中国共産党 支配者たちの秘密の世界

| | トラックバック(0)

・中国共産党 支配者たちの秘密の世界
51pQXVC0bbL.jpg

世界最強の組織の裏側を外国人ジャーナリストが暴く。第23回アジア・太平洋賞大賞受賞、英エコノミスト、フィナンシャルタイムズのブック・オブ・ザ・イヤー受賞作。

中国共産党は2009年半ばの党員数7500万人(国民の12人に1人)。世界最大の人口と多くの問題を抱えながらも、共産党が導く中国は、短期間に著しい経済成長と近代化を実現してきた。間違いなく世界最強の組織だ。だがその内側のことはほとんど世界に知られていない。著者は共産党や大企業幹部への取材活動を通して、現代の共産党の実態を明らかにしていく。

「わずか一世代のあいだに党のエリート層は、陰気な人民服を着た残忍なイデオロギー集団から、スーツを着た、企業を支援する金持ち階級へと変身した。それとともに彼らは自分たちの国を変容させ、世界をも作り変えようとしている。今日の中国共産党は、グローバリゼーションの道を邁進することに専念し、それによって経済効率と収益率を高め、政治的影響力をより強固なものにしようとしている。」

中国共産党は何かに登録された組織ではない。憲法前文にある「共産党の指導のもと」という一文以外に、共産党を組織として存在させる法律や登録は存在していない。だから誰も正式には党を訴えることはできない。法体系の外にある超法規的存在なのだそうだ。その力はあまりに強大だ。

「すべての国有大企業では通常、役員会に先だって党会議が開かれます。経営コスト、資本拠出義務などについては役員会で討議されますが、役員人事を握るのは党です。」

共産党の幹部たちは党の要職とともに大企業の役員も歴任していく。党は企業人事に関与していないというフィクションを作り上げるため、表向きの発表は普通の企業の役員交代であるが、実質は党内の人事異動に過ぎないのだという。

中東では民主革命を実現させたソーシャルメディアや検索エンジンでさえ、中国共産党は支配のツールとして活用している。中央権力を強化するために、地方の政治的腐敗や過剰投資を敢えてブロガーに暴かせ、粛清していくのだ。

「ゴマ粒官僚たちを従わせるためには、最新のツールも巧みに利用されている。国内のジャーナリストやブロガーが地方の役人による権力の乱用を暴露することを許したのだ。もちろん、中央政府の最高幹部はその対象に入っていない。中国で言うところの「人肉検索エンジン」によって、地方の役人たちが次々に失脚させられたのは2009年のことだった。」

中国共産党の目指すのは「経済成長」と「ナショナリズムの再興」。経済成長の成功によって自信を取り戻した中国は、もはや西欧型の民主国家+市場経済を見習おうとしているわけではないと著者は結論している。経済大国となりつつある中国は社会主義国家でさえない。まったくユニークな中国共産党の独裁国家なのだ。

Clip to Evernote

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 中国共産党 支配者たちの秘密の世界

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.ringolab.com/mt/mt-tb.cgi/3450

このブログ記事について

このページは、daiyaが2011年12月21日 23:59に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「iPhoneで年齢と年号を確認する 年号電卓」です。

次のブログ記事は「箱根駅伝」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.1