2004年05月26日

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「分かりやすい文章」の技術
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ベストセラー「分かりやすい説明」の技術、「分かりやすい表現」の技術の著者が書いた「分かりやすい文章」の技術。芸術的名文ではなく、分かりやすくて、目的を達成するための文章術のポイントが、今回も分かりやすく、簡潔にまとめられている。

ソフトウェアエンジニアでもある著者の理想は、プログラムのように論理的で、機能的な文章にあるようだ。重要ポイントを先に書き、要点ファースト、詳細は後、不必要な情報を書くなが基本としている。学校で習う作文では、感じたことを書くのが良いと指導されてきたが、実務文では、主観的な形容詞がだらだらと続くと、意味が理解しにくくなる。
実務文には「斜め読み耐性」をもたせるべきという視点はユニーク。読み手がすべてを読んでくれるとは限らないから、飛ばし読みされても、書き手の意図が伝わるように書けという。最初に予告をすることが大切で、パズルのピースを見せる前に、それをはめ込むパズルのボードをみせてやることが、意図の理解につながるという比ゆは分かりやすい。

分かりやすい文章を書くための5つの技術として、構成、レイアウト、説得、センテンス、推敲が挙げられ、章別に合計18の各テクニックを紹介する。この本の文章が、分かりやすさのお手本のように書かれているので、納得度が高い。

たとえば、読みやすいセンテンスの4つのポイントとして挙げられているのは。

・センテンスを短くする(40字で、「が」の分割など)
・事前分解しておく(読点で意味を確定させる、など)
・曖昧さをなくす(修飾語は近くに、など)
・キーワードを作る(文章に取っ手をつける、とっかかりやすさ、など)

どれも日ごろ文章を書いている人なら、実感できるノウハウのリストになっていると思う。読点の打ち方については、何が正しく効果的なのか、迷っていたので大変参考になった。

ところで、分かりやすい文章を書く機会が、私には毎月一回やってくる。無敵会議の告知文である。ここまでのところ、毎回満員なので、内容理解と誘う効果を持つ文章として成功している例だと思う。

これは、いつも私が下書きを書いて、田口さんが推敲する形で完成させている。田口さんが削って足す操作をする結果、だいたい原文は50%程度残るので、まさに共同作品を作っている感じ。開発手法のひとつ、エクストリームプログラミングのノウハウに、ペアプログラミング(二人でひとつのコードを書く)があるけれど、それに似ている。二人で書くことで、共通了解している部分に集中し、無駄を刈り取ることができる。

来月はこれを参考にさらに分かりやすい文章で告知を書いてみたいなあと思う次第。

取り扱い説明書や、プレスリリースを書くのが仕事の人に特にお薦めの一冊。


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Posted by daiya at 2004年05月26日 23:59 | TrackBack このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加
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