2004年01月14日

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・「10分刻み」ニッチタイム(すきま時間)超勉強法
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トビラの宣伝から引用。

■ムダを省いた徹底的に実利主義の勉強のすすめ

「わたしはムダな勉強はしない。はっきり言うと、すべて「お金に変る勉強」なのである。勉強すればするほど得する勉強、勉強した分だけきちんと成果が出る勉強とは?成果を出すためにはどんな勉強をすればいいか?を考え実践しているのである。最小努力で最大効果を生み出す勉強の数々を、これから順を追って紹介していこう。」

実利主義もここまで徹底されると逆にさわやかでさえあると感じた。著者の名前でAmazon書店を検索すると100冊が登録されている。プロデュース作品を含めると400冊を超えているそうだ。毎月1冊出版のペースを何年間も守っており、ベストセラー書となった本もある売れっ子ビジネス書作家である。実利主義だけが勉強の目的のはずはないけれど、著者の出版実績を知ると、どんな勉強法をしているのか知りたくなるので読んでみた。

1:お金につながる、2:ニッチタイムを活かす、3:10分で刻む。目的が明確でやる気になるテーマに絞って、生活の中の短時間に集中して勉強する。そのための、読書術や情報ファイリング手法や、10分で線引きした独特なメモ術、記憶術といったコツが次々に語られていく。

読了して思ったのは、著者が大量の情報(年間3000冊読むとのこと。著者の実績からして誇張ではなさそう)から、上手に取捨選択している術をよく知っていることだ。特に情報を捨てる、「知的清算」の考え方が参考になった

・わたしが実践する「知的清算」の6大スキル
  1 邪魔な記憶ファイルを捨てる
  2 ポイントだけデータ化
  3 書籍は読んだらすぐ処分
  4 マーカー癖、コピー癖をやめる
  5 語学教材を自分でつくる
  6 資料の整理法を特化させる

「今使えるかどうか」を基準に必要なものだけを取り出し、他はすべて捨ててしまうポリシーである。この人の場合、物理的にも捨ててしまう。

著者は速読を実践しているのだが、こだわり方が面白い。速読する際には、本の書き手にとっての重要ポイントなどどうでもよくて、「「わたし」にとっての重要なことを勉強することだ。本は道具である。道具に振り回される必要はないのである」と述べられている。読み方も捨てることを意識しているし、道具と割り切り、消費したら、遠慮なく破いて、残りは捨ててもよいわけだ。

私は新聞記者の父の家庭で育った。子どもの頃、新聞は大切に扱わないと母に怒られた記憶がある。それに関連して、本も最近まで折る、書き込む、破るには抵抗があったのだけれど、その禁を破ってから、生産性があがったような気がしている。少なくとも原稿執筆の仕事のペースは、折る、書き込む、破って得る断片によって、飛躍的にあがった。

学校教育ではモノを大切にと教えざるを得ないが、著者の言うように、稼ぎ手ならば本代以上にその知識で稼げばよいと割り切った方が効果的ということのようだ。この考え方は気に入った。

■インターネット利用者はどのように本を扱っているか?

ちょっと面白い調査データがある。オンラインの本好きに本についての100の質問を投げかけた企画のサイトがある。1000人以上が自分のWebサイトでその質問に答えている。特にこの質問の81から90項目目までが興味深い。Webサイトを公開するタイプの個人の紙の本に対する考え方が分かる。捨てることに抵抗を感じている人が少なくない。

・本好きへの100の質問
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Shikibu/1185/

・Google検索結果(こちらの方が回答データを見やすい))
http://www.google.co.jp/search?q=%E6%9C%AC%E5%A5%BD%E3%81%8D%E3%81%B8%E3%81%AE%EF%BC%91%EF%BC%90%EF%BC%90%E3%81%AE%E8%B3%AA%E5%95%8F&ie=UTF-8&oe=UTF-8&hl=ja&btnG=Google+%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=

081. 本を捨てることに抵抗がありますか?
082. これだけは許せない、そういう本の扱い方はありますか?
083.“活字離れ”について、どう思いますか?
084. 本を読まない人のことを、どう思いますか?
085. とりあえず、本を持っていないと落ち着かない。そんな癖がありますか?
086. 世界中で、本の出版が禁止されたら、どうしますか?
087. 青空文庫を利用したことがありますか?
088. 電子図書館についてどう思いますか?
089. 将来的に、本という存在は無くなると思いますか?
090. 本が無くても生きていけると思いますか?

日経BPの知識流通企画でご一緒している、情報デザイナーの松岡裕典氏の読書術は、ポストイットを使った読書術で、「本からコンテンツをはぎ取ってハンドリングしやすい形に変換する」ことを意識されているとのこと。どちらかというと、本は大切という意識の方である。

・デジタル読書法(?)のすすめ
http://sentan.nikkeibp.co.jp/mt/20031127-01.htm

ページを破る、ポストイットに書き出す、本の端を折る。自分にとって必要な情報を抽出する技術は、同時に残りをどうやって捨てるかの技術でもある。この本が語る徹底的に実利主義の勉強法、ビジネスマンには特に効果的だと思った。頭に休養はいらない、教養こそ頭の休養だ、という著者の意見に感銘。


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Posted by daiya at 2004年01月14日 23:59 | TrackBack このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加
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