ストレンジ・トイズ

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・ストレンジ・トイズ
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「危険!ページをめくるなら、その代償を支払う覚悟をせよ!」

1960年代のアメリカ。9歳の少女ペットは三姉妹の末娘。姉のジェーンと一緒に空想の世界に遊んだり、宝物集めをするのが好き。長女のディーンは非行に走って警察の厄介になっている。両親はディーンの起こしたトラブルから逃げるように、二人の娘を連れて長期のドライブ旅行に出発する。ペットは途中、立ち寄ったディズニーランドでひとりぼっちになったとき、あるはずのないアトラクション「サミーのスノーランド」に迷い込む。

サミーのスノーランドでは、「これはたいていの人が見るもの。」と「でも、こんなふうにも見える。これも存在している」という世界を体験する。サミーはペットの一家に待ちうける恐ろしい前途とそれを防ぐための取引をもちかける。これが異界との行き来の最初の経験だった。

第一章ではペットの9歳の頃、第二章で16歳の頃、第3章では大人になってからが描かれる。ペットは幼いころから、現実と妄想の境界線が曖昧で、不吉なイメージにとらわれる。何が本当に起きたことなのか、悪夢はいつ覚めるのか、繰り返し現れる謎の男サミーの正体は?。中盤からはブードゥー魔術の世界とも接近して物語はさらに不可解度を高めていく。

子供時代に自分が空想でつくりあげたものにとらわれてしまうようなことって、誰しも経験があると思うが、それがずっと続いているのがペットの物語。60年代アメリカの普通の生活を突き破るように、魔術と暴力の幻が立ち現れる。不気味な悪夢を味わえる小説である。

フィリップ・K・ディック賞受賞作。

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このページは、daiyaが2011年2月13日 23:59に書いたブログ記事です。

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