最強のメモ環境をChalowで構築

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■いつものテキストエディタでなければ

Webやメールでみつけた情報をクリッピングするツールとしては「紙」「WeBox」がベストだと考えている。また、ナレッジベースとしては、ファイル管理+全文検索ツール(サーチクロス、Namazu)が有効と感じている。

足りないのはアイデアを書き留めるメモツールだと思ってきた。パソコンで気軽にメモを取るためのツールは何十本も試した。階層型メモ管理ツールの幾つかはそれなりに便利であったが、何かが足りなかった。

何が不満かを自問自答して考えた末の結論は、

「いつものテキストエディタでなくてはイヤ」

ということだった。

私は、ほとんどの「書く」デスクトップ作業をテキストエディタ上で行っている。長文メール、パワーポイント資料、Word文書、このブログの原稿、プログラムのコードなど、すべてテキストエディタで書いてから、各アプリケーションに持ち込んで修正している。WordもExcelも大の苦手だ。Wordでは原稿を書く気になれない。アプリケーション固有の質感の問題のようだ。エディタとしては、最近は動作の軽い、秀丸をよく使っている。

・秀まるおのホームページ−ソフトウェア−秀丸エディタ
http://hide.maruo.co.jp/software/hidemaru.html

私の今までのメモ環境というと3つあった。一つは、秀丸で書いた文章を1記事1ファイルで文書フォルダに保存し、サーチクロスの検索対象にする方法。もうひとつは、ローカルマシンにWebサーバのApacheを導入し、自分専用のWikiを立ち上げておく方法。最後はBecky!の一時メモ機能に入れておくか、自分あてにメールしてしまう方法。

秀丸テキストファイル化の問題点は、1ファイルにするほどでもないアイデアの断片をメモし忘れることと、ファイル名を考えるのが面倒であること。Wikiはブラウザを立ち上げてメモを保存するまでのステップ数が多すぎること。Becky!のメールメモでは散逸してしまうこと。こういった問題があって完璧とはほど遠かった。

まとめると、以下の要件を私はメモ環境に求めていたのだ。

・メモ完了までの総ステップ数が少ないこと。動作が軽いこと。
・ファイル名を考える、題名をつけるなどの心理ハードルが低いこと、面倒でないこと
・メモが散逸しないで再利用が容易かつ効率的にできること

今回、構築したメモ環境はこれら要件をかなりの程度まで満足できる。

■Chalowでテキストベースのメモ環境を実現

無敵会議で仲良くなった、たつをさんが開発したChalow(Changelog)と出会った。以前から、このメモアプリケーションの存在は知っていたのだが、へんてこりんなブログ、Wikiみたいなものとしか認識していなかった。大間違いだった。

・chalow
http://nais.to/~yto/tools/chalow/

ChalowはChangelogという形式のテキストメモをHTMLファイルに変換するアプリケーション。Changelogはひとつのテキストファイルにメモを次の形式で追加していく。そして、それを一括HTML化することができる。

Changelog形式の構造説明図

chalow-cl-name.gif

つまり、

changelog_sample_01.JPG

とテキストで書いておけば以下のようなHTMLに変換されるというものだ。自動的に修飾レイアウトが行われ、[neta]というカテゴリページが作成され、URLが自動リンクになったりする。コンセプトと記法はWikiと似ている。記法は他にもたくさんあるし、プラグイン拡張することもできる。

changelog_sample_02.JPG

・たつをの ChangeLog
http://nais.to/~yto/clog/
最も使いこなしているのはたつをさんご自身のサイト。メモを完璧に管理している。

ChalowはPerl言語で書かれていて、Webサーバ上でファイルを検索できるCGIや携帯向け表示のCGIも提供されている。Webサーバ上に乗せると威力は倍増する。

これだけのアプリがここまで便利な存在であるとは導入するまで気がつかなかった。Chalow(Changelog)の魅力は、すべてをテキストエディタで管理できることにある。記法を覚えず、適当にメモするだけでも動作するのも使いやすいポイント。日付や名前やアイテムヘッダーは自動生成する支援ツールが多数用意されている。

■工夫でさらに完璧なメモ環境へ進化

試行錯誤の結果、私の使い方はこうなった。

1 ローカルWebサーバ上でChangelogを表示させる

WindowsXP上にApacheとActiveperlをインストールし、ネット接続がなくとも、自分のChangelogをWebブラウザで表示、検索することができるようにした。

2 秀丸マクロを使った作成と編集

秀丸マクロを使って、アイコンをワンクリックでテンプレートが準備され、最新メモ内容を追加して書けるようにした。

・YAYADoc: 秀丸用changelogマクロ
http://blogger.main.jp/yayadoc/archives/000032.html

2 ワンタッチボタンへの登録でメモ一発起動

ノートPCの”ワンタッチボタン”に秀丸マクロを起動できるようにした。アイデアを思いついたらボタンを押せばいい。すぐに書き出すことができる。

このワンタッチボタンは複数のアプリの連続起動に対応していたので、Chalowによる変換動作も同時に割り当てた。新規メモ作成のたびにHTML化が自動的に行われる。

lavie_onetouchbttn01.JPG


これで、なんでも気軽にメモを残し、一覧表示と検索が可能になった。データは一つのテキストファイルなのでバックアップも用意である。また、公開したい項目だけをWebでそのまま公開することもできる。


この便利さには、かなり感動している。今後はこれをベースに独自に改造していこうかなと思っている。もう少しインストールが簡単になって、エンジニア以外の層にも広まるといいのになあ。

なお、Changelogについては今月号のUnixUserにたつを氏本人が特集記事を書かれている。

UNIX USER 2004/08
http://www.unixuser.jp/magazine/2004/200408.html
unixuser200408.jpg

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このブログ記事について

このページは、daiyaが2004年7月21日 23:59に書いたブログ記事です。

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