世界とつながるビジネス――BOP市場を開拓する5つの方法

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世界の所得分配ピラミッドの底辺40億人、世界人口の3分の2は1日8ドル未満で暮らしている。一人ひとりの収入は少なくとも合計すると年間5兆ドルの所得がある大国となる。この人々を援助の対象とはとらえず、消費者であり生産者であるとみなすことで、現地に持続可能なビジネスを創出できれば、未来の大きな市場となる。

これは国連開発計画(UNDP)の「包括的な市場育成イニシアチブ」調査報告書の日本語版。

1 貧困地域におけるビジネスチャンスと5つの課題
2 BOP市場での事業の成功を導く5つの方法
3 さまざまな業種における、示唆に富む17の事例

という構成で"インクルーシブビジネス"のチャンスを語る。

(1)基本的なニーズへの対応、(2)生産性の向上、(3)収入の増大、(4)エンパワーメント、サポートの方法は大きく4つが設定され、これらの方向性でさまざまな取り組み事例が紹介されていく。中国の貧しい農民のためのコンピュータを開発してソフトとセットで配る。インドの不可触民のために衛生的なトイレをつくる。ケニアの貧困層のために携帯電話で電子マネーの融資を可能にする。南アフリカで低所得者向け教育ローンを提供する。メキシコ人の出稼ぎに住宅建設をサポートするための送金サービスを提供する。などなど。

「貧困は多面的だが、その核心は機会の不足だ。インドの経済学者アマルティア・センの言葉を借りれば、価値があると思える人生を選べないことだ。機会の不足を引き起こしているのは。お金や資源の不足だけでなく、資源を使いこなす能力の不足だ。つまり、健康でないこと、知識や技術が足りないこと、差別を受けていること、社会的に排除されていること、インフラへのアクセスが限られていることなどのせいで、貧困層の人々は自分の持つ資源を活用して機会に変えたくても変えられない。自らが良いと思う選択肢を選べないのだ。」

どうやって貧困層において持続可能なビジネスを生み出せばいいのか。イマージョンという手法が興味深かった。イマージョンとは貧しい村に長期滞在して住民との信頼関係を築き、本当のニーズにもとづくビジネスモデルをつくりあげる手法のこと。

「インテルやモトローラやノキアは「ユーザー人類学者」あるいは「人間行動研究者」を雇っている。彼らは潜在的顧客の中に入り込み、いろいろなサンプルインタビューをして、製品につけたら喜ばれそうな機能は何かを調べてリストアップする。ニューヨークタイムズによれば、携帯電話が家族や隣近所の人たちの間で共用されているという人類学者の研究成果からヒントを得て、ノキアは最大7つのアドレス帳を搭載した携帯電話を生産し始めた。」

貧乏に慣れた長期旅行者いわゆるバックパッカーをイマージョンのリサーチャーとして教育したら面白いことになるのではないだろうか。

世界を変えるビジネスの入口を探している人におすすめの内容。

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このページは、daiyaが2011年5月20日 23:59に書いたブログ記事です。

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