古いフィルム写真をデジタルスキャンでよみがえらせる EPSON カラリオ・スキャナ GT-F650

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・EPSON カラリオ カラリオ・スキャナ GT-F650
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先日のイベントで神田敏晶さんが最近はビデオレコーダーが普及する前の映像が、ネットにアップされていて興味深いという話をしていた。アナログ時代の情報をデジタル化すると、ネットでありふれていないコンテンツを手軽につくることができそうだ。

私は最近、カメラのフィルムをデジタル化するために、2台目のスキャナーを買った。フィルム専用スキャナーはまだまだ高いので、フラットヘッドスキャナーでフィルムスキャン機能があるものを探した。最安値帯の製品がこのEPSON カラリオ カラリオ・スキャナ GT-F650。市場価格は13000円〜15000円位。

3200dpiのCCDスキャナとして十分な機能があるがそこは今回は説明を省略。

フィルムスキャンを行うときには専用のフィルムホルダをつけてフィルムを差し込む。一度に135mmのネガ・ポジのストリップ6コマ×1列またはマウント4コマをスキャンできる。カラー、白黒に対応。

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読み取り所要時間は300dpiで1コマあたり2分程度。36枚撮りフィルム1本をスキャンすると1時間ちょっとかかる。プリント写真を普通にスキャンすれば10秒程度なのに比べて随分と長時間かかってしまうが、高解像度で読み取れるため、大きく引き伸ばしが可能なデータが入手できるのが長所。「ホコリ除去」、「退色復元」オプションがうれしい。

実家で古いネガを見つけてスキャンしてみた。

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サンプルは35年前の私が映っている写真。退色復元によりカラーが鮮やかにでている。

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さらに思い出の集合写真や、祖父の残した古いネガをスキャンしたら、家族にもとても喜ばれた。アルバムで色褪せた写真が、ネガから鮮やかに蘇るのを見るのはインパクトがある。いったんデジタル化すればもう退色の心配はなくなるし、レタッチも可能になる。

最も安い価格帯の製品だが、L判印刷用には十分な読み取り精度を備えていると思った。教材やプレゼン資料としてポジのスライドを持っている人は、これでデジタル化すればPCで使えるようになる(OCRソフトも付属)。

ニコンの本格的なフィルムスキャナーはグレード別に6万円〜30万円くらいする。1.3万円のこのスキャナーは、引き伸ばし印刷する作品を芸術的に作りこむのには向かないが、古い写真の復活やWeb公開画像の作成にはおすすめできる。

これまでに私はフィルム10本をスキャンしてみた。プリントからの通常スキャンに比べて手間はかかるが、高解像度で読み取れば違いは明らかにでる。ただ、縮小してWebやブログで使う場合には、通常スキャンの方が美しい出力になるケースもあった。

ネガの場合はラティチュードが広い(現像時に使える露出情報の量が多い)ので、ラボにプリントに出すと、機械や人が最適な状態でかなりキレイに紙に焼いてくれている。優れたラボの能力と、スキャナーの読み取りソフトではまだ前者に軍配が上がる気がした。もちろんスキャンの設定を細かく設定すればラボのプリントなみになるのかもしれないが、面倒である。

結論としてはブログで小さく出す程度の画像であればフィルムスキャンは必ずしも必要ではないと思う。普通にプリントをスキャンすればいいのだ。フィルムスキャンは引き伸ばし印刷、退色した写真の復活、画像処理による作品化などの目的にこそ向いている。

・フィルム派カメラマンのためのスキャナー入門―ネガもポジも高画質スキャンで鮮やかに復活する
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このブログ記事について

このページは、daiyaが2007年6月 9日 23:59に書いたブログ記事です。

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