Books-Education: 2012年7月アーカイブ

・こどもと楽しむマンガ論語
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「『論語』というのは、今から約二千五百年前の中国で生きた、孔子という人が話したことや行動などをまとめたものなんだ。どうせ昔のもの?むずかしそう?確かに孔子は昔の人で、先生とよばれるような人だよね。でも、孔子も君と同じなやみを持ち、同じようなことを考えていたのかもしれないよ。」

親と子供が一緒に楽しめる論語のマンガ参考書。

38の教えが元の漢文と読み下し分と解説、そして小学生くらいの生活で身近なことにたとえたマンガで説明していく内容。児童向けの本だが、取り上げる教えがやさしいものばかりではないのと、構成がしっかりしているので、実は一緒に読む親も楽しめる。

だっていきなり第1章が、

子曰く、「異端を攻むるは、斯れ害なるのみ。」

である。第2章は、

子曰く、「衆之を悪むも、必ず察す。衆之を好むも、必ず察す。」

である。歯ごたえあるな。

児童には難しいんじゃないかという内容だが、それぞれ「やたらに自分の考えとちがうことをきらっているようでは、かえって自分によくないよ」「みんながきらっていても、必ず本当にそうなのか確かめること。みんなが好んでいても、必ず本当にそうなのか確かめること。という意味なのだよと、文章と漫画でかみくだいて教えている。

編者のポリシーを感じる本だ。わざわざ「女子と小人とは養い難し」という現代の子供に教えるにはややこしそうな教えも敢えて収録しており、見事に解説している。論語とは何かをはじめて教える教材としてよくできている。