2004年08月28日

9ヶ国語の文章を無料で相互翻訳するTranslation Engineこのエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加


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注目されつつも、なかなか、キラーアプリに欠ける感があるWebServiceテクノロジーだが、ちょっと気になるサービスを発見。これは、日本語を含む9ヶ国語を翻訳してくれるWebサービス。WDSLスキーマとSOAPによるサンプルコードが公開されていて、簡単にプログラム開発者が自分のアプリケーションに翻訳機能を付加することができる。

可能な言語の組み合わせは以下のとおり。

「英語→中国語」
「英語→フランス語」
「英語→ドイツ語」
「英語→イタリア語」
「英語→日本語」
「英語→韓国語」
「英語→ポルトガル語」
「英語→スペイン語」
「中国語→英語」
「フランス語→英語」
「フランス語→ドイツ語」
「ドイツ語→英語」
「ドイツ語→フランス語」
「イタリア語→英語」
「日本語→英語」
「韓国語→英語」
「ポルトガル語→英語」
「ロシア語→英語」
「スペイン語→英語」

簡易的にWebから機能を試すには、デモサイトが用意されている。

・Translation Engine
http://www.webservicex.net/WS/WSDetails.aspx?CATID=12&WSID=63

・デモページ
http://www.webservicex.net/TranslateService.asmx?op=Translate

英語→日本語なら、

LanguageModeに EnglishTOJapanese を設定し、Textに翻訳したい英語の原文を入力しInvokeを押すと結果がXMLで表示される。

肝心の翻訳精度は市販の翻訳ソフトと比べるとまだまだであるが、単語の逐次翻訳レベルならば十分実用的だし、ニュースの見出しレベルでもかなり上手く働いてくれると思った。何より9ヶ国語という多言語で無料なのが良い。

なお、このWebサービスを組み込んだアプリケーションとしてiTranslatorがある。.NetとJavaの二つのバージョンがある。どちらもWindowsアプリとして、翻訳を実行できる。フリーソフト。

・iTranslator for Java
http://www.iplatform.org/itranslator_j.htm

・iTranslator for .NET
http://www.iplatform.org/itranslator_n.htm

itranslator01.JPG

なお高機能なJava版の方の特徴としては原文と翻訳結果をPDF文書として出力できる機能がある。

・日本語→英語の翻訳結果PDFサンプル。
http://www.iplatform.org/images/itranslator_j_sample.pdf


このWebサービスを使えば、例えば海外9カ国のニュース記事やブログ記事を翻訳させて表示させる、国際ニュースポータルを構築できるだろう。オリンピックやサッカーなど国際的な話題について、9カ国から集めれば、視点の違いが分かって楽しいかもしれない。
この多言語間の翻訳は大きな可能性を秘めていると思う。もう5年近く前になるが、ホットワイアードジャパンに以下の特集記事を書いた。

・コミュニケーション拡張装置としての機械翻訳
http://hotwired.goo.ne.jp/bitliteracy/guest/990817/
hotwired99.JPG

海外での多言語についての研究やプログラムを紹介して、最後に以下のような感慨を書いていた。


日本のネットビジネスで英語や外国語版を展開しているサービスはまだまだ少数。日本語の壁によって日本市場は守られていると同時に、日本語の壁によってグローバルなサービスに発展できない構造があるようです。

インターネットビジネスの新規事業立案において、インターネットの強みとして「双方向性」「デジタル」といった月並みなキーワードと並んで「グローバル」という言葉がしばしば挙げられますが、どれだけの日本企業がこのグローバルの可能性を活かせているでしょうか。

実は米国の英語サービスでさえ真にグローバルであるとは言えないかもしれません。冒頭で紹介しましたが、世界には6000の言語が存在しており、これらを相互に翻訳するパターン数は6000×6000=3600万通り。

これらの言語はそれぞれが豊かな歴史と文化資産、そして小規模ながら多数の経済を抱えている価値あるリソースのはずです。しかし、現在のインターネット上ではほとんどが事実上、無価値とみなされてしまっています。

実はここにこそ真のグローバルサービス市場の可能性が眠っているのではないかと私は予感しています。

5年が経ったが状況はあまり変わっていない。世界中の人たちが制約を飛び越えてつながったインターネットの可能性を引き出すのは、多言語翻訳だと今でも考えているのだが、こうした無料のWebサービスが発展することで、実現に少しずつ近づいていったらいいなあと思う。

関連情報:

異なる言語の環境で知的触発を引き起こす発想支援ソフトウェア
−ネットワーク対応型リアルタイム発想支援システム−
http://www.ipa.go.jp/SPC/report/03fy-pro/mito/15-954d.pdf
itranslator02.JPG

昨年度の未踏プロジェクト最終発表会で動くものを体験。多数の異なる言語の使い手がネットワーク越しに参加する、ブレインストーミングの内容が翻訳される。

・機械翻訳を介したオープンソースソフトウェア開発:
Intercultural Collaboration Experiment 2002
http://ice.kuis.kyoto-u.ac.jp/ice/pub/Jconvention1_2T6-3_nomura.pdf
itranslator03.JPG

実際に自動翻訳機能のあるコミュニケーション(チャット)システムを使って、国際的にソフトウェア開発を行った研究報告。まだ手探りな面が多いけれど、将来的には無限の可能性がありそうなプロジェクト。


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Posted by daiya at 2004年08月28日 23:59 | TrackBack このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加
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Comments

My opinion is that this website is one of those, created for people with a low intellect level, with a stupidest points of view ever. Seems like only retards gathered together here, to discuss their retarded thoughts. Just read there comments! Man! It窶冱 hilarious. They all act like kids in kindergarten, but kids are even smarter!

Posted by: anil at 2008年04月04日 22:47
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