2004年01月31日
情報イノベーター―共創社会のリーダーたち
1999年の本。でも、本質は今もほとんど変っていない気がする。
この本は現代日本をVIS社会と定義している。VISとは、多様化(Variety-Orientation)」「情報化(Information-Orientation)」「社会の変化の速さ(SocialSpeed-Orientation)」の頭文字をとったもの。このプロジェクトでは、VIS化の進んだ高度情報化社会で影響力を持つ層を情報イノベーターと定義した。そして、この新しいオピニオンリーダー層の全貌を明らかにすべく長期間の調査を字視した。
この本は少し古く1999年の出版なので、インターネットは先端的で情報感度の高い層の使うものと想定されていたため、調査対象はネットユーザとなった。YAHOO!JAPANを使った大規模なアンケートとグループインタビュー手法により、情報イノベーターの姿を浮き彫りになる。調査手順を追ったドキュメンタリ風の調査レポートである。
情報イノベーターの度合いを測る指標は3つ定義された。「ネットワーク人間尺度」「情報機器利用尺度」「メディア情報接触尺度」。情報機器を自在に使いこなし、多様なメディアから情報を大量に吸収し、ネットワークの中で積極的にコミュニケーションを行いながら、共に新しいものを創りだしていく(イノベーション)。それができるのが、「情報イノベーター」という説明である。
調査が進むにつれ、情報イノベーターのプロフィールや、行動特性が明らかになって行く。社会性や興味の広さによって、情報イノベーターと「おたく」の分類。イノベーターの中にも5つのタイプがあるとラベル分け。情報イノベーターの消費行動や政治行動や接触メディアの種類と度合い調べ。などなど、どれも興味深い視点の分析と分かりやすい説明が続く。企業は消費者や社員の中の情報イノベーターをどう活用して利益を産むことができるか、の提言もある。
調査から5年が経過したせいもあるのだが、情報イノベーターの姿に予想外の要素は少なかった。調査者も実施時から大枠、結論は想定していたのではないか。ただ、それを実際の調査の数字とグループインタビュー結果で、定量的、定性的に裏づけたことが、この本の価値だと読み終わって感じた。マーケティング会議で使えるデータで一杯の本だ。
読みながら考えたこと。情報イノベーターこそ重要で目指すべきものという考え方がこの本には感じられる。しかし、全員がリーダーである組織や社会はないだろう。リーダーだけでは世の中が動かない。そもそも、リーダーとフォローワーの比率は、いわゆる歴史の方程式=べき乗則に従い、どの時代も不変であるはずと思う。
情報イノベーターの中にも「スーパーイノベーター」がいて、この数は情報イノベーターの20%であり、全消費者の2,3%だそうである。
皆が皆、情報感度が異様に高く、話し好きで、情報機器のエキスパートという社会も不気味である。皆がそれを目指す社会も疲れそうだ。不健康な社会で健康志向が流行るのと同じ気がしてくる。
むしろ、大切なのは軽視されがちな「フォローワー」が、満足しながら能力を発揮し、イノベーターを賢く利用して生活レベルを高めていくか、の方の気がしてならない。フォローワーがいないとリーダーがそもそも存在しえない。次は、リーダーとフォローワーの二つの視点の調査をこのプロジェクトでやってほしいなと思った。フォローワーに積極的なネーミング、ラベリングをしたら、流行るキーワードに、なったりしないだろうか。
2004年01月30日
超本格会議開催、満員御礼に大感謝 報告その2
さて、会議で事前に提出していただいた150冊を超える「究極本リスト」。無敵化するツール第一弾として私も活用していきたいと思います。当日の会議では、この投稿の中から主宰者が10冊を選んで「究極の究極本」(候補)として紹介させていただきました。
ただ誤解なきよう。
主宰者はこの10冊を読んでおりません。純粋に投稿文やWebの書評を調べて、「これは読んでみたい」と思ったものを取り上げました。全投稿を読むのは結構大変ですから、選ぶのを代行させていただいた形です。本当の究極は皆さんの手でリストから見つけてください。
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■投稿文で気になったリスト
投稿内容:「ここ数年読んだ本の中では、もっとも「自分のために書いてくれた」と錯覚させてくれたから。」
橋本解説:この本は私の取引先でも話題になります。「ビジネス人生を変えた」と手放しの絶賛をする人が何人もいて、気になっておりました。
投稿内容:「人望=生まれ持った才能」という概念を覆してくれた。日常の具体的な行動に落とし込んでいるため、その日すぐに行動に移せる。「人望」がすぐに身につくわけではないが、自分自身を変えるきっかけになる一冊である
橋本解説:人望は生まれつきのものと考えがちですが英語と同じようにスキルで身につくという発想が面白いです。
投稿文:「随分前の学生時代に読んだ小説以外の本で今でも一番記憶に残っているから」
橋本解説:アマゾンの書評はこうでした。「ジェリー・ワインバーグとその仲間たちの〈計算機の人間学〉の本。この本は問題発見についての本である。問題は解くより発見する方がずっとむずかしく、ずっと面白い。―実人生で本当にものをいうのはそこなのだ。」
投稿文:「巷ではもう“常識”になっているかもしれませんが、やはりこの「オトナ語の謎。」を推薦します。わりと忘れがちな、社会人としての会話やメールでの微妙なニュアンスが再認識できました。もちろん、新社会人にはもってこいの“究極の辞書”だと思います。」
橋本解説:リンゴラボ加藤代表のブログで紹介されていて気になってました。オトナ語の例:「「ペイする」、「言った言わないの問題になってもなんですから」、「手前どものにんげん」、「地雷を踏む」、「名刺を切らす」、「おいくら万円」、「切ったはったの世界」、「上様でいいです」、「視野に入れつつ」、「アンドをとる」、「良いか悪いかはべつにして...」。あるあるあるある〜。アマゾン書評より。「ほぼ日刊イトイ新聞にて連載開始され、異常ヒット数を記録した人気企画が待望の書籍化。「なるはやで仕上げて、午後イチにはお届けできるかと」「見切り発車の垂直立ち上げでしたから物理的に難しいんです」「要は、クリティカルなアイテムがマストかと思われます」学校では絶対に教えてくれない謎めいた言葉、「オトナ語」を、おもしろおかしく徹底的に解説。昔話や歌謡曲の「オトナ語」バージョンも抱腹絶倒。
」
投稿文:「インタネットの活用技術が飛躍的に上がり、ビジネスにもプライベートにも役立ったから。」
橋本解説:検索は私もセミナーをやっていますが、どんなことを書かれているのか気になります。
投稿文:「人間とはこんなものです、というのを力強い写真と文言で僕に伝えてくれます。日本の都会で生きていると忘れがちになりますね、残念なことに。」
橋本解説:アマゾンの書評より。書名の『メメント・モリ』とは、「死を想え」という意味で、ヨーロッパ中世末期にさかんに使われたラテン語の宗教用語だ。この本には、著者の短いコメントが付けられた74枚のオールカラー写真が収められ、生の光景に潜む無限の死の様相が極彩色で提示されている。たとえば、「ニンゲンは犬に食われるほど自由だ」とのコメントがつけられた写真には、荒野に打ち捨てられたヒトの死体を野犬が貪るように食らい、それをカラスが遠巻きにしている光景が写し出されている。また、大河のほとりで遺体の野焼きをしている光景には、「ニンゲンの体の大部分を占める水は、水蒸気となって空に立ち昇る。それは、雨の一部となって誰かの肩に降りかかるかもしれない。何パーセントかの脂肪は土にしたたり、焼け落ちた炭素は土に栄養を与えて、マリーゴールドの花を咲かせ、カリフラワーをそだてるかもしれない」と、少し長めのコメントが付けられている。
ど、どんな写真ですかそれ?。気になります。
■楽屋裏より
ここでは橋本選出の本のみ紹介させていただきました。田口分もと思ったのですが、手元に資料がなく、きっと彼がどこかで書いてくれるのを待ちます。ここでは敢えてビジネス系ばかり取り上げましたが、究極の150冊リストは小説や娯楽も多くありました。いやあ、これでしばらくの読書生活充実しそうです。
2004年01月29日
超本格会議開催、満員御礼に大感謝 報告その1
究極の一冊を教えあう、超『本』格会議!。告知期間が6日間と短く心配していたのですが、告知をお手伝いしていただいた方々のご協力もあって、満員御礼となりました。「究極の一冊」の熱い投稿は150冊を超え、軽く1年分の読書生活に困らないリストができました。(投稿者、参加者の皆様向けのデジタル版配布は月曜を予定)
イベント終了後、終電近くで帰り、翌日が朝から1日外出だったので、詳しい報告を書くのが遅れたところ、既に参加者の皆さんのWebに、超本格報告を見つけてしまいました。
こ、これでいいのでは(笑)、内容そのとおりでございます。(特にひとつめはプロの編集者さんに書いていただけるとは...ツイてます)
・超「本」格会議に行ってきました
http://kotonoha.main.jp/2004/01/30books.html
・超『本』格会議!
http://nais.to/~yto/clog/2004-01-29.html#2004-01-29-3
・本格会議行って来ました
http://naoya.dyndns.org/~naoya/mt/archives/000898.html
(参加していただいた方向けの「ここだけの話」へのご配慮にも感謝です)
というわけでこんな感じだったのです。
■会議の結果報告
内容は予定通りで、前半は私と田口さんのフリートーク。後半は全員参加の会議でした。特に盛り上がった後半の会議のテーマは「2004年にバカ売れする書籍のタイトルとその理由を考えてください。」でした。
最初に、全員で以下のサイトを見て、橋本・田口が簡単にレビューし、最近はどんな本が売れているのかの情報を会場で共有しました。
・年間ベストセラー(日販のランキング)
http://storefront.linksynergy.com/fs-bin/store?eid=KDApI1JJ0Kw&offerid=33310&stid=57&subid=
・年間ベストセラー
http://storefront.linksynergy.com/fs-bin/store?eid=KDApI1JJ0Kw&offerid=33310&stid=80&subid=
・ビジネス書ベストセラー
http://storefront.linksynergy.com/fs-bin/store?eid=KDApI1JJ0Kw&offerid=33310&stid=59&subid=
・フィクション
http://storefront.linksynergy.com/fs-bin/store?eid=KDApI1JJ0Kw&offerid=33310&stid=58&subid=
・単行本 週間ベストセラー(1)◆
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/best_wa.cgi?subj=tanko
・アマゾンの今週
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/browse/-/497532/249-3840969-3395553
その後、個人で10分ほどタイトルを考えてもらった後、5,6人のグループに分かれていただいて、20分の会議セッションを行いました。今日の報告ではまず、このグループ単位で発案されたアイデアをご紹介したいと思います。
【グループ討議結果シート】
● 10日間で幸せになる技術 〜幸せの人が知っている10の法則〜
誰もが持っている願望。短期間で簡単。ノウハウが身に付く。「技術」を付けることで胡散臭さをなくす。
● ボケる技術
昨今のお笑いブームの中で、素人は自分でも面白いことを言って人気者になりたいと思っている。そんな中、お笑いの要であるボケについての本である。この本はバカ売れ間違いない。
● マトリックスを実現する50の方法
脳にチップを埋め込む時代が近づいている。ブレーンマシーンインターフェイスの紹介。脳ブーム。
● おじいちゃんは水戸黄門を見ない 〜3000万人の10兆円マーケット〜
シニア層の人口が増えている。どの業界もビジネスマーケットとして狙っている。でもその実態はあまり分かっていない。
● 2004年東京方舟の造り方 〜古代人の知恵に学ぶ99のサバイバル術〜
関東大震災が間近に迫った2004年。首都機能を失った日本を脱出する最終兵器とは?
● 萌える闘魂
生産的なものに萌えをそそげ。「お前らは負け犬じゃない」、「世界を萌えで埋め尽くせ」。対談:イノキ&オグラユウコ
● だめなんだよ、その成功法は!
成功オタクが語る成功法の実証例。巷に溢れている成功法のアンチテーゼ。成功法を試した100人のキャッシュフロー付き。
● 少食党宣言
少食党が世界を救う。「食べる」ことをあらためて考える新しい食生活の本。1日500kclで仙人になれる。ダイエット本に見えるのが保険!
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力作ばかりですが、私が個人的に好きなのは、
「おじいちゃんは水戸黄門を見ない 〜3000万人の10兆円マーケット〜」
「だめなんだよ、その成功法は!」
かな。
ちなみに私個人もタイトルを考えました。
「マンガで読む 2ちゃんねる よのなか学
モナー博士とギコネコ教授のニューススレ解説」
田口さんの「90日で結婚する方法」の方が受けてましたかね?。
■楽屋裏より
今回も忘年会議に引き続き「面白かったよ」といってくださる方が何人もいて次回へのモチベーションが高まります。シリーズ化第1回ということもあり、まだまだ内容や進行上、至らない部分あるかと思いますが、主催者自身も皆さんのお力で、テーマ名のとおり「無敵化」したいと思います。ご意見よろしくお願いいたします。
途中私がしゃべり過ぎて時間延長の提案と参加者のご許可を頂き、エクステンデッドバージョンでお送りするハプニングはあったのですが、アジェンダ通りの内容をお話しすることができてほっとしました。予定外は、俺と100冊の成功本の聖幸さんの話が面白すぎて、私と田口さん負けそうだった上に、最後のジャケン大会で優勝し、自論の「ツキ」を実証して会場大爆笑だったこと、くらいです。
報告はまだ明日続きます。
2004年01月28日
話題の電子書籍端末ΣBook届きました!
明日のイベントで松下電器産業様からお借りした電子書籍端末のシグマブックが、オフィスに届きました。発売は2月20日。価格は37,900円とのことです。詳しくは、次のニュースが詳しいです。オフィシャルサイトではマルチメディア、3D技術を駆使したデモがあります。
・松下、電子ブック「ΣBook」を書店・ネットで発売
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/01/29/1921.html
・ΣBook(シグマブック)
http://www.sigmabook.jp/
早速、説明書を熟読。仕様は以下の通り。煙草の箱を横に置いて実物を写真に収めました。予想よりずっと、小さいです。
仕様:
液晶:7.2インチ液晶*2
1074ドット*768(XGA) 16階調グレースケール
開けた時の寸法:292 * 205 * 12.7 mm
閉じた時の寸法:154.5 * 205 * 25.4mm
重量:520グラム
特筆すべきは記録型液晶です。電源が切れても表示が残る液晶技術を使って、乾電池2本で3ヶ月も使えるのです。
肝心のコンテンツですが、上記のインプレスの報道によると、
「
同社が運営する「ΣBookサイト」「10DaysBook」で購入できる。当初のラインナップは、マンガ、小説、ビジネス書、実用書を中心に5,000点が用意され、書店店頭でコンテンツ購入が可能になるダウンロード端末の設置も検討されている
」
とのことでいきなり5000冊はすごいですね。
デモ機には、マンガや小説、地図と活用法の書が7冊入っています。
・サイボーグ009
・シティマップる
・1ダースチルドレン
・なつ祭り
・我輩は猫である
・黒
・ΣBookで行こう
インタフェースはシンプルさが気に入りました。モードが書籍を選択する「書棚」と、書籍を読む「書誌」の二つしかありませんが、これで十分です。開発コンセプトの明確さが伝わってきました。
1日使って、満足と不満のポイントを並べてみました。
【満足】
・見開き型ということで手にしっくりくる
・電池が3ヶ月切れない安心感
・絞り込まれたシンプルインタフェースは迷わず使える
・それほど重くない(調べてみましたがハードカバーの厚い本は500グラムを超えます。シグマブックならば500グラムで数十冊を持ち歩ける)
・質感。冷たくなく、スウェードのような表面の手触りは好感
【不満】
・期待していた検索機能がない(コンテンツを画像として扱うため)
・液晶コントラストが不明瞭
液晶については、やはり白は白、黒は黒ではっきりと表示されるといいと思いました。でも、これは技術革新ですぐに実現して、2,3年後にはカラー化されてしまうかもしれません。期待して待ちましょう。検索については規格のもとづくものですがユーザニーズは大きいですから、何らかの形で対応してくれることを望みます。
個人的にはこの端末、発売後に買ってしまうかもしれません。もし自分の作成したテキストを持ち歩けるユーティリティソフトがあれば、間違いなく買いです。
ソニーも対抗馬を準備しているようですから、かつてのVHS対ベータ規格のような熱い業界戦争が繰り広げられるのでしょうか。今年の後半が楽しみです。果たして今年は、電子書籍元年と呼ばれることができるでしょうか?
2004年01月27日
企画がスラスラ湧いてくる アイデアマラソン発想法
■17万6千個のアイデアを書いた超人の本
この本には「有効発想密度の法則」という言葉が出てくる。アイデア1000個のうち、現実に使えるアイデアは3個程度という意味で、よくマーケティングの世界で言う「千三つ」とほぼ同じである。このメソッドは、アイデアは数を出し続けることに意味があるという考え方に基づく。著者は毎日発想をノートに書くという作業を、1984年1月に開始して2003年11月末までの20年間で、276冊のノートに17万6000個以上の発想を記録しているという。
著者は1946年生まれで三井物産カトマンズ事務所長。バリバリのビジネスマンであり、書かれていることも学者、研究者のアカデミックな発想学とは一味もふた味も違う。ビジネスの現場と生活の中での実践的発想術として活き活きとしている。
・著者樋口健夫氏によるアイデアマラソンシステム(IMS)公式サイト
http://www.idea-marathon.net/ja/index.html
アイデアマラソンについて説明やFAQ、プレゼンテーション、著者の書籍の紹介などがある。
アイデアマラソンは、言ってしまえばただノートに毎日アイデアを綴るだけ、である。だが、それを毎日続けて何万件も蓄積することは普通は不可能だ。この本は、ビジネスシーンや生活シーンの中で著者が、どのようにモチベーションを高め、習慣化しているかのディティールと、このメソッドの広い効用が熱く語られる。著者はこの本の燃料を使えば一ヶ月は無着陸飛行ができるはずと書いている。読み終わってそれは強く感じた。メソッドは簡単でも、この本はスタートダッシュのブースターとして価値があると思う。
■アイデアを人に話す
アイデアマラソンのルールのひとつは「アイデアは人に話せ」。
ちょうど、そのくだりを読んでいる間に、パートナーの田口さんから、連絡が来た。「橋本さん、今度のイベントで、パナソニックさんが電子書籍のシグマブックのデモ機、貸してくれることになりました!」。え、発売前のあの話題の端末の実物が会場に出せるの?。イベントのひとつの売り物として参加者にも喜んでもらえる。とても嬉しかった。
・無敵会議 Σブックも登場だ!
http://www.project-on.com/archives/000386.html
・シグマブック関連過去記事:ブック革命―電子書籍が紙の本を超える日
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000837.html
田口さんに聞いてみると、パナソニックさんのこの部門と直接のつながりがあったわけではないらしい。たまたま、最近別件での訪問先で面識を作ったご担当者に、今回のイベントのアイデアをメールしてみたらしいのだ。これなどまさに、「アイデアは人に話せ」である。アイデアが拡張され、連鎖され、実現した良い例だなあと思った。
もうひとつ、私もこのイベントのアイデアを話した方がいる。いわゆる成功ノウハウ本を100冊読んで成功できるか検証するというサイトの主催者の方。面識はないが、あまりにユニークなサイトコンセプトに感動して、今回のイベントにきてお話いただけないか、一か八かでメールしてみた。
すると、こういう展開になった。
・俺と100冊の成功本
http://blog.zikokeihatu.com/archives/000105.html
イベントの内容にひとつ何か(私もうかがっていないので)楽しいことが加えていただけそうな気がしてワクワクしてきた。アイデアを人に話す目的は、言語化によりコンセプトを精緻化すること、他者の視点で正当性を検証評価してもらうこと、だけではないのだなと思った。アイデアを人に話すとコトが実現に近づくということなのではないかと思う。この本の著者もアイデアを話すことは「ツキ」を呼ぶと書かれていた。
■ネタ切れがアイデア発想のチャンス
特に感動したのが、ネタ切れこそチャンスと考える著者の言葉だ。20年間で17万件以上考えたアイデアの達人が言うのだから、励まされる。
ネタ切れと言えば、私にとって原稿が連想される。
このブログでも仕事の原稿執筆の仕事でも、連載は最初のうちは簡単である。蓄積したファーストアイデアの在庫があるから小出しに使う。小出しにする本当の理由は長期連載で何度も分けて使えるから、ではない。ファーストアイデアは思い入れが強いから、出し惜しみをしてしまうのだ。もったいぶってなかなか全部を使わない。
1000本以上、商業媒体で原稿を書いた自分の経験からすると、ネタを隠し持っている間は、次のアイデアはでてこないことが多い。使い切ってはじめて、次の、その次のアイデアが出てくる。これは私個人の特性なのかもしれないが、アタマのアイデア格納スペースはきっと有限なのだ。抱え込んだアイデアを表現して追い出さない限り、次のアイデアはでてこない。
そういう感覚を持っていたので、ネタ切れがチャンスという言葉は心に響いた。アイデアマラソンは、ノートに書くことで吐き出すという行為なのだ。この本には脳の学習や認知モデルの話はほとんど出てこないが、アイデア発想の大先輩の暗黙知に溢れている。
この本を半分まで読んだ時点で、別のコラムを書いた。ひとつのソースでアイデアを広げてみた。この話題にご関心のある方はこちらもどうぞ。
・パフォーマンスアートとしてのアイデアマン
http://sentan.nikkeibp.co.jp/mt/20040127-01.htm
2004年01月26日
快楽の脳科学〜「いい気持ち」はどこから生まれるか
疲れ、笑いと書評が続いて次、快楽です。情動と脳の仕組みに関心があって関連本を続けて読んでいます。
この本は、医学博士で理研にも在籍経験のある学者の書。およそ考えられる「気持ちいいこと」、「快楽」について語られている。
■管理職のサル
ここで紹介されている米国のジョー・ブレイディ博士の実験の紹介は面白い。
サルを椅子に座らせ、2頭並べて実験をする。どちらの目の前にもスイッチがあるが、一頭の前のスイッチは機能しないダミーである。ときどき不快な電気刺激がやってきて、本物のスイッチを押した方は、それを回避できる。ダミースイッチの前のサルは何をしてもだめである。
つまり、ここには二種類のサルがいる。
1 嫌な刺激を自分の力で回避できるサル
2 嫌な刺激を他人任せにするしかないサル
会社で例えると、前者は言わば「管理職」のサル。後者は「平社員」のサルとみなすことができる。
どちらがストレスを強く感じたかを計測すると、「管理職」の方が強くストレスを感じるという。サルの管理職は完璧な仕事をするストレスにやられてしまうのだ。逆に、完璧な仕事をする知能のないラットで同じ実験をすると、「平社員」にストレスがかかるという。有能な管理職はストレスが高い。無能な管理職の下の平社員はストレスが高い。世の中の構図そのものになってしまった。
心理学の世界ではこれらの実験の積み重ねから、「予測できないこと」「対処できないこと」がストレスの主因であると考えられるようになったという。
■低次脳と高次脳のはたらきの統合
一般的に脳科学の世界では、快楽は報酬系と結びつけて考えられがちである。有名なパブロフのイヌの実験のように、餌と刺激の関係を学習し行動に反映させるような考え方だ。この本も前半は、そのような報酬系の基本原理から始まる。
報酬系の考え方では、生存確率を高めるような行動が「快楽」に対応している。栄養価の高いものを食べること、社会関係の中で認められること、気持ちの良い環境で過ごすこと、魅力的な異性と性関係を持つこと、など。快楽を得て、その行動を繰り返したいと思うおかげで、動物は生存や繁殖の確率を高めている。そういう古典的な考え方だ。
しかし、著者は、ヒトを報酬系による単純なシステムとはみなしていない。単純な報酬系では説明できない実験データや、最新の脳科学の研究で分かってきた事柄が次々に論じられる。現代的テーマが多数織り込まれているのが、専門家でない読者としては興味深かった。クスリやゲーム、過食、性的倒錯、暴力などへの依存、幻聴や統合失調症など分かりやすい事例満載。
著者の文章を引用すると、
「
私たちはこれまで「自分」という自我の主人公で、それが脳の各部に命令を出して、全身を統率しているのだと考えてきたが、本当はそうではないかも知れない。食欲や性欲の中にも「自分」が散在し、それぞれがそれなりに自己主張しているように思われる
」
低次の情報処理を行う動物的な脳と、高次の処理を行うヒト的な脳は複雑に相互作用していて、快楽や感情は、その織り成す綾なのだ、という議論が説得力を持って展開される。
特に後半は、精神の正常や異常を分ける現代精神医学への批判や、それを個性とみなして受け入れることで、実現できる豊かな社会へのビジョン提言など、脳科学、精神医学の範囲を超えた著者の深い洞察と哲学が語られて、深く感動してしまった。
一般向けに感情や快楽と脳の関係を語った名著。
■インターネットの快楽
この本にもほんの1行、インターネット依存症についても触れられていた。著者は「本気にしていない」らしいのだが、参照されたのはこの2003年の論文だ。
・Internet over-users' psychological profiles: a behavior sampling analysis on internet addiction.Whang LS, Lee S, Chang G.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=12804026&dopt=Abstract&itool=iconabstr
韓国で13,588人のユーザを調べたところ、3.5%が「インターネット依存症」で 18.4%が潜在的な依存症であると診断できるらしい。基準はともかくとして、精神的にインターネットによるつながり感が生活に欠くべからざるものとなった人が増えているのは間違いないだろう。
私はブログ依存症になっているような気がしている。情報をオンラインで発信することが快楽になっている。アクセス数が増えたり、読者から良い反応がもらえると嬉しくて、多忙な時期でも時間をなんとかとって書こうとする。仕事に支障がでないように、通勤時間と帰宅後しかブログの記事を書かないとルールは作り守っている。が、ぼうっとしていると脳はついついブログのネタを考えてしまう。
当初はブログが仕事の邪魔をしないように気をつけようと考えていたが、最近では、ブログを仕事と統合して折り合いをつけようとしている。コンサルタントという仕事柄、それは不可能ではないように思う今日この頃である。
正常と異常は多様性とみるこの著者の意見と同じように、結局、この依存症を正とするか負とするか、考え方次第の気がする。ああ、今日も快楽に負けて記事を書いてしまったのはダメな私なのだろうか?。
・あなたも「インターネット依存症」かも?
http://japan.internet.com/busnews/20031202/7.html
・米国のインターネット依存症の権威による治療サイト
http://netaddiction.com/index.html
2004年01月25日
もっと笑うためのユーモア学入門
■世界一面白いジョークの可能性
テレビ番組「あいのり」を見ていたら、スリランカを一行は訪問中で、悪魔祓いの祭りのシーンがでてきた。悪魔にツッコミを入れて笑わせることで、厄払いを行うらしい。昔、本でこの風習は読んだことがあった。神様や悪魔にもボケとツッコミ関係はあるのだ。
笑いが神事に登場する例は古今東西に多々ある。日本神話にも、アマテラスが天岩戸に隠れたとき、アメノウズメら八百万の神々が宴を開いた。岩戸の前で、ストリップショーや、どんちゃん騒ぎを行い、笑いでアマテラスを外へ誘い出した。笑いは秩序を取り戻す役割を果たしている。
これほど世界に共通で重要な社会的役割も果たしている笑いであるが、国や文化、時代が違うと同じユーモアを笑うことは難しい。映画でも小説でも、海外の悲劇作品には泣けるが、喜劇は笑えないことが多い。大衆演劇に始まった歌舞伎や、格調高く感じられるシェークスピアの古典喜劇も、恐らく当時の聴衆は心から笑ったに違いないが、今はそれほどでもない。
関東と関西のお笑い文化もやはり違う。年齢によっても違う。こどもをあやす口調で「いないいないバア」とやっても、笑う大人はいない。同じ社会人でも、職場の笑いというのもある。「部長の口癖のモノマネ」など、部署が違えばまるで笑えない。
それほどまでに、笑いは高度化、細分化されている。世界中が涙を流す悲劇はできても、世界中を大笑いさせる喜劇を作ることの方が難しそうだ。英国の心理学者が、オンライン投票で世界一面白いジョークを決定したというニュースがある。
・LaughLab was a huge scientific experiment to discover the world's funniest joke.
http://www.laughlab.co.uk/winner.html
・「世界で最もおもしろいジョーク」のオンライン調査結果発表
http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20021004207.html
ここに邦訳がある。
「米ニュージャージー州のハンター2人が狩りに出た。1人が木から落ちてしまった。仰天した連れのハンターが携帯電話で『息がない』と緊急通報した。救急隊のオペレーターが『落ち着いて。大丈夫。まず死んでるのか確かめなさい』と声をかける。一瞬の静寂後、オペレーターの耳に1発の銃声。続いて、『死んでる。これからどうしたらいいの?』というハンターの声が響いた」
面白いかもしれないが、「世界一」とは誰も納得しないのではあるまいか。
■ユーモアの効用と分類
この本では、プラトン、アリストテレス、ニーチェ、ベルグソン、フロイトといった哲学者、心理学者のユーモア論が次々に紹介される。ちなみにユーモアは18世紀に始まる言葉で、語源は「体液」だそうだ。当時、医学の世界に体液学説という概念が重要視されており、血液、粘液、胆汁、黒胆汁の4つの体液バランスによって人間の気質が変化すると考えられていた。だから、体液(ユーモア)に変化を与えて人を笑わすという意味から、「ユーモア」という言葉が発生したらしい。
ユーモア、笑いにはいろいろな効用があると著者は分類している。
1 笑いの生理的効用
ユーモア療法のはじまり・笑いは百薬の長
2 笑いの心理的効用
気分がよくなる・緊張の緩和・カタルシス・抑圧された欲望の解放・自己防衛機能
3 笑いの社会的効用
笑いとコミュニケーション・集団凝集性と排除作用・社会化と社会統制・攻撃性と笑い・風刺と社会批判
人はくすぐられて笑うし、エレベータで見知らぬ人と目が合っても笑う。悲しくても笑う。赤ちゃんの新生児微笑という本能的な笑いまである。この本では、主に愉快な笑いを分析しており、「感覚」、「感情」、「知性」の3つの次元と、単純に愉快で笑う「満足の笑い」と撹乱や、パニック、ズレによる苦笑系の「カオス的笑い」の2系統があると分けている。
| 次元|系統 | 満足の笑い | カオス的笑い |
| 知性 | 知的満足の笑い | ユーモラスな笑い |
| 感情 | 感情的満足の笑い | 苦笑 |
| 感覚 | 感覚的満足の笑い | イリンクス笑い |
笑いは、心身の病気を治し、社会的対立を緩和する。著者はユーモアを理解する「カオス型」人間が増えることが、世界の平和や発展に寄与するのだと強く信じてユーモア研究とその成果の啓蒙に取り組んでいるらしい。真面目に笑いを研究する本。
・国際ユーモア学会
http://www.edu.kutc.kansai-u.ac.jp/ISHS2000/
2000年の時点で世界30カ国、1000人以上の研究者が所属しているれっきとした学会。この本の著者も所属する。
■オンラインで伝播する笑い
数年前に流行した、いわゆるチェーンメールで、かなり可笑しかったものを受け取った記憶があった。どこかに全文がないかなと、Webを検索していたら見つかった。長いけれど引用させてもらうと(面白くても他人にメールしてはいけません)。
・連鎖メール情報流通拡散防止プロジェクト実験推進協議会(C3M)
http://www.kurata.to/cgi-bin/chain_amigodb/database.cgi?cmd=s&sc=allindex
より。
「
この文章は、東芝、NEC、富士通、松下、日立造船、NTT、IDC等を回って来たメールだそうです。だれしも、このメールを仕事中に読んで、大笑いをして、周りの人に変に思われたとのことです。
このメールを受け取った女性は、このメールを知人に出して、回り回って、また、自分の所に戻ってくると、めでたくお嫁にいけるという事で、幸福のメールと呼ばれているそうです。(ほんまかいな。)
では、始まり、始まり...。
先日、ぼくが友達とファミコンをしていると 通りかかった母が、「おまえたちはいいねぇ、毎日がエブリデイで」と言った。母はいったい何がいいたかったのだろぅ・・・・
家族揃って夕食をとっているとき、何かの拍子に怒った父が、「誰のおかげでメシが食えると思ってるんだ」と言おうとして、「誰のためにメシ食ってんだ!」と怒鳴った。私と姉は「自分のためだよ」と答えた。
夫婦ゲンカのとき、父が母に「バカモノ!」と言うのを、間違って、「バケモノ!」と怒鳴ってしまった。ケンカはさらにひどくなった。
うちの母は、頭が痛くなると氷でおでこを冷やします。先日も夜中にかなり痛みがひどくなり、暗闇の中をフラフラしながら台所へ。冷凍庫から、あらかじめビニール袋に入れてある氷を取り出して、おでこにのせて眠りました・・・。翌朝、目が覚めてみると、母の枕元には解凍されたイカが転がっていました。
甘味屋さんで、母は田舎汁粉を、私は御膳汁粉を頼みました。店員さんが、「田舎はどちらですか?」と聞いたら、母はとっさに、「はい、新潟です」と答えてしまいました。
先日、父は、男にフラれて落ち込んでいた姉をなぐさめようとして、「おまえ、人間は顔じゃないぞ」と言うところを、「おまえの顔は人間じゃないぞ」と言ってしまった。
妹が夕食にスパゲティを作ってくれることになりました。妹は、「今日はカルボナーラを作るね」と母に言っていました。夕方、私が外から帰ると母が、「もうすぐボラギノールができるってよ」と言いました。ソレって痔の薬じゃ‥‥‥?
エアロビクスを習いに外出していた私に、友達から電話がありました。横文字に弱い母は何を思ったのか、「娘はアクロバットに行っています」と答えたそうだ。
弟は、誰に似たのかとても勉強ができる。それで、高校1年生のとき、アメリカに留学することになった。そのとき、母は親戚や近所の人に、「うちの息子をアメリカにホームレスにやるんですよ」と言って、自慢して歩いていた。ホームステイとホームレスを間違えていたのである。
先日、プロ野球ニュースを見ていたときのこと。「ヤクルトのルーキー、伊東」と聞いて、母は、「日本人ぽい人ネ」と言った。
私の母は62歳。記憶力が悪いからと、キャッシュカードの裏に黒のマジックで大きく、その暗証番号を書いている。
先日、父はメガネを作りに行った際、「無色ですか?」と店員にレンズの色を聞かれると、何を勘違いしたのか、「いえ、銀行員です」と、自分の職業を答えていた。
うちの父は、沖縄に向かう飛行機の中でエラソ〜に、「沖縄は島全体が『さんしょううお』なんだぞ!」と言った。それを言うなら、サンゴ礁だろ!!
」
これは結構、面白いのではないか?特に真面目にパソコンで仕事をしているときに開封すると、ふきだしてしまう人が多いのではないだろうか。この面白さのせいでチェーンメールも爆発してしまったようだ。
システムを麻痺させるチェーンメールはいけないが、笑いの効用は著者も述べているように人や世界を救うものである。ユーモアの伝播性を伴ったメッセージなら、たまにはネットに増殖しても許せそうな気もする。
2004年01月24日
デスクトップの生産性を5%高めるツール
革命的に便利ではなく、毎日使うわけでもないのだけれど、面倒な作業プロセスを確実に短縮してくれるツールを3本。作業効率が5%は確実に高まること間違いなし。
・PractiSearch 選択文字列をキーボードでGoogle検索
http://www.practisearch.com/
PractiSearchは、常駐型の検索支援ソフト。あらゆるアプリケーションで、選択中の文字列を、指定したホットキー(例:CTRL+C、C)を押すことでGoogle検索する。ニュースを読んだり原稿を書きながら、気になる言葉を左手のキーボード操作で検索できるので便利。似たものにTCPIQ( http://www.tcpiq.com/tcpiq/Free/Default.asp )というクリップボードに入っている言葉を検索するツールがある。
・ClipFan テキスト変換作業をクリップボード内で一発処理
http://www.vector.co.jp/magazine/softnews/040124/n0401243.html

単純な変換作業がクリエイティブな作業を中断してしまうことがある。このソフトはクリップボード内のテキストに対して以下の処理を行う。「かな・カナ変換」「小文字・大文字変換」「漢数字変換」「ローマ字変換」「文字列置換」「空白削除」「連番挿入」など、文字列の編集機能が十数種類。「行挿入」「行ソート」「行順反転」「連番挿入」「同一行除去」。原稿の文字数チェックもできる。これで面倒な単純作業も手軽に可能に。
・椿 -list editor- 表形式データ処理をEXCEL起動せずに手早く処理
http://hp.vector.co.jp/authors/VA015850/software/camellia.html
ExcelやCSV形式のデータを加工したいときに手早く変換、修正ができる。Excelを立ち上げるまでもなく、Web上の表形式データやCSVデータを加工できるのが便利。読み込み可能な形式は CSV、TSV、RSV。書き出し可能な形式は CSV、TSV、RSV、HTML、LaTeX、Text。このブログで簡単な表を入れたいときにも使用。
こういう5%生産性を高めるツール、皆さんもご存知でしたら教えてください。
2004年01月23日
人はどうして疲れるのか
タイトルを見て「え?身体の中の乳酸が増えるからでしょう?」と保健の時間に習った知識でツッコミを入れながら書店の棚から取り上げて、中身を確認。どうやらもっと突っ込んだ話が一般向けに書いてある。著者は、医学博士で自由時間デザイン協会理事、日本ストレスマネジメント研究会会長。
この本を読んでの私の結論は疲れるのは自然なことだから、疲れたら休もう、ということ。そういうことが疲れの計量化や、癒しと複雑系(ゆらぎ)、体内リズムなどのテーマを織り込みながら科学的に書いてある。意外にも疲れの正体はこの物質と特定できてはいないらしい。こころとからだの疲れも別々ではなく影響しあっている。
エネルギー代謝率という観点から、何をするとエネルギーをたくさん使うかの数字が面白い。エネルギー代謝率={(作業時の消費エネルギー)−(安静時の消費エネルギー)}÷基礎代謝量。この計算では体の大きさの違いは無視してよい。
読書 0.1 ふとん上げ 4.3
裁縫 0.3 ふとん敷き 5.3
身支度 0.4 徒歩1分40m 1.5
食事 0.4 1分60m 1.8
通勤徒歩 3.0 1分80m 2.8
乗車 1.0 1分100m 4.7
電気ミシンかけ 0.6 1分150m 8.0
入浴 0.7 子供を抱く 0.4
タイプライター 1.4 子供を抱いて歩く2.1
炊事 1.5 階段上り 11.0
洗濯 1.4〜1.5 階段下り 3.5
この表を活用して、最も疲れない生活ができそうだ(ほんとか?)
また、消費カロリーで計算した場合は、安静時は72カロリー、筋作業時216カロリーで6倍。心臓だけで見ると安静時3.16、筋作業時9.6で約3倍違う。ところが脳は安静時2.16、筋作業時2.4でほとんど変化がない。その他の臓器の数字も併せてこの本では紹介されている。
後半では有効な疲労回復法が語られており、実用的である。結局、生きていれば必ず疲れるし、疲れないと働きすぎて身体を壊す。疲れの効用としてプラスに捉える考え方もあることを知った。
結局、この本を一言でまとめると「疲れたら休め」なのでないか?
疲れたら休め。我ながらこのまとめ方は、当たり前すぎる。当たり前でない人の話をして今日の記事を終える。
■疲れを知らない男から聞いたノウハウ3つ。
疲れを知らないといえば、私が最初に思い浮かべるのが何度もハードスケジュールで取材旅行したビデオジャーナリスト神田敏晶氏。長期間行動を共にした経験から、この人は24時間大ハッスル(死語)状態ということも確認した。精神的に落ち込むときを除いて、バイタリティの塊みたいな人である。今も一ヶ月ピースボートに乗ってインドに降りて、来週頃バグダッドを目指しているはずだ。
・KNN
http://www.knn.com/
神田さんから学んだこと。
ノウハウ1 寝る前に時計を見るな
「
橋本君、寝る前に時計を見ないことだよ。起きたときに時刻を見て睡眠時間を確認した時、短いとよく眠れなかった気がするじゃない?。寝る前に時刻をみないで、いつも「あーよくねた」といって起きればいいんだよ
」
無茶かもしれないが合理的かもしれない。
ノウハウ2 飛行機は乗ったら跳ぶ前に寝ろ
神田さんは米国との往復の飛行機に乗ると離陸前に寝てしまうことが多い。飛行中は寝ている。飛行中は耳が痛くなるからという理由もあるらしいのだが、これによって睡眠時間を調整し、時差ぼけを回避できている。
ノウハウ3 マラソンで最初に飛ばせ?(ノウハウでないかもしれない)
神田さんは琵琶湖マラソンやらホノルルマラソンに参加したことがある。トライアスロンもやっているはずである。テレビ中継されるマラソンに参加した際、スタートダッシュすることでしばらくの間、先頭ランナーとしてテレビに映像化されたことを自慢していた。彼の目的は参加することではなく、テレビに映ることだった。スタートダッシュを使うことで、完走できたかどうか聞かなかったけれど、目的を達成してしまった。
2004年01月22日
究極の一冊を教えあう、超『本』格会議!
150人の方々にご参加いただき感激した忘年会議。橋本&田口のコンビは調子に乗って、毎月テーマを変えて開催を企みました。前回では、究極のWebサイトを持ち寄り知識の交換をしましたが、今回はテーマはずばり本。究極の一冊ネタで盛り上がりませんか?
このシリーズは、参加者の皆さんの知識を結集して無敵のビジネスパースン、無敵の生活者を目指しましょうという、趣旨で、「無敵会議」シリーズと名づけました。1月はその第一回です。少し日程が急になってしまいまして恐縮ですが、ご満足いただけるような共創の場をプロデュースできるよう頑張りますのでぜひご来場を!
超 『本』 格 会 議 実 行 委 員 会
究極の一冊を教えあう、超『本』格会議!
〜 書籍のビジネス活用ノウハウで2004年も完全武装 〜
http://www.project-on.com/
![]()
2004/01/29(木) 19:40-22:00
日本では年間8万冊近い新刊本が出版されています。なかなか読みきれません。
ただ、読書で得られる知識は無限の可能性があります。
最近、Webやメールマガジンといったネットの情報への依存度が高まる中、紙
の本の情報はビジネスや生活で、同僚や友人に大きく差をつけるポイントになっ
てきているなと思うのです。
そ・こ・で、私たちは考えました。
「ひとりの力は小さいけれど無数の本好きの人たちの知識を結集すれば!」
あなたの究極の一冊は何という本ですか?
明日、世界が終わるとして、もう一度読み返したい一冊。ビジネスで役立った
あの一冊。「コレで私、会社を辞めました」な一冊。この本があったから納期
に間に合った一冊。一儲けさせてもらった一冊。無人島へもって行きたい一冊。
重要なのは究極に絞り込んだ、ただ一冊。それを簡単な理由付で教えてくださ
い。みんなで、そのベスト本情報を交換しましょう。参加者が50人いれば、一
夜で究極の50冊を知ることができるのです。
■ 実施要綱
日時 2004年01月29日(金) 19:40-22:00(19:30受付開始)
場所 デジタルハリウッド渋谷校
〒150-0042 東京都渋谷区道玄坂2-25-12 道玄坂カブトビル4F
(地図)
費用 3,000円(税込、当日現金払)
定員 50名(先着順)
持ち物 筆記用具
主催 橋本大也(Passion for the Future)
百式管理人(百式)
協賛 デジタルハリウッド株式会社
■ 参加の方法
これは会議です。全員参加です。参加するには、あなたの究極の一冊とその理
由を教えてください。
どんな意味で究極というと、例えば、
・人生観を変えた一冊
・あなたの行動を変えた一冊
・無人島に持って行きたい一冊
・これで儲かった一冊
・これでモテまくった一冊
そんな自由な意味での究極です。そして理由を一言お願いします。思い入れこ
そ大切です。内容の解説よりも、他の人にお薦めする文章がベストです。
参加者の皆さんには当日投稿結果を印刷して配布させていただきます。
また、投稿だけの参加も可能です。投稿していただいた方全員に、後日「超本
格会議、あなたを変える究極の一冊!(要約版)」を配布いたします。
■ プログラム
第一部 フリートーク (60分)
巷の速読メソッド徹底解剖。本当に3倍速く読めるのか?体験と比較分析(橋本)
本探しの7つ道具。書店で、ネットで、上手に探す方法とツール
読書術と一口に言いましても十口くらい言わせて。本を理解し、使って、稼ぐ術。
洋書で読み解く海外動向。次はこれが日本上陸と独断予報を3連発(田口)
本を書きたい、雑誌に書きたい、儲かるの?ライター仕事の裏側お見せします
電子書籍がブレイク?するかしないか大検証。先端技術、ビジネスをピックアップ
第ニ部 超本格会議 (30分)
会議のファシリテーション技術を使ったインタラクティブセッション。グループに分かれてあるテーマについて議論していただきます。テーマは当日発表します。
第三部 結果発表 (30分)
会議内容の発表
橋本、田口が参加者投稿から選ぶ独断と偏見の『究極の究極のベスト本』
第四部 名刺交換と交流会
名刺とそれ以外のあらゆるものを交換。
■ 投稿・お申込みはこちらから
会議への参加お申込み、究極本の投稿は下からどうぞ。
・参加お申込み、投稿受付
http://www.project-on.com/detail.html
■ お問合せ
このイベントに関するお問合せ、取材のお申込みは info@project-on.com ま
でお願いいたします。
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超 本 格 会 議 実 行 委 員 会
http://www.project-on.com/
info@project-on.com
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2004年01月21日
百式2冊同時出版と管理人への7つの質問
百式2冊同時出版と管理人への7つの質問
■百式発の2冊同時出版、2月3日発売、予約開始
2月4日に友人であり、仕事のパートナーであり、ライバルの百式田口さんが書籍を2冊出版する。説明不要と思いつつ、説明すると、百式はドットコムのドメイン名を持つWebサイトを、田口さんの独自の発想の切り口で、土日も休むことなく一つずつ紹介しているサイトである。ちなみに百式は100の様式、さまざまなスタイルという意味らしい(ガンダムのネタではないのだ)。
校正前の原稿をちょっと見せてよと頼んだら、気前よく全部読ませてくれた。感謝。
・百式本特設サイト
http://book.100shiki.com/index.html
1冊目は、アイデア×アイデア

「
『アイデア×アイデア』のご紹介
あの『百式』が本になりました!
海外のビジネスアイデアを紹介する人気サイト『百式』から100例を厳選して掲載。奇抜なアイデアから、なるほど!と小膝を叩く絶妙なアイデアまで。やっぱり海外の発想はおもしろい!
人とは違った発想は、人とは違った情報源から。海外のユニークな事例を読みこなして他の人と差をつけよう!
」
という宣伝文。
百式サイトで紹介された厳選サイトが書き下ろしの解説と発想、図解と共に100連発。毎日Web版をマニアックにチェックしている人にも売れるように、付加価値がつくように念入りに設計されている。感想としては、百式Pro版。ビジネスのマーケティングに使えそうな話題が満載。身近に著者がいる私でも買いの判断。
2冊目は「起業・企画・営業・雑談のネタは日常の諦めている不便利から」。長いタイトル。

「
『起業・企画・営業・雑談のネタは日常の諦めている不便利から』のご紹介
あの『百式』の人気コーナーが本になりました!
海外のビジネスアイデアを紹介するサイト『百式』の人気コーナー、『起業のネタは諦めている不便利から』に寄せられた投稿から150のアイデアを一挙掲載。
世の中の人は何を欲しているのか?何に不便を感じているのか?全国から寄せられた生の声にそのヒントがある。ビジネスの企画からデートの話題まで。あなたをクリエイティブな人にするアイデアがここにある!
」
こちらは読者投稿の諦めている不便利に大して田口さんが、ビジネスも意識した提案コメントをびっしり書き込んだ本。仕事のネタ帳としてコンサルタントの虎の巻になりそう。面白い。こういう濃い投稿者がたくさんいるサイトってどう作っているのだろう?
というわけで、友人ということもあることを差し引いても、両者読み応えのある推薦できる本であると思います。
さて、毎日サイトを更新しながら全国を飛び回る生活の田口さん、どうやると2冊も本を書く時間があったの?といった湧き上がる疑問を7つにまとめて投げかけてみました。
■百式管理人への7つの質問
Q:ドットコムばかり毎日みていて飽きませんか?
---------------------------------------------------------------------
飽きないですね・・・毎朝5時とか6時とかに起きてネットサーフィンをするのですが、毎朝一つは「うーむ!」と唸ってしまうドットコムがあります。ビジネス的には「?」でもそこはそれ、発想として「ありえない!」と思えるものばかりです。
毎朝頭の中に変な液体注入してもらうような気分です(そんなことされたことないけど)。目が覚めます。
Q: 百式ではまだとりあげていない、最近気になるサイトを一つ教えてください。
---------------------------------------------------------------------
毎朝ネットサーフィンをしていると、ドットコムじゃないけれど、これは是非みんなに教えたい!というサイトによく出くわします。最近一番よかったのは、下のサイト。
・2004年
http://www.panoramas.dk/fullscreen3/f1.html
今年のNew Year's Day、ニューヨークのタイムズスクエアをパノラマ画像と雰囲気のある音楽で。こういうのいいですよね。
あとは真面目にビジネス、ということだったら、
・Tickle
http://web.tickle.com/
ですね。ここではいわゆる性格診断を有料で行っているのですが(無料のもあります)、すでに1800万人の会員がいて、利益を出しているというからすごいです。ここが注目したのは「自分の性格診断結果は人に転送したくなる」という心理です。これって経験ありますよね。「僕はこうだったけど、お前はどう?」というメールです。これによって口コミをひろめ、一大メディアに育てたのがTickleなのです。
Q:無人島に持って行きたいサイトはありますか?
---------------------------------------------------------------------
無人島で毎日見れるサイトが一つだけあるとしたら、というご質問でしたら下のサイトですね。
・AlwaysOn
http://www.alwayson-network.com/
業界の動向が地道に集められているので参考になる記事ばかり。特にRafeさんという人のファンですね。彼はRed Herring、Business2.0と渡り歩いている人で、かなりの業界通です。
・Rafeさんのコラム
http://www.alwayson-network.com/blogtopics/index.php?id=22
Q:情報収集したデータ、発想はどのように保存、知識ベース化していますか?
---------------------------------------------------------------------
情報収集(=毎日のネットサーフィン)で見つけたサイトは、自分宛にメモ書きとともにメールして保存しておきます。その際に役立つツールはこれです。
ZakuCopy
http://a-h.parfe.jp/zakucopy/zakucopy.html
ブラウザから右コピーで、今見ているサイトのタイトル、URLをメールに転送してくれる。
その後、なにか書きとめておきたいメッセージがあればWikiに書いておきます。Wiki、知らない人が多いのが不思議ですよね。
・PukiWiki
http://www.pukiwiki.org/
ウェブ上でページを更新していくことのできるツール。コメントを追加していく掲示板と違い、一つの文書の精度を編集することでどんどんあげていくことができる。FAQや辞書など、追加するのではなくて更新するようなコンテンツには最適。
Q:百式1日分の記事作成に費やす時間は?
---------------------------------------------------------------------
「ネタ探し」としてのネットサーフィンにだいたい45分。記事を書くのはだいたい15分ぐらいですかね。最速で7分ぐらいでかけます。調子が悪くても30分ぐらいですね。
(これは本当です。彼が目の前で書くのは何度か見た:橋本)
Q:面白いWebをみつける「てがかり」はなんですか?
---------------------------------------------------------------------
「面白い=人と違う」と思っています。そう考えるとやはり海外の人のコラムやサイトを見るのが一番ですね。日本人にとっておもしろいものがたくさんあります。海外の情報に定期的に触れるのがコツだと思います。そういった意味では『アイデア×アイデア』おすすめですよ(宣伝)。
Q:ここに手持ちの有り金全額投資しちゃうぞというドットコム教えてください
---------------------------------------------------------------------
というのは冗談として、
でしょうか。日本にもある郵送DVDレンタルですが、こうした「生活習慣を変えてしまう」サービスは素晴らしいですよね。特に企業名が動詞名になるような企業は全部好きです。「これ、FedExしておいて!」とか、ですね。
2004年01月20日
・サブリミナル・マインド―潜在的人間観のゆくえ
百式田口さんに教わったWeb上の手品のサイト。今日のテーマと微妙に関係あり。
・Pick A Card(オモシロイのでとりあえずクリックをおすすめ)
http://www.caveofmagic.com/pickcrd1.htm
5枚のトランプのカードが提示されるので1枚を選ぶ。そして、選んだカードを強く念じてクリックしていくと、あら不思議!というもの。
潜在意識への働きかけ、サブリミナル効果をうまく使った手品だと思う。
■潜在意識が意思決定に大きく影響している
著者はカリフォルニア工科大学生物学部教授。1999年、『〈意識〉とは何だろうか――脳の来歴、知覚の錯誤』(講談社現代新書1439、講談社、1999/02)によりサントリー学芸賞思想・歴史部門を受賞。
純粋に、映画「RAMPO」などで話題になったサブリミナル効果についての本かと思って読み始めた。漫画風イラストが随所に挿入されていたりして、マーケティングや感性評価の軽めの話題なのかとパラパラめくった段階ではあたりをつけていた。
違った。
読み進むにつれ、認知心理学、社会心理学、発達心理学、脳科学、そして哲学を学際的に横断し、サブタイトルにある「潜在的人間観」を描き出そうとする哲学書なのだと納得した。講義録形式で、第一講から第九講まで、緻密に構成が練られている。各講の情報量がかなり多い。若干の消化不良を起こしつつも、知的好奇心を刺激され、次の講義で論が進んで分かったりもする。こんな講義を実際に受けてみたい。
トビラの解説を引用すると、「人は自分で考えているほど、自分の心の動きをわかっていない。人はしばしば自覚がないままに意思決定をし、自分の取った行動の本当の理由には気がつかないでいるのだ」ということを、科学的根拠や事例を多数参照しながら語る本。
■見えなくても見えている
米国の心理学者ザイオンスの有名な単純接触効果の実験。これはマーケティングの世界でも良く知られている。人はその接触内容とは無関係に、会えば会うほど、親しみや好感度を高めていく効果のことだ。だから選挙宣伝でポスターを貼りまくったり、名前を連呼するというのは、一見、無駄のようでありながら、有権者の意識へ働きかける知恵である。繰り返し同じコマーシャルを消費者に短期間に見せるのも効果がある。知っているものは確率論的には親近感が沸き、好きになる場合が多いのだ。
この本では学者ボーンシュタインの実験紹介でさらにこの説が詳しく解説される。最初500ミリ秒という短時間、ある図形を被験者に見せる。この時間であれば見たことが分かる。時間を少しずつ短くする。最終的には5ミリ秒という知覚が不可能な一瞬だけ、図形を呈示する。その後、図形に対する好感度を試験すると、知覚できていないはずの時間の図形に対する好感度も上がっているのだ。見覚えはないが、なんとなく見知っている気がする、好感を持つという結果が出るそうだ。
その他無数に、見えなくても記憶しているという実験例、臨床例がこれでもかといわんばかりに登場する。盲目なのに見えているように振舞える盲目視の謎の解明など、人間の感覚と意識は思ったより大きくずれていて、そのずれは意識できていないことが分かる。
■首無し鶏マイク、身体に分散した記憶の謎
この本に紹介される断頭実験による研究は残酷で気分は良くないのだが脳にすべての思考や知識があるわけではないことの証明として、興味深くはある。ゴキブリやカエルに電気刺激を使った学習を行った後、頭部を切断して刺激を与えると、学習した動きを再現し続けるという。微妙な判断もするらしい。イヌのような高等動物の例も出ていた。一般にはかなり知的な学習内容と思えることも、学習を記憶しているかのように身体が振舞える。
この話を聞いて昨年見たテレビの内容を思い出した。英語の熟語で「running around like a headless chicken」というのがある。首のないニワトリのように走り回る。ものすごく忙しいという意味だが、これに似た実話があるのだ。
首を切られた鶏が18ヶ月もの間普通に生きていたという話。しかも育ったのだ。
・Mike The Headless Chicken
http://home.nycap.rr.com/useless/headless_chicken/
・奇跡の首無し鶏 マイクの残したもの
http://x51.org/archives/000454.php
X51.orgより引用
「
反射作用の大分部を司る脳幹が依然マイクの体内に残存していたために、マイクは至って健康なままであったという。そしてその後マイクは18ヶ月に及び生き続け、「驚異の首無し鶏」としてその奇跡的な生涯を全うすることになるのである(首を切られた当時2ポンド程だったその体はその後8ポンドになるまで成長したという。)。
」
私たちは自分の行動を、自分の脳で考えて決めていると思いがちだけれど、身体(末梢神経レベル)でも記憶し、ある程度インテリジェントに動作を行うことができるということが分かる。
この本では投げられた速いボールを咄嗟に受けとめた人に「今どちらからボールが飛んできました?」と聞くと方向を間違うことがあるという事例が紹介されている。行動した後に自分の体位から、方向を大まかに判断していたりする。サブリミナルCMによる好感度評価と同様に、咄嗟の行動も意識がベースになっていないのだ。
■サブリミナルな新しい人間観
視覚に一瞬入っただけで、見た記憶はないもの。憶えていないけれど昔に通り過ぎたもの。そういう意識にのぼらないものに、人間の意思決定が大きく依存していることが、この本を読めば読むほど分かってくる。
後半では、裁判における意識的判断と犯罪の量刑(例えば末必の故意の問題)という観点から、現代社会が人間のサブリミナルをどう捉えているか、という問題。そして、動物が過密に増えた場合の個体数調整の現象(自殺や子殺し、不妊や同性愛の増加)を人類の都市の人口現象になぞらえる話など、社会学、自然科学などを総動員して、人間存在の根源へと切り込んで行く。スリリングな展開。
恐らく著者は最終章で語るサブリミナルな新しい人間観という哲学を語るために、すべての章を書き下ろしていたのだと最後に分かった。終章のまとめ方は秀逸。
なにかいい方向にこの研究がITにも使われるといいなと思う。毎日ニュースを読んでいるだけでモチベーションが上がるポータルとか、仕事が好きになるメールソフトとか、自然に技能が向上してしまうデスクトップとか。
参考URL:
・PositiveNews
http://www.positivenews.org.uk/mainframeset.html
ポジティブな内容のニュースだけの新聞社。
サブリミナルとはちょっと違うか。
#最初のトランプ手品のネタバレはこのブログのコメントに分かっても書かないでくださいねえ。
2004年01月19日
オンラインコミュニティの3つのややこしい問題の浅い考察
オンラインコミュニティの3つのややこしい問題の浅い考察
風邪でダウン。頭が回らないので、まとまったことは書けない日。いつもと文体を変えて、ですます調で書いてみます。
最近、はまってしまったオンラインコミュニティにおけるディスカッションに3つのテーマがあります。「口にできないこと」「儀礼的無関心」「ツッコミビリティ」という話題。どれもオンラインならではの要素が強く、従来のコミュニケーション理論の概念ではこれだと言い切れない、新しい要素を含んでいるような気がします。
自分の考えていることを世の中に向けて書くという行為は、その意味を一旦考え始めてしまうと、いろいろと、ややこしい諸問題を内に含んでいるなあとは感じます。特にWebは、言及する側、される側が両者同じレベルにいるので、気を使い始めるときりがなくなる気がしています。そのきりのなさの問題といって終わってしまえばいいのかもしれないのですが。
気になるのです。
最近気になったのは次の3つの問題。
■口にできないこと(邦訳)
・口にできないこと ---What You Can't Say---
http://www.shiro.dreamhost.com/scheme/trans/say-j.html
Paul Grahamさんという人が書いてオンラインでディスカッションが大きくなったテーマらしい。冒頭を引用すると、
「
(これは、異端に関するエッセイである。いかにして禁じられたアイディアを考え、それによって何をするか。後者は、近年まではごく少数のエリートが考えれば良いことだった。しかし現在、誰もが考えなければならないことになった。 Webによって誰もが意見を公表できるようになったからだ。)
」
という概要です。自分が属している世界やコミュニティでは、禁じられているアイデアを思いついたとき、私たちはどうすべきか、という小論文です。処世術とまとめてしまうには、あまりに深い考察の数々。ややこしい。でも、読み応えあり。意味もあると思いました。
■儀礼的無関心
こちらは、
・ネットでの儀礼的無関心の可能性
http://d.hatena.ne.jp/TRiCKFiSH/20031130#p1
どうやらこの記事に端を発したディスカッションらしいです。この問題についてのリンク集もあります。
・儀礼的無関心反応リンク集
http://sheepman.parfait.ne.jp/wiki/%B5%B7%CE%E9%C5%AA%CC%B5%B4%D8%BF%B4%C8%BF%B1%FE%A5%EA%A5%F3%A5%AF%BD%B8/
ここでは「書き手がリンクされることを想定していないページにリンクすることに関する議論」と説明されています。最初は単なる無断リンク禁止論かと思っていたのですが、最近よく読んだら、ネットコミュニティの現状を反映したマナー論、モラル論だったことが分かりました。
関連して、新たにこういう問題も持ち上がっているらしいです。
・リンクしないで言及するという行為
http://artifact-jp.com/mt/archives/200401/nonlinkreference.html
むむむ、さらにややこしくなってきました。
■ツッコミビリティ
友人のnightnoise氏と雑談する中で話題になった話。
・ツッコミビリティ
http://www.doblog.com/weblog/myblog/428?blogid=6675#20031114
ある記事がコミュニティで話題になるには、話題としての面白さや、作者の謙虚さ、突っ込みを入れる余地だとか、突っ込みを入れるためのボケなどを用意しておかなければいけないのではないか、みたいな問題です。
いわばツッコミを誘うアフォーダンスの話。
うーん、風邪のねつがぶり返しそうです。
この3つの問題は考えれば考えるほど、ややこしさが倍増して自分なりの答えも出ません。明日からまた書けなくなるので、深くは考えないでおこうと思いました。茂木健一郎さんのクオリアの本で書かれていた「難しい問題は考えてもきりがない」という意味の問題のような気がしてきました。
でもその先に何かあるのでしょうか?あるような、ないような
2004年01月18日
ボツネタ公開:Webドメインマーケティング
風邪でダウン。体調は回復するも山積みの仕事を消化中で更新停滞しています。手持ちのボツ原稿で埋めちゃおう。。。(編集部のTさん、いいですよね、これ宣伝になるから...)
・Webドメインマーケティング
http://webdomainmarketing.jp/
この連載用に書いたWebドメインについてのコラムでしたがテンポがよくないということでお蔵入りした原稿です。
なおWebドメインマーケティングについては、
の巻末の方の特集で私も写真入で登場中。企業ウェブマスターの皆様ぜひご覧くださいませ。
ここ数日でも、Webドメイン関連はこんなニュースもあってホット。
・JPRS、IDN未対応ブラウザから日本語JPドメイン名が利用できるサービス
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/01/19/1783.html
・PIR、“日本語.org”などIDNの一斉抹消は中止へ
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/01/19/1785.html
■汎用.jpドメイン、日本語ドメインの魅力
あなたが勝ちのある企業や組織のWebマーケターだったとして、自社のドメイン名
を選ぶことになったとする。考えた名前の候補に対して、あなたは次の4つの質
問に自信を持ってYESと答えることができるだろうか?
・DNS管理の安定性は大丈夫ですか?
・もしも訴えられたら対応できますか?
・取りたい名前を取ることができますか?
・印象に残る、間違わないドメインですか?
ドメイン名候補を考えるという作業は会議のひとつもすればたくさん思いつくだ
ろう。ドメイン名を登録するという作業は、多数の代行業者がサポートをしてく
れるから手間もかからない。
だが、このドメイン名選びひとつで、不要なリスクを背負い込んでしまったり、
お客を遠ざけてしまったりする可能性がある。4つの質問に対してすべてYESのド
メイン名を選ぶのが、企業のマーケティング担当者として賢い選択なのだ。
■質問1 DNS管理の安定性は大丈夫ですか?
.jp、.com、.net、.tvなど、日本語のサイトには、さまざまな種類のドメイン名
が使われている。専門的な言葉を使うと、ドメイン名の最後の部分=トップレベ
ルドメイン名は国際管理されているgTLDと国別で管理されているccTLDの2種類に
分けることができる。
ドメイン名の種類がいくつくらいあるかご存知だろうか?
・gTLD(Generic Top Level Domainの略)
.com、.net、.org... 10個
・ccTLD(の略)
.jp(日本)、.kr(韓国)、.ch(中国)... 約250個
ドメイン名はこの2種類の合計で約260種類も存在している。日本語サイトで多い
のは、.jpや.comであるが、以下のようなドメイン名を使ったサイトもちらほら
みかけることがあるだろう。
.tv ツバル
.to トンガ
.cc ココス島
.cx クリスマス諸島
.tvや.toはキーワードと組み合わせると意味の通った魅力的な名前になることが
あるため、企業のドメインでも採用例があるようだ。これらの小さな国や地域の
ドメイン名の多くは、比較的、資本力の小さな管理組織、場合によっては海外の
ベンチャー企業によって運営されている。
あまり知られていないことだが、トップレベルドメインの安定したDNS管理には
莫大な費用がかかる。小さな管理団体のケースでは運用上のトラブルが起きてア
クセス不能になる事故も実際に起きている。
2000年には、クリスマス諸島の.cxドメインがドメイン管理にかかる費用を納め
るのが遅れて、一時的にアクセス不能になるという事件があった。.cxドメイン
を利用していた主なお客である海外企業がこの影響を被ってしまった。企業サイ
トのダウンタイムはそのまま営業機会の損失につながってしまう。重要なドメイ
ン名に使うには、本当にそのドメインが信頼できる品質の運用体制を持っている
かどうか、調べておく必要がある。
汎用.jp及び日本語jpドメインの運用はその開始以来、大きなトラブルもなく、
品質は国際レベルでもトップクラスと高く評価されている。
■質問2 もしも訴えられたら対応できますか?
多くの企業がドメイン名を持つ











