世界の終焉へのいくつものシナリオ

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・世界の終焉へのいくつものシナリオ
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核戦争、巨大隕石の衝突、インフルエンザ・パンデミック、気候の大変動、環境破壊、ナノテクノロジーの暴走など世界の終焉を科学する本。

「地球最後の日」を29通りのシナリオで描いている。

それぞれのシナリオで、
・いったい何が起きるか?
・それは過去に発生したことがあるか?
・それは現実に起こりうるか?
を分析する。

そして、発生する可能性、起きた場合のダメージ、危険度を10段階で評価している。29のシナリオは、科学技術の叛乱、戦火の火種、生態系の断末魔、気候の大変動、不測の天変地異の5つの章に分類されている。

この本の「世界の終焉」とは現代文明や、人類という種が回復不能なダメージを受けて、滅亡してしまう全滅状態を指す。新型インフルエンザの大流行や核戦争が起きる可能性はそれなりに高いし、数千万人や数億人の犠牲が発生するかもしれないのだが、全滅とまではいかないようだ。

これに対して、小惑星の衝突や、粒子加速器の実験の暴走によるブラックホールの生成などは全滅の可能性が高いが、発生する確率が極めて低い。また起きてしまった場合の対策手段もほとんどないに等しい。あまり心配しても意味がなさそうである。

世界の終焉シナリオには、自然が引き起こすものと、人間が引き起こすものがあるが、前者で危険性が高いのは「超火山の爆発」であった。地球の歴史上、最後の超火山の噴火は7万3500年前に起きており、3000〜6000立方キロメートルの噴出物が大気圏に吹き上げられ、太陽光の99%を6年間に渡って遮断した。この時期の人類はほとんどが死亡して、わずか数千人が生き延びることができたらしい。有名な場所としては、米国イエローストーン国立公園の火山が超火山にあたり、65万年周期で爆発している。そしてちょうど我々の生きている時代が前回から数えて65万年後にあたるという。

人為的な終焉として危険性が高いのは、環境汚染と生態系の破壊による、いくつかのシナリオである。実際、人類の歴史上、多数の文明がこうした原因で滅亡してきた。「大量消費と資本主義的な生活様式」が地球規模の持続可能性を破壊する最大の脅威であり、それに対しては、できることがあるはずだと著者は結論している。

世界の終わりを現実的に、科学的に考えるユニークな内容。

・文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004210.html

・文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下)
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004218.html

・感染症は世界史を動かす
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004403.html

・インフルエンザ危機(クライシス)
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004247.html

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このページは、daiyaが2006年9月11日 23:59に書いたブログ記事です。

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