CD&DVD51で語る西洋音楽史

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・CD&DVD51で語る西洋音楽史
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先日レビューした

・西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 (中公新書)  岡田 暁生 (著)
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/04/post-970.html

という新書があまりに素晴らしかったので、同じ著者がCD&DVDを紹介するこちらも読んでみた。やはり音楽は聴いてみなければ分からないわけだから。「音楽西洋史」とほぼ同じ構成で各時代の音楽を知る51枚のCD、DVDを紹介する本だ。

「この本はいわゆる名曲名盤ガイドではない。あらゆるCDに耳を通し、それらを格付けすることは、私の本意ではない。広く知られた名曲でも省いたものは数多くあるし、スタンダードな名演とはいえないものを選んだ場合も多い。あくまで本書は「音楽史を知るための」CDガイドであって、「音楽版うまいもの案内」ではない。つまり選択にあたっては、「聴いて美味かどうか」ではなく、「音楽史の勘所を端的に実感できるかどうか」を第一の基準としているということだ。」

たとえば西洋音楽のルーツとしてのグレゴリアン・チャントを知るために、

・グレゴリアン・チャント・ベスト
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バロックにおける通奏低音の偉大さを知るために

・バッハ:管弦楽組曲(全4曲)他
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時代は降って現代音楽における無調を知るために

・シェーンベルク歌曲集
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などを数ページの解説つきで紹介する。

1 作品を知るために過不足ない演奏
2 音楽史のある側面が非常に特徴的に出ているCD
3 多くの人が鮮烈な印象を受けるだろう録音

という観点で、学びのためのガイドである。

私が全クラシック音楽の中で最高(そんなに私は詳しくないのだが(汗))と考える作品が数枚お勧めになっていたのを見て、全面的に信頼できるような気がしてきたので、いま順番に聴いている。

ネットの口コミもいいけれども、専門家の教育的見地から、筋の通ったリコメンド本もなかなか良いと思う。

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このページは、daiyaが2009年6月 2日 23:59に書いたブログ記事です。

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