幸福の計算式 結婚初年度の「幸福」の値段は2500万円!?

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お金で幸福は買えるのか?
幸福の度合いを金額に換算できるのか?
例:結婚は2500万円の価値がある?

人々に定期的に幸福度を自己申告してもらう。結婚や離婚、昇進や昇給、転職や失業、こどもの誕生や大事な人との死別、宝くじにあたるなどの大きな出来事があった人たちの、前後の幸福度の変化を調べれば、各外的要因の影響力の大きさがわかってくる。たとえば1万円の昇給は1ポイントの幸福度の上昇につながるといったように、金額に出すことも不可能ではない。妻と死別するとか子供が誕生するというのがいくらなのかも同様に計算できてしまう。

こうした"幸福計算"は200年前にイギリスの経済学者ジェレミー・ベンサムが提案して以来、研究が続けられ、ずっと注目と批判にさらされてきた。まずデータの取り方が難しい。単なるアンケートで本当の幸福度が取れているかわからない。そして、その人の性格特性や置かれている環境が幸福度に大きな影響を与えることがわかっている。外的要因と内的要因の両方の影響度を分離することが極めて難しかったのだ。

外向性、協調性、誠実さ、経験への開放性という性質をもつ人は、人生に対する満足度や幸福度がとても高い傾向があり、神経症的な性格の人はなかなか幸福を感じない。年齢によっても幸福を感じやすい時期とそうでない時期がある。

お金で買えないものの金額を算定することにも意味はある。死亡や障害の賠償金を計算する際にこうした計算式は必要であるし、社会福祉などの政策を考えていく際にも統計的なデータは参考になる。

そして個人の幸福を考える際には適切ではないにしても、幸福度の統計データは実に面白い。こんなことがあると(あなたの場合はどうかわからないが)一般的には何ポイントくらい幸福度が上がります、または下がりますという目安がわかるからだ。同時に幸福と不幸の持続時間もはわかる。

たとえば子供が生まれる体験は大きなようでいて実は35万円くらいの幸福でしかない。宝くじが当たった人は直後はあまり幸福ではなく2年後くらいに幸福を感じる。離婚や親族との死別からも大抵は数年で立ち直れる。希望の会社に転職できても通勤時間が長くなるとあまりハッピーにならない。意外な数字がいろいろと紹介されている。

幸福を感じやすい人は収入が多いという研究もあった(これは変数の取り方に因るので結論ではないが)。お金があるから幸福というより、幸福な人は結果的に高収入になるという見方もできるようである。収入を増やすことよりも性格特性を変えることのほうが手っ取り早い幸福への近道なのかもしれない。

まあ性格を変えるというのも大変ですがね。

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このページは、daiyaが2012年2月23日 23:59に書いたブログ記事です。

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