星守る犬

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・星守る犬
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イヌ好きは泣ける漫画。孤独とイヌの連作。

山中の放置車両に中年の男の遺体が発見された。死後1年は経過している。傍らには比較的新しいとされるイヌの死体が寄り添うように見つかった。かつては真面目に働き、家族を支えてきた男だったが、なぜ放浪の末、孤独に死んでいくことになったのか、の身の上が語られる。

路頭に迷った男とイヌの二人旅は、飼い主とずっと一緒にいられるイヌにとっては案外に幸せなものだった。イヌは健気な表情で「おとうさん」を元気づける。星守る犬とは、決して手に入らない物を物欲しげにずっと眺めている犬のこと。ぐっときてしまう。イヌという動物は人間と一緒に居るようにできている。原始の時代から人間の孤独を癒す存在だったわけだが、イヌの表情に癒しを感じるようにヒト側も共進化してきたのかもしれない。

併録された『日輪草』は『星守る犬』の続編にあたる作品。前作で発見された遺体を弔うことになったケースワーカーのこれまた孤独な人生と寄り添うイヌの話である。10月6日、20日には漫画アクション誌に続編2号が連続掲載されるそうだ。普段買わない雑誌だがとりあえず読まねばと楽しみにしている。

たまたま「おとうさん」と白いイヌの話だが携帯電話のCMは関係がない。孤独な死がテーマだから広告には向かなそうだが、現代的なテーマではあり、ドラマや映画化されそうな予感。

・第1話の冒頭をタダ読みできる Web漫画アクション
http://webaction.jp/title/104.php

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このページは、daiyaが2009年8月29日 23:59に書いたブログ記事です。

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