ハーフサイズカメラ遊楽

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・ハーフサイズカメラ遊楽
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ハーフカメラとは、80年代に流行したカメラの種類名だ。通常の35mmフィルムの1コマを横に分割して規定枚数の2倍を撮影可能にするのが特徴である。36枚撮りフィルムで72枚も撮れてしまうからフィルム代を節約できる。経済的ということで一時は大人気であったらしい。代表機種にオリンパス・ペン、キヤノン・デミ、リコー・オートハーフなどがある。

この本にはハーフカメラの魅力が、カタログ的な機種紹介と実写例多数、思い入れたっぷりのコラムで語られている。ハーフのファンにはたまらない保存版的内容。ハーフカメラでありながら一眼レフの、オリンパス・ペンFなんていう変わり種もある。交換レンズも数十本あって、ハーフ黄金期の憧れであったらしい。中古市場で今も2万円以上する。

10年以上前に新品市場からは姿を消したハーフカメラだが、21世紀に入ってからのToyカメラブームで、中古市場で人気が復活している。私もそのブームで知った。

先日、オークションでコンパクトフィルムカメラ6台セットというのを落札した。その中にオリンパス・ペンEE3がまぎれていた。ジャンクらしいのだが、この本を読んで、早速、フィルムを入れて試写してみた。36枚撮りで72枚撮れるので、なかなかフィルムが終わらない。バチバチ撮る。

・オリンパスペンEE3
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残念ながらこの個体はレンズにカビがあるため、全体が白っぽく写ってしまう。

・写真1 神社

だが、物は考えようで、「これはソフトフォーカス・フィルター付きなのだ」と前向きに考え、こんな風に撮ってみた。


写真2 光の道

幻想的になった。結構よいかも。

EE3は数十年前に絶滅したセレン式露出計を搭載している。暗い場所ではシャッター半押しで露出を測る。暗すぎるとファインダーに「赤ベロ」が降りて、シャッターが切れない。

写真3 光の木

この写真は日没で何度も赤ベロがでてなかなか切れないギリギリ露出の一枚だった。被写体の明るいところを探して、粘る赤ベロと格闘するのが、実は楽しかったりする。ハーフは遊びのカメラなのだからそれでいいのじゃないか。

この機種は絞り優先のマニュアル撮影も可能である。この場合は赤ベロ警報は出ないから、シャッターを強制的に切れるが、露出は自己責任になる。敢えて暗い写真を作りたい時には使える。

こんな風に。

・写真4 暗い渋谷の川


ハーフカメラはフィルムを横に分割するから、縦に長い2コマができる。普通に構えて撮影すると縦位置基本になる。逆に縦に構えて撮ると普通のカメラのように横位置になる。縦位置は作為性がでるから、写真に面白さがでやすい気がする。それが人気の秘密だったのかもしれないと一本取りきって思った。

・写真5 雨の日

お、雨の日だとカビによるソフトフォーカスがばれない。

コダック ウルトラマックス ISO400

日曜日のお気楽カメラとしてハーフカメラはおすすめ。次はキヤノン・デミがほしい。

このブログ記事について

このページは、daiyaが2007年5月27日 23:59に書いたブログ記事です。

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