オーディンの鴉

| | トラックバック(0)

・オーディンの鴉
51zi5ATGVTL__SL500_AA300_.jpg

ネットワークセキュリティがテーマのサスペンス小説。

東京地検特捜部が家宅捜索を予定していた朝、疑惑の国会議員が謎のメッセージを残して自殺した。主人公の特捜部検事たちは、ネット上に議員のプライバシーが悪意を持ってばらまかれていたことを知る。それは議員の移動、メール内容、買い物履歴、外出時に盗撮された写真など、異常なほどの詳細さの情報だった。

YouTube、ニコニコ動画、ブログ、検索エンジンなど、インターネットのサービスが実名で出てくるのが面白い。事件の捜査を続けるうちに、闇の勢力は主人公にも脅迫の手紙を送る。エシュロン、カーニヴォーのような巨大監視システムを持つ謎の組織の正体とは何なのか?。検察と犯罪組織の間に、ネットワーク技術を駆使した緊迫した攻防が始まる。

ITの専門家の視点で見れば、技術考証面ではやや甘い面も見られる(おそらく暗号化技術を考慮していないように思える)が、最新のネットワークテクノロジーが構築する監視社会の恐怖をうまく伝えていて、非常に面白い。

・水野真紀登場の作品紹介動画

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: オーディンの鴉

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.ringolab.com/mt/mt-tb.cgi/2945

このブログ記事について

このページは、daiyaが2010年7月25日 23:59に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「運命のボタン」です。

次のブログ記事は「クオリア・テクニカの世界」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.1