カメラの雑学図鑑

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・カメラの雑学図鑑
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ニコン退職後、大学で写真を教えている著者によるカメラの雑学本。

35ミリフィルムの1枚に2コマを撮るから、36枚撮りで72枚撮れる「ハーフカメラ」。全盛期にはカメラの出荷台数の半数を占める人気機種であったと聞く。代表格のオリンパスPENを私はちょうど中古オークションで探しているところである。

ハーフカメラは、フィルム送りの方向に横長の35ミリフィルムを1コマを横に分割し縦長の2コマが作られる。だから写真のタテヨコが逆になる。横長に普通に写そうと思ったらカメラを縦にして写さないといけない。だから、ハーフカメラの写真には縦位置のものがおおかったそうだ。おもしろそうでますます欲しくなった。

・しゃべるカメラ「トークマン」
・ラジオ付きカメラ「ラメラ」
・写真に手書き文字を書く「フォトレコーザー」
・シャッターボタンが2つあって自分撮りができる「シルヴィF2.8」

など、ユニークな特徴のある珍しいカメラが次々に紹介される。

フィルムもいろいろあった。35ミリフィルムとAPSフィルムが普通のフィルムである。「110フィルム(1970年代)」「ブローニー(本来はプロの中判カメラ用)」はトイカメラで私もときどき使うので知っていた。見たことはないが、「スパイカメラ」用ミノックスのフィルムや126判(1960年代)というのがあるのも知っていた。

まったく知らなかったのがディスクフィルム。1982年にコダックが開発し、カメラメーカーがこのフィルム用カメラを発売したが不発に終わった失敗フォーマット。直径65ミリの円盤外周に15コマのフィルムが配置されている。これは一度も見たことがない。フィルムは失敗したが、このフィルム用の新型レンズや電池の開発は最新のカメラにも活かされているそうだ。

かつて高級フィルムカメラは一生モノとして売られた。機能は成熟しているので、、フィルムが流通している限りは、使うことができる。電子部品が少ないので修理も比較的容易だ。希少な機種はプレミアがついて数十年後でも高値で取引される。これに対してデジカメの寿命は、長くて5年くらいである。年々、高機能の新機種が発売されて、目立って型落ちしていくから使用価値もゼロになってしまう。モノとしての価値はフィルムカメラが優っている。

オークションの状況を見ていると、その傾向が顕著だ。デジカメの価値の低下スピードはフィルムの何倍も速い。10年前に200万円のモデルが2万円程度で売られていることもある。デジタル分野でも、1000万画素を超えたデジカメ、何万曲を持ち歩けるMP3プレイヤーなど機能が成熟期に入った分野もある。そろそろ一生モノのデジタル製品というマーケティングもありなのかもしれないと思った。

このブログ記事について

このページは、daiyaが2007年4月29日 23:59に書いたブログ記事です。

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