・Typict
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/art/se441649.html
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デジカメで撮影した写真を整理するときにフォルダわけを行いたいと思うことがよくある。最近はメモリが大容量なので一度の撮影で何百枚も撮れてしまう。後で選ぶことを前提に、似たような構図で条件を変えて大量に撮るからだ。
しかし、後で選ぶのが面倒な仕事になる。写真はある程度大きく表示しないとピンボケやノイズを発見できないので、サムネイル一覧ではなく1枚ずつ表示が必要になる。だからといって、画像ビューアで確認してフォルダにドラッグアンドドロップで移動させる手作業では1枚当たり軽く10秒くらいかかってしまう。
Typictは画期的な画像整理ツールだ。1枚ずつ、写真を見ながら、キーボードだけで写真をフォルダに振り分けることができる。たとえば、
1キー → 「大賞」フォルダ
2キー → 「次点」フォルダ
3キー → 「修正」フォルダ
Pキー → 「印刷」フォルダ
Fキー → 「Flickr行き」フォルダ
Zキー → 「ボツ」フォルダ
のように設定しておくと、写真の出来具合や用途で整理することができる。
EXIFデータや、次の写真のサムネイルが同時に表示されたり、ファイルのリネームも可能であったり、写真の整理にとても便利な機能が満載である。画像だけでなく、あらゆるファイルをこの方式で分類できるといいのではないか、と感心してしまう。
朝起きると居間で妻がどんよりとしているので、どうしたのかと聞くと午前3時頃目が覚めてしまったので、私が机の上に置き忘れた篠田節子の短編集「レクイエム」を読んだのだという。1本目の「彼岸の風景」を読んだら人の生き死にの話で重たかったので、このままじゃ寝れないと思ったそうだ。ラストの標題作「レクイエム」が短かったので口直しのつもりで読んだら一層重量級でとうとう朝まで眠れなくなったという。
長編が得意な篠田節子だが、短編も完成度が高い。世界観が確立されているから、一本読むと次にひきこまれる。不吉なムードの作品ばかりなのだけれど朝まで読みたくなってしまう気持ちはよくわかる。
あとがきで短編のあるべき姿を自らこう語っている。「優れた短編小説は決して小さく愛らしく洒落たミニアチュールではない。優れた短編小説の要件とされる、鋭い切れ味、驚き、人生の一断面を切り取る鮮やかさ、人情の機微、といったものに私は関心がない。短い物語の中には、人生の一断面ではなく、複雑な世界を丸ごと封じ込めることもできると信じている。」
設定は6編ともまったく違ってバリエーションが豊か。
・死期の迫った夫との里帰りで起こる不思議「彼岸の風景」
・神様に翻弄される女性の忙しい一生「ニライカナイ」
・仕事人生に挫折した中年女性が迷い込む都会の迷宮「コヨーテは月に落ちる」
・橋の下のテントに暮らす老人たちの人生をのぞきこむ不動産営業マン「帰還兵の休日」・隣家の幼児虐待を発見してしまった独身女性の葛藤「コンクリートの巣」
・死んだら腕を一本パプアニューギニアに埋めてくれと遺言した大教団幹部の伯父の真意を探る「レクイエム」
共通しているテーマは喪失と鎮魂ということ。人間は若さや可能性と引き換えに、人それぞれに違ったなにかを手にして、自分の人生を飾っていく。そうした飾りにあるときふと虚しさを覚えた人たちが主役の物語だ。30代後半以上の人におすすめ。
・カノン
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/04/post-740.html
・弥勒
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/005292.html
・ゴサインタン―神の座
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/005260.html
・神鳥―イビス
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/005177.html
「声に出して読む日本語」などで有名な斉藤孝氏による呼吸のノウハウ本。「私は呼吸法研究に自分の生活すべてを賭けていた。」という同氏は若い頃に呼吸法研究にのめりこんだことがあったらしい。この本ではその二十年間に及ぶ研究のエッセンスが紹介されている。
真髄は「鼻から三秒呼吸を吸って、二秒お腹の中にぐっと溜めて、十五秒間かけて口から細くゆっくり吐く」という三・二・十五の斎藤式呼吸法である。「息を長くゆるく吐き続けることによって、セロトニン神経系という攻撃衝動を抑える神経系がうまく働き出すのです。」などという効能の説明もあるのだが、なにより、これを実際にやってみると気分が落ち着く。
「息をどれだけ長く深く続けることができるか、息と動きをどれだけ連動させることができるか---息の力とはこの二点にクリアに集約されます。というのも、動きと連動した深く長い息こそが、モードの持続力を決定する。それは脳の働きと密接なかかわりを持っています。」
三・二・十五の呼吸法をパソコンの前で練習するために、使えるソフトを見つけた。
・活き息
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/home/se365047.html

「呼吸法ソフト「活き息」は、上下するアニメーションに合わせて腹式呼吸を行うパソコンソフトで、表示アニメの動きと、表示位置の工夫で、会社でパソコン作業に集中しながらでも、作業を中断することなく、腹式呼吸ができるよう配慮されています。
また、自分で設定したインターバルで自動起動しますので、呼吸法を楽に習慣化できます。」
デスクトップ上をキャラクターが上下するのに合わせて呼吸をする。画面にオーバーレイする形なので、仕事の作業をしながらでも無理なく使うことができる。任意の秒数設定ができるので、3,2,15秒に設定すればこの本のメソッド用にもなる。なかなか便利だ。結構、こういう健康系ソフトの重要って今はまだ特殊な分野だが、これから伸びるかもしれない。
「なんと、二千年前からインターネットがあった!?」
この本には、このたび発見された弥生時代から江戸時代までの、200ページ以上のホームページが掲載されている。邪馬台国や鎌倉幕府のオフィシャルサイトや、縄文時代の個人サイト「私の土器コレクション」、清少納言のブログ、関ヶ原の戦いのスレ、武将の人気状況がグラフででる「戦国検索くん」、パスワード保護された「大奥」サイトなど、いかにもネットにありそうなデザイン。
重大事件ではいくつものページが掲載されていて流れがわかる。たとえば明智光秀の「十兵衛日記」は信長に対する不満たらたらのブログが、本能寺の変の当日には「接続が集中し、大変つながりにくい」状態になる。そしてその11日後には「管理者により削除」されている一方で、「秀吉のさるさる日記」には殿の仇を討ちとってやったりの報告が出ている。
予備校講師らが制作しているので、ジョークとはいえ細部も真面目に作り込まれている
。著名人のブログの外部リンク先だとか、バナー広告の中身、コメント書き込みなど、初見では見落としてしまうところで芸があって楽しい。2時間くらいで読んで読めたと思うなと著者が書いているように、こだわって作られている。
・「ちょwww豊臣」「義経サマ萌え」――ネットの住人目線で「歴史を身近に」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0802/15/news092.html
この本についての著者インタビュー記事。画面紹介もある。
大人が楽しく日本史のおさらいになる。受験生の息抜きにもよさそう。細かいツッコミに笑いながら、まじめな学習効果が期待できる本のように思う。
パロディとしての歴史サイトの書籍というコンセプトが愉快だ。本当にここに出ているようなWebを実際のインターネットに作っても、意外にはずしていた気がする。書籍でやるからユーモアが生きているんじゃないかな、これは。
「夏子の酒」の尾瀬あきらが少女を主人公に描いたフリークライミングがテーマの漫画。「オンサイト」という言葉からシステムの保守業務を連想してしまうのは職業病かな。このタイトルのオンサイトは、誰かのルートを追うのではなく、初見で登攀に成功することを意味する山岳用語だ。
小学生の少女麻耶は、岩に登ることに夢中の少年舜と出会って共に山登りをはじめる。ライバル意識を燃やしながら、異性として微妙な二人の関係が、甘酸っぱくてさわやかで、この作品の最大の魅力。誰かの道を追うのではなくて自分の道を行くという意味で「オンサイト」な麻耶と舜のひたむきな青春の物語。物語もいいしフリークライミング(ボルダリング)という競技の内容や面白さも伝わってきた。
実はこの漫画は全2巻で二人が中学卒業の段階で第一部が終了し連載が止まっている。ここまででも十分面白いのだが、続けていたら大傑作になりそうな下地ができているだけに、ものすごくもったいない気がする。再度、続編を書いてほしいと切に願うばかり。
・Expeditions Vol.2 クライミング・ザ・ビッグ・ウォール: アレックス・ロウ, ジェアード・オグデン, マーク・シノット, リン・ヒル

「第1話「グレート・トランゴ・タワー」
パキスタンのカラコルム山脈中心部にそびえ立つ、ロック・クライミング史上最難関とされる6,286mの巨大な岩壁グレート・トランゴ・タワーに挑んだ世界中のクライマーから多大な尊敬を集めるアレックス・ロウ、ジェアード・オグデン、マーク・シノットの3人のチームによるファースト・アセントの記録を追う。
第2話「マダガスカル:女性クライマー リン・ヒル」
カリフォルニア ヨセミテ谷のノーズルートを最初に征服したことで知られる最も有名な女性クライマー、リン・ヒル率いる女性クライマーたちによるマダガスカルのツァラノラ・マッシフ、初制覇の道のりを追う。ナレーションを、世界的ミュージシャンである元ポリスのスティングが務める。 」
2編収録のうちの1編はオンサイト!に主人公の憧れの人物として登場した、トップ女性クライマーのリン・ヒルのドキュメンタリ。垂直に見える、とてつもない絶壁に何週間も張り付いて、ひたすら登り続ける映像に圧倒される。
このDVDのExpeditionsシリーズは、危険なアウトドアスポーツの魅力を、ぐうたらでも鑑賞できるので好き。まさか絶壁には登れないが、室内ボルダリング練習場があったら体験してみようと思った。
こんなに凄いことになっていたのか、KARAOKEって。ロンドン大学の歴史科研究員が現代の世界各国のカラオケフィーバーぶりを、情熱的にフィールドワークしてまとめた比較文化論。日本ではすこし冷めた感じがあるカラオケだが、その熱狂は世界に確実に波及していた。
「歌に対する人類の夢を具現化した機械・カラオケは、その誕生から三十年を経ずして全世界に普及した。世の様々な文化流行を見ても、これほどの短期間に、これほど広範囲の普及を見たものは他に類を見ない」
韓国では「国技」と呼ばれるくらい国民の娯楽として浸透している。ビジネスコミュニケーションに必須の潤滑剤にもなっているらしい。タイやインドネシアではセックスを提供する「アダルトカラオケ」も繁盛している。シンガポールや台北、上海にはカラオケタクシーまで登場した。
アメリカではカントリーと融合して「カラオケカウボーイ」いるし、イギリスではパブ文化と融合してストレス発散の場として人気がある。ユニークな発達を遂げてしまった例もあって、スコットランドでは無音のポルノ映画にみんなで勝手に喘ぎ声や効果音をつける「ポルナオケ」だとか、ニューヨークのアングラ「全裸カラオケ」はびっくりだ。
英語教育にカラオケを取り入れた国も多い。五感身体をフルに使うから学習効果はありそうだ。仏教カラオケ「悟りの旅」「俗世の旅」「解脱」、キリスト教の「教会カラオケ」など宗教でもカラオケは積極的に使われている。
写真もたくさん使って各国カラオケ事情が語られている。発見再発見の連続だった。「カラオケは日本に発祥するものであるが、既に完全にグローバルなものとなっている。各国は今や既存の文化の中にカラオケを取り込んでいる。」と著者は結論している。
日本人はもっとカラオケの生みの親であることを誇りにしてよさそうだ。カラオケの発明は1970年代。日本人の井上大佑氏が発明者と言われている。特許をとっていれば毎年百億円以上の収入が見込めたという。特許がなかったから広まったのかもしれないが。
1960年代に音楽で世界を変えようとしたボブ・ディランより、本当に世界を大きく変えてしまった井上氏の方が音楽の世界において、すごいひとなのではないかと思った。ちゃんと歴史に残すべきである。
最終章ではインターネットや最新テクノロジーと融合したカラオケ革命がレポートされている。インターネットやケータイと連動するサービスが紹介されている。今後の展開として個人的に注目しているのはWiiカラオケだ。商用配信レベルの内容がWiiで可能になるとするとカラオケブーム再燃もあったりして。
・Wiiがカラオケに 「JOYSOUND Wii」来春登場
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0710/10/news068.html
著者は国家より企業が強大な力を持つ時代になったことを次のような事実で指摘して見せた。
・世界の経済主体の規模を比較すると、上位100位に含まれる51の組織は企業であり、国家ではない。
・海外資産の20%を、多国籍企業の最大手100社がコントロールしている。
・世界の総資産の25%は、多国籍企業の大手300社により所有されている。
・世界貿易の40%もが多国籍企業の間で行われている。
・国内総生産(GDP)が、世界最大手六社のそれぞれの年間売上高を上回る国は、二十一カ国しかない。
もはや世界経済の主役は国家ではなく大企業であり、それらの企業の持続的成長の最大の課題は社会ニーズへの対応にあるとする。アダム・スミスの国富論的経済学の終焉と新しい経済社会原理への転換が起きようとしていると説く。
新しい世界では、企業は従来の「価格の引き下げ」「品質の向上」という目標に加えて「社会のニーズへの対応」が強く求められる。政府の規制によって取り組むのではなく、自ら社会ニーズを追及していく姿勢が消費者に高く評価され、強力な社会ブランドとなる。それが新しいワールドインク時代のゲームの勝者は、社会対応の前線=Sフロンティアで勝利をおさめなければならないと著者はいう。
社会やエネルギーに対する配慮をハイブリッドカーに織り込んで世界をリードするトヨタ、社会のデジタルデバイド解消(e-inclusion)のイニシアチブをとるHPの2社について、章を割いてのケーススタディがある。
世界経済を揺るがしたエンロン・ショックの後に、投資家もまた考え方を変え始めている。キャップジェミニ・アーンスト&ヤング社は「今日の経済は、ナレッジやR&D、イノベーションなどの資産を基盤としており、これまでにない課題を提示してくる。それは無形資産を評価するという課題だ。」という考え方で、新しい企業価値の評価方法バリュー・クリエーション・インデックス(VCI)をつくった。
VCIは「ブランド開発やりーさーシップ教育、研究開発への企業による投資は、いまや有形資産への投資の総額を上回る。」とし無形資産を定量化する指標だ。現状より遅れて現れる(売上や利益のような)遅行指標ではなく、環境対応や労働政策、企業ガバナンスへの対応のような先行指標の比重が高い指標である。
著者が語るような社会対応型資本主義が実現されれば、世界を良くしようとする消費者、企業、投資家たちが自然と経済的に勝者となり、世界はバラ色になっていくように思える。重要なのはその前提となる「グローバル・エクイティ文化」が社会に広く浸透するかどうかだろう。そのためにもこの本に数例あげられたような成功企業の事例分析がなされることが、まずは説得力になるのではないかと思った。
・Country Codes
http://www.izoxzone.com/product/app/cc/index.htm
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日本のIOCコードは「JPN」で、ISO通貨コードは「JPY」で、国際電話のダイアリングコードは「81」である、といったように国際機関が決めている国別コードというのが世の中にはたくさん存在する。CountryCodesはそれらの情報を網羅的に調査する。
最初に国名を選ぶと国旗も表示されて情報が一覧できる。ここで日本のカントリーコード一覧を「Copy All」で取得すると、以下のようなデータがクリップボードに入力された。HTMLで出力することもできる。
Country Name: Japan
Long Name: -
Type: Nation
Dependency Of: (Does Not Exist)
Location: Eastern Asia
TLD Code: .jp ( http://www.iana.org/root-whois/jp.htm )
ISO Alpha-2 Code: JP
ISO Alpha-3 Code: JPN
ISO Number: 392
IOC Code: JPN
ISO Currency Code: JPY
Language abbreviation: JPN
FIPS 10-4 Code: JA
GMT Deviation: +09:00:00
Extra Information: https://www.cia.gov/cia/publications/factbook/geos/ja.html
Extra Information II: www.wikipedia.com/wiki/Japan
Distinguishing sign: J
Dialing Code: 81
Countries with the same dialing code: -
IDDD Code: 001 (KDD)
010 (MYLINE/MYLINE PLUS)
0061 (Cable & Wireless IDC)
0041 (Japan Telecom)
NDD Code: 0
City: * Tokyo 3 35° 41' N 139° 46'
Airport nameからは各国の飛行場コードをみることができる。
AirportNameの項目では飛行場の略号を知ることができる。成田はNRT、関空はKIX、ロサンゼルス国際空港はLAXといった、あの暗号である。仕事の出張関係の情報として目にして、それってどこだっけ?と思うことがよくあるのでこれは個人的には便利。
世界地図上で場所を確認する機能もある。
・Crayon Physics
http://www.kloonigames.com/blog/games/crayon
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クリエイティブなゲームを発見。2008年度のIndependent Games Festivalで大賞を受賞(賞金2万ドル)したCrayon Physics。
・The 10th Annual Independent Games Festival
http://www.igf.com/02finalists.html
現在はプロトタイプ版をダウンロードできる。
マウスを使って画面にクレヨン調で落書きした線図形が物理法則に従って動き出す。動く図形を誘導して★のマークまで誘導するとクリア。「テレビ番組のピタゴラスイッチ」みたいだ。クレヨンで手描きというのがアナログなよい雰囲気を醸し出している。
日本のゲームには同じように手描きのキャラクターが3Dになって動き出す「ラクガキ王国」シリーズがあるが、Crayon Physicsは画用紙に描いたそのままが動くシンプルさが素敵である。
・ラクガキ王国2 魔王城の戦い TAITO BEST
http://www.garakuta-studio.com/
Deluxe版が開発中らしく映像がアップされている。
「日本中の大仏を見にいくことにした。大仏のなかでも、とりわけデカい巨大仏を見にいく。これを巨大仏旅行といい、そんな言葉があるのかというと、今私がつくったのである。昭和から平成のはじめにかけて、日本各地にやたら大仏が建立された。それまでは日本一の大仏と言えば奈良の大仏と決まっていたが、今やその何倍もの高さを持つ巨大な仏が北海道から九州に至るあちらこちらに出現している。」
牛久大仏、淡路島世界大観音、北海道大観音、加賀大観音、高崎白衣大観音、九州の巨大仏、会津慈母大観音、東京湾観音、親鸞聖人大立像、仙台観音、太陽の塔(大仏ではないが)など、日本中の巨大仏紀行文。
著者は大仏にハマったのは幼少の頃に見た神奈川県の大船観音を見たのがきっかけだったとカミングアウトしている。実は私は大船の隣駅に子供のころから住んでいるので、今も昔も東海道線に乗るたびに、つまり毎日のように大船観音を眺め続けている。
慣れるということがない。何度見てもゾクッとする。ヌッと山の上に真っ白に現れる上半身だけの観音は、真っ青な青空と真っ白な対比が一番ゾクっとするが、夜の闇にほのかに見える姿もゾゾゾっとする。
「突然不穏なことを言うようでなんだが、世界平和大観音にも牛久の大仏にも、ぬっとした巨大仏は、何か妖怪的な、見ようによっては、人間のことなどまったく知ったことではないというような、非情な手触りがないだろうか。仏さまだから、本当は慈悲の心に満ち溢れているはずなのに、そんなもん一切わし知らんがな、とでもいうような冷たさが、巨大仏にはないだろうか。」と著者は書いている。
・Popuload
http://www.popuload.com/download.php

待ち時間が長いエレベーターの前には鏡を置くとよいという。鏡を覗いて身だしなみチェックをしている間にエレベーターが到着するから、心理的には待ち時間が短縮されたように感じられるから、だそうだ。それと同じ原理で、パソコンの待ち時間を短縮するのがこのソフトウェア。
大きなファイルのダウンロード、大きなファイルのコピー、プリンターへの出力などの待ち時間が発生すると、Windowsでは進行状況を表示するバーが表示される。Populoadをインストールしていると、それに並んでネット上のニュースが表示されるのだ。

Popuploadの正体はRSSリーダーで、あらかじめ登録されているニュースからカテゴリを指定することで、関心のある内容に絞り込める。これでダウンロード時間が10分と表示されても、退屈しないですむ。
・一冊のノートで始める力・続ける力をつける―人生も仕事もうまくいくアイデアマラソン発想法

ここ数年実践している「アイデアマラソン」メソッドの創始者、樋口さんの最新刊。
「新しいことをしようとする場合の、基本の原案は、どうもパソコンよりも、ノートの方が使いやすい。計画の内容がどんどん詳細になっていってペンで細かく追記して、詳細計画の項目の肩が触れ合うような緻密な計画になってくる。」
写真術の本でデジタルカメラよりもフィルムカメラの方が、フィルムを惜しんで一枚一枚構図や露出をを考えて写すから、上達が早くなるという話を読んだことがある(逆だという人もいるが。)。メモに置き換えると、パソコンで書いた文字は簡単に消せるが、ノートにペンで書くと消せない、という違いも大きいと思う。ノートに書くときの方が、なんとか形にしなければいけないという想いが強く作用すると思う。
ペンや紙との摩擦を手に感じる身体性や、視線の方向の違い(ノートは下を向く、PCモニターは正面を向く)も大きそうだ。どちらがよいというよりも、発想に詰まったら方法を柔軟に変えてみるのがいいのかもしれない。
なんでもデジタルで処理することが先進的な時代は終わった。今は上手にアナログとデジタルの使い分けができることが大切だ。この本ではアイデアマラソン実践に際して、紙のツールとしてのノートを、デジタルのツールとどう融合させて使っていくかが書かれている。
たとえば「仕事でも、待ち時間が決まっているような場合には、その短い時間に、簡単に処理ができる仕事を挟む。たとえば、パソコンのスイッチを入れる前に、ノートを拡げる。ノートを拡げ終わってペンを取り、それからパソコンのスイッチをいれるのだ。そうすれば、パソコンが立ち上がるまでの電子の速度としては異常に長い数分間を、ノートを見ていて思考する時間に充当できる。」。
これは私も最近実践を始めたノウハウだった。付箋とノートを身の回りに偏在させる。会社と自宅で1日2回PCを起動させるので、1日2つ月に数十本はアイデアを増やすことができる仕組みだ。大した発想がでなくても作業前の脳のアイドリングになる。
無駄なコピー印刷は減らすべきだが、アイデアを書きだすメモやノートは、過剰なくらい用意して、オフィスや自宅に置いておくというのが2台目のパソコンを買うよりもずっと安くてずっと効果がありそうだ。
始める、続けるということが主軸のまとめ方なので、季節柄フレッシュマンに特におすすめの一冊である。
・普通の手書きメモがデジタルに エアペン アイデマアラソン スターターキット
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/005043.html
・企画がスラスラ湧いてくる アイデアマラソン発想法
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000904.html
・「金のアイデアを生む方法 "ひらめき"体質に変わる本
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004920.html
江戸時代の画家 伊藤若沖(1716-1800)畢生の大作「動植綵絵」全30作品をカラー印刷で収録。全体図だけでなく、主要部分の拡大図も用意されているので、細部をじっくりと鑑賞できるのが素晴らしい。美術館でもこれだけ精細に間近では見られないだろう。
有名な「南天雄鶏図」に代表される鳥の絵が鬼気せまっている。ニワトリやオウムのくせに威厳にみちていて神々しい。かっと見開く鳥の目に見る者は威嚇される。まさに目をみはる絵だ。
若沖は自分の絵について「いまのいわゆる画というものは、すべて画を画いているだけであって、物を画いているものはどこにもない。しかも画くといっても、それは売るために画いているのであって、画いて画いて技を進歩させようと日々研鑽するひとに会ったためしがない。ここが私のひととちがっているところである。」と述べている。自分の目でみたものしか描かない。徹底的なリアリズムで対象に迫る。物と若冲が対峙するところに「神気」が生じると若冲のパトロン大典和尚は評している。
裕福な商家に生まれた若沖は、幼少のころから学ぶことが嫌いで、趣味もなく、およそ才能というものと無縁な子供と周囲には思われていた。ひとづきあいが下手で家業をまともに継ぐことができず、丹波の山奥に二年隠れていたという説もある。変人として生涯独身を通した。
絵は二十代後半に始め、狩野派に学ぶが中国絵画の模写や流派の真似ごとが嫌になる。自分の目で見たものを見たままに描くスタイルを確立するのは40を過ぎてからであった。屈折した性的願望を妖艶な美に昇華させたと多くの研究者が指摘しているように、内に貯め込んだ情念が噴き出しているように感じる。これは一種のアウトサイダーアートであるといえるのかもしれない。
この本は全作収録しているので発見もあった。動植綵絵30作には昆虫や魚介を描いた作品も含まれているのだが、若冲の描く昆虫や魚介は図鑑の挿絵風で標本みたいで覇気がない。今にも絵を抜け出て暴れまわらんとする迫力の鳥獣の作品に比べると格段に精彩を欠くのである。さらにいえば植物も太い線でワンパターンな印象がある。若冲は鳥にしか萌えなかったトリオタだったことがよくわかる。
動植綵絵は現在は宮内庁が所蔵している。昭和45年に京都御所で全30幅が風通しされ、それを見た外国人の若沖収集家プライスは男泣きに泣いたという話が紹介されていた。縮小印刷でも相当の迫力がある。実物大の動植綵絵に囲まれたら、普通の人間でも絶句して泣いてしまうかもしれないなと思う。
・綺想迷画大全
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/005221.html
・怖い絵
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/005184.html
・神鳥―イビス
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/005177.html
モデルは若沖のような気がする小説
・アウトサイダー・アート
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/04/post-739.html
町田康のナンセンス追求系の最新作。笑える。
「嘘が溢れる世の中で唯一信じられるもの」としての写真に、町田が真っ赤な嘘の付帯文章を書く。フォトグラフ+フールでフォトグラフール。首から上がヤギに見える男の呟きだとか、ラクダのぼやき漫才だとか、ネタになる写真からして既に意味不明なのだが、そこから無闇に広がる妄想世界のバリエーションが楽しい。作家町田康が物語を発想する瞬間を見ている気がする。
この本はまえがきから嘘で固められている。これらの写真はどこから持ってきたとか、どういうコンセプトでこの本を書いたとか、説明が一切ない。あとがきにあるかなと思ったがやっぱりない。それぞれ読み切りコラムかとおもいきや、微妙に連作になっていたりする。形式としての完成度は高くない。
町田康の経歴。「1962年大阪府生まれ。作家、歌手、詩人として活躍。96年に発表した処女小説『くっすん大黒』でドゥマゴ文学賞、野間文芸新人賞、2000年『きれぎれ』で芥川賞、2001年『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、2002年「権現の踊り子」で川端康成文学賞、2005年『告白』で谷崎潤一郎賞を受賞」。
受賞歴だけ見ていると立派な現代の文豪である。それなのにこんな脱力系の遊びを70回も雑誌で連載して出版してしまうところが、いいよなあと思う。町田康の大作の合間に脱力しながら読むとぴったり。
・土間の四十八滝 - 情報考学 Passion For The Future
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/04/post-733.html
・悪人 - 情報考学 Passion For The Future
http://www.ringolab.com/note/daiya/2007/07/post-603.html
・告白 - 情報考学 Passion For The Future
http://www.ringolab.com/note/daiya/2006/10/post-474.html
著者の橘川さんとはかれこれ5年以上お会いしていないのだが、私にとっては恩人の一人である(と勝手に思っている)。橘川さんは1996年、まだ私が学生をしている時代に「デジタルメディア研究所(略称デメ研)」を設立され、大手メーカーのマーケティングプロジェクトなどをプロデュースされていた。その一環の座談会に私は何度か呼んでいただいたのだった。
ほんのお小遣い稼ぎのつもりで参加したのだが、それはちょっとした感動だった。まずフリーランスでありながら大企業のマーケティングに対して強い影響力を持つ、そのカリスマぶりにしびれた。
そのころから私は雇われない生き方に憧れていた。フリーランスやベンチャーという生き方候補のモデルケースとして橘川さんが強く印象に残った。実は「ロッキングオン」という伝説的な雑誌の共同創業者であったり、パソコン通信の時代からデジタルメディアのマーケティングの専門家として有名な方であったということなどは、はずいぶん後になって人から聞いて知ったことだった。当時は、ただただ、目の前の颯爽とした橘川さんがかっこいいオヤジだなあと思ったのだった。
それで「橘川さんという面白いオヤジと出会ったよ」と知人らに話したところ、「実は私は(僕も)デメ研の秘密研究員なんだよね」という人が複数出てきて、その証のロゴマークのシールを見せびらかされたりした。よし、私もいつかはデメ研の秘密研究員に任命されるほどの人間になってみせようぞと、密かに思っていたのであった、あれから10年。
この本はその橘川幸夫語録である。本を手にしたとき、いくら橘川先生とは言え「存命中に本人が自分語録を出すってどうなの?」と正直思ったが、開いてみると教条的厭らしさはまったくないっていうか、もろにロックでパンクである。不良である。ぶんなぐられた気がする。
私が気に入った名言ベスト4を紹介する。
「あなたがどんな人間かは、あなたがどんな音楽を聴いていて、どんな服装をしているかでわかる。でも、そんなわかられ方って屈辱だろ?」
「思想というのは自分の中を鋭く突きぬけていくものと、自分の中をさわやかに吹き抜けていくものがある。人もまた。」
「友だちの友だちは、赤の他人に決まってる。1対1の関係をなめないように。」
「誰にも言えないことがあるとしたら それはむしろあなたの宝物として扱え」
「負けたフリして諦めない。逃げたフリして攻めあげる。」
「言葉は社会遺伝子である。個人が見たこと聞いたことを、言葉という遺伝子にして次の時代に手渡すのだ。」という使命感で書かれたそうだ。とりあえず私は受け取りましたよ。











