文書アウトライン作成支援ツール iEdit

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私は毎日、このBlogに日記でコラム風の記事を書いている。ネタとなるアイデアやデータはすぐみつかる。一番時間がかかるのは、それをどういうアウトラインを持つストーリーとして読んでもらうか、構成の部分だ。

起承転結、序破急、三大噺のようなコラムの構成は、登場する要素を線で結んだような図で考えると構想を作りやすいな、と思っていた。そこでieditというツールを使って実験を試みた。

・iEdit
http://member.nifty.ne.jp/kondoumh/software/iedit.html
ieditgui.gif

ieditはアウトラインをツリー構造で書くのと同時に、要素と矢印の概念図を描くためのフリーソフトだ。ユーザは、ツリー構造で関係を整理してもいいし、直接、概念図をツールを使って描いても良い。他の文書作成ツールと連動させる関連ソフトもいくつかある。

これを使って、コラムの構成を発想した。最初の「夏川りみ」のノードからアイデアを書き出して、思い浮かぶ要素を配置していく。関連するものはなるべく近くに寄せる。アイデアだしを一通り終え、文章の流れをつけられそうなものを線でつないでみたのが以下の図だ。
(クリックで拡大)

effectsound001.gif

(注:このソフトでは標準では図のエクスポートはSVG形式で出力される。こちらがSVG(要SVGリーダー)。)

そして、図を使って書き上げたコラムの完成形は以下のようになった。一度、素材の洗い出しと関係付けを図作成のフェイズでやっているのでスラスラ書けた、気がする。iEdit上では線でつなげたノードの配置を動かしても、線の関係は変わらないように画面上自動調整されるから、執筆段階でも図を変更していける。紙にはないデジタルツールの強みといえそう。

実験で作成したコラム:

・ツールとしての音

私は「涙そうそう」で有名になった歌姫、夏川りみのファンである。どことなく、米国のカントリー歌手リアン・ライムスに似ている。沖縄の歌は日本のカントリーと言えるし、10代前半で地元の喉自慢大会を連覇して神童としてメディアにデビューした経歴も同じだ。この二人の美声によってうっとりするのは大人の男性だけでもないらしい。

彼女の新曲「童神(わらべがみ)」が今、妊婦や産婦の間で爆発的な人気だという。歌詞の内容は生まれてきた子どもの成長を祈る母親の叙情詩である。揺り籠にゆられるような曲調、夏川りみの透明感あふれる優しい声質の相互作用なのだろうか。子どもに聞かせるとスヤスヤ眠りだしてしまうのだという。胎教や子守唄ソングとして即効があるという噂が広まって、スマッシュヒットとなっている、と聞く。早速、ウチの生後2ヶ月の息子にも聴かせたら、ぐずっていたのに、サビの「ヘイヨーヘイヨー」のところで、あっという間に寝入ってくれた。ほとんど魔法みたいだ。それからというもの、我が家でこの歌は鑑賞するだけでなく、子どもを眠らせるという機能を持ったツールとして役立つ音になった。

・童神~ヤマトグチ~ [MAXI]
B0000BHM10.09.MZZZZZZZ.jpg

・You Light Up My Life: Inspirational Songs (リアン・ライムス)
B000000DHW.01.MZZZZZZZ.gif

お隣韓国では、携帯電話のスピーカーで蚊が嫌がる周波数の音響を発生させて追い払う「携帯電話による蚊退治」サービスが開始されたというニュースを読んだ。着メロとして、人間の耳には聴こえない周波数の音を鳴らすそうだ。実際の効果は、特定の蚊にしか効かないらしいのだが、音を、メッセージの触媒や娯楽として使うのではなく、機能として使う発想例として、面白いと思った。

・携帯電話で蚊を退治する モバイル・コンテンツ社が開発
http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2003070924728

ノートPCや携帯、PDAなど、私たちはスピーカー内蔵のデバイスを日常持ち歩いくようになったが、あまり活用できてはいないだろう。音を、音楽やクリック音として使うのではない、新しい使い方がきっと他にもあるはずだ。「異性をひきつけるフェロモン効果音」「衝動買いを誘う購買促進BGM」「上司に決断を急がせるASAPミュージック」「同じ趣味の人が近づくと共鳴して知らせるマッチング超音波」。アイデアは広がるが、「童神」のおかげで私まで眠くなってきた。続きは明日考えよう。

最近、使い始めたこのソフトだが、結構、発想を支援するツールとして機能する。昨日の中沢新一の理論もそうだったが、図(トポロジー)で考えることで、物事の相関が脳内で整理され、文章化されやすくなるという効果は確かにあると思う。フリーソフトなので、試しに読者のみなさんもやってみて結果を教えて欲しい。(他人がどういう図を描くのか知りたいのです。)

ちなみに今回のコラムでは、iEditの機能を半分も使っていない。ノードの自動レイアウトや、階層構造ごとのWebマップを作るHTML出力機能、XML出力機能、既存のメタファイルの貼り付けなど機能は多彩である。今回は非常にシンプルな図を作成したが、仕事のプレゼンでも使える美麗な概念図、チャートも作成することができるはずだ。私はこのツールに今、惚れこんでいる。

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コメント(2)

こんにちは、コグレと申します。
このソフトは面白いですね。なかなかしっくりくるアウトラインプロセッサというのがなかったんですが、非常にシンプルで分かりやすそうです。いま、サイトリニューアルのためのサイトマップを作ってみたりしています。なかなか具合が良さそうです。

daiya :

コメントありがとうございます。コグレさんの書いた絵もみせていただけたらうれしいです。ぜひご検討ください。

コグレさんのサイト、面白いですね。巡回リストにいれさせていただきました。今後もよろしくお願いいたします。

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このページは、daiyaが2003年10月19日 04:44に書いたブログ記事です。

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