かむろば村へ

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面白い。全4巻の漫画だがいっきに買っちゃっていいと思う。

東北らしい田舎の村に、都会で夢破れてお金アレルギー(お金に触れただけで失神する)になった青年タケが移住してくる。タケの信念は、何も買わない、何も売らないで、ただ生きていくこと。現金を一銭も使わずに理想の自給自足ができると思って村にやってきたのだ。だが農村の生活にだって現金はいるし、農業のやったことがないタケには、ひとりでいきていくことができない。そんなタケの哀れな姿を見かねた村長や優しい村人たちの好意にすがることで、村での生活が始まる。

この村には神様と呼ばれる老人(目が光る)だとか、村長と謎の関係のゲイでもぐりの食堂経営者だとか、動くカミサマの石像だとか、奇妙な存在がいっぱい登場する。ドタバタギャグであり、ミステリーであり、ファンタジーである。(ちなみに全4巻でおよそ伏線や謎の設定は説明される。)。

主要な村の登場人物たちは、それぞれがかなり複雑な過去を持っており、その過去から現在までの線は複雑に折り重なっている。村の実像をひもといていくパズルみたいな漫画である。ぐうたらなタケが引き起こす村でのトラブルを描いていて、これといって大事件は起こらないが、登場人物が魅力的なので4巻がとても短く感じられた。

先日から、いがらしみきお作品を読んでいるが、かむろば村 → アイ → Sinkの順で読むのがおすすめ。同一人物の作品とは思えないほど作風のバリエーションが広い。

・Sink
http://www.ringolab.com/note/daiya/2011/08/sink.html

・【アイ】 第1集
http://www.ringolab.com/note/daiya/2011/08/i-1-1.html

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このページは、daiyaが2011年9月14日 23:59に書いたブログ記事です。

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