Books-Culture: 2012年11月アーカイブ

・愛蔵版 機動戦士ガンダム THE ORIGIN X ソロモン編
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オリジンで断然、株をあげたキャラがドズルだと思う。前巻はララァ編だったがソロモン編はドズル編といってもいい。ビグザムの上に立ち、「たかが一機のモビルスーツに こおビグ・ザムがやらせるかっ!!」と叫んでガンダムに向けて機関銃を乱射するシーンは、テレビ版映像の何倍もドズルの執念が伝わってくる。

後半のクライマックスは、アムロ、シャア、ララァが戦闘で出会いながらテレパシーで会話をするシーン。これからはニュータイプの時代だとアムロに告げるシャアに対して「ララァから感じるものをあなたからは感じない」「あなたはニュータイプなんかじゃない」と切り返すアムロ。テレビや映画ではそこらへんがどうなのかよくわからなかったが、今回はアムロとララァが別次元にいることが明確になっているみたいだ。

オリジンのマシン設定ではガンダムはコアファイターではなくコアポッドを内蔵していることになっているが、この巻でその全貌が描かれている。それが妙にまるっこくてかわいい。わざわざ大河原氏に頼んでデザインしてもらったということでオフィシャルといえる。巻末にもおまけでカラーイラストがある。

ついに10巻まできた。おそらく12巻で終了だが、これまでの緻密な設定が後半に行くにしたがって、ドラマの厚みにつながっている。ここからが楽しみ。

愛蔵版 機動戦士ガンダム THE ORIGIN IX ララァ編
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/09/the-originix.html

愛蔵版 機動戦士ガンダム THE ORIGIN (8) オデッサ編
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/04/the-origin-8.html

語れ!機動戦士ガンダム と ガンダムフロント東京
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/07/post-1672.html

MG 1/100 RX-78-2 ガンダム Ver.2.0 チタニウムフィニッシュ
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/04/mg-1100-rx782-ver20.html

愛蔵版 機動戦士ガンダム THE ORIGIN VII   ルウム編
http://www.ringolab.com/note/daiya/2011/09/post-1512.html

・「ワンピース世代」の反乱、「ガンダム世代」の憂鬱
http://www.ringolab.com/note/daiya/2011/09/post-1503.html

・機動戦士ガンダム 光芒のア・バオア・クー 機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのメモリーより― 俺は生ガンダム
http://www.ringolab.com/note/daiya/2011/03/post-1400.html

・愛蔵版 機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 開戦編 と MG 1/100 MS-09R リック・ドム
http://www.ringolab.com/note/daiya/2011/01/vi-mg-1100-ms09r.html

機動戦士ガンダム アッガイ北米横断2250マイル
http://www.ringolab.com/note/daiya/2010/04/-2250.html

・愛蔵版 機動戦士ガンダム THE ORIGIN V シャア・セイラ編
http://www.ringolab.com/note/daiya/2010/01/-the-origin-v.html

・MG 1/100 ゴッグ MSM-03
http://www.ringolab.com/note/daiya/2010/01/mg-1100-msm03.html

・ラーメンズ・片桐仁のガンプラ戦士ジンダム
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/06/post-1007.html

・ザク大事典 All about ZAKU
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/03/-all-about-zaku.html

・MG 1/100 ズゴック MSM-07と愛蔵版 機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV ジャブロー編
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/01/mg-1100-msm07-the-origin-iv.html

・HGUC 1/144 MSM-10 ゾックと機動戦士ガンダムTHE ORIGIN
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/02/hguc-1144-msm10-the-origin.html

・機動戦士ガンダム THE ORIGIN、MGアッガイ、ターゲット イン サイト
http://www.ringolab.com/note/daiya/2007/01/the-originmg.html

・ガンプラ・パッケージアートコレクション
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/08/post-820.html

・俺たちのガンダム・ビジネス
http://www.ringolab.com/note/daiya/2007/11/post-662.html

・ガンダム・モデル進化論
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003091.html

・新島八重 明治維新を駆け抜けた才女
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数多あるNHK大河ドラマネタの便乗ムック本なのだが、これは八重の研究書や小説を書いた専門家が監修しているので情報がまとまっている。大量の写真と絵図を中心にビジュアルに新島八重周辺を解説する。「八重の桜」の脚本家山本むつみインタビューも収録。

冒頭で「八重を知るための4つのキーワード」が挙げられている。

1 故郷・会津の教え「ならぬことはならぬ」
2 男装して自ら銃を持った会津のはねっかえり娘
3 京都で開けた第二の人生 新時代のハンサム・ウーマン
4 篤志看護婦として兵士を救護した白衣の天使

このキーワードを意識しながら、当時の写真を見ると、江戸から明治の変わり目の烈婦八重のイメージがわいてくる。このひとつめの「ならぬことはならぬ」は会津藩士の子弟に伝わった掟であり、八重の生涯をつらぬくポリシーだったと考えられている。

「什の掟」
一. 年長者の言ふことに背いてはなりませぬ
一. 年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
一. 嘘言を言ふことはなりませぬ
一. 卑怯な振舞をしてはなりませぬ
一. 弱いものをいぢめてはなりませぬ
一. 戸外で物を食べてはなりませぬ
一. 戸外で夫人と言葉を交へてはなりませぬ
ならぬことはならぬものです。

随分と旧弊で封建的な教えに思えるが、その八重は新島襄と結婚するとキリスト教に改宗して近代的な思想も取り込んでいく。ファッションも着物と洋服をあわせていた。前近代と近代の変わり目を象徴しているような写真がある。徳富蘇峰に「頭と足は西洋だが、胴は日本、まさに鵺のごと
き女性がある」と誹謗された八重は、和洋折衷の日本の先駆け的な存在だったともいえる。

新島八重 愛と闘いの生涯
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/11/post-1731.html

・幕末銃姫伝―京の風 会津の花
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/07/post-1677.html

・新島八重 愛と闘いの生涯
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大河ドラマでは綾瀬はるかが演じるそうだが、本当はジャイアンキャラなのにしずかちゃんが演じるみたいなことになりそうである。実際の新島八重は夫の新島襄も書いているように、必ずしも美人というわけではなかった。盲目の兄の覚馬を担いで運んでいたという記録もあって、かなり体格がよく力持ち。この本で言及されているが、芸能人で言うなら森山中の大島美幸がイメージ的には近いらしい。そして性格は男勝りのリスクテイカー。ドラマではオブラートに包まれそうだが、本物の新島八重は戦争についてこんなことを書いている。

「随分ト戦ト云ふモノハ面白イモノデゴザイマシテ、犬死シテハツマリマセン。ケレドモ、戦ウトコロヲミマスト女デモ強イ心ニナルモノデ、モウ殺サレルトカト思ヒナガラモ丁度一町程先ノ所デ戦ッテイルノナド見マシテゴザイマスガ、ナカナカ面白イモノデゴザイマス。」

女性でありながら、自ら大砲、鉄砲、薙刀で戦いジャンヌダルクにたとえられた。どうも記述を見る限り、やむを得ず戦ったというだけではなくて、戦争が心底好きだったのではないかこの人と思える部分がある。

この本の後半は史料抜粋に解説をつけるという形で、本当の新島八重とその時代を明らかにしていく。鶴ヶ城籠城の空気が伝わってくる本人の回想、これも生々しい。史料の抜粋もこの本の魅力。

「お城のお廊下にまでまいりますと、入城者がたくさん集まってをります。門の前には、武士が抜刀で、『たとひお女中たりとも卑怯な事は許しませぬぞ』と声高く叫んでをります。いかにも殺気に満ちた有様で、あるご婦人などは、白無垢に生々しい血潮の滴っているのを着てをられました。これはたぶん、家族に卑怯者があって、城中に入って戦ふのは厭だといふのを手に掛けて、その足でまいられたのでございませう。」

新島八重の人生は3つの時代にわけることができる。これはだいたいどの関連本を読んでも同じだ。

初期 誕生~27歳 一度目の結婚と戊辰戦争を戦い鶴ヶ城に籠城、敗戦、そして離婚
中期 27歳~44歳 京都で新島襄と出会いクリスチャンになり同志社設立に立ち会う
後期 44歳~86歳 新島襄の死去で未亡人となり篤志看護婦、茶道家として活躍する

江戸と明治、会津と京都、看護と茶道など、3つの時期はガラッと内容が変わるはずで、ドラマの展開が楽しみ。後期は、赤十字に加盟し日露戦争で篤志看護婦として活動したりして、日本のナイチンゲールとまでいわれる。ただ新島襄がいなくて同志社とのつながりも薄くなるので、あまり大きな動きがなさそうだ。12月ごろのクライマックスをどう乗り切るかも気になる。

・幕末銃姫伝―京の風 会津の花
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/07/post-1677.html
新島八重の前期を描いた小説。ドラマの原作ではない。

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