手としている私でも、辞書に登録されていると、楽しくてついつい呼び出してしまう。チャットで使うと超軽薄な人物を演じることができる。ヤッタネ!!(v゜ー゜)ハ(゜▽゜v)ィェーィ♪。

仕事で使うPCに登録してしまうと大変なミスにつながるかもしれないので注意。たとえば「いや」と入力すると変換候補は以下の通り。オロオロ(( ( ̄_ ̄;)(; ̄_ ̄) ))オロオロ。

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「あ」の項目は最初はこんな感じで始まる。

ああ o┤*´Д`*├o アァー 顔文字
ああ 〜〜〜〜〜((((((ノ゜凵K)ノあぁ 顔文字
ああ ( ´△`)アァ- 顔文字
あいあいがさ (*・・)o个o(・・*)アイアイガサ♪ 顔文字
あいあいさー (`◇´)ゞアイアイサー! 顔文字
あいあいさー (`o´ヾ アイアイサー!! 顔文字
あいあいさー ∠( ̄◇ ̄) アイアイサ-!! 顔文字
あいあいさー (・0・)ゞ アイアイサァー! 顔文字

辞書への登録方法は、IMEごとに用意された辞書をダウンロードして、日本語入力の辞書登録ツールから設定する。最新のWindowsのIMEには対応したファイルがないが、その場合は「顔文字一覧 テキスト辞書インターネット対応」をダウンロードすれば大丈夫。ヤッタネ!!(v゜ー゜)ハ(゜▽゜v)ィェーィ♪。

もうチャットでのプレゼンスは誰にも負けない。

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2005年11月24日

ユーザビリティエンジニアリング―ユーザ調査とユーザビリティ評価実践テクニック

・ユーザビリティエンジニアリング―ユーザ調査とユーザビリティ評価実践テクニック
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新サービスのインタフェースについて考えている最中だったので、大変参考になった。

■ゴムのユーザ、弟子と師匠、シナリオ、ユーザの声の限界

ユーザビリティ設計の陥りやすい罠として「ゴムのユーザ」という言葉がでてくる。設計者の都合でゴムのように伸び縮みする想定ユーザモデルのことだ。インタフェースをデザインする際には、ついつい対象を広げようとして「流行と自分らしさの調和を大切にする大人のユーザ」のような、輪郭の曖昧なユーザモデルを想定してしまうことがある。対象は「すべてのお客様」というのもまずい。今のままでもなんとか使ってくれそうなユーザモデルをでっちあげるのもいけない。

曖昧なユーザモデルを避け、明確な姿を設定する方法論として「師匠と弟子形式のインタビュー」が紹介されている。このやり方では、実際に試作品をユーザに使ってもらいながら、

1 インタビューアはユーザに”弟子入りする”
2 ユーザ(師匠)は仕事を見せながら説明する
3 インタビューア(弟子)は、不明な点があればその場でどんどん質問する
4 ひと通り話を聞いたら、インタビューア(弟子)は理解した内容をユーザ(師匠)に話して、間違っていないかどうかチェックしてもらう

という手順を踏む。

ユーザが教えるつもりになることで、結論だけでなく、自らの体験の最初から終わりまでを順序だてて詳しく説明してくれるのが、この方法の良い点であるという。コンテキスト調査法とも呼ばれる。

こうして得られた情報を、ユーザが製品やサービスを使う際の物語(シナリオ)として書き出して残すのが次のプロセス。物語にはユーザの文脈が残るので、分析者が理解が容易になる。

「ユーザの声」だけでインタフェースを設計するには、限界があるともいう。ユーザが仮にインタフェースに不満を述べたとしても、それが真の原因とは限らないから注意せよと著者は述べている。ユーザの意見と実際の行動が一致しないことも多いのだそうだ。意見ではなく行動を分析せよとアドバイスがある。

後半では、プロトタイプ設計やテスト評価のノウハウ、チームのリクルーティングからマネジメント方法まで、実践論が続く。抽象理論ではなく、現場ですぐに使えるノウハウがいっぱいあって勉強になった。インタビューの質問例やカードソートによる情報デザインなどはすぐにも試してみたい。

ちょうど問題解決中の私にとっては、ユーザビリティのコンサルを雇った気持ちになる一冊だった。

■10ヒューリスティックス

ユーザビリティの研究者、ヤコブ・ニールセンの「ユーザインタフェースデザイン 10のヒューリスティクス」が引用されていた。

・Heuristics for User Interface Design
http://www.useit.com/papers/heuristic/heuristic_list.html

1 システム状態の視認性を高める
2 実環境に合ったシステムを構築する
3 ユーザにコントロールの主導権と自由度を与える
4 一貫性と標準化を保持する
5 エラーの発生を事前に防止する
6 記憶しなくても、見ればわかるようなデザインを行う
7 柔軟性と効率性を持たせる
8 最小限で美しいデザインを施す
9 ユーザによるエラー認識、診断、回復をサポートする
10 ヘルプとマニュアルを用意する

以下のサイトも詳しい。

ウェブサイトユーザビリティアンケート評価手法の開発
http://www.iid.co.jp/files/his_10th_paper.pdf

・U-Site
http://www.usability.gr.jp/index.html

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2005年11月23日

ラッセルのパラドクス―世界を読み換える哲学

・ラッセルのパラドクス―世界を読み換える哲学
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哲学者バートランド・ラッセルの入門書。

ラッセルは「プリンキア・マテマティカ」の中で、次の条件を満たす「理想言語」の必要性を述べている。

・名前としては、世界に確実に実在するとわかっているものの名前だけを含む
・個々の名前はただひとつのものだけを指す
・実在するものの間に成り立つ関係を表わす語が、名と名を結びつける。つまり、世界の論理構造をそのまま反映する

私たちが日常使う言葉には「世界に確実に実在するもの」以外の虚構の対象が入り混じっている。そのようなニセの指示句をラッセルは「不完全記号」と呼んだ。不完全記号は言葉の多義性を含んでいるが、それゆえに、話がわかりやすくなったり、簡潔に言うことができる長所がある。

ラッセルは不完全記号の使用も認めつつ、いざというとき、不完全記号を解体し、真の名前、つまり実在する対象を一義的に指す名だけからなる表現に変換できることを担保するために、日常言語に換わる人工的な理想言語を構想した。

「世界に確実に実在するもの」とは、より小さな構成要素を持たない単純者のことである。自らの存在を他の構成要素に依存していないため、実在する確かさが最大である単純者の名だけを使うことで、厳密に意味を確定できる言語を模索したことになる。

この本では「犬」が例でよくでてくる。個々の犬はもちろん実在する。個々の犬(タイプ0)の集合を一つ上の階層(タイプ1)まとめる名前に「セントバーナード」、「柴犬」、「ドーベルマン」などの犬の集合がある。さらに上の階層(タイプ2)には「犬種」という集合の集合がある。ラッセルのタイプ理論は、実在するものをすべてこうして階層化する。

この階層は、個々の犬の持つ属性(吠える、四本足、しっぽがある、など)が、個々の犬という構成要素よりも、上位に位置する集合になる。理想言語的には、階層(タイプ)の位置関係は厳密に区別されねばならない。

だから、

1 犬は、吠える
2 この犬は、吠える

という2つの文章があったとき、厳密な理想言語的解釈では、2は下位のタイプ(この犬)の述語として「吠える」という上位のタイプが使われているから、意味が特定できる。しかし、1は、一般名詞としての「犬」と「吠える」は共に集合であり、タイプ1であるため、意味を成さなくなる。タイプ理論では、主語より述語は高階になければならない。
これでは述語が不完全記号になっている。

しかし、誰が読んでも1は日常言語としては意味が通る。そこでラッセルは記述理論によって、本来あるべき隠れた文章を補い、不完全記号を解体して意味を確定する方法を編み出した。

1は

「いかなるXについても、もしXが犬であるナラバ、Xは吠えるものである」

が本来の意味であり、日常言語では省略して「犬は吠える」と言っている、とフレーズを足すことで論理的にも意味が一つに確定できるようにした。こうしてみると、1は主語述語ではなく述語述語であったことになる。

タイプとは別にオーダーという系列もある。

「ナポレオンは、偉大な将軍に必要な属性をすべて持っていた」

という例が挙げられている。

その属性とは勇敢であり好色であり、頑健であり慎重であったりする。無数に属性を列挙できるがその中には「偉大な将軍に必要な属性をすべて持っている」という属性も仮定できる。

自己言及が含まれると状況は複雑になる。

タイプ1 勇敢、好色、頑健、慎重
タイプ2 偉大な将軍に必要な属性

という階層があることになる。タイプ1の述語としてタイプ2がある。

しかし「偉大な将軍に必要な属性をすべて持っている」は「偉大な将軍に必要な属性」に含められない非述語的な属性である。そこで、これをオーダーという別次元の系列とし、述語同士のもうひとつの階層関係と定義した(分岐タイプ理論)

要素の集合と階層を扱うタイプ理論だが、集合のややこしい問題に「自分自身の要素でない集合の、集合」がある。

「あなたが今日考えたものの集合」という場合、無数の考えたものに加えて「あなたが今日考えたものの集合」自体が含まれる。これは自分自身を要素とする集合である。逆には自分自身を要素としない集合がある。

「自分自身を要素とする」「自分自身を要素としない」は曖昧ではないので、「自分自身の要素でない集合である」ものは必然的に決まる。そうなれば「自分自身の要素でない集合、の集合」が考えられることになる。

だが、「自分自身の要素でない集合の、集合」とはなんだろうか。定義自体が矛盾しているようにも読めるが、これを考えた時期のラッセルは言語的に意味をなす表現は必ず指示対象を持つと考えていた。実在するにも関わらず、意味が特定できないものが、厳密な論理の果てにうまれてしまう。これがラッセルのパラドクスである。

自己言及を禁止することで、一応はこのパラドクスを回避できることはわかっている。だが、自己言及の禁止によって、扱えなくなる問題が数多くある短所があることなどがこの本に詳細に説明されていた。私の理解はまだまだ怪しいが、ラッセルは論理的に非常識を扱う風で興味深い。

もっともっと知りたくなる好奇心を書き立てられた入門書であった。

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2005年11月22日

CPUとメモリの利用状況をエンジン音で表現するCPUターボ2A

・CPUターボ2A
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/hardware/se377981.html
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CPUやメモリの利用率を視覚的にメーター表示してくれるアプリケーションは多数ある。このソフトが一味違うのは、CPUやメモリをエンジンに見立てて、その動作状態をエンジン音で表現していること。

動作状況を音で表現する。その実用性はともかくとして、逆転の発想がいいなあと感じた。CPU動作率が高いときは、動作が遅いときであり、普通はイライラする。このソフトの場合は「全快バリバリで大量の処理をやっつけてるぜ」というPCの今必死メッセージを肯定的に受け取れる、気がする。

とかいうことを、想像しながらダウンロードしてみた。

(Q)で実際に使ってみてどうか?

予想もしない使用感だった。

(A)PCと自分が一体化した気がする!

CPUやメモリが忙しくなると、エンジン音が高くなる。PCというマシンに自分が搭乗して乗り回している感覚が不思議だ。1時間も仕事中に使っていると、CPUとメモリの使われ具合が直観できるようになる。一般的なビジネスアプリケーションでは、メモリはよく使われるが、CPUは瞬間的にしか使われない。

CPUを限界まで使うには3Dグラフィクスのレンダリングや長時間の統計計算をさせるといった処理が必要であることがわかった。次の自分用のマシン購入時にCPUを豪華にすべきなのかメモリをたくさん積むべきかの判断材料になりそうだ。

なお、おまけとして

1.メモリーを50%解放してくれる

2.XP専用のハードディスクを快適化してくれる

3.IPアドレスボタンを押すとクリップボードに転送されIPアドレスを貼り付けることが出来る

4.ノートパソコンの場合はバッテリーのメーターが現れる

という4つの実用的な機能もある。

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2005年11月21日

宇宙消失

・宇宙消失
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グレッグ・イーガンをまた一冊書評。


2034年、地球の夜空から星々が消えた。正体不明の暗黒の球体が太陽系を包みこんだのだ。世界を恐慌が襲った。この球体について様々な仮説が乱れ飛ぶが、決着のつかないまま、33年が過ぎた…。ある日、元警察官ニックは、病院から消えた若い女性の捜索依頼を受ける。だがそれが、人類を震撼させる量子論的真実につながろうとは!ナノテクと量子論が織りなす、戦慄のハードSF。

「シュレディンガーの猫」という有名な思考実験がある。

要約すると

猫を実験箱に入れる。この箱には一粒の原子とその分裂崩壊を検出できるセンサーが入っている。センサーが原子の分裂を検出すると箱の内部は毒ガスで満たされて猫は死んでしまう。原子がいつ分裂するかはわからない。さて、実験は開始された。今、箱の中の猫は生きているのだろうか、死んでいるのだろうか?。箱を開けないで猫の生死を予測せよ。
常識では、原子の分裂はいつ起きるかわからないのだから、猫は生きているか、死んでいるか、どちらかの状態にあると考えられる。しかし、原子のような小さな世界を扱う量子力学では、観察者が観察したとき(フタを明けた瞬間)に、結果が決まるとされる。観測されていなかった時間は、猫は生きた状態と死んだ状態が重ね合わさった奇妙な状態にあったと量子力学者は考える。

私たちの世界は、多数の可能性の波動が重ね合わさった”拡散”状態から、観察行為によって、ひとつの可能性に”収縮”した状態が選ばれるのだと考えられる。

というような実験である。

そしてこの実験が、この本のメインテーマでもある。

サブテーマとしてマインドコントロール技術がある。もしも人間が意識や思考を制御する技術開発に成功し、自由に使えるようになったら、どうなるのか。主人公は冒頭からこの技術を使っている。本来の自分だったらそうは考えないはずと知りつつ、異なる合理的選択をする人生の物語。

「万物理論」より少し前に書かれたグレッグ・イーガンの名作。

昨年度マイベストSF 大作は「万物理論」、中短編は「あなたの人生の物語」
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002774.html
・祈りの海
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003779.html

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2005年11月20日

仕事のヒント

・仕事のヒント
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著者はマーケティングノウハウ本でベストセラー作家の神田昌典氏。メールマガジンをベースに書籍化。読む本ではなく使う本で、困ったり迷ったりしたときに開くと、答えがそこにあるというのが売り文句。

・メールマガジン 仕事のヒント
http://www.almc.jp/

形式としてはベストセラー「すごいやり方」に似ている。著者の数十年間のビジネスノウハウのエッセンスが、約150本の短く圧縮されたフレーズとして、1ページ1つずつ解説付きで掲載されている。

・すごいやり方
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001597.html


個人的にはとても魅了されたり、考えさせられる含蓄のあるセンテンスが多かった。文章量的には少ない本だが、味わって読むと結構な時間がかかった。「成功哲学」色が嫌いでなければ、30代〜40代のマネージャーにとって、タイトルどおり貴重な「仕事のヒント」になりえるのではないかと思った。

収録されているヒントは「モノを売るヒント」、「経営のヒント」、「生き抜くヒント」に分類されている。内容は多彩だが、個人的にヒントとして役立ったベスト5を挙げてみる。

・5位
「利益が低いのはただ単にパッケージを売っているから。パッケージ化して冒険を売ることを考えよう。」


・4位
「商品選択基準はお客が知っているものではなく、あなたが教えるものである」


・3位
「お客は、お客の行列を見て、お客になる。あなたの商品・知識・実力を見て、お客になるわけではない。」


・2位
「白紙とペンを持って、部屋にこもる。この数時間が、最も収益性が高い時間。」


・1位
「上手くいったときこそ、まわりに感謝する。それは自分の実力ではないから。」

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2005年11月19日

感動戦争ドラマ バンド・オブ・ブラザース

・バンド・オブ・ブラザース Vol.1 BAND OF BROTHERS
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すばらしい。自信を持ってオススメの大作。本当は長々と感想を語りたいのだけれど、敢えてネタバレなしで紹介してみる。

とかくテレビドラマは映画より格下だと思われがちである。

「バンド・オブ・ブラザース」は、映画の巨匠スティーヴン・スピルバーグとトム・ハンクスが製作総指揮で、制作費が約156億円。10話の連続エピソードの中で、見るものも共に従軍したかのような臨場感を味わえる。テレビの連続ドラマだからこそ作れた感動作品。

演出はハンクスの「プライベート・ライアン」に似ている。派手な戦闘シーンに頼らず、静かにリアルに、戦争の真実を描いた。

第二次世界大戦末期、ノルマンディー上陸作戦からドイツ降伏までヨーロッパ戦線で戦った、アメリカ陸軍・第10空挺師団506連弾第2大隊E中隊将兵の体験を描く。主題は仲間の絆。国内での訓練学校時代から、パラシュート降下で参加するノルマンディー上陸と、内陸での死闘、そして迎えた終戦まで、視聴者はいつのまにか、自分も隊員であるかのように感情移入してしまう。

最終話を見終わったときは目頭が熱くなったと同時に、もう一度最初から見たくなった。2回目も十分に味わえる余力を持った名作である。

2001年ゴールデン・グローブ賞最優秀作品賞を含む華麗な受賞歴。

エミー賞
2002 ミニシリーズ部門作品賞 受賞
ミニシリーズ部門監督賞 受賞
ミニシリーズ部門キャスティング賞 受賞
ミニシリーズ部門シングルカメラ編集賞 受賞
ミニシリーズ部門シングルカメラサウンドミックス賞 受賞
ミニシリーズ部門音響効果賞 受賞
ミニシリーズ部門脚本賞 ノミネート
ミニシリーズ部門メイクアップ賞 ノミネート
ミニシリーズ部門美術監督賞 ノミネート
ミニシリーズ部門撮影賞 ノミネート
ミニシリーズ部門視覚効果賞 ノミネート
ミニシリーズ部門ヘアースタイル賞 ノミネート
ミニシリーズ部門スタント賞 ノミネート
優秀メインタイトル・デザイン賞 ノミネート

ゴールデン・グローブ賞
2002 ミニシリーズ部門番組製作術賞 受賞

ゴールデン・サテライト賞
2002 ミニ・シリーズ部門助演男優賞デヴィット・シュワイマー 受賞

TV批評家協会賞
2002 ミニシリーズ・映画部門優秀賞 受賞

・BAND OF BROTHERSの世界
http://www.bandofbrothers.ne.jp/

・AXN|バンド・オブ・ブラザース
http://www.axn.co.jp/bob/
11月からAXNでも放映。

・Band of Brothers 絆で結ばれた兄弟たち
http://www.h3.dion.ne.jp/~brothers/

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2005年11月18日

リアルタイムにPCのDNS利用状況を確認できる DNSEye

・DnsEye monitoring DNS packets in network and displays DNS information
http://www.nsauditor.com/network_tools/dns_monitoring.html
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DNSEyeはパソコンがインターネットの名前解決システム(DNS)を利用すると検出してリアルタイムにリスト表示してくれるフリーソフト。たとえばWebブラウザーでYAHOOにアクセスすれば、www.yahoo.co.jpが記録される。

大手の商業サイトを見に行くと、アクセスしているURLのドメインと一緒に、広告配信サーバや画像専用サーバらしいサーバ名が多数検出された。怪しいドメインへの自動アクセスが行われていないかのセキュリティチェックに使える。

使い方は簡単で起動したらRunをクリックすると、検出が開始される。検出したサーバ名のログはテキストファイルとして保存できる。検出状態で1日使っていたら、自分が何台くらいのサーバのお世話になっているかがわかって、楽しそうでもある。

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2005年11月17日

さようなら、私の本よ!

・さようなら、私の本よ!
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さようなら、私の本よ!

死すべき眼のように、想像した眼もいつか閉じられねばならない。

この本を大江健三郎は、長い作家生活の最後の小説と宣言してから発表した。過去にも断筆宣言や最後と言ったのに次を書いたことがあるセンセイであるから、本当にこれで最後になるのかは定かではないが、それなりの覚悟で書かれた作品であることは、読みながら感じ取れた。

ノーベル賞作家としての著者の分身である主人公、長江古義人と、奇縁で結ばれた幼馴染の著名な建築家椿繁の”おかしな二人組”が、老年になって過去のわだかまりを越えて再会するところから物語が始まる。繁は若い教え子とともに、大きな暴力に対する、小さな抵抗のためのテロの企みを持っている。繁が所有する”小さな老人の家”という名の別荘で、病後の静養に誘われた古義人。彼らとの共同生活の中で、その一部始終を見て書き残す役割に、作家としての意味を見出し始める。だが、企みは外部の世界の思惑も絡んで、思わぬ展開を見せ始めて......そんな内容である。

私は学生時代から読み始めて、大江健三郎の本は、エッセイ集も含めて9割は読んでいると思う。最後の読者サービスなのか、読み続けている熱心な読者にとっては、読みどころが特に多い。四国の谷間の森、障害者の息子アカリと音楽、エリオット、ダンテ、渡辺一夫(この本では故人の六隅さんとして登場)、樹木への執着などの、歴代作品に登場してきた一連のメタファーが、次々に説明なく登場する。ファンは各々の文脈を知っているのですぐに独特の世界観にひきこまれるが、逆に過去の作品を知らない読者には読みにくいかもしれない。

読みにくいといえば、そもそも大江作品は翻訳調の読みにくい文体が特徴である。序盤で主題がわかりにくい作品も多いように思う。とっつきの悪さを我慢して半分くらいまで読み進めると、ドラマが大きく激しく動き始めて、物語の大きなテーマが浮かび上がって、ずっしり読むものの心にのしかかってくる。それが私の大江作品の全体印象だった。


新進作家のぼくが、年末に出版社のやるパーティに出て、手持ちぶさたにしているところへ、あの記者がやって来たんです。そして、あなたの出発点の文章はスッキリして、書いていることがよくわかった。今はゴテゴテしている。それは批評家が褒めてるような、あなたに豊かな資質があるというようなことじゃなくて、いま何を書いたらいいかわからないから、形容詞の煙幕を張ってということじゃないのか?そういって、向こうへ行った......

その夜、ぼくは下宿へ帰って、インタヴューの時、もらった名刺を取り出して考えたのね。明日ここに電話をして、も一度話を聞かせてもらったら、自分の入り込んでいる迷路から出られるかもしれない......しかし、その勇気はなくて、そのままになりました。

読みにくさ、自覚していたらしい。このように自身を主人公にして客観視する作風が多い作家だったが、この本では長い作家生活全体をパースペクティブに、大きく振り返っている風である。題名も「さようなら、私の本よ!」であるから、しめくくりのはずなのである。

しかし、これ、本当に最後の小説なのだろうか。自らを老人で大きな仕事を終えてしまった大作家と認めているが、9.11に始まる世界の現実に積極的に言及しているし、なにがしかの仕事を成し遂げる意欲を持った老人二人が出てくる。そのシンパの若者も物語の中で壮絶な役割を果たす。ぜんぜん枯れきってはいない。

著者は単に高齢で、いつ”大きな音を聞く日”が来てもいいように、次を最後の遺作にすると宣言しているだけなのではないか。話の中で主人公が執筆に使ってきた万年筆をなくす段があるのだが、その後もワードプロセッサで現実から読み取る”徴候”を熱心に書き続ける姿がある。このくだりを読むと、まだ次の作品、あるような気がする。

「最後の小説」を力点に書評してしまったが、物語として面白かった。

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2005年11月16日

参加受付中 デジハリ大学園祭 「検索テクニックの最前線 2005」

本イベントは満員になりました。参加申し込みを締め切らせていただきます。ありがとうございました

11月19日(土)〜の、デジタルハリウッド大学の学園祭で私が顧問をしているサークル「リッチメディア」が主催するイベントが開催されます。私も出演予定です。無料ですので、ぜひ土曜の秋葉原見物やヨドバシ見物もかねてご来場ください。事前お申し込みいただけると、プレゼントが確実にもらえます。

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■イベントの概要

「検索テクニックの最前線 2005」

Yahoo! JAPANの"検索の鉄人"が学園祭に登場!!検索テクニックの最前線を語る

11月19日(土)19:00〜21:00

・事前参加受付のURL(事前受付50名には確実にグッズプレゼント)
https://www.dhw.co.jp/school/event/event.php?SchoolID=daigaku
本イベントは満員になりました。参加申し込みを締め切らせていただきます。ありがとうございました

■内容

日本最大の検索サービスYahoo! JAPANから、「検索の鉄人」こと関裕司氏をゲストとしてお迎えして、デジタルライフをパワーアップする検索技巧の数々を披露していただきます。

受験、試験、進路、課外活動、アルバイト、何をするにも情報力は基本です。情報力の決め手が検索エンジンの使いこなし能力。ネットで調べるプロのコツを、鉄人から直伝していただける貴重なチャンスです。

本イベントの主催サークル「リッチメディア」代表の横山兼大が最初に等身大のデジハリライフとデジタルライフ論を語ります。デジハリライフはまさにデジタルライフ。ITのサービスを使いまくる日々の体験報告です。

そして、Yahoo! JAPANの検索の鉄人の関氏のメインレクチャー。内容は当日まで詳細はヒ・ミ・ツ。「へえっ」「ほーー」「うわー」という参加者の皆さんの声で会場一杯になると思っています。ご期待ください・

最後にはネットで調べる技術を教える名物授業「リサーチ&プランニング」担当の当大学教員の橋本大也先生にもご登場いただき、検索の鉄人とトークセッション。検索サービスの最新事情と近未来予測や、お二人の学生時代から、IT企業で活躍する今に至るまでの華麗な軌跡などを語っていただきます。

こんなに充実したセミナーなのに、協賛のYahoo! JAPANさんのおかげで、参加費が無料で実現できました。おまけに先着申し込み100名さまには、豪華なヤフーグッズのおみやげつきです。

正直、このイベントにこないのはもったいないと思います。

き、て、ね。

【ゲスト】
関裕司  (ヤフー株式会社リスティング事業部サーファー部)
橋本大也 (データセクション株式会社代表取締役)

【日程】
11月19日(土)19:00-21:00

【場所】
デジタルハリウッド大学 大学教室ROOM 5 〜7
(秋葉原ダイビル7F)

・交通案内・地図|デジタルハリウッド大学 メインキャンパス
http://www.dhw.co.jp/un/access/index.html


【参加費用】
無料
・事前参加受付のURL(事前受付50名には確実にグッズプレゼント)
https://www.dhw.co.jp/school/event/event.php?SchoolID=daigaku


・Yahoo!ブログ - Yahoo!検索 スタッフブログ
デジハリ学園祭でトークイベント開催
http://blogs.yahoo.co.jp/yjsearchblog/16568861.html

校長日記:Yahoo JAPANの"検索の鉄人"が学園祭に登場!!
http://www.sugiyama-style.tv/archives/50203903.html


本イベントは満員になりました。参加申し込みを締め切らせていただきます。ありがとうございました

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2005年11月15日

シュメル―人類最古の文明

・シュメル―人類最古の文明
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いつか行ってみたい国がイラク。

人類最古の文明、メソポタミア発祥の地だから。

・MSN エンカルタ 百科事典 ダイジェスト - マルチメディア - ウルのジッグラト
http://jp.encarta.msn.com/media_461550220_761572159_-1_1/content.html

聖書に登場する「バベルの塔」のモデルになったといわれる聖塔ジッグラト。一度、自分の目で見てみたいが、すぐにはいけそうにない状況である。イラク博物館も、戦争で破壊・略奪されて、図鑑に掲載されているような貴重な遺産が失われてしまったりもしたようだ。

メソポタミアを知る上で、このDVDは素晴らしかった。

・四大文明 第二集「メソポタミア〜それは一粒の麦から始まった〜」
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大成建設がCGを担当している。この会社は古代文明の建築物の再現CG制作を得意とするようで、少し古いが、こんなサイトも見つかった。解説付きの再現映像でたっぷりみごたえあり。

・大成建設 古代文明都市 バーチャルトリップ
http://www.taisei-kodaitoshi.com/index.html

ティグリス河、ユーフラテス河の間の土地という意味の「メソポタミア」文明は、5千年前に文字やハンコ、学校、法律を創り出し、人々は都市生活を営んでいた。この文明を生み出したのが、出自が謎のシュメル人であった。

世界の神話の原型をシュメルに見ることができる。


七日と七晩の間、大洪水が国土で暴れ、
巨大な船が洪水の上を漂った後で、
ウトゥ神が昇って来て、天と地に光を放った。
ジウスドゥラは巨大な船の窓を開いた。

シュメル語版「大洪水伝説」

これはキリスト教の聖書にでてくる洪水伝説やその他の文明の類似神話の原型となっている話である。預言者モーセやローマの建国伝説ロムルスとレムルスの原型になった、川に流される赤ん坊の伝説もみつかる。

こうした神話は、楔形文字による粘土板にしっかり記録されている。文字はシュメルで生まれたともいわれる。粘土板読みと呼ばれる研究者は一生をかけて少しずつ、粘土板を解読しているそうだ。この本はそうした気の長い解読の何十年の成果から、当時のシュメル文明の姿を描き出そうとしている。

シュメルのみの本というのは珍しいので、古代史・神話好きにはたまらない新書であった。歴史の教科書ではメソポタミアというと「ハンムラビ法典」「円筒印章」程度で一瞬で通過してしまう部分であるが、たくさんの「世界のはじまり」がこの時代にあったことに驚かされる。

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2005年11月14日

コンテンツビジネス・マネジメント

・コンテンツビジネス・マネジメント
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日米で活躍する弁護士によるデジタルコンテンツ論。

デジタル技術とインターネットの出現によって、法律の想定を超えた、思わぬコンテンツの創出や流通形態が次々に登場している。こうした新形態は「ニューユース」の問題として、法曹界でも議論が始まったばかりのホットな問題である。

この本はデジタルコンテンツに明るい弁護士が果敢にニューユースに切り込んでいる。

■アイドル証券化

インターネットはコンテンツの資金調達という創出のフェイズから新しいチャレンジの場として機能している。新人グラビアアイドルを証券化という話題が取り上げられている。私もネットのニュースで見て注目していた。

・ジェット証券株式会社
http://www.jetsnet.co.jp/g_idol/main_fr.html

・ITmediaニュース:“萌えドル”も参加するアイドルファンド第2弾
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0412/16/news068.html

出資は1口5万円。調達した資金は、写真集やDVD、CDの製作にあてる。投資家には売り上げの12〜15%が出資者印税として支払われ、最終的な投資利回りは売り上げに応じて変動する。

 出資受け付けは2005年1月6日から2月18日までジェット証券Webサイトで行う。総額6000万円の調達を計画している。

 写真集は新潮社が発行する。DVDとCDはAmazon.co.jpで独占販売し、強力なプロモーションを行う。ネット販売により流通コストを大幅にカットし、その分をプロモーション費用に回すことでヒットを狙うとしている。

・「アイドルファンド」のJDC信託が急伸、信託業参入で問われる実績 - nikkeibp.jp - 企業・経営
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/biz/381319

同時にファンドを立ち上げ、これまで67案件、延べ20億円を投資。ファンドの運営手数料などの売上高は前期連結ベースで12億円に上る。しかし話題のアイドルファンドで、出版した写真集などの売れ行きが配当可能ラインに達したアイドルはまだいない。

ゲームの世界でも、ヒット作品になりそうな続編企画でファンドが立てられ話題になっていた。

・世界初の投信「ゲームファンド ときめきメモリアル」〜11月から募集
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/10/25/doc817.htm

1口10万円で投資を集めたのだが、結果はこうなった。

・「ゲームファンドTMときめきメモリアル」の償還に関して(マネックス証券・2003年2月17日)/マネックス・ビーンズ証券
http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new/news30217-2game.htm

10,000円に対して10,088円が償還

意欲的な企画だったけれども実際は投資商品としては厳しい結果に終わった。

しかし、米国ではコンテンツの証券化はコンテンツ創出の重要な役割を担い始めているという。日本ではまだ、長期的に利益を生み出せるコンテンツの企画の担い手が少ないことなどが原因に挙げられている。

投資商品としては「会社」よりも「コンテンツ」や「有名人」の方がわかりやすい人も多いはずだ。これからに期待である。

■電車男の出版

そして当然、コミュニティが生成したコンテンツとして大ヒットをおさめた電車男も解説対象になっている。


「電車男」の著作権は誰に帰属するのか、出版によって生じる「印税」は誰のものか、あるいはこの物語に興味をもってドラマ化や映画化する場合には誰に許諾を求めればいいのか


書籍には各投稿者の著作権は放棄されていないという認識のもと、著作隣接権者である「2ちゃんねる」の運営者に許諾を得て出版に至ったことが断り書きとして記載されていますが、これでは許諾を受けたことにはなりません

テレビドラマにまでなった電車男だが、著作権を完全にクリアしたわけではないようで、むしろ出版も放送も、意欲的な試みとして位置づけられていた。コミュニティが創出したキャラクターを勝手に利用したとして、その後、のまネコ問題でエイベックスが痛手をこうむることになった。今後は著作権の扱いとは別に、それを生んだコミュニティとの関係性も大切に考えていかないと、ビジネス展開は難しいようだ。

■日本ではミッキーマウスの著作権は既に消滅している?

面白い事実がいろいろある。

1928年に米国でディズニーのミッキーマウスが映画デビューした頃、著作権の保護期間は56年間であった。ミッキーマウスは、1985年には保護期間が切れてパブリックドメインとなる予定だった。誰でも自由に使えるキャラクターになるはずだったのである。だが、1979年に著作権法は改正され、保護期間は75年間で19年間の延長が決まった。そして、その延長が切れる直前の2004年、米国に著作権延長法が成立し、保護期間が95年間に再設定された。ミッキーマウスは2024年まで保護されることになった。

ディズニーの著作権が切れそうになると、著作権保護期間が延長されるようにも見えるため、ミッキーマウス保護法などと揶揄される。これは有名な話なので私も知っていた。

しかし、著者によると、これは米国の法律であり、日本には効力が及ばない。意外な事実が指摘される。


ミッキーマウスが映画の著作物であると考えると、保護期間は公表の翌年の一月一日から五十年ですから、わが国では1979年にはすでに著作権保護期間が満了したことになります」

戦時加算という敗戦国の日本に課された特別延長ルールを適用しても、1989年にはミッキーマウスの著作権は国内では消滅しているという。日本ではミッキーマウスが公有の存在である可能性があるようなのだ。ウォルト・ディズニー・ジャパンにこの件を問い合わせると「お答えできません」という返事が返ってくるとのこと。

ただし、商標としての「ミッキーマウス」は別に存在しており、著作権が切れたからと言って、自由に使えるものでもないらしい。「シンデレラ」や「白雪姫」はパブリックドメインでありながら、ディズニーのキャラクターとしても活躍している。パブリックドメインになる部分とそうでない部分を組み合わせた利用は新たな課題になりそうだと述べられている。

この他、

・日本の法律はパロディを許容する器量がない
・ウルトラマン初期作品の海外での商品化権を円谷プロは持っていない
・宇宙戦艦ヤマト、キャンディキャンディの著作権紛争
・ゲームは映画の著作物に該当する
・テレビ番組のリメイク権、フォーマット権

などなど、著作権絡みの話題がたくさんわかりやすく解説されている。

・著作権とは何か―文化と創造のゆくえ
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003459.html
・知財戦争
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002828.html


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2005年11月13日

図解 株式市場とM&A

・図解 株式市場とM&A
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縁があって、著者の保田さんと私は毎週顔を合わせて一緒に仕事をしている関係なのだが、この本を偶然みつけて読み終わるまで、実のところ、よく知らなかった。読み終わって一気に尊敬モードに以降。来週の会議からは先生と呼ばせていただきます。いや本当に。

・ちょーちょーちょーいい感じ
http://chou.seesaa.net/
保田さんのブログも発見。最新の株式市場に対する解説記事が参考になる。

身内だからほめているので決してなくて、アマゾンで第三者がたくさん絶賛してもいます。「株式・社債の部」1位にもなったそうです。投資銀行時代の経験と自身の起業体験を活かして、株式市場とM&Aについてやさしく書かれています。

私も学生時代に起業してから10社ほどのベンチャー企業の創業や役員就任を経験しています。株価、株主、出資、議決権、増資、ストックオプション、M&A、配当、デューデリジェンス、上場(これはやったことないけど)は、一通り経験したり、身近でみてきました。この本のキーワードで知らなかった単語はありません。

しかし、この本のおかげで、知っていること同士の関係が、1段階上のレベルでわかった気がしました。創業者の視点で体験する順序で、各キーワードの意味が説明されているのが、わかりやすさの秘密でしょう。

内容は、一人の若者が友人らの出資を受けてカフェを創業し、複数店舗展開した末、株式を公開、他のカフェの買収や、逆に敵対的買収(TOB)を仕掛けられるまでになるという、青春熱血起業物語です。小説形式なのが教科書と違います。

ドラマとしても演出が効いていて、最後のエピソードでは本当に目頭が熱くなりました。ベンチャーに対する見方が、投資銀行業務出身なのに、暖かでさわやかです。カネのためだけではなくて、自分の夢、みんなの夢のために会社を作る、育てることの楽しさと苦労がよく伝わってきます。

もちろん、実際の起業では、こんなにキレイに物事が進んだり、判断要素がクリアなことはないのですが、経営の基本知識の適切な要約になっています。突っ込んだ細かい事柄はばっさり省略されていますが、社長自身が知っておくべき事柄はこれで十分だと思いました。細かいことは、現場で著者のような専門家に聞けば良いわけですからね。

この本、著者は身内ですが、内緒で自腹で買いました。その価値がある本だと思いました。起業を考えている人、創業以来突っ走ってきたけれどもここらへんで知識を整理したい現役経営者にうってつけの良書。

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2005年11月12日

ドラッグアンドドロップでテキスト整形 簡単!一発改行ツール

・簡単!一発改行ツール
http://www.geocities.jp/makikoh76425/ChangingLine.htm
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テキストエディタで書いた文章を、そのままメールで送ると、改行がないため、自動改行設定になっていないメールソフト上では、表示が崩れ、とても読みにくい文章になってしまう。Webページ向けに書いた文章をそのままメールした場合も同様である。メールでは一行全角で30から35文字程度で改行をいれておく必要がある。

この作業、結構、頻繁に発生するのだが、手作業が面倒であった。そこにやっと簡単なツールが見つかった。書いたテキストファイルをドラッグアンドドロップするだけで、指定文字数で改行したテキストに整形変換してくれる。任意の文字列を区切りに箇条書き文章を作成することもできる。

使用前
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使用後
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2005年11月11日

Web開発を支援するツールバー Internet Explorer Developer Toolbar Beta

・Download details: Internet Explorer Developer Toolbar Beta
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=e59c3964-672d-4511-bb3e-2d5e1db91038&displaylang=en

クリックで拡大
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Web開発者、デザイナーにとってとても便利なツールバーをマイクロソフトが無償配布している。

・WebページのDOM構造を可視化し修正できる。
・任意のエレメントをWebページ上で選択、配置できる
・MSIEの設定を個別にオフにできる
・HTMLオブジェクトのクラスネーム、ID、リンクパス、タブインデックス値、アクセスキーなどを可視化できる。
・アウトライン、テーブル構造、テーブルセル、画像、タグなどをわかりやすく可視化できる
・HTMLやCSS、WAI、RSSなどの構文検証ができる
・画像の配置、ファイルサイズ、パス、ALTタグを表示できる。
・ブラウザーキャッシュやクッキーをクリアできる
・W3Cのリファレンス、MSIE Team Blogを参照できる
・仮想的な定規を使って正確な画面上の距離を計測できる


エンジニアなら、タグの構造解析ができるとJavaScriptやVBScriptの開発が容易になる。サーバサイドのプログラムの出力するHTMLをチェックするのにも使えるだろう。設定の個別オフ、キャッシュやクッキーのクリアもテスト時には重宝する。

デザイナーなら、テーブルやセルの可視化、定規でオブジェクトの大きさを計測、構文検証などを行うことができる。

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2005年11月10日

マインドマップ読書術―自分ブランドを高め、人生の可能性を広げるノウハウ

・マインドマップ読書術―自分ブランドを高め、人生の可能性を広げるノウハウ
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有名な書評サイトを運営し、何冊も本を著す、大手企業のマネージャー松山真之助さんの読書マインドマップ作成のすすめ。

・Webook
http://webook.tv/松山真之助さんの書評サイト


読書ばなれが叫ばれて久しい。それは出版社にとっては憂うべきことなのかもしれませんが、本から知恵を得ている人たちにとっては、差別化の優位性がますます大きくなるということかもしれない。

ブログの秘訣の一つはネットの外からネタを持ってくることなのだと思っている。検索エンジンが高度化してネット上の話題は、皆が取り上げる。独自取材や体験をネタにするという手もあるが、書籍は比較的手軽にネタをネットにもちこめる情報ソースだと思う。

「本を読むこと=書評を出すための準備作業」とは書かれているものの、もちろん、松山さんも(そして私も)、本来は本が好きだから読んでいるだけなのだと思う。情報発信のネタとして使うというのは、この習慣をより意味のあるものに変えるためのノウハウということだろう。

この本は、読書内容を自由な連想図解「マインドマップ」形式で書き出して、ネットで公開することで、


1 読んだものを読書マップにすれば記憶に残りやすい
2 読書マップにして外に出せば(他人に見せれば)、知のネットワークが広がる
3 出せば成る(活動領域が広がる、人生の選択肢が増える)

という効用があると言うことを実体験から語り、読者にもすすめる本である。

「出すという目的があると入るものが違ってくる」

この言葉も納得で、読んだことや考えたことをブログに書いたり、人前でしゃべることを続けていると、インプットの定着率が高くなると感じている。著者が勧める「読書マップ」は、厳密にはマインドマップとは限らないようだ。誰かに内容を話すために、考えたことを書き出すことが重要だという内容である。

読書マップには、自分が感じたこと、そこから連想されたこと、関連のある本のタイトル、自分ならこうする、まったく逆の意見などを書き出していくとよいという。読者投稿から厳選した10冊の書評のマインドマップがこの本には収録されている。他人の書いたマインドマップをたくさん見る機会は少ない。どのように読書マップを書いたらよいのかが、とてもよくわかる。

この本に書いてあることは既に私も日々実践しているため、最初から最後までうなずきながら読んでいた。著者も私と同じ長時間通勤なのだが、毎日往復4時間以上も通勤時間があるらしい。私は2.5時間くらいである。通勤時間は読書タイムなのだ。なんだか羨ましい。

関連:マインドマップ

・デスクトップ発想支援ツール
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000139.html

・おしゃれ会議 満員御礼に感謝 報告第1弾
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001557.html

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