2004年08月30日
無敵会議第8回 「Re:会議」 満員御礼に感謝 報告第1弾
今回も満員で100名以上のご参加を頂きました。今回のテーマはメール。かなり盛りだくさんの内容で、時間を少しオーバーしてしまいましたが、豪華ゲストの皆様のおかげで、良い会議になったのではないかと思います。
さて、第一部では、百式管理人と私が5つずつ、次世代?のメールテクノロジーを紹介してみました。どんな内容だったか詳細は後ほど報告致しますが、私の紹介したベスト5についてアップロードします。
以下のプレゼンファイルをご覧ください。
・Flash版(ブラウザーで表示できます)
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/mailtech_report_daiya.swf
・PDF版
Download file
・パワーポイントのオリジナル
Download file
マルチメディアが読めない人面倒な人は以下をどうぞ。
プレゼン内容をテキストで以下:
先端メールサービス紹介ベスト5
RE:会議
Passion For The Future 橋本大也
2004/08/30@デジハリ御茶ノ水
ポイント1 スパム対策
Penny Black Project(1)
Microsoft Researchのスパム対策研究の一環
http://research.microsoft.com/research/sv/PennyBlack/
世界初の切手 ペニーブラック 英国 送信者負担の原理導入
考え方
1 私はあなたを知らない
2 あなたは私にメールを送りたい
3 私にメールを送るためにいくらかの努力をしてくれたら、私はメールを受け取ります
Penny Black Project(2)
送り手が10秒から20秒程度の計算処理(HashCashなど)を行う
計算した事実の証明書(切手)が発行される
証明書を添付したメールはスパムメールではないと受信側が判断する
スパム業者は膨大な数のPCが必要になるので割に合わない。
参考
Sender ID Framework
http://www.microsoft.com/mscorp/twc/privacy/spam_senderid.mspx
ポイント2 次世代メールソフト
Visual Mail Reader:Preface(1)
IPA未踏プロジェクトに採択された研究「メイルでの話題の把握を支援するソフトウェア 」
http://www.mars.dti.ne.jp/~jun-krb/preface/
ダウンロードして使用可能
要約、言語処理の技術を使って受信したメールの関係性を分析して可視化する。
共同作業が活発になる
Visual Mail Reader:Preface(2)
Visual Mail Reader:Preface(3)
Visual Mail Reader:Preface(4)
参考:「約丸」メールを要約して携帯で読む
参考:沖電気 メールを自動要約する「早解サーバ」
ポイント3 マルチメディア化
iTunesをメールソフトにして、メールを聴く Ear Mail
EarMail
http://www.newton-eig.com/products/
Tunes でメールを管理大切な音楽と見分けがつくように ID3 タグに様々な情報を挿入します。
スマートプレイリストを活用して、最も美しいメールソフトを手に入れましょう。
声で新着メールを確認 誰から何のメールが届いたのか声で聴くことができます。ディスプレイを切り替える必要はありません。
参考:テレビでメールを聴く
米国のPVR(スゴ録、コクーン、DIGAみたいなテレビHDDレコーダー
ハック本にTipsとして
TIVO HACKS hacks.oreilly.com: Listen to Your Email
http://hacks.oreilly.com/pub/h/549
参考:マルチメディアメールソフト
Incredimail
http://www.wow.co.jp/splash.htm
音声メール作成
アニメーション
3D効果これでもか
手書きのサイン署名
レターセット多数
その他機能多彩
ポイント4 メールと紙
受信したメールを自動で印刷
メルプリI
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/4490/#01
受信したメールを自動で印刷するフリーソフト。条件設定可能。
ショッピングサイトの裏側やイベント受付などで使える
高価な企業サポートシステムにはこれ、よくあるが、フリーでできるのがえらい
海外にも
http://www.frogmorecs.com/mail-print.html
参考:携帯メールを印刷
携帯電話と赤外線通信でメール印刷
ブラザー 超薄型モバイルプリンタ MW-120
http://www.brother.co.jp/jp/mwprinter/info/mw120/mw120_ove.html
法人向け製品
ポイント5 でも、これが最強
たれまくメール
結局、次世代とかいろいろあるけど
今日、帰って、すぐ使えて
面白いと、私が思うソフト
http://www.vector.co.jp/soft/win95/writing/se123571.html
たれまくメール
感想「超気持ちいい!」
2004年08月29日
早期教育と脳
■三歳児神話と臨界期に大きな疑問符
著者は東京女子医大教授、日本赤ちゃん学会事務局長。
早期教育の市場は2002年度で推計1500億円。少子化の影響で親の教育熱が高まっている。特に親の関心は、「育児」から「育脳」へ移ってきている。適切な早い時期に適切な刺激をいっぱい与えて、ハイスペックな脳をつくることがよしとされる。
こうした早期教育の背景には、ある時期を過ぎると、脳が柔軟さを失い、ある種の行動の学習が不可能になる、という「臨界期」の理論がある。絶対音感や英語のLとRの区別など、視覚、聴覚の一部の機能においてはその現象が確認されている。動物実験でも、早期教育をしたマウスが高い能力を発揮した実験もある。こうした断片的なデータが、「3歳までに教えないと手遅れになる」という神話を広めてしまった。
だが、人間が社会で生きていく上で大切な、より高度な能力の学習については、科学的にはほとんど解明されていないのだ、と著者は述べている。そのあやふやな根拠の上で行われている早期教育や親の焦りに対して警鐘を鳴らす。
■テレビを長時間見せるのは
2004年、日本小児科学会は「乳幼児のテレビ・ビデオの長時間視聴は危険です」とする提言を発表した。言葉や表情の乏しい子ともに、長時間のテレビ・ビデオ視聴例が多かったことが、背景にあるそうだ。実際に、テレビやビデオの長時間視聴は言葉の発達を遅らせているという調査も出ている。育児コミュニティでもしばしば、話題になる。信じている人が多い提言である。
だが、著者はこれらの調査の手法に異論を唱える。発語の時期とその後の言語能力の発達に関係が薄いことを指摘したり、テレビを見せた結果、言葉が遅くなるわけではないという。喋る能力はその時がくれば自然に出てくるものであって、早い時期に出ればいいものではないとして、テレビ危険論の論拠を批判している。
長時間のテレビ視聴の問題は、テレビの内容ではなくて、視聴行動の結果として、
・周囲との双方向のやりとり
・物に触る感覚
・自ら積極的に物を見る
といった機会が奪われることに原因があるとする。テレビ、ビデオそのものが問題ではないということになる。見せ方が問題なのだ。だとすれば単純にテレビを禁止する提言は意味がない。
「1日に6時間も7時間もテレビを見せる家庭の背景にあるもの」こそ、こどもに影響を与えている要因であるという。そして、テレビを長時間つけるメリットは、面倒をみなくて済む、親のほうにこそあるのではないかと指摘する。
■早期教育を科学することの難しさ
この本は要約すると、早期教育で天才ができるということは証明されていない。脳科学もまだ原始的な段階で何も確たることはいえない。科学を装った提言に惑わされる必要はないし、親の焦りにつけこむような、育脳の教材や塾に高いお金を払うのはどうかと思いますよ、ということが伝えたいメッセージであるらしい。
もちろん、心理学的には、
何かが人より早くできると褒められて嬉しくなりさらにできるようになる。
ということは言えるだろう(ピグマリオン効果など)。自分の体験から、早期教育を進める親もいるのかもしれない。早いうちに教えないと手遅れになるのじゃないかという漠然とした不安は当然ある。
早期教育を科学する難しさは、
・時間は巻き戻せない。やり直せない。一回しかできない。
・無闇に実験できない(が、故に参考になるかどうか不明な動物実験を参考値にしてしまう)
・過去のデータとは環境が違ってしまっている。
・こどもの意見が聞けない
といったことが、絡み合って、こんがらがってしまっているようだ。この本はそういった現状を正直に専門家が話してくれる面白い本だった。後半では障害児研究での経験を、育児一般に普遍化して学べるのではないかという話が展開される。どんな風にこどもを育てたいのか、という社会のあり方から、私たちは見直すべきなのではないかという意見。
■ハンデのある楽しいスロースターター人生
私の息子もやっと1歳1ヶ月になった。まだ二足歩行はできない代わりに、高速なホフク前進をマスターしてしまい、「待て待てー」と追いかけるとゴキブリのようにシャカシャカと移動している。この完璧な高速ホフク前進ができてしまうと歩くのは遅くなるらしい。私自身や兄弟は1歳になる前に歩いていたらしい。1歳と3歳になる姪たちも早くから歩いている。いつうちの子は歩くようになるんだろうなあと思う今日この頃。
最初に話した有意語は「あった(在った)」だった。何か知っているものを見つけると「あった、あった」と嬉しそうに言う。「赤い」も覚えた。ベビーカーで移動中には、見るものを指差して意味不明の「らりらりらりー」などと喋っている。ことばの発達も、時期的には遅い方かもしれない。が、動詞や形容詞を先に覚えるなんて、すごいぞ、と思ったりする。
歩くとか話すとかの時期に一喜一憂してしまうわけだけれども、この本によると、話し始めた時期とその後の言語能力に関係はないらしい。むしろ、言葉の遅いこどもの中には、ある時期から高度な言語能力を獲得する例もあるそうだ。ちょっとほっとする。
息子には先天性の障害がひとつ見つかった。彼は目が悪く、年内には手術をすることになりそうだが、たぶん、その後も平均以下の視力になるだろう。ついてないなあと思う反面、これは彼にとってチャンスなのかもと思った。私も内容はまるで違うのだが、子供のころから持病があって育った。直る病気ではないので、現在も抱えている。だけれども、ハンデはあって良かったかもと今は思える。
勉強も体育も小中高と出来が悪かった。水泳とマラソンは見学、学科も1だらけの通知表の学期もあった。それでも劣等感を持たなかったのは「私は特別だから」「人より5年、10年は遅くなってもしょうがない」と思っていたから、平気だった。マイペースでゆっくりが幸運を引き寄せたのか、大検、大学受験は成功して、一次志望へちゃっかり受かってしまった。自慢になるけれど、当時(多分今でも)私大では最難関だった、はず。受験に悩まずに済んで、なんてラッキーな私の人生。
ハンデがあると「人より遅くてもいいのだ」と思えるから気が楽だ。周りができることができなくても、私の努力不足や能力不足ではないことになるからだ。無理をせず、健康に気を使うようになる。2年前の人間ドックでも、一緒に診断を受けた社内で、唯一オールAの「完璧です、この状態を続けてください」評価をもらってきた。
だから、息子にも「あなたは目が悪いから特別コースを歩ける特権者」なんだと教えてやろうと思っている。たぶん、教室でも一番前に座る配慮を受けられる。黒板の問題が解けなくても「よく見えないから」を理由にできる。そういう風に、障害は逆手にとってちゃっかり生きられるように教えるのが親の役割になるんだろうなあと思う。
もちろん、これは軽度の障害のケースの気楽な話なのかもしれないが、基本はそう考えている。早期教育も親としては実はかなり気になるのだけれど、悲劇の天才より、ツイテる楽天家の方がずっといいからなあと思う。
そういえば日本には大器晩成というスロースターターモデルがあることだし!
2004年08月28日
9ヶ国語の文章を無料で相互翻訳するTranslation Engine
注目されつつも、なかなか、キラーアプリに欠ける感があるWebServiceテクノロジーだが、ちょっと気になるサービスを発見。これは、日本語を含む9ヶ国語を翻訳してくれるWebサービス。WDSLスキーマとSOAPによるサンプルコードが公開されていて、簡単にプログラム開発者が自分のアプリケーションに翻訳機能を付加することができる。
可能な言語の組み合わせは以下のとおり。
「英語→中国語」
「英語→フランス語」
「英語→ドイツ語」
「英語→イタリア語」
「英語→日本語」
「英語→韓国語」
「英語→ポルトガル語」
「英語→スペイン語」
「中国語→英語」
「フランス語→英語」
「フランス語→ドイツ語」
「ドイツ語→英語」
「ドイツ語→フランス語」
「イタリア語→英語」
「日本語→英語」
「韓国語→英語」
「ポルトガル語→英語」
「ロシア語→英語」
「スペイン語→英語」
簡易的にWebから機能を試すには、デモサイトが用意されている。
・Translation Engine
http://www.webservicex.net/WS/WSDetails.aspx?CATID=12&WSID=63
・デモページ
http://www.webservicex.net/TranslateService.asmx?op=Translate
英語→日本語なら、
LanguageModeに EnglishTOJapanese を設定し、Textに翻訳したい英語の原文を入力しInvokeを押すと結果がXMLで表示される。
肝心の翻訳精度は市販の翻訳ソフトと比べるとまだまだであるが、単語の逐次翻訳レベルならば十分実用的だし、ニュースの見出しレベルでもかなり上手く働いてくれると思った。何より9ヶ国語という多言語で無料なのが良い。
なお、このWebサービスを組み込んだアプリケーションとしてiTranslatorがある。.NetとJavaの二つのバージョンがある。どちらもWindowsアプリとして、翻訳を実行できる。フリーソフト。
・iTranslator for Java
http://www.iplatform.org/itranslator_j.htm
・iTranslator for .NET
http://www.iplatform.org/itranslator_n.htm
なお高機能なJava版の方の特徴としては原文と翻訳結果をPDF文書として出力できる機能がある。
・日本語→英語の翻訳結果PDFサンプル。
http://www.iplatform.org/images/itranslator_j_sample.pdf
このWebサービスを使えば、例えば海外9カ国のニュース記事やブログ記事を翻訳させて表示させる、国際ニュースポータルを構築できるだろう。オリンピックやサッカーなど国際的な話題について、9カ国から集めれば、視点の違いが分かって楽しいかもしれない。
この多言語間の翻訳は大きな可能性を秘めていると思う。もう5年近く前になるが、ホットワイアードジャパンに以下の特集記事を書いた。
・コミュニケーション拡張装置としての機械翻訳
http://hotwired.goo.ne.jp/bitliteracy/guest/990817/
海外での多言語についての研究やプログラムを紹介して、最後に以下のような感慨を書いていた。
「
日本のネットビジネスで英語や外国語版を展開しているサービスはまだまだ少数。日本語の壁によって日本市場は守られていると同時に、日本語の壁によってグローバルなサービスに発展できない構造があるようです。
インターネットビジネスの新規事業立案において、インターネットの強みとして「双方向性」「デジタル」といった月並みなキーワードと並んで「グローバル」という言葉がしばしば挙げられますが、どれだけの日本企業がこのグローバルの可能性を活かせているでしょうか。
実は米国の英語サービスでさえ真にグローバルであるとは言えないかもしれません。冒頭で紹介しましたが、世界には6000の言語が存在しており、これらを相互に翻訳するパターン数は6000×6000=3600万通り。
これらの言語はそれぞれが豊かな歴史と文化資産、そして小規模ながら多数の経済を抱えている価値あるリソースのはずです。しかし、現在のインターネット上ではほとんどが事実上、無価値とみなされてしまっています。
実はここにこそ真のグローバルサービス市場の可能性が眠っているのではないかと私は予感しています。
」
5年が経ったが状況はあまり変わっていない。世界中の人たちが制約を飛び越えてつながったインターネットの可能性を引き出すのは、多言語翻訳だと今でも考えているのだが、こうした無料のWebサービスが発展することで、実現に少しずつ近づいていったらいいなあと思う。
関連情報:
昨年度の未踏プロジェクト最終発表会で動くものを体験。多数の異なる言語の使い手がネットワーク越しに参加する、ブレインストーミングの内容が翻訳される。
実際に自動翻訳機能のあるコミュニケーション(チャット)システムを使って、国際的にソフトウェア開発を行った研究報告。まだ手探りな面が多いけれど、将来的には無限の可能性がありそうなプロジェクト。
2004年08月27日
タスクトレイ常駐アプリケーションの万能プラットホーム TTBase
・TTBase - FrontPage
http://ttbase.sourceforge.jp/
私のメインのノートPCのタスクトレイ表示は、普段、こんな感じである。17個というのはちょっと多すぎかもしれない。アプリケーションをインストールするたびに、増えてしまうわけだが、これだけ多くなると、逆に使うのがが大変になる。
TTBaseはタスクトレイ常駐アプリのプラットフォームである。インストールした状態では、タスクトレイに常駐するだけでほとんど機能はない。別に、単機能のプラグインが多数公開されており、これらを組み合わせて、自分流の環境を設計してください、というもの。
・TTBaseプラグイン一覧
http://ttbase.sourceforge.jp/pukiwiki.php?%5B%5B%A5%D7%A5%E9%A5%B0%A5%A4%A5%F3%5D%5D
例えば、
・画面キャプチャプラグイン
画面をキャプチャし ファイルに保存 又はプリンターに出力するプラグイン
・CopyURL
InternetExplorerで開いているページのタイトルとURLをクリップボードにコピーします 。(任意のキーに割り当て)
・ダイアルアップしたら起動
ダイアルアップした時に任意のプログラムを実行できます
・Win Snap
ウインドウを移動した時に すぐ近くのウインドウにくっつこうとします
などの、ちょっとした機能追加プラグインがある。
なお、TTBaseは、C言語、Delphi言語の開発キットが公開されており、プログラマならば、肝心の機能部分のコードを書くだけで、アプリケーションを開発が可能。これは将来性ありそうなプロジェクトだなあと思った。
2004年08月26日
いつのまにか人を支配する色の見つけ方
この本は面白い。紙の価値がある珍しい本。
主に男性向けのカラーコーディネートの診断本。幾つかの質問に答えると、自分の”アニマルタイプ”が判明する。アニマルタイプには、以下の6つがある。
・ウォームな家庭犬タイプ
・クールな一匹狼タイプ
・マットな名犬
・ブライトなきまぐれ猫タイプ
・ライトな愛玩犬タイプ
・ディープなボス犬タイプ
この本によると、人はそれぞれ特徴を持っていて、その特徴の持つ魅力を上手にアピールする色がパワーカラーである。
私は「きまぐれ猫」タイプだそうで、本の通りにやってみると、
「存在がステイタスになるタイプ」
特徴がよい効果を発揮すると
誰からの一目置かれる存在になります。発言のインパクトが強く、グループに大きな影響力を与えるでしょう。
特徴が悪い効果を発揮すると
単なる「わがままモノ」としてグループで浮いてしまいます。誰も相手にされない、「一人よがり」「空回り」になってしまうでしょう
という診断結果になった。
私が打ち出すべき魅力は「艶やかな輝き」「エネルギッシュさ」「高貴さ」で、強調したいときにはそれぞれこういう色を使いましょうと色見本が提示される。例えば青系ならばコバルトブルーやロイヤルブルー、赤系ならばバーミリオンやカーマイン。白系ならアイボリーかスノーホワイトなどが良いとされている。
なお、診断形式には簡易型と詳細型があって、簡易型は以下のWebでも無料で診断してもらえる。
・POWER-COLOR : 自分のカラータイプを知って楽しく活用しよう
http://www.pcolor.info/
詳細型は、本が必要である。紙に印刷されたカードの色と自分の肌や髪の色の対比を見ることで、似合う色を探していく。タイプ別、打ち出したい特徴別のカラーリストが付属している。切り取り線がついていて、持ち歩いて使えるのが便利だ。
で、この本は科学的根拠はないようだ。女性の著者の経験と感性から書かれたようである。服選びの際に、このカードがあれば、最後の迷いをエイヤっと決めることができそうだ。私の場合、簡易診断も、詳細診断も同じ結果だったし、実際、それが好みの色だった。このおすすめのとおり、自信を持って選ぶことができそうに思える。科学でなくてもそれで十分。
ちょっとスタイリストにネクタイを選んでもらう感覚で楽しく読める一冊。
2004年08月25日
超時間活用ノート―あなたに「成功グセ」がつく単純化システム
・超時間活用ノート―あなたに「成功グセ」がつく単純化システム

■タイムマップで時間と空間の一元管理
著者のジェリー・モーゲンスターンは整理整頓のコンサルティング会社の社長。
・Julie Morgenstern: Professional Organizer, Author, Speaker
http://www.juliemorgenstern.com/index.html
「
ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、幹部クラスの人が散らかった机や整理されていないファイルから書類を探すために、年平均6週間を無駄にしているそうです。つまり控えめに見積もっても、一日1人あたり一時間を無駄にしている計算です。
」
1年間に6週間分の仕事の差は大きい。整理整頓コンサルタントらしい出だしで、まず身辺を整理しておきましょうから始まる。
超時間活用法は、時間と空間の整理術である。独特のスタイルのタイムマップ(時間割)を作ることから効率化は始まる。人生の主要分野と大きなゴールを明確にし、それに向かう活動を具体的に書き出し、分類する。月曜から金曜までの曜日をヨコ、時間帯をタテにした時間割の空間に、活動を割り当てていく。時間の枠を時間箱と呼ぶ。
時間箱内にはできるかぎりひとつの分類テーマの活動に集中させる。空間の整理と同じように、いかに時間箱に活動を整理できるかが重要だという、時間の空間型整理術である。
タイムマップを作り運用する際には、SPACEの公式がある。
SPACEの公式とは以下のようなステップである。
Sort(分類する)=用件をふりわける
Purge(浄化する)=用件を切り捨てる
Assign(割り当てる)/Containerize(封じ込める)=時間を「時間箱」に収める
Equalize(調整する)=オーダーメイドの時間術を見つける
自分の大きな目標達成のために必要な事柄を時間箱にきちんと割り当てていれば、自然にいくつものゴールを達成できるとする。
■活動エネルギーのリズム調整
この本では、管理すべきリソースのひとつに「エネルギー」が挙げられている。活動エネルギー=やる気のこと。そのために「普段うまく処理できていることを書き出す」方法論は参考になる。
例えば以下のようなフォームに答えてみなさいという。
どんなに忙しくても、いつも時間を作って【 】します。
目標がはっきりしているのは【 】に関してです。
処理時間を把握しているのは【 】です。
ぐずぐずと引き延ばしたりしないのは【 】です。
絶対に遅れないのは【 】です。
複雑なプロジェクトにかかれるのは【 】の時です。
いつも切り替え時間を設けているのは【 】の間です。
簡単に断れるのは【 】の時です。
締め切りを守るのが苦にならないのは【 】の時です。
最高に幸せと感じるのは【 】の時です。
気軽に人に任せられるのは【 】です。
この穴埋めフォームで引き出される”うまく処理できていること”を日常業務の中に取り込むことで、エネルギー充電効果が働いて、リズムを調整できる。冷蔵庫を片付けることで心が安らぐ人は仕事の合間にそうしてみなさいという。
結局、時間を割り当てても、やる気が起きなければ、良い成果が出ないわけだから、エネルギーのリズムを同時に考慮することは大切なのだろうと思った。
■強制イベントに割り当てるのはグッドアイデアかも?
私は時間管理が下手なのだけれど、このブログでひとつ学んだことがある。毎日の力はすごいということ。もうすぐ1年のこのブログは、いつの間にか300本以上の記事がある。書評も150冊を超えた。内容の質はともかく数は、我ながらよく読み、書いたなあと思う。2ヶ月休んでいいから一度に読んで書けといわれても絶対にできそうにない。これはタイムマネジメントの成功例と言ってもいいのじゃないだろうか。
読書をする(=電車の移動時間に割り当て)、ブログを書く(=寝る前に割り当て)。どちらもきちんとタイムマップに収まっているからできていると自己分析している。”電車で移動”も、”寝る前”も、必ず発生する強制イベントだというのがポイントのような気がする。読書は午前中の手が空いた時、ブログを書くのは午後のどこか、とやっていたのでは、おそらくできない。
強制イベントの前後に割り当てるという点では、
・トイレに置いたメモにアイデアをひとつ書いてから出る
・通勤途中の本屋で営業本の見出しを立ち読みする
・PC起動中の合間に雑誌記事をひとつクリッピングする
なども有効なのかもしれない。毎日は3年続けると1000を超える。大抵のものは、1000個は価値になる。1000に3つの法則なら、3個は素晴らしいものが含まれていることにもなる。
ブログの更新ペースと同じ速度で営業や経営のあらゆることを処理できたら、私はとっくに大成功していそうな気がしてきた。毎日、毎時間を強制イベントで埋め尽くしたら、大統領のように働くマシーンに変身できるのかもしれない。
(過労死しそうだけれど。)
2004年08月24日
無敵会議第7弾 RE:会議〜最先端のメール技術を探る会議〜へのお誘い
毎日、何気なくやりとりしているメール。書くのも出すのも簡単だからといって、その奥深さを見過ごしていませんか?。メールは生活とビジネスにおいて、不可欠なコミュニケーションの道具になりました。
いまや一通のメールが、大きな仕事に結びついたり、大恋愛のはじまりになったりします。うかつに書いたメールが企業の存亡の危機を招くことだってありますが、心をこめたメールが命を救うことだってあるのです。
話す技術や手紙の文章術は世の中にありふれています。私たちは、これからの社会では、それ以上にメール術が、重要になると考えて、メールの達人を無敵会議にお招きしました。
・即効で返信されるメール 思わず反応したくなるメール
・最後まで読まれるメール 用件を簡潔、確実に伝えるメール
・印象に残る感動のメール 泣かせるメール、勇気づけるメール
そんなメールはどうやったら書けるのでしょうか?
経験に基づいた具体的な感動メールの手法や、メール環境を強化する最先端ツールの紹介、メールで自分や会社の印象を逆転一新する方法、そして儲かるメール術まで、この会議ではその道のプロたちに語っていただきます。
そして会議ですから全員参加です。
参加者全員で、最強無敵のメールを発想してみようではありませんか。
プログラム
■ 第一部 最先端メールテクノロジー ベスト10
Gmail、Bloombaなど次世代メールサービスが今、注目されています。メールであんなことやこんなこと。文章校正支援やスパム対策、マルチメディアなびっくりメールソフト。ちょっと便利なユーティリティから、未来のメールを予感させるものまで、一気に紹介。
■ 第二部 メールの王道は「メール道」
ベストセラー書籍「メール道」著者、久米社長が語る珠玉のメールノウハウ。
■ 第三部 企業メールマーケティング最前線
HTMLメール、データベース型メール、アンケートメールなど、ビジネスメッセージを効率的に発信するインタラクションツールとしてのメールに着目したパネルディスカッション。ユーザに愛されるメール、売れるメールって結局、何?
ディスカッション参加予定者(順不同)
・アルトビジョン 椎葉氏
・カレン 四家氏
・X社 Y氏(調整中)
・+橋本、百式管理人
■ 第四部 最強のメールサービスを考える
最強のメールサービスを、個人単位、グループ単位で発想します。
参加のお申し込みは
http://www.project-on.com/event/
まで
2004年08月23日
世間の目
・世間の目

「世間が許さない」「世間体が悪い」「渡る世間は鬼ばかり」。日本には世間がある。「世間を見返してやる」「世間に申し訳がたたない」「世間に恩返しする」など個人の強い行動原理にもなっている。
この本では、日本人にありがちな以下のような世間のシーンが分析される。
・ひとりだけ別メニューを頼めない日本人
・記者会見がたいてい「世間を騒がせて申し訳ない」ではじまるワケ
・お中元とお歳暮と義理チョコは絶対になくならない
・首相ですら過労死する国・ニッポン、長期休暇はあいかわらず職場の非常識
・取調べ室で「お手数おかけしました」とカンタンに自白する被疑者たち
・もらいものをしたら必ずお返しをしなければならない、と思ってしまう
・子どもの犯罪に親が責任を取って自殺してしまう国
・事故機の乗客名簿を一刻も早く発表したがるのは日本人だけ
・ウサマ・ビンラディンは氏づけでウサマ・ビンラディン氏、ではなぜ明石家さんまは呼び捨てで平気なのか
など。日本人がいかに切り離せる個ではなく、関係性の中で生きているかがわかる。
個人(Individual)が構成単位の社会に生きているならば、世間など関係なく自由に生きてもいいはずなのに、日本人は何かと所属する集団内の人間関係を大切にする。
「権利があれば義務がある」のも世間の特徴であるらしい。西欧思想において、本来、権利と義務は表裏一体でもなんでもない。納税していなくても投票権はあるし、犯罪者にも最低限の人権はある。権利は本来は国民の誰もが主張できるものであるはずだった。だが、日本では義務を果たしていない世間の外側に権利はないし、徹底的に無視される。
共同幻想としての「世間」は幻想であるが、共有されているために、現実的な力を持っている。世間の中に生きる人たちに、西欧流の個人や社会を説いても「アイツは世間知らずだ」と言われてしまう。故人の意思でお葬式はしません、はなかなか親戚に認めてもらえない。「お互い様」にしないといけないからである。
■お互い様、義理による贈与交換をする日本人
世間の特徴のひとつが「お互い様」。贈り物をされたら即座に送り返す習慣で、お中元やお歳暮、結婚式の祝儀、葬式の香典などが日本の典型的な形である。この本の前半で詳しく取り上げられている。
民俗学者マルセル・モースの贈与論によると、贈与互酬の慣行は、提供、受容、返礼の三つの義務を伴う交換現象で古今東西あらゆる社会にみられた。返礼は義務であったが、日本の世間では義理に変化した。
ヨーロッパではキリスト教の普及により、贈り物をする相手は個人ではなく、神となってしまった。現世で貧しい人に施すことで、あの世で神から見返りを与えられる。直接金融的な贈与交換は、神を媒介する三角関係に変貌した。この変化は、最も特徴的なのは見返りのない純粋な寄付行為に現れる。
あるMLで教えてもらったのだが、日米の寄付行為の状況は以下の通りで、個人の寄付は1000倍も違う。寄付に対する税金の優遇制度の違いなどはあるにしても、ここまで単位が違うのは、見返りのない寄付行為が日本の世間になじまないことを意味しているとも言えそうだ。日本人は契約してくれる神がいないのだ。
法人 個人 総額
米国 4兆2475億円 21兆5169億円 25兆7644億円
日本 4785億円 252億円 5312億円(不明含む)
■臓器の提供と日本人
カネ以外では、臓器提供が挙げられる。
私の友人のジャーナリスト神田敏晶さんは、身体のあらゆるパーツをドナー登録している。先日、骨髄バンクに取材を受けた内容が記事になっていた。
・donorsnet
http://www.donorsnet.jp/partner/interview/10/
「
僕の臓器提供は、ある意味で打算的なんです。1998年頃、アメリカの空港で「臓器提供に同意しておくと、グリーンカードの取得に有利だよ」と声をかけられたのがきっかけですから。本当にそうか分かりませんが、実際、申請書には臓器提供に同意していると書き込めるようになっています。
」
私は神田さんをよく知っているため、たぶん、この人、本当は打算というより、仕組みそのものに共感して、登録したのだと思っている。この記事の3ページ目に本音がでていると思った。
「
「なんで登録したの?」と人に聞かれたとき、人の役に立つからと答えるのは照れちゃいますけど 社会的な特典があれば話しやすい。「実はいろいろ良いことがあってさ」なんて、さりげなく自慢できるし。
」
世間では、純粋な寄付は好奇の目で見られがちで説明を求められる。ひとりだけ道徳意識が高すぎるのは、世間では具合が悪いことになってしまう。特典は折り合いをつける方便となる。日本への着地にはこうした工夫がいくつか必要そうだ。
神田さんのように進歩的な考え方を持っているのは少数派で、まだまだ見ず知らずの他人に、自分の臓器を無償提供しようとする個人は少ない。この本では、世間の内側である、自分の親戚にならば提供したいとしたドナーの移植が承認された事例が紹介されていた。本来、親戚という条件付での臓器提供は、公平の原則に反してしまう行為である。ドナー制度にとっては危険な事例とも言えるのだが、確かにこれなら納得の提供者が多いのではないか。
■肥大化する世間と新しい身分制度
著者は、世間は力を弱めるどころか、逆に強大化していると考えている。世間では未だに幅を利かせている学歴の固定化がその一因となっている。
東京大学入学者を調べると85年の段階では中高一貫校出身者の割合は50%だったが、99年には64%となり増加傾向にある。親の職業の7割は大企業管理職、医師、弁護士などが占めるようになったという。この本では、お金持ちが社会の高い地位を世襲していく現象が顕著になっていることが紹介されている。新たな身分制度の登場である。親を見れば数十年後の自分の到達点が予想されるために、人生の早い段階で、諦めてしまう若者が増えているという。
「世間など関係ない。私は自由に私のやり方でいく」と世間からの独立宣言をすることは実は簡単なのだと思う。極端な話、「気に入らない奴は殺して刑務所にいってきます」はアリだけれども、その場合、困るのは当人ではなくて、家族や親戚である。「定職に就かないでしばらくフラフラしてみます」というのも、当人の自由だけれど、「世間体」という価値観を持つ周囲は困ってしまう。近しい人を困らせたくないなら、自分も世間のルールに従うしかない。心の優しい人ほどこの世間と身分制度につかまってしまいそうだ。
その一方で、大検制度の柔軟化だとか、大学入試の多様化など、学ぶ機会の均等化という道も昔よりは開かれている。早い段階で諦めてしまわなければ、この身分制度から逃げる方法はいくらでもあるように思う。
■楽しみながら世間を見返しひっくり返す社会?
世間の問題をいろいろ考えさせられる本であった。私の結論としては、
楽しみながら世間を見返す人が増えること
が解決なのではないかと考えた。
世間は実体があるわけでもないが純粋に自分の心の中にあるものでもなく、関係性の中の人間(間人)である、と、この本では定義している。世間などないのだと見て見ぬフリをするのは、世間が外を見る視点と同じであまり解決になっていないような気がする。それでは皆が幸せになれない。
古典的だが「世間を見返す」人たちが、世間を少しずつ変えてきていると思う。世間は「世界」に弱いのだと思う。世界の圧倒的価値を持ち込まれると急に、世間は内側から変わってしまう。古い言葉だと「故郷に錦を飾る」だ。
従来、この見返しのプロセスは悲壮感漂うのが一般的だったと思う。若い頃自分を認めなかった世間への復讐という要素も多分にあったと思う。だが、今開催中のオリンピック選手や、ベンチャー起業家(がんばれホリエモン)などを見ていると、楽しみながら、世間が認めざるをえない成功を達成してしまう人たちが増えているなあと思う。
世間に勝って復讐するのではなく、世間を自分のアイデアで変えるプロセスを楽しむプロセスのスポーツ化がいいのではないか。見返しというよりひっくり返しという表現の方が面白いかもしれない。私も笑いながら世間をひっくり返す何かをベンチャー起業家としてやってみようと思っている。
2004年08月22日
科学の最前線で研究者は何を見ているのか
日経サイエンス2002年11月号から2004年4月号まで18回にわたって連載された対談「時空の旅」をまとめたもの。著者は、薬学博士で「パラサイト・イブ(第2回ホラー小説大賞)」、「BRAIN VALLEY(第19回日本SF大賞)」を書いた小説家の瀬名秀明氏。
情報科学、人類と歴史、時間と空間、バイオとナノなどの研究領域の最先端科学者へのインタビュー。著者はインタビュアーである割には、自分の考えを積極的に述べていて、それが相手からうまく話を引き出した回もある。ひとつひとつの対談は短いので、読みやすい。
■若年層の科学離れ
ところで、若者の科学離れが進んでいると言われている。
文部科学省の「我が国の科学雑誌に関する調査」によると、日本で唯一正確な部数がわかるのは、科学雑誌は「Scientific American」の日本語版である「日経サイエンス」だが、これも部数は伸び悩んでいると言う。
・調査資料 - 97 - 我が国の科学雑誌に関する調査
http://www.nistep.go.jp/achiev/ftx/jpn/mat097j/mat097j.html

「
「日経サイエンス」は、1973 年の調査開始以来、1981 年の科学雑誌創刊ラッシュまでは順調に発行部数を伸ばした。しかし、新雑誌創刊を受けて、1982 年には前年比 5.4% 減、1983 年は 13.0% 減、1984 年は 7.0% 減と大幅に発行部数が減少し、1987 年、1988 年と発行部数を伸ばしたものの、その後また減少傾向をたどり、2001 年時点ではおよそ 25,000 部程度で、公査を開始した 1973 年当時と同水準となっている。
」
では、2004年4月に竹内均編集長が亡くなった「Newton」の方はどうかというと、公称部数では。
「
「Newton」の公称発行部数は、「雑誌新聞総かたろぐ」では 1987 年版まで 40 万部、1997 年まで 41 万部、1998 年版以降 31 万部とされている
」
であるとのこと。
「
学雑誌の発行部数は減っているが、科学雑誌の読者として期待される自然科学系の研究者及び学生の数については大幅に増加している。具体的な数字でみると、2001 年の自然科学系研究者数は 63.1 万人で科学雑誌創刊ブーム前年の 1980 年の自然科学系研究者数は 30.3 万人 35、2001 年の自然科学系(理学、工学、農学、医・保健系)の学部学生数は 77.2 万人、1980 年は 56.4 万人、2001 年の同大学院修士・博士課程の学生数は 13.2 万人、1980 年は 3.5 万人 36 である(表 11)。この 20 年間に自然科学系研究者数、自然科学系学生数でそれぞれ 30 万人以上増加している。自然科学系研究者数、自然科学系学生数が増加しているにもかかわらず、科学雑誌は売れない状況が続いている。
」
この文部科学省の調査では、科学雑誌の読者の高齢化が進んでいることも報告されている。これに対して米国は「日本同様、米国でも過去に科学雑誌ブームがあり、現在はピークから後退したといわれるが、人口あたりの科学雑誌の発行部数が日本の 10 倍以上であることがわかった。」であるという。
■先端科学者たちの東洋的世界観と物語性
18本のインタビューに面白く感じたのは、東洋的な世界観を自覚している研究者が多いこと。そして、先端領域では物語性がイノベーションを生む上で大切だと考えている人がいること。
・公立はこだて未来大学学長 中島秀之氏 工学で探る知能とは何か
「
自然科学は明らかに系を外から眺める。観測者ができるだけ系に影響を与えないように実験する。それに対して、知能は自分が考えているわけですから、中からしか見ていない。それを外から見ているかのように研究するのはどうも変だ。中から見ているということをもっと真正面からとらえた方が面白いんじゃないか。そういう意味で、知能を計算機で作るという完全自立知能はあきらめたんです。
要するに完全なものを作りたいというのは、自然科学的な方法論です。我々人間と切り離したってちゃんと機能するものを発明したいのです。反対に我々と切り離すんじゃなくて、自分が常にインタラクトしていないといけないようなシステム。例えば人工知能(AI)のプログラムの制作者自身がプログラムのループに入る。そして、プログラムを変更しながらその振る舞いを見て、また変えていく。そんな方法論に変わってきたんです。
」
複雑系の関係する科学の研究者には特にこうした考えが共有されてきているようだ。日本人が心の根底に持つ、東洋的世界観がイノベーションにつながる。ただ、こうした東洋的世界観は、論理的記述が難しいもので、直感的に分かる物語性をもって語れるかどうかが鍵なのではないか。
物語性について語る研究者も多くいた。
・国際日本文化研究センター教授 安田嬉憲氏 環境がつくった文明と科学
「
日本で理科離れが起きたのは、理念がないからではなく物語をなくしたからだと思っています。大学の先生が自然科学の学生の卒業論文を採点したり、学会で誰かの発表をするとき、「君のは物語だ!」と言うのは「君の論文や発表は最低だ」と言うのと同じ意味ですよ。私も学会発表ではよく言われました。
」
物語性が創造性を発揮するはずなのに、今までの学会では物語性は評価されなかったという話。だが、先端領域では、研究室の実験で事前に証明できないことは増えている。近年重要視されている「日常の科学」は特にそうだ。
ナノテク(マイクロ流体デバイス)の研究者はこんな発言をしている。
・大阪府立大学大学院工学系研究科教授 関実氏 机の上で実現する化学プラント」
「
いい例がSF映画「スター・ウォーズ エピソード1」の中にあります。ある男が将来人類を救うことになる主人公を探し出す場面です。少年が人類を救うジェダイの騎士になれるかどうかっは血液中のミディ・クロリアン値でわかります。騎士の体にはもともと別の生命であったミディ・クロリアンが共生しており、それがフォースと呼ばれる力を決めるからです。
」
これに対してミトコンドリアの研究もしていた瀬名氏は、ミトコンドリアがまさに他の生命由来のものだということを指摘する。生命の中に別の生命がいるという、最初は突飛な物語がミトコンドリアの解明に役立った例になる。
ノーベル賞級の科学者はよく研究が他の科学者との雑談から始まった例などをセレンディピティ(偶発的創造性)と呼んで振り返ったりするが、雑談の基本は物語性であると思う。東洋的世界観を持つ日本人の、内側から湧き出てくる、面白くてリアリティのある仮説が、将来の科学技術の革新につながりそうな気がしてくる。
「ムー」と「Newton」の間に入るような雑誌が必要なのではないだろうかと思った。
・【裳華房】自然科学系の雑誌一覧(最新号の特集等タイトルとリンク)
http://www.shokabo.co.jp/magazine/
2004年08月21日
デジカメ写真を3次元映像に 3D Photo DVD
2ヶ月ほど愛用中のソフトを紹介。デジタルカメラの写真から3次元映像を作成するソフト。他のDVD映像編集ソフトと一線を画するのは、映像ではなく、3次元映像を表示するプログラムを作るソフトだと言う点。基本的には、Windows実行ファイル形式で出力され、ビデオカードのパワーを使って美麗な表示が可能。スクリーンセーバーやActiveX埋め込み型のWeb形式へも変換できる。また作成した実行ファイルの表示をリアルタイムにキャプチャして映像ファイル化する機能やそれをDVDへ焼く機能も一通り揃っている。
用意された約100のテンプレートを選び、写真を指定するだけで、テレビ番組のオープニングCGのような美しい映像表現ができあがる。もちろん、テキストも流し込める。本来は結婚式の映像編集用途であったらしく、派手な演出が多いのが特徴。
私はこれを無敵会議のオープニング映像の作成や、家族のホームビデオ編集に使っている。かなり癖のあるインタフェースに最初は悩まされるが、この値段でこのクオリティの映像が編集できるのであれば、満足。
どのような映像ができるかのサンプルはこちら。
・サンプル映像
http://www.holonsoft.co.jp/support/DVD/3dphoto/dl.html
2004年08月20日
コミュニティとメディアの可能性---ブログが拓く世界
コミュニティとメディアの可能性---ブログが拓く世界
私も結構アクティブに参加しているコミュニティ「オーバルリンク」でこんなセミナーが開催されます。本来は有料会員制コミュニティですが、このセミナーはオープンです。
今回私もパネリストとして参加することになりました。
テーマは『コミュニティとメディアの可能性---ブログが拓く世界』。
内容は、ライブですのでどうなるか分かりませんが、
・出版メディアの変容
・企業コミュニケーションの進化
・メディアリテラシーの問題
・ビジネスに繋がる可能性
・コミュニティにおける役割
などといった内容になる予定です。
このオーバルリンク、前回のパネルに参加してから、正式に会員になったのですが、ハマって抜けられなくなってしまいました。気になっているんだけど中身が良く分からないな、ココという方はこのイベントにご来場ください。めくるめく世界があなたを待っている、かも。
・Passion For The Future: OvalLinkというコミュニティ、パネルに参加して
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001053.html
以下はイベントのご案内です。
---
来る9月10日(金)15時から、日経BP社のWebサイト「nikkeibp.jp」とビジネスコミュニティ「OVAL LINK」のコラボレーションによるセミナーを開催します。テーマは、『コミュニティとメディアの可能性---ブログが拓く世界』。
■セミナー開催要項
タイトル:オーバルリンク公開セミナー
『コミュニティとメディアの可能性---ブログが拓く世界』
企画構成:OVAL LINK(オーバルリンク)
主催 :日経BP社 nikkeibp.jp
日時 :9月10日(金) 15:00〜18:00
場所 :日経BP社 新館小ホール
参加費 :3,000円(オーバルリンク会員・非会員共通)
当日申し受けます。領収書の発行も可能です。
出演予定者
モデレーター :田邊俊雅(日経BP社nikkeibp.jp編集長)
ゲストパネリスト :小林弘人(株式会社インフォバーン 雑誌「サイゾー」編集長)
OVAL LINKパネリスト:四家正紀(株式会社カレン)
橋本大也(データセクション株式会社)
前田邦宏(株式会社ユニークアイディ 関心空間の運営企業の社長)
■セミナー内容
1 オープニング (5分)
開会挨拶:オーバルリンク事務局長 篠崎晃一
2 オープニング・セッショッン (30分)
『ブログが与えたインパクトとは何か?』
スピーカー:小林氏
3 質疑応答 (10分)
4 オーバル・セッション (80分)
OVAL LINKパネリスト(四家氏、橋本氏、前田氏、田邊氏)による
コミュニティやブログについてそれぞれの立ち位置から見たスピーチ。
休憩 (15分)
5 パネルディスカッション (40分)
『コミュニティとメディアの可能性---ブログが拓く世界』
司会:田邊氏
パネリスト:小林氏、四家氏、橋本氏、前田氏
■懇親会
19:00頃の開始を予定しています。ご参加の皆様に別途ご案内いたします。
■参加申し込み方法
下記の内容をご記入のうえ、biz-club@nikkeibp.co.jp あてに電子メールで
お申し込みください。
====<この線から下をコピー&ペーストしてお送りください>====
【オーバルリンク公開セミナー参加申し込み】
●お名前:
●電子メールアドレス:
●下記のいずれかをお選びください
□セミナーのみに参加
□セミナーと懇親会の両方に参加
(懇親会だけの参加は、原則としてできません)
●以下は、皆様に関する質問です。
1)あなたはOVAL LINKの会員ですか?
□はい
□いいえ
2)あなたはnikkeibp.jp/倶楽部の会員ですか?
□はい
□いいえ
3)このセミナーのことを何で知りましたか?
□OVAL LINKのサイト
□nikkeibp.jp/倶楽部
□nikkeibp.jpからのメール(メール名称 )
□その他(具体的に )
2004年08月19日
日本語は年速一キロで動く
■SMAPの中居くんだべ
私の地元、神奈川県藤沢市では、古くから住む高齢者とその子供や孫にあたる小学校高学年くらいまでの子供は「そうだべ、そうだべ」「遊びにいくべ」と言う。大きくなるに従い、「べ」はカッコ悪いと意識しはじめ、ほとんど使わなくなる。だが、最初からまったく使わない人も多いので、これは方言なのだろうか?と小さいころから謎だった。
この本によると東北・関東で古代から使われてきた「べし」「べき」から変形した、方言だそうだ。田舎者の印象が強い言葉なので、地方出身者は東京では使わないようにしてきたらしいのだが、最近、都内にも伝播が確認されたそうだ。この本の著者は不思議がっているが、これ、私の分析では、藤沢出身のタレント(確か私と中学が同じ)、SMAPの中居さんがテレビで「べ」を連発して認知させたからだと思っている。
この本は、新しい言葉や方言が、どれくらいの速度で広まっていくか、についての研究解説。伝播の速度は速いもの、遅いものがあるそうだが、平均すると約1キロ/年の速度で伝播しているのだという。
通常は、都市の威光効果で、都市から地方へ広がる言葉が多い。だから伝播の波を繰り返す過程でABA型と呼ばれる分布ができるという。中央の京都や東京に新形のB、Aという古い形が九州や北海道に残るような現象である。だが、逆もあるという。この「べ」「べー」は東京新方言と呼ばれるタイプの逆流現象として扱われている。
言葉の乱れとして指摘されがちな「見れる」などの、ら抜き言葉は明治初期に愛知県で使われていた方言で、100年かかって中部地方を経由して東京へ入った言葉なのだそうだ。「読めれる」などの、レタス言葉も同様。日本語の乱れを嘆く人には、方言については逆に尊重する態度をとることが多いが、要は新方言が東京へ進出したときに、批判されやすいという見方もできるらしい。
■めばちこ??べべになる??
皆さん、「めばちこ」で通じるだろうか?。私は大阪の堺市出身の関西人と結婚してから、はじめて聞いた。意味がまったく分からなかったのだが、目の「ものもらい」のことだそうで、この本にも紹介されていた。
また、この本に関西の新方言として取り上げられていた「ベベになる」。これまたサッパリ分からないので妻に聞いたところ、「それ普通に言うでしょ?ベベ、ベッタ」と驚かれてしまう。競争などで「ビリ」の意味。藤沢で育った私の実家の家族もたぶん、通じないはずだ。
こうした新方言はマスメディアを通じて年100キロレベルで、急速に広まるものもあるらしい。関西の漫才の「オモロイ」などはその例だそうだ。文法表現の変化は使用頻度が高く目立つため、比較的伝播が速いという。逆に家庭内で使う言葉は伝播が遅くなるという。速いもの、遅いもので、0.1キロ/年〜100キロ/年くらいの大きな違いもあるが、平均すると1キロ/年ということになるというのがこの本の結論であった。
年速1キロは1日2.7メートルで、自足0.114メートルにあたる。随分、遅いのだが、ヨーロッパにおけるインドヨーロッパ語族の拡大も、年1キロの西進であったそうだし、モンゴロイドのアメリカ大陸南端への移動5万キロも約5万年で同じくらいの速度だったという。1世代あたり30キロメートルという速度は、言語・文化の伝播の普遍的な速度なのではないかと著者は推測している。面白い考察だと思った。
■嫁は川を降る
こうした逆流現象の伝播の基本メカニズムが「嫁は川を降る」なのだそうだ。山間部の女性は都会に憧れ、町の人は素直に一生懸命働く女性を歓迎する。かくして、女性が都市部へ移動して、言葉を子供に伝えていく。方言的な言い方の大半は、幼稚園や小学校で修正を受けるが、家の中でしか使わないような言葉や、発音・文法の単純化原理でできた言葉は、修正を受けにくく、これが新方言として東京に広まることがあるようだ。「嫁は川を降る」はちょっと古めかしい印象の言葉であるが、現代でも女性がことばの媒介なのだ。
我が家の1歳になった息子も、日々母親から関西弁のシャワーを浴びせられている。幼稚園や小学校で「ベベはやだー」とか「めばちこできたー」とか「こちょばい」とか言って、怪訝な顔をされたりするのだろうか。
ただ、こうした言葉も、かっこいいと認定されると地域に定着して、新方言になることがあるらしい。冒頭に書いたように、私は「べ」はSMAP中居さんが起点と思っているのだが、通常は点ではなく線的に伝播は進んでいく、らしい。最前線の動きから、伝播速度が分かる。
■境界の最前線を特定する
この著者は電車の路線距離でキロメートルを算出しているケースが多い。地道なフィールドワーク・アンケートで経年変化を追い、それをグロットグラムというグラフに描き分析している。平面ではなく線で伝播する日本の地理的特徴にマッチした調査手法である。何駅くらいから先で変化が起きるかが分かって面白い。まさにそこが移動の最前線と言えるだろう。
以前、あるテレビ番組で、関東と関西ではエスカレーターのどちらを急ぎの人向けに空けるかが逆になっていることを取り上げ、東海道線のどの駅が変化の境になっているかを実地調査していた。答えは岐阜県大垣駅の隣駅ということになった。
・ざつがく・どっと・こむ 左を空ける
http://www.zatsugaku.com/stories.php?story=01/07/17/1040537
同じようにテレビが発端で、ひとつの言葉の違いの最前線を突き詰めて考えた面白い本がある。
こちらは、関西で人気の番組(最近関東でも深夜に放送されています)「探偵ナイトスクープ」で「関東ではバカだが、関西ではアホという。入れ替えると侮蔑的表現になり、怒られるが、もっと調べよ」という指令で調査が行われた。番組では「岐阜県不破郡関ケ原町大字関ケ原・西今須」を境に、アホとバカが入れ替わるということが判明した。その後の、詳細な調査についての本。
そして、今日も新方言は日々生まれている。2ちゃんねるにはまった「嫁」が子供に「オマエモナー」とか「わら」、「ケテーイ」などを普通に教えて、ネット発の言葉も新方言として定着するということも、そろそろあってもおかしくないような気がする。その場合、距離はどう測ればいいだろうか。
関連記事:
・Passion For The Future: 関西弁講義
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001143.html
・Passion For The Future: かなり気がかりな日本語
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001093.html
・Passion For The Future: 犬は「びよ」と鳴いていた―日本語は擬音語・擬態語が面白い
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000935.html
2004年08月18日
父と暮らせば
父と暮らせば

http://www.pal-ep.com/chichitokuraseba/chichitokuraseba-top.htm
日本映画まだまだ捨てたものではありません。
「遅れていた原稿を6時までに書けたら映画に行ってよい」を自分に課して、うまく提出できたので、神保町岩波ホールへ「父と暮らせば」を観にいってきました。開始30分前に到着するも、既に3階下の階段まで並んでいて人気に驚き。年齢層は比較的高めで中高年が半分、あとは私と同年齢くらいの善良そうな映画ファンたち。いかにも岩波ホール。
これって何の映画?
実は知らずに観にいきました。
この映画については、いつも参考にしている映画瓦版が最高評価の★★★★、本塁打をつけていたことで知りましたが、これまたいつもの通り、解説などは一切読まずにでかけました。見終わっての感想は...。後半涙が止まりませんでした。照明がついてからも半数以上の観客が涙ぐんでいました。素晴らしい映画でした。金メダル。今年のマイベストになりそうな予感です。
・父と暮らせば
http://www.pal-ep.com/chichitokuraseba/chichitokuraseba-top.htm
・映画瓦版
http://www.eiga-kawaraban.com/
井上ひさし原作、黒木和雄監督、宮沢りえ主演、原田芳雄、浅野忠信。
監督は「Tommorow/明日」という名作があります。「美しい夏キリシマ」(これは観ていません)とあわせて、このテーマでは3部作のようです。とはいっても、ストーリーや人物につながりはありません。
さて、鑑賞価値を減らすネタバレをしないように慎重にここから書きますが、ここまでで気になった方は見終わってから以降を読んでください。なお、パンフレット(700円)は、シナリオが全部収録されていて、買う価値があります。
舞台は広島。原爆投下の3年後。父と娘の物語です。公式映画紹介にもありますし、すぐ分かるのでこれは書いてしまうとお父さんは幽霊です。登場人物はこれに加えて恋人役の浅野忠信のたった3人。基本的には限りなく舞台演劇です。特に宮沢りえ、原田芳雄の二人の好演が光ります。
黒木監督の「Tommorow/明日」とタッチは似ています。「Tommorow/明日」では原爆投下の前日の広島で、戦時下にありながら、それぞれの想いを抱えて幸せになろうと必死に生きる人たちの生活が描かれました。観客の誰もが「明日」起きることを知っている。だから、黒木監督は敢えてその悲惨を描かないことで、失われたものの大きさを見事に表現しました。これも名作だったと思います。私は3回くらい観ました。
・DVD: TOMORROW 明日
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002CHRRA/daiya0b-22/
「父と暮らせば」でも原爆の悲惨なシーンは登場しません。今度は「明日」を生き残った人たちの心に焦点をあてました。悲しみを真正面から受け止めながらも、それを前向きの視点で乗り越える強さ、優しさが、この作品の魅力だと思います。
途中、映画館で嗚咽の声がそこかしこから聞こえてきましたが、決して救いのない悲しい涙ではないのが、この作品の素晴らしさだとも思いました。舞台はヒロシマという特異点なのですが、描かれたのはもっと普遍的な、再生の物語であったと感じます。海外でどのような評価を受けるのか注目です。英語の題名は「Face of Jizo」であるとのこと。
前半、予備知識なしの私にはなかなか主題がつかめず、もしかして退屈映画?などと一瞬思ってしまいましたが、観終わって、監督らが全体を通して何をしたかったのか、その脚本の見事さに心を打たれました。シナリオが完璧です。井上ひさしの天才にも拍手です。この映画に私は絶賛ですが、ベースになった演劇も素晴らしそうですね。
というわけで、まだしばらく上映期間は続くようです。文部省やPTA推薦映画に指定されているようですが、決してノーモアヒロシマ風教育的指導なだけの作品ではありません。ひたすら、おすすめです。ブッシュ批判のプロパガンダ映画が巷では話題のようですが、日本人ならばこちらを先に是非。
・舞台 父と暮らせば こまつ座ビデオ劇場1[ビデオ]
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4760111816/daiya0b-22/
#いやあ、宮沢りえは、いろいろ人生経験を積んだせいか、名女優になったなあと思いました。工藤夕貴と並んで、子役からうまく脱皮して国際的な場で活躍できる才能になっているなあとしみじみ思いました。
参考:
・父と暮せば@映画生活
2004年08月17日
霊はあるか―科学の視点から
科学者の立場から、霊の存在について議論する本。著者は、立命館大学教授。
・安齋研究室TOP
http://www.ritsumei.ac.jp/kic/~iat02143/
上記オフィシャルサイトで経歴を確認すると、
東京大学医学部放射線健康管理学教室助手、中央大学商学部兼任講師、東京医科大学病院管理学教室客員助教授などを経て、1986年、立命館大学経済学部教授、1988年より立命館大学国際関係学部教授、現在に至る。担当科目は、平和学、自然科学概論、3・4回生ゼミ、地球環境問題特講(大学院)、大学院ゼミ(平和学)など。役職は、立命館評議員、大学協議会委員、国際平和センター長、国際平和ミュージアム館長。
現在、Japan Skeptics会長、日本平和学会理事、日本学術会議平和問題研究連絡委員会委員。世界大会平和博物館ネットワーク国際調整委員。原爆忌全国俳句大会実行委員長。原水爆禁止世界大会起草委員長。
といたって真面目な研究者なのだが、個人で、疑似科学批判団体JAPAN SKEPTICSを主宰し、科学合理主義の啓蒙をしていることでも有名な人物。
仏教各宗派に「霊はあるか」のアンケートを行った結果は興味深い。結果は割れた。大半の宗派は霊の存在を完全否定し、祟りや霊障もないとしている。霊がないから本当は墓参り、お盆など必要ないのである。だが、布教の方便として霊を認める団体がかなりある。難解な仏教哲学は一般人に説いてもわかりにくいから、霊を方便として教義を説明することはかまわないというスタンスである。
「○○はある」と存在を証明するには一例を証明すればよいが、「○○はない」を証明するには、多数の例を否定しなければならない、として、霊の肯定派、否定派の立場によって、立論のコストの違いを指摘しているのは面白い。
第3章と第5章で著者の霊はあるかへの答えが書かれている。ネタバレになるので引用しないが、基本的には、科学合理主義者の答えである。この本では、多数の超常現象や霊体験を、科学的に解明し、嘘や作為を見破っていく。
面白かったのは科学的な輪廻転生の話。人間の身体は主に炭素が構成していて、その数はアヴォガドロ数(原子量と同じグラム数の原子に含まれる原子の個数)に従う。アヴォガドロ数は6の1千億の1兆倍なので、それ掛ける体重のグラム数程度の炭素で人間は構成されている。人が死んで火葬されると、炭素は大気にいきわたる。地球の大気に満遍なく広がった場合には、どの場所で採取しても、1リットルの大気の中に1万数千個のその人の炭素が含まれることになるという。つまり、人間を構成している物質レベルで生まれ変わり、輪廻転生ということは起きているというのである。
そうか、人は死ぬとユビキタスマンになるということか。著者いわく、そういうレベルでは輪廻転生的な考え方も必ずしも間違っていないとする。
私は霊は、あるともないとも言えるのではないかと思っている。あるの意味=存在の解釈が立場によって異なる気がする。
たまたま科学合理主義が多数を占める社会に生まれたから、私たちは霊が見えないのではないか。構成員が霊の存在を信じている社会では、霊は姿を現し、暮らしに影響を与えるものなのだと思っている。自然科学は常に事象を外側から眺める。客観視する。だが、人間は常に事象の内側で生きている。自然科学的には存在しなくても、社会的には存在するモノはありえる。存在は自然科学の専売特許ではないと思うのだ。
ところで私、超常現象大好きである。この5年間くらい毎月雑誌の「ムー」は欠かさず購読している。
・学研 雑誌ムー
http://www.gakken.co.jp/mu/books.html

25周年。
・Mangaムー
http://www.gakken.co.jp/mu/books/mangamu/manmu.html

もちろん、ムーの話を真に受けるわけはなくて、突拍子もない話にどう真実味を持たせるかの文章技法を学ぶため、であり、空想力(妄想力)の限界を楽しむため、に読んでいる。
2004年08月16日
携快電話でデータのバックアップと同期、その他
昨日の続き。
携帯を紛失したことも壊したこともなかった私は、友人・知人が携帯を紛失して電話帳データがなくなって困ったと嘆いているのを見ても、常に他人事だった。お酒を飲んだりしたときに、ちゃんと気をつけていないからだよと思っていた。嗚呼。自分が同じ目にあってみると、激しく困ることに気がついた。今週は聞いて回ると思いますので友人・知人・取引先の皆様どうかどうかよろしくお願いします。
そういうわけで、データのPC入力とバックアップ用にソースネクストの携快電話を購入した。選択理由は安いから。機能の豊富さでは、SSIトリスターの携帯万能がよくできているようだが、携帯電話データの同期にそこまで細かい機能を使うとは思えないので、これにした。
期待した用途には満足している。電話帳、メールなどのバックアップは普通に行える。編集機能などは簡単な入力やバックアップ目的なら可もなく不可もない印象。Outlookや筆まめなどのソフトからインポートもできる。
SH900iとの関係で便利だなと思ったのは、SDメモリ経由でのみ対応しているカメラ画像編集で、一括で画像の「右回りに回転」ができること。SH900iは縦でも横でも撮影できるのだが、私は常に横で撮る。だが、保存は縦になってしまうので、修正が面倒だなと思っていた。この一括処理は高く評価。
最も使いそうにないと思っていたムービー編集機能。これは本来は携帯で撮影した動画を編集するためにあるようだが、適当なQuickTimeムービーWebから拾ってきて携帯で見ることも可能。うまく変換できればテレビ番組の録画を携帯で視聴することもできるようだ。使い方によっては面白そう。
テレビ録画を見る方法はここが詳しい。
・■STEP3 goo■:SH900iでテレビを見よう(準備編)
http://blog.goo.ne.jp/egacompany/e/ad5b2106df5b302df63c654b1258de8d
・■STEP3 goo■:SH900iでテレビを見よう(実践編)
http://blog.goo.ne.jp/egacompany/e/33d7e9cda5195221ccd95650e7df408a
私の自宅にもテレビキャプチャボード搭載のPCがあるので、予約録画→変換を自動化できれば、通勤電車でニュースチェックなどができそうだ。
なお、ドキュメントビューア用のファイルは携快電話では扱えない。SDカードのフォルダとデスクトップのフォルダを同期するには、以前紹介したRealSyncが良さそうだ。Changelogのメモデータベースは内容がシンプルなテキストなので携帯へこの方法で持ち込むことにした。日常のメモが見られるのは便利だ。
・Passion For The Future: LAN接続外付けHDDのLANDISK、その正体はLinux-Box
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001637.html
RealSyncを紹介したエントリ。
・Passion For The Future: 最強のメモ環境をChalowで構築
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001889.html
いろいろ試して分かったこと。SH900iには16メガのSDメモリが付属しているが、カメラ写真は最高画質で1枚2メガバイト近くなるし、ドキュメント類もファイルが大きいものがある。128メガバイト程度のカードがあると良さそうである。今度買ってこよう。











