2004年07月30日
脳の中の小さな神々
■みのもんたの脳科学
脳科学の成果をベースに設計したという”脳を鍛える”本が大変売れている。
たとえば、このシリーズは2冊で100万部を突破しているらしい。
・脳を鍛える大人の音読ドリル―名作音読・漢字書き取り60日

(個人的には音読が楽しかった)
特に中高年のボケ防止に人気があるようだ。たまたま実家にあったので、私も試してみた。単純な計算と音読の繰り返し。確かに何もしないよりは、効果があるのだろうけれど、これで本当に脳を鍛えられるのか、釈然としない気持ちが残る。
これらの本の”脳を鍛える”根拠は、脳の状態を測定すると、単純計算や音読を行っているときに、特定の部位で強い活性化が見られるから、というものだ。だが、脳は複雑に全体がまとまって機能するものである。著者は、脳を部分的に鍛えても無意味だと、こうした機能局在論的なアプローチを批判する。これを食べれば頭がよくなる式の「みのもんたの脳科学」だとばっさり斬り捨てる。
■小さな神々の正体
この本のテーマは、以前書評した「脳内現象」とほぼ同じである。ただし、こちらの方がはるかに分かりやすい構成になっている。併せて読むと茂木氏の意識科学、クオリア論について一層の理解が進む。元「ユリイカ」編集長でジャーナリストの歌田明弘氏が聞き役となった13回の対談パート+書下ろしの特別講義で構成されている。
・脳内現象
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001847.html
人間の意識は、脳細胞の活性化パターンから生まれるが、パターンは何者かが解釈しなければ意味を持てない。タイトルにある「小さな神々」とは、脳細胞の活性化パターンを見渡す超越的な視点を持つ小人(メタ認知的ホムンクルス)のことである。
「
ホムンクルスという主観性の枠組みは、脳の前頭葉を中心とする神経細胞のあいだの関係性によって生み出される。そのようにして生み出されたホムンクルスが、自分自身の一部である神経細胞のあいだの関係性を、「あたかも外に出たように」眺めることで、そこに「つやつやとしたリンゴ」というイメージが生じる。どうやら、私たちの意識はそのようにして生み出されているようである
」
■頭がよいってどういうこと?
「みのもんたの脳科学」という言葉が印象的だったので、以降の章を、本当の意味で脳を鍛える、頭をよくする、天才をつくるにはどうしたらよいかという視点で読んでみた。
著者は、無理をして想像力を発揮する(脳を活性化させる)ことはできないとし、脳が素晴らしい能力を発揮しているときには、むしろ抑制モードに入っていることを指摘する。脳細胞がある目的に集中特化したはたらきをするように、関係のない部位のはたらきを抑制する状態のこと。
「ウイナー・テイク・オール、勝者がすべてを取るというのが抑制の実態です。あるモードで脳を働かせているときにはほかのモードにならないように抑えているわけです。そうじゃないと混乱しちゃう」
だが、一方で、天才ピアニストの神がかった演奏や、アインシュタインのようなひらめきは、ある種のセーフベースがある上での脱抑制が必要なのだという。セーフベースとは意識せずに何かを行うことができる熟練した技能である。セーフベースがあると、自分のやっていること自体(ピアノの弾き方、物理学の基礎など)を意識せずに、やることができる。十分な練習で基本技能を修得した上で、リラックスして夢中になって何かをするときに、創造性が発揮されるということらしい。恋みたいなものだと著者は笑う。
俗世間的な頭のよさの尺度=IQについても興味深い話があった。ニュージーランドの軍隊が長期に渡って調べたところ、時代と共にIQは向上しているらしい。だが、まさか数十年でヒトが進化するわけもない。フリン効果と呼ばれるこの現象の原因は、IQは生得的なものではなく、ある解決法に対する教育効果が何世代にもわたって続いた結果の、文化依存的なものなのではないかと結論している。生物学的に頭のよい人がいるというわけではなくて、属している文化が頭のよさを規定しているのだとということ。なるほど。
ほかにも、聞き出し役の歌田氏のうまい質問設定によって、「脳内現象」よりも、著者の本音が聞けるのが面白い。意識の科学がアインシュタインの相対性理論級の大発見になる日がくる、と考えながらも、それは100年かかるかもしれないと述べ否定的な結論をしている。だが、著者が情熱的にクオリアについて語る口調から、まだまだ諦めていないような印象がありありと感じられる。
脳、意識、こころの探求は、21世紀に宇宙探検よりも大きな成果を生み出す分野なのかもしれないなと思った。
2004年07月29日
付箋紙メモとWikiが組み合わさったビジュアル情報管理アプリのWema
付箋紙メモとWikiが組み合わさったビジュアル情報管理アプリのWema
変なもの(wema)
http://www.mikihoshi.com/wema/
これは荒削りなところもあるけれど、面白い。
Blogと並んでWikiは、Webベースのコンテンツ管理システムとして大変優れていると思う。だが、Blogほど一般に普及しないのは、初心者が、一見して使い方が分かりにくいインタフェースにあるのではないかと思っていた。
このWemaは、ペタペタと画面上の好きな場所に付箋を貼り付けて、位置や色や線でメモをグルーピングできる。Webベースなので、複数人数で利用できる。グループでアイデアを出し合うためのテーブルとしても活用できそうだ。
WemaはWebサーバ上で動作するCGIアプリケーション。動作環境としてはRubyが必要。私はローカルマシンにインストールして使ってみている。
・Wemaの使い方
1 まず、画面上をダブルクリックすると入力欄が表示される。
2 何かを書き込むと、付箋がクリックした位置に表示される。
3 付箋はドラッグして位置を移動できる
4 ■を押すと、移動した位置を記録できる
5 ×を押すと、付箋が削除される
6 Wikiの記法( [] )を使うと、他ページへのリンクを貼れる。他ページリンクを含む付箋は点線で囲まれて表示される。
作者によるデモ用のWemaが公開されているので試してみたい人はこちら。
2004年07月28日
リストから関係性ネットワークがマーケティング資産の時代へ
あるコミュニティへ今日は長文の投稿したので、それを少し編集して今日のブログ記事として使わせていただきます。eマーケティング、「関係性」やデータマイニング(テキストマイニング)というキーワードでこれからどんな新しいことができるだろうかという問題意識をつづったものです。
■リストから関係性ネットワークがマーケティング資産の時代へ
ソーシャルネットワーキングやブログのトラックバックネットワークのように、人間の関係性をネットワーク上に可視化する仕組みが普及の兆しを見せている。こうしたサービスによって、少なくともネットコミュニティの先端ユーザの関係性はだいぶ見通しがよくなってきた部分がある。大手企業もこうしたサービスを開始する事例さえ見られるようになった。
見込みどおりにこうしたサービスが普及すれば、企業が、顧客(潜在顧客含む)同士の関係性を把握することができるようになる。そして、その影響力の伝播の構造を分析し、ピンポイントにメッセージを伝達することで、効率良く、顧客行動の活性化を促すことができるのではないか?と期待がもたれている。
従来のeマーケティングはほとんどがリスト型ブロードキャストモデルであった。ユーザのIDを集める。具体的にはメールアドレスを収集する。このリストに付加情報を加えることで、いくつかの新しいeマーケティングの名称ができあがった。
・メールを送信してよい等の許諾つきのリスト=パーミッションマーケティング
・嗜好や顧客属性つきのリスト=オプトインマーケティング
・データベースとフィルターでリスト管理する=イーメールマーケティング
だが、どのマーケティングも実は、リストに対して企業から一方向のメッセージを送信するという点では一緒であった。付加情報から、顧客を幾つかのクラスタに分けて異なるメッセージを送信する工夫は、一定の成果を挙げたが、多くの企業が、同様の手法を取る中で陳腐化しつつある。誕生日のお祝いメールや、購入一週間後のお伺いメール程度では、顧客の感動体験はなくなりつつある。むしろ、そうしたメッセージが多すぎて煩く感じるユーザも少なくないはずだ。
■物語性の抽出と演出はマイニングだけでは難しい
ユーザによって入力された情報やショッピングサイトの購買利用履歴データを膨大に集めてデータマイニング、テキストマイニングすれば、宝物が見つかるという幻想も期待通りの成果は上がっていない。こうした情報は、断片的で一時的なものの集合に過ぎないからだ。そして分析にも希少な職人技が必要だからだ。
会社にいるときと家にいるときには違う属性を持つだろうし、生活ドラマの起承転結のどこにいるかによって、その時々で変わってしまう項目も多い。購買シーンにおける感動カスタマエクスペリエンスを演出するには、物語性が大切だなどと言われるが、物語性の抽出と演出には、属人的な才能が必要なのが現実だ。マイニングの成功例の中心には、万能の自動ツールではなく、優れた感性のデータの読み手がいる。そうした人材は数が少ないし、研修で量産育成できるタイプでもない。
マイニングのツールは安く使いやすいものも現れた。だが、それをどう使うか、はまた別の問題であることもはっきりしてきた。使い方こそ真の知識資産であるが、現在はまだ属人的な暗黙知にとどまっている。たんにこれが形式知化すればいいかというと、そうもいかないだろう。すべての企業が”秘密のやり方”と”万能マイニングツール”を持てば競争力はなくなる。
同時に、大きな顧客情報漏洩事件やスパムが社会問題化する中で、大きな個人情報リストを持つリスクやサポートコストも意識されるようになった。eマーケティングは何十億円もの訴訟リスクに見合うだけの価値をどうして証明できるだろうかと、不安を感じるマーケター、疑問を持つ経営者もいる。
■ブログ、ソーシャルネットワーキングの拓く新関係性マーケティング
そういう時期に、ブログやソーシャルネットワーキングが登場した。人間の関係性やコミュニティ活動のダイナミクスを、デジタルで補足する仕組みである。リストではなく、関係性のネットワークを活用した企業のマーケティング活動の可能性が見えてきた。
リストではなく、関係性を把握できれば、企業はネットワーク上のインフルエンサーに対して、特別なメッセージを少しだけ送るだけでよいことになる。潜在顧客のすべての詳細な個人情報も不要かもしれない。
従来のリスト型では、顧客同士の関係性は見通しが悪かったので、メッセージ送信後に顧客間インタラクション、即ちクチコミが起きるかどうかは、神に祈るしかなかった。だが、いつもクチコミを引き起こす中心人物にアクセスすることができるのなら、高確率でクチコミを発生させられる可能性もある。
インフルエンサとコミュニティと企業の関係性が再度注目される。企業はインフルエンサに対して、メッセージだけでなく、販促物としてのカタログデータ(アマゾンWebサービスなど)や、アフィリエイト等のインセンティブを提供することで、向き合うことができる。
■インフルエンサの発見、関係構築、サポート
インフルエンサとコミュニティは、情報の送り手と受け手としての関係や、友人・知人、先輩と後輩などの個別の関係を良好に維持したいと考えている。MLMにハマった先輩のようなメッセージばかりでは受け手もウンザリするから、インフルエンサは、そうではない魅力を提供したいと考えている。その材料を欲している。
こうした新しい関係性ネットワークの状況を前にeマーケティングが新しいやり方を発明できるのではないかと考える。
ネットは情報感度の高いユーザのクチコミ発生を誘発できるのではないかと従来から期待されてきたが、いよいよそのチャンスが本格到来しているのかもしれない。現在数十万人規模のソーシャルネットワーク、ブログコミュニティは規模を順調に拡大している。インスタントメッセンジャーやチャット、メールやビデオ、ケータイといったメディア複合化の傾向も出てきた。
マーケティングのコミュニティで、最近よく話題になる「関係性」だとか「マイニング」の技術は、こうした新しい領域でこそ活きてくる知識なのではないだろうか。
たとえば、
・関係性ネットワークからインフルエンサーを見つけるやり方
・インフルエンサーと企業との関係性、対話構築のやり方
・インフルエンサーとコミュニティとの良好な関係性をサポートするやり方
といったやり方を、ネットワークやコンピュータを使ってどう形作っていくか、それが今年や来年くらいのeマーケティングの醍醐味なのではないだろうか。
過去の関連エントリ:
・現代消費のニュートレンド―消費を活性化する18のキーワード
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001859.html
・〈快楽消費〉する社会―消費者が求めているものはなにか
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001682.html
・ビジネスチャンス発見の技術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001151.html
・情報イノベーター―共創社会のリーダーたち
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000927.html
・広告の天才たちが気づいている51の法則
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000686.html
■月刊ITセレクトで次世代eマーケティング特集記事
実はこれとほぼ同様のテーマで、メディアセレクト社の雑誌「ITセレクト2.0」から、先日取材を受けました。9月号の同誌でその内容が記事になる、はずです。取材に応えた後は編集部任せになっているので詳細は私も把握していないのですが、ご興味のある方は、書店でご覧ください。毎月29日発売です。つまり、明日(今日)ですね!。
・MediaSelect online:月刊 IT セレクト 最新号目次
http://www.mediaselect.co.jp/its/content.html

変貌するeマーケティング
囲い込みから「顧客創造」へ
優良新規顧客を掘り起こせ!
2004年07月27日
日本人の苗字―三〇万姓の調査から見えたこと
・日本人の苗字―三〇万姓の調査から見えたこと
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334031544/daiya0b-22/

苗字研究の第一人者が語る苗字学。大抵の苗字の由来に触れられているし、珍しい苗字の人にも参考になる情報が多い。
日本人の苗字は30万姓。姓の数は、同じアジアの中国では350、韓国では250と少なく、ヨーロッパは全土合わせて5万程度で、日本は世界一、姓のバリエーションが多い国なのだそうだ。
日本の苗字の多い順ランキングはこの本によると以下の通り。
1位 佐藤 1914300人
2位 鈴木 1692300人
3位 高橋 1406000人
4位 田中 1324200人
5位 渡辺 1090400人
6位 伊藤 1072400人
7位 山本 1068200人
8位 中村 1041200人
9位 小林 1011900人
10位 加藤 853300人
橋本は24位(444700)だった。
最も多いのは地名型で、居住地や先祖の出身地を苗字にしたもので全体の8割を占めるという。次に多いのが職業・屋号型で、その次が職掌(官職)型だそうだ。この傾向は使われる文字にも現れている。田、藤、山、野、川、木、井、村、本、中などが名前によく使われる漢字ベスト10であるが、土地の名前と関係の深い文字が多いことが分かる。
よく知られるように、苗字を持つことは長い間庶民に許されておらず、特権階級のものだった。江戸末期の人口は3000万人。苗字持ちは4%程度の120万人で、約1万姓だったそうだ。明治初期の苗字の義務化により、29万の姓が増えていっきに30万になったという。それ以前より非公式に使っていた例も多かったようだが、大半の苗字はまだ100年ちょっとの比較的新しいものなのである。
明治8年の平民苗字必称義務令が出たときには、あわてて作られた苗字も結構あって、職業をそのまま苗字にしてしまった例もかなりあったようだ。
仮に今、平民苗字”改称”義務例などが出たら、
今猿(コンサル)
弁茶(ベンチャー)
風呂我(ブロッガー)
などつけたりする人もいるのだろうな。
ところでこども時代より気になっていたことはこの本には出ていなかった。それは苗字は結婚によって減る。増えることはないから、いつか大半の苗字は消滅してしまうのではないか?という疑問。
調べてみたら、
・ませ(間瀬・馬瀬・真瀬等)苗字、地名メモ
http://www.is.titech.ac.jp/~mase/masename/masename.html
このページで紹介されている
「姓の継承と絶滅の数理生態学」佐藤葉子・瀬野裕美著、京都大学出版会刊(2003)
という本がその問題に真正面から取り組んでいるようだ。今度、大きな図書館で探してみよう。
また上記のページには、数学的計算から「日本人が27人以上いれば同姓者がいる可能性の方が高い」という事実も紹介されていた。
参考サイト:
・日本の苗字7000傑
http://www.myj7000.jp-biz.net/
この苗字はどの都道府県に多いか?
http://homepage1.nifty.com/forty-sixer/bunpu.htm
・ドイツの上位200姓やアメリカの上位200姓
http://www.ipc.shizuoka.ac.jp/~jjksiro/dtsjin.html
・Dorayaki「稀苗字」スクリーンセーバー - ベクターソフトニュース - おすすめアミューズメント通信 -
http://www.vector.co.jp/magazine/softnews/040207/n040207com1.html
めずらしい苗字548種類を表示する、ユニークでタメになるスクリーンセーバ
#ところで私は姓と名をごっちゃにされて”大橋”さんと呼ばれることが年に何度かある。橋本ですのでよろしくお願いします。
2004年07月26日
ケータイを持ったサル―「人間らしさ」の崩壊
若者はマザコンで、サル化している、日本の未来はこのままじゃどうなっちまうんだと嘆く1954年生まれのサル学者の本。サルの行動学や人間を対象にした心理実験のデータを多数持ち出した、その嘆き方が凝っていてかなり面白い。この本では特に、ルーズソックスの若者世代を槍玉にあげる。ルーズソックスで靴の踵を踏み潰すスタイルは、家のスリッパ感覚であって「家の外への拒絶」の象徴なのだと著者は主張している。
■投資ゲームで暴かれる利己的な若者像
携帯をヘビーに使っているケータイ族25人、使っていない非ケータイ族を25人集める。参加者には実験の報酬としてまず5千円の現金を渡す。そして、次のルールで、ビジネスマン思考でその5千円を使った取引ゲームをして欲しいと説明する。
1 参加者は二人一組のペアになる(二人をA,Bとする)
2 参加者Aが相手に投資するか、しないかを選ぶ。
3 投資した側に見返りはないが、投資された側は出資額に上乗せされてさらに5千円が得られる。持ち金は1万5千円となる
4 参加者BはAの決定を聞いた後で、Aに投資するかどうかを選ぶ
つまり、二人が信頼しあってお互いに投資しあえば、全体にとって最大の利益になる。相手を信頼できず投資が選ばれなければ全体の利益は最低となる。どちらか一方が投資をするケースでは片方が得をして、片方が損をする。そういうゲームである。
非ケータイ族の8割はAの立場で投資を選んだが、ケータイ族は2割しか投資を選ばなかったという。また、ケータイ族には、自分はAから投資を受けたのに、自分はお返しの投資をしなかった”裏切り”プレイヤーが多かったそうだ。こうした実験結果から、ケータイ族は、相手を無条件に信頼することができず、利己的な人間が多いと結論している。
また、ケータイで交わされるメッセージも、断片的で記号的で、お互いの存在を確認しあうサル同士の鳴き声コミュニケーションレベルの内容しか含まれていないのではないかと著者は言う。
■カード実験で暴かれる思考力が落ちた40代像
こうした若者を育てた親にも問題があるとして40代以上の層の分析もある。ウェーソンの4枚カード問題という実験を行う。
被験者の前に4枚のカードを並べる。
1枚目のカード 「 M 」
2枚目のカード 「 E 」
3枚目のカード 「 7 」
4枚目のカード 「 4 」
「もし片面にアルファベットの母音が書いてあるならば、そのカードのもう一方の面には偶数が書いてある」という規則を確かめる際、どのカードの裏面をチェックする必要があるか?という質問をする。
少し考えれば分かるように正解は「 E 」と 「 7 」である。
この実験を20代と40代の男性に実施すると、20代の方が圧倒的に正答率が高いそうである。
さて、次はカードを入れ替えて、次の4枚を提示する。
1枚目のカード 「 ヒロシ18歳 」
2枚目のカード 「 タバコを吸わない 」
3枚目のカード 「 タカコ30歳 」
4枚目のカード 「 タバコを吸う 」
そして、
「
カードの一方の面には対象者の名前と年齢が書かれています。もう一方の面にはその人がタバコを吸うかどうかが記されています。さて、我が国では法律で喫煙は20歳を過ぎてからと定められています。その規則がここに呈示した四枚の身上カードの人物に関して、守られているかどうかを検証しようとすると想定します。さて、その検証に際し、四枚のカードのうち、裏面に何が書かれているかを必ずチェックしなければならないのはどれですか?
」
と質問を行う。
正解は、「ヒロシ18歳」「タバコを吸う」である。この問題の正答率は20代、40代ともに100%近いそうだ。
しかし、ふたつの問題を解くのに必要な推論の内容は、実はまったく同一である。難易度が違うように感じたのは問題が、社会的に慣れ親しんだ話題か、抽象的な記号かの違いによるものだ。
こうした実験から、40代の中年というのは社会的に親しんだ事柄の思考能力は落ちていないが、新しいルールが破られていないか、裏切り者を見抜く能力が落ちていると結論される。それゆえに、子どもの新しい世代が信頼できるかどうかを見極められず、モノを買い与えるだけのコミュニケーションしかもてなくなる。物質的に甘やかす。そうして、親に依存するパラサイトシングル、ひきこもり、ルーズソックス女子高生が生まれてしまうのだと断ずる。
と、まあ、学者だけあって、出てくるのは、どれも興味深い実験ばかりである。読んでいて大変面白く、勉強になるのだが、若者の行動心理と結びつける根拠は、少々強引で恣意的な気もする。若者の内側に入ろうとせず、外から観察して嘆く長老の典型である。
■「近頃の若者は...」を生み出す構造
新世代の堕落を嘆く旧世代による「近頃の若者」論は、いつの世も同じである。プラトン、アリストテレスの時代から長老は嘆いてきた。嘆きの構図が普遍的にできるのは、構造があるからだと私は考える。いつの世も2割の「デキル人」と8割の「ダメな人」から社会が成り立っているからである。いや、実際にはすべての人に多彩な能力と魅力がある。ここで言いたいのはカッコつきの「デキル人」「ダメな人」である。古い一面的な規範に照らして測るとき、デキル:ダメが2:8になるものなのだ。規範はそれくらいの比率設定になるとき、説得力を持つからだ。
比率が極端で「デキル人は1億人に1人です。日本人では私と○○さんくらいです」は受け入れられないだろう。逆に「世の中の99%の人はデキル人ですが、あの少数民族はダメダメです」も拒絶される極論になる。2割くらいの人が模範的で、8割はイカンですなあ、とする程度の規範の設定が社会的に有効なのだ。「デキル人」「ダメな人」はこうして生み出されるのではないか。
だが、世の中は2割のリーダーが大きな影響力を持っていたりもする。「デキル人」が社会を変えていく側面もある。またリーダーには「ダメ」だが「デキル」を志向するフォロワーが必要だ。だから、仮にその規範で、8割がダメ人間の兆候があるから、今の若者の未来は暗いと断じても意味はない。そもそもアナタの年代はそんなに「デキル人」だらけでしたか?と聞き返したくもなる。
長老の嘆きの命題が真だったら、人類の歴史は何百世代も「よりダメな世代」の連続だったことになるが、それでも歴史は進んでいる。今の若者はサル化しているかもしれないが、それは環境への適応の一側面かもしれないし、別の光の当て方をすれば美徳にさえなるかもしれない。
大切なのは、その世代が幸福を感じているかということのような気がする。嘆く長老の真意も大抵は次の世代に幸せであって欲しいと願う老婆心にあるはずだ。幸福の基準は相対的で個別的だから、外から測るのは難しい。内側から主観的に眺めてみないと本当のところは分からない。
幸福なサルの社会と不幸なヒトの社会、次世代として、どちらが望ましいだろうか?
サルだっていいじゃないか、ウッキー。
2004年07月25日
起業会議満員御礼に感謝 報告第3弾とそこにある”危機”
後半は優秀者に10万円の渡されるメインイベントの発想会議でした。
スポンサーであるシーネットワークスジャパンの大日取締役より、CNETのビジネスについての現状が説明されました。CNETは世界最大のITニュース出版社で2003年度の売り上げは2億4624万ドル。日本のサイトは月間1100万PV。Cの意味はコンピュータであり消費者(Consumer)でもあるとのこと。
今回の課題は以下のとおりでした。
「
あなたは斬新なアイデア発想能力をかわれ、CNET Japanと提携して新ビジネスを立ち上げることになりました。その提携の条件は「1ヶ月以内に黒字にすること。1年後に月商5,000万円が見込めるビジネスであること。資金面以外でCNET Japanは協力を惜しまない。出た利益はCNET Japanと折半する」というもの。
そこであなたはCNET Japanのリソースとある既存のビジネスを組み合わせ、今までにない全く新しい業態を思いつきました。その業態の名前と、ビジネスモデルを以下に書いてください。
新業態の名前:
CNET Japanのリソースと( )を組み合わせた、( )。
以下にその新業態のビジネスモデルを具体的に図解してください:
」
ちなみに私が考えたのはこれ「お年寄りにもやさしい情報ソース」
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ラベル張替えるだけだから、即黒字。アフィリエイトと組み合わせて、1年後に10万本を売ると年商5千万円を達成。あ、冗談です冗談。
個人発想の提出後、大日氏による審査の時間を使って、6人単位でのグループ発想もありました。真面目に賞金獲得を狙う個人発想部門と違って、こちらは型にとらわれない斬新発想が多くて笑えました。
こちらは主宰の二人の独断審査で2つを選び、会場挙手で優秀賞を決定しました。優秀作はCNETのC=キャバクラと定義し、ITの話のできるキャバ嬢のいるお店を作る。ハッカー御用達のキャバクラで教育係のCNETの皆さんも楽しめるというもの。会場は爆笑の渦となりました。
・グループ部門優秀作:キャバネット
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グループワークにもスポンサーご提供の図書券3万円分が渡されました。
さて、ついに個人発想の大賞の発表です。IT業界のセレブと会うことのできる有料のオフ会を核にしたプレミアムサービスが選ばれました。
・オフ会と組み合わせたプレミアムサービス
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受賞者のM.Yさんはこのイベントまで、CNETを知らなかったそうです。100枚以上の企画書があって、多くはブログやソーシャルネットワーキングと組み合わせたものなどが多かった中、明示的に「オフ会」と打ち出した発想は一例だけだった模様。わかりやすさと実現可能性の高さが評価されました。
さて、一見、盛況な、この無敵会議シリーズにも危機の到来です。
・Funky Business Life: 無敵会議の危機
http://funkybusinesslife.com/archives/000167.html
で、ご指摘いただいたように、このイベントも8回目となって、よくあるマンネリ化の危機を迎えています。参加者は増加傾向、スポンサーが見つかるなど認知度も順調に高まっていますが、何が起きるか分からない新しさが薄まってきているのも事実。特にこの指摘を書かれた方は、積極的に連続参加していただき、このイベントの趣旨を理解している方のご意見ということで、大変参考になりました。
主宰する我々の発想が今度は試されつつあるのかなと思いました。がんばります。
スポンサー制度を今後も取り入れたいというのは、
・賞金、商品の持つドキドキワクワク感、参加者への還元
・架空の企画の発想よりも、現実のニーズのある発想を考えられること
・会議で生み出される発想のリアル商品化等への発展可能性
ということであって、決して「賞金目当ての会議」という方向性で大きくしていこうということではありません。
この種のイベントというと、コミュニティ系、ビジネス系、テクノロジー系の3つの層がいるような気がしています。この異なる層が、ひとつのテーマの発想で遊ぶ会議を通して、出会い、つながり、新たな価値を創造していけるようなイベントにしたいなと私は考えています。
無敵会議は、少なくとも年末の忘年会議2004までは、毎月開催の予定です。また来月のプラニングに入っています。面白いアイデアや改善案がありましたらお気軽にお寄せください。
2004年07月24日
起業会議満員御礼に感謝 報告第2弾
前半のパネルディスカッションでは、
百式管理人が司会、ネットエイジ西川社長、デジタルハリウッド藤本社長、それに私の3人がゲストとして参加しました。起業とは「他人を自分の夢に巻き込むこと」と定義した上で以下のような質問を投げかけて見ました。以下は超要約。
Q1 「どんな、他社にはない仕組み、制度を取り入れましたか?」
西川さん:人材を連れてきた社員に報奨金を出す全員リクルーター制度
藤本さん:売り上げの3%を打ち上げに使うなど。
制度は作りすぎると管理するのが大変ですけれどね
橋本:名刺にデザインの工夫をして話のきっかけを作るようにしてみた(以前、このブログでも書きました)
Q2 「他社で優れた事例を知っていたら教えてください」
西川さん:テレビ中継で毎日会議で意思決定のプロセスを共有している会社がある。
藤本さん:7色の帽子を被って会議をする。赤い帽子や青い帽子を被った人はそれぞれ「ポジティブなことを言わねばならない」「他人に批判的に話さねばならない」。そんな取り組みをした会社が最近上場している。
Q3: 「尊敬している起業家は誰ですか?」
西川さん:ソフトバンクの孫正義社長。原稿なしにとうとうとしゃべって人を感銘させる人だ。
ツタヤの増田社長。「成功者であって、もうそんなことを考えなくてもいいだろうというところまで考えるところが尊敬してしまう」
Q4: 「皆さんの会社に関わって社員がどのように成長したかを教えて欲しい」
西川さん:仮説検証やロジカル思考というものができるようになったり、自らが社長になりたいと言い出す人がでてきたように思っている。どんどん社長になって欲しい。
藤本さん:「企業が上場したりすれば利益を得られる」「社内で結婚する例など」
Q5: 「今まで最も参考にしてきたリソースはなんですか?」
西川さん:本が3冊あります。
藤本さん:
・成功した人の近くに行って、自慢話を聞いて影響を受ける(時に悔しがる)のもいい
・日経産業新聞は隅から隅まで読んでいる
・HDDレコーダースゴ録でニュース23とか日経関係の番組を録画して見ている
なお、このパネルディスカッションの内容は、より詳細なメモを参加者のたつをさんが公開されています。
・たつをの ChangeLog
http://nais.to/~yto/clog/2004-07-23.html#2004-07-23-3
2004年07月23日
起業会議満員御礼に感謝 報告第1弾
午前5時。3次会の喫茶店から更新。
@まだ御茶ノ水。
起業会議も満員120人以上ものチャレンジャーにご参加いただきました。まずは取り急ぎ前半部分のご報告です。

今回の豪華ゲストは、
ネットエイジ西川社長
90年代後半のIT業界の一大ムーブメント”ビットバレー”の提唱者。襖と畳のあるオフィスから始まって、現在グループ全体の年商70億円を超えるITビジネスインキュベーター企業に。メディア登場回数は数知れず。日本経済新聞の連載コラムやCNETの起業テーマの連載などを通して、自らの経験に基づいた起業のあり方を提案している。
デジタルハリウッド藤本社長
IMJ創業社長で、ツタヤオンライン社長として事業を成功させた。現在はデジタルハリウッド社長で、昨年の大学院設立に続いて、来年は4年生大学設立を予定している。来週のガイアの夜明けに登場されるらしい。
のお二人でした。
まず、参加者からの投稿から、ユニークなものをご紹介しました。今回は実感から発想している率が高いためか、投稿内容のレベルが高く感じました。
プレゼン資料をFlashファイルにしましたので、ご覧ください。
ダウンロード
取り急ぎの報告でした
2004年07月22日
GPSで宝探し、時空間写真アーカイブ
最近、気になっているものにGPSサービスがある。
たとえばジオキャッシング。
■GPSで宝探し ジオキャッシング
GPSを使った宝探しゲームだ。
誰かがまず宝物(キャッシュ)を裏山の森の中に隠してくる。
宝物はルール説明によると、
「
・使い捨てカメラ - 自分の写真を撮り、また元に戻してくれるように入れておきます。。その後写真を現像し、インターネットに置く事ができます。
・安い玩具 - 工作粘土やフィギュア人形など
・CD、VGAカード、商品券、ドル紙幣、金棒など
」
など、ちょっとしたもの。見つけた人が楽しいもの。
そして、隠した場所の正確な緯度、経度をGPSで計測し、ジオキャッシングのサイトに登録する。
冒険家は、ジオキャッシングのサイトで、最近隠されたキャッシュの位置(緯度、経度)を調べます。そして、その場所の近くへ、実際にGPSを持って向かう。GPSには常に直線距離でキャッシュまで東西南北に、あと何キロ、何メートルかが表示される。その情報を頼りに宝物の近くまで近寄る。
GPSの精度は10メートル程度なので、最終的には目で見て、近くの茂み、土管、大きな木の下、廃屋などを探して、キャッシュを掘り当てる。見事に見つかったら、ネットで報告することで、ゲームは終わりである。
ジオキャッシングは世界の190カ国で行われており、何万ものキャッシュが見つけられるのを待っている。
・GEOCACHING.jp - The Japanese Global GPS Cache Hunt Site
http://www.geocaching.jp/
日本の公式サイト
・Geocaching - The Official Global GPS Cache Hunt Site
http://www.geocaching.com/
世界の公式サイト
■世界のすべての緯度経度の写真を撮影するプロジェクト Degree Confluence Project
GPSを使ったプロジェクトでは、the Degree Confluence Projectも面白い。こちらは世界のすべての整数値の緯度、経度の地点をデジカメで撮影した写真を、インターネット上に登録しようという試み。世界全体の写真アルバムが日夜、世界中の有志によって作られている。
・the Degree Confluence Project
http://www.confluence.org/index.php
このサイトでは、緯度、経度の入力か、世界地図マップから、任意の地点の写真を眺めることができる。ちょっとした旅行気分が味わえる。
日本でも、地域は限定されているものの、狭いがゆえに興味深い実験プロジェクトがある。昨年度のIPAの未踏プロジェクトに採択されたCreative-Box。
・creative-box
http://www.creative-box.org/
「
creative-box は、街で撮影した位置情報付きのデジタル写真を、
ネットワーク上のスペースにどんどん溜めこんで、
記録の整理と編集を繰り返しながら、
自分のデータベースを育てることのできるソフトウェアです。
位置と時間の情報を自在に操って、
目的の記録を、いつでもすぐに取り出すことができます。
」
・位置情報を用いたネットワーク型写真共有システムの研究
http://www.media.k.u-tokyo.ac.jp/%7Esunouchi/master_thesis_sunouchi_abst.pdf
Creative-boxについての論文。
creative-boxはGPS機能付の携帯で撮影した写真をアップロードすると、マップ上に登録される。一緒にその写真や場所についてのキーワードも登録できる。表参道近辺の1000枚以上の写真が現在は登録されている。私の会社は表参道にオフィスがあるので、とてもこのサービスは楽しめる。
地図上では同じ場所で違う時間に撮影された写真も簡単に見ることができる。地理的に近い場所だけでなく、時間的に近い写真を探せる時空のアーカイブができあがる。ユーザが多くなれば、今いる場所は1ヶ月前、半年前、1年前の今日など任意の日の様子がどんなだったか、分かるようになる。Flashによるインタフェースも洗練されている。
この時空間ポエマーというメディアアート的実験も似ている。こちらは現実の空間に大きな地図を投影している。
・時空間ポエマー
http://www.spacetimedesigns.org/sparks/zerosta.html
・GPSケータイを使った地域住民参加型イベント「時空間ポエマー」
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/12540.html
GPSの情報を見ていて、自分でも一台欲しくなってしまった。
GPSを使って今、地球のちょうど裏側にいる人とチャットしながら写真を見せ合うなんてことが、インターネットではすぐにできそうだ。大して役に立たないかもしれない。でも、GPSデバイスは着実に増えている。実用性云々というよりも、今、面白くなりつつある世界であるような気がする。
2004年07月21日
最強のメモ環境をChalowで構築
■いつものテキストエディタでなければ
Webやメールでみつけた情報をクリッピングするツールとしては「紙」と「WeBox」がベストだと考えている。また、ナレッジベースとしては、ファイル管理+全文検索ツール(サーチクロス、Namazu)が有効と感じている。
足りないのはアイデアを書き留めるメモツールだと思ってきた。パソコンで気軽にメモを取るためのツールは何十本も試した。階層型メモ管理ツールの幾つかはそれなりに便利であったが、何かが足りなかった。
何が不満かを自問自答して考えた末の結論は、
「いつものテキストエディタでなくてはイヤ」
ということだった。
私は、ほとんどの「書く」デスクトップ作業をテキストエディタ上で行っている。長文メール、パワーポイント資料、Word文書、このブログの原稿、プログラムのコードなど、すべてテキストエディタで書いてから、各アプリケーションに持ち込んで修正している。WordもExcelも大の苦手だ。Wordでは原稿を書く気になれない。アプリケーション固有の質感の問題のようだ。エディタとしては、最近は動作の軽い、秀丸をよく使っている。
・秀まるおのホームページ−ソフトウェア−秀丸エディタ
http://hide.maruo.co.jp/software/hidemaru.html
私の今までのメモ環境というと3つあった。一つは、秀丸で書いた文章を1記事1ファイルで文書フォルダに保存し、サーチクロスの検索対象にする方法。もうひとつは、ローカルマシンにWebサーバのApacheを導入し、自分専用のWikiを立ち上げておく方法。最後はBecky!の一時メモ機能に入れておくか、自分あてにメールしてしまう方法。
秀丸テキストファイル化の問題点は、1ファイルにするほどでもないアイデアの断片をメモし忘れることと、ファイル名を考えるのが面倒であること。Wikiはブラウザを立ち上げてメモを保存するまでのステップ数が多すぎること。Becky!のメールメモでは散逸してしまうこと。こういった問題があって完璧とはほど遠かった。
まとめると、以下の要件を私はメモ環境に求めていたのだ。
・メモ完了までの総ステップ数が少ないこと。動作が軽いこと。
・ファイル名を考える、題名をつけるなどの心理ハードルが低いこと、面倒でないこと
・メモが散逸しないで再利用が容易かつ効率的にできること
今回、構築したメモ環境はこれら要件をかなりの程度まで満足できる。
■Chalowでテキストベースのメモ環境を実現
無敵会議で仲良くなった、たつをさんが開発したChalow(Changelog)と出会った。以前から、このメモアプリケーションの存在は知っていたのだが、へんてこりんなブログ、Wikiみたいなものとしか認識していなかった。大間違いだった。
・chalow
http://nais.to/~yto/tools/chalow/
ChalowはChangelogという形式のテキストメモをHTMLファイルに変換するアプリケーション。Changelogはひとつのテキストファイルにメモを次の形式で追加していく。そして、それを一括HTML化することができる。
Changelog形式の構造説明図

つまり、
とテキストで書いておけば以下のようなHTMLに変換されるというものだ。自動的に修飾レイアウトが行われ、[neta]というカテゴリページが作成され、URLが自動リンクになったりする。コンセプトと記法はWikiと似ている。記法は他にもたくさんあるし、プラグイン拡張することもできる。
・たつをの ChangeLog
http://nais.to/~yto/clog/
最も使いこなしているのはたつをさんご自身のサイト。メモを完璧に管理している。
ChalowはPerl言語で書かれていて、Webサーバ上でファイルを検索できるCGIや携帯向け表示のCGIも提供されている。Webサーバ上に乗せると威力は倍増する。
これだけのアプリがここまで便利な存在であるとは導入するまで気がつかなかった。Chalow(Changelog)の魅力は、すべてをテキストエディタで管理できることにある。記法を覚えず、適当にメモするだけでも動作するのも使いやすいポイント。日付や名前やアイテムヘッダーは自動生成する支援ツールが多数用意されている。
■工夫でさらに完璧なメモ環境へ進化
試行錯誤の結果、私の使い方はこうなった。
1 ローカルWebサーバ上でChangelogを表示させる
WindowsXP上にApacheとActiveperlをインストールし、ネット接続がなくとも、自分のChangelogをWebブラウザで表示、検索することができるようにした。
2 秀丸マクロを使った作成と編集
秀丸マクロを使って、アイコンをワンクリックでテンプレートが準備され、最新メモ内容を追加して書けるようにした。
・YAYADoc: 秀丸用changelogマクロ
http://blogger.main.jp/yayadoc/archives/000032.html
2 ワンタッチボタンへの登録でメモ一発起動
ノートPCの”ワンタッチボタン”に秀丸マクロを起動できるようにした。アイデアを思いついたらボタンを押せばいい。すぐに書き出すことができる。
このワンタッチボタンは複数のアプリの連続起動に対応していたので、Chalowによる変換動作も同時に割り当てた。新規メモ作成のたびにHTML化が自動的に行われる。
これで、なんでも気軽にメモを残し、一覧表示と検索が可能になった。データは一つのテキストファイルなのでバックアップも用意である。また、公開したい項目だけをWebでそのまま公開することもできる。
この便利さには、かなり感動している。今後はこれをベースに独自に改造していこうかなと思っている。もう少しインストールが簡単になって、エンジニア以外の層にも広まるといいのになあ。
なお、Changelogについては今月号のUnixUserにたつを氏本人が特集記事を書かれている。
・UNIX USER 2004/08
http://www.unixuser.jp/magazine/2004/200408.html

2004年07月20日
天才数学者、株にハマる 数字オンチのための投資の考え方
仕事で株式市場のメカニズムについて意見を求められているので読んでみた本。
これは名著。
■株式投資理論なんて似非科学でしょう?
株式投資の世界でよく知られた理論には「ファンダメンタル分析」と「テクニカル分析」のふたつのアプローチがある。ファンダメンタル分析は、企業の基礎的条件(業績、財務内容)を分析して未来を予測する方法。テクニカル分析は、市場の株価の過去の動きを分析して未来を予測する方法。おおざっぱに言えば、会社を分析するか、株式市場を分析するかの違いだと言って良いだろう。
社会科学は科学か?というレベル以前に、アナリストたちが提唱する多くの投資理論は、どこか怪しいとずっと思っていた。
ファンダメンタル分析では、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)、ROE(株主資本利益率)など、株価や財務諸表の各種データを組み合わせた指標を分析ツールとする。また”材料”として「提携」「新製品」「合併」などの事実も評価する。今の株価が適正なのか(もしくは過剰、過少評価か)どうかを知ることが主眼である。
だが、そもそも指標など経営者が操作できるものだ。成熟産業と新興企業では評価方法が違うといっても、それを分けるものは何か。”材料”をどう見るのか。適正株価が分かったところで、結局、売りなのか買いなのか決める段階になると俄然説得力が弱くなる傾向もある。
一方、テクニカル分析では「ダブルボトム(ダブルトップ)」などという分析手法がある。株価には二度、安値をつけてから反発する動きが見られるという話。他にも「ヘッド・アンド・ショルダー型」、「ソーサートップ型、ソーサーボトム型 」、「V字トップ型、V字ボトム型 」など多数の株価変動パターンがある。
多くのテクニカル分析の理論は複雑である。株価は波であるから、関数で描ける。最初はシンプルな関数で描けるように説明するが、それでは説明不能な例外が出てくる。そこで、実はこの波は二つの波の複合形として説明できるとして、関数がふたつになる。やがて、3つめ、4つめの関数も必要になってくる。数百、数千の関数を持ち出せば、過去何十年の株価の波をすべて説明することは可能であろうが、それにどれほどの意味があるだろうか?。
以上が、私がこの本を読む前に抱いていた問題意識である。株式投資理論は占い以上の価値はないのではないか、ということ。
■共有知識ネットワークと急変する市場
この本で最初に共有知識が取り上げられる。
共有知識とは、この本から引用すると、
「
ある情報について、グループの構成メンバーがそれぞれ皆その情報を知っており、他のメンバーがその情報を知っていることを知っており、さらに他のメンバーがその情報を知っていると自分が知っていることを知っており云々、以下同様に続くという場合、この情報は共有知識であるという。
」
ということであり、皆が知っている情報=相互情報よりも条件が多い情報である。
株式取引の意思決定は、普段は相互情報をベースに行われているかもしれない。こうした相互知識行動の中では、皆が同じ知識を元に判断を下しているが、何をしているのかは分からない。ここに権威あるもの(証券取引委員会のデータや公式見解)の意見が、情報に正しさの根拠を与えた途端、互いの行動の帰結が丸見えになり、行動ルールが変わる。その結果、市場が急変することがある。
市場はカオスであり複雑系なのだ。
■平均では金持ち、可能性ではほとんど貧乏
この本の面白さのひとつに、数学ゲームに対して私たちは、知っているようで知らないという事実の紹介がある。私たちは現実の取引を前にすると、感情が働いて期待値の計算をしばしば間違うという事例が多数出てくる。
「平均ではお金持ち、可能性ではほとんど貧乏」の項目は特に面白かった。
さて、あなたは1万ドルを持っている。公開企業の半分は1週間で80%上昇し、もう半分は60%下落する、激しい市場に1年間、毎週一回手持ち金額を投資するケースを考えてみる。市場全体では上げ相場になる。2回に一回は80%儲け、一回は60%損をする。これを繰り返した場合に、どのような儲け具合になるものだろうかという質問がある。
市場の平均は毎週10%儲かることになる。毎週10%の儲けは1年後には140万ドルになる。一見、素晴らしい投資環境だと思ってしまう。
だが、2週目の投資家の手持ち金額を計算すると、分布は既にこうなっている。
4分の1の投資家 32400ドル 1.8*1.8
4分の1の投資家 7200ドル 1.8*0.4
4分の1の投資家 7200ドル 0.4*1.8
4分の1の投資家 1600ドル 0.4*0.4
実は2週目の段階で実に4分の3は損をしている。1年で見ると、平均的な運の持ち主は80%上がるを26週、60%下がるを26週繰り返す。この結果、最も多い確率で起きうるのは、最終日にたった1.95ドルしか持っていない状況なのである。これはごく一部の運の良い人を億万長者にし、ほとんどの人を一文無しにするシステムだったのだ。
これは億万長者の儲けが平均を大きく引き上げるため、一見、儲かる市場に見える典型例だろう。
株式変動は平均の大きな目で見ると、明日上がるか、下がるかは2分の1の確率で起こる。大きく動くことは稀で、小さく動くことは多い。変動の幅の分布はべき乗則に従うことが分かっている。これよりは幾分緩やかであろうけれど、実はデイトレーダー的な頻繁な株式取引はごく一部の人を儲けさせる仕組みであることを示唆していると言えそうだ。
■結局どうすれば儲かるのか?
「
なお、本書のどこにも、具体的な投資アドバイス、新しい千年紀のトップ10銘柄、いますぐ始められる401(k)5つの賢い方法、いますぐやれる3つの良いこと、そういう話はまったく出てこない。要するに金融ポルノみたいなドギツイ話はしないつもりだ。
」
と冒頭にあるが、実際の運用アドバイスは一切ない。株式市場を数学モデルに見立てて、科学的、数学的に結論できることを探す内容になっている。
株式市場の動きはカオスであり複雑系であると言われる。同じパターンが大きさを変えて現れるフラクタル構造のようなパターンを描くことがあるが、今、自分の投資対象がフラクタル構造の大きな波の中にいるのか、小さな波の中にいるのか、特定ができない。よって、テクニカル分析は内部的にも限界があるということになるだろう。
オプション、ファンド、デリバティブ商品についても検討されている。金融商品についての深い知識があれば、投資家は選択肢が増えることで、リスクを減らすことはできるかもしれない。だが、こうした知識を持ってしても、市場のカオスを見通して、勝ち続けることはできないようだ。
最終的に「未来を予測できる超越的投資家」は原理的に存在し得ないと、秘密の常勝戦略を否定している。存在してもルール事態が一層複雑化するだけであるからだ。面白くないのだが、結局、数学的には、絶対に儲かる秘密の方法などないということになる。
ただ、数学的には常勝戦略がないということが、直ちに実際の投資戦略にも常勝戦略がないと同じことかというと、まだ分からないのではないかと私は期待している。相関ではなく因果を握ることで、儲けている人たちがごく僅かにいるように思えるからだ。
この本を最後まで読んで、私の結論。
・分散投資によってリスクを取り除くことは可能である
・インサイダー取引は犯罪だが、儲かる可能性が高い
・巨額の資金を使って相場自体を操作できる可能性がある
ということは、無難かもしれないが、最低限言えそうだと思った。
■3つ目のアイデア
そして、友人とこの本の話をして思いついたりしたアイデアが3つある。
1 インフレ仮説による分散投資長期保有戦略
人間の欲望がある限りインフレ傾向は長期的に続くと仮定して、分散ポートフォリオで幅広い銘柄を買って長期保有するのが安定した戦略なのではないか?
2 マスメディア分析による投資戦略
マスコミは企業を持ち上げては落とす傾向がある。またマスメディア露出の多さは変動率の高さと相関する可能性が感じられる。このふたつの仮説をもとにニュース記事に登場するキーワード傾向(ポジティブワード、ネガティブワード、発生頻度)から投資戦略を編み出すことができるのではないか?
以上。
おい、アイデアは、3つじゃないのかって?
そうなのですが、3つ目は本命ですので、ここで書いてしまうと相互知識化して、私が儲けられないじゃないですか。
でも、知りたいという方は、標題を「究極の投資情報希望」として
までメールをください。期間限定で情報を送ります。
そのメールには私が考えているのはこういうことじゃないの?という、あなたの推測を書いてください。知識を交換することで、私の損を減らします。ただし、私が差し上げるのは回答そのものではありません。
メールへの返信として5つのキーワードを箇条書きにしただけのヒントメールを差し上げます。
私はある金融商品(取引手法)を考えてみたのですが、これはノーリスクで、ほぼ確実に儲かるのではないかとたくさんの本を読んだ結果、結論したものです。無論、私は金融の専門家ではありませんから、どの程度正しいのかは不明です。でも、確信しています。ご興味のある方はご連絡ください。
なお、私は少し忙しいので返信はゆっくりになるかもしれません。ご了承ください。
2004年07月19日
2ちゃんねる風の絵文字作成を支援するAscii Art Editorと文字絵考
アスキーアート作成を支援するソフトとレッスンのサイトを発見。どちらもよくできている。
・Ascii Art Editor Support Page
http://aaesp.at.infoseek.co.jp/

・モナー系アスキーアートの描き方。
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Yurinoki/1836/
日本のサイバーコミュニティ文化のアートのひとつとして2ちゃんねる系アスキーアートがあると思う。
2ちゃんねるのアスキーアートは書籍にもなっている。
実は私は97年ごろ、「華麗なるアスキーアートの世界」というアスキーアートのサイトを運営していた。数ページの小さな内容だったが、時期が早かったので、何度か雑誌にも紹介してもらった記憶がある。
アスキーアートには次の3つの分類ができるのではないかと考えている。
1 写真や画像を文字列に変換するタイプのビットマップ系
例:
・Aladdin Ascii Pictures
http://www.arkworld.com/ascii/disney/aladdin.htm
ディズニーのキャラクターが美しい
2 ASCII文字のみを使って点と線で絵を描くラインドロー系
例:
・CyberTaRo ASCIIART mit ASCII CODE Charakteren ASCII ART
http://www.cybertaro.de/arts/asciiart3.htm海外ではこういうのが多い。少し味気ない。
3 日本語フォントを駆使して小さく描く絵文字系
例:
・おまえモナー。
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Yurinoki/1836/c_aa_archive/omaemona.html
1と2は歴史も古く、海外で始まっているが、3は日本語フォントの特性を活かした日本発のアートであると考えている。
そして3の絵文字の系列には
1 2ちゃんねる
2 メールの署名
例:
・文字絵署名
http://iwa.eheart.jp/mo/
署名に使われたアスキーアート
3 ケータイメール
例:
「絵文字屋コム」TEXTARTの無料素材集
http://www.emojiya.com/
ケータイ絵文字文化の立役者、京太さんのサイト。
の3つの用途の中で、発展してきたものが統合されてきているように思う。
というのが私の持論だが、同じようなことを考えている人たちもいるようで、このサイトなどは意見を集約していて、特に参考になった。
・アスキーアートAA(ascii art)とJISアート(japan original art)の違い
http://www1.ryucom.ne.jp/papa/asciiart.htm
関連情報:
・殴打1号(WindowsNT/2000/XP/インターネット&通信)
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/net/se323692.html
・AA表示機能
・レス番号挿入機能
・ぬるぽチェッカー
・クリップボードへのコピー機能
・錯覚するアスキーアート
http://ex3.2ch.net/aasaloon/kako/1045/10450/1045051635.html
・窓の杜 - 【PickUP】動画からアスキーアートアニメを作成「テキストシネマ工房」v1.0
http://www.forest.impress.co.jp/article/2001/08/01/textcinema.html
2004年07月18日
左右スクロールもできるワイアレス光学マウス
新しく自宅にマウスを購入。子どもがいることもあって、ケーブルは何かと邪魔。ワイアレスマウスが欲しくなった。マウスといえばマイクロソフトだと個人的には思っているので、マイクロソフトの最新ラインナップから選んだのがコレ。ナイトビジョングリーン
・Microsoft Wireless IntelliMouse Explorer シリーズ

特徴は「チルトホイールによる快適な水平スクロール」で
「従来の垂直スクロールに加え、ホイール部分を左右に傾けることにより、水平方向にもスクロールができ、Webや表計算シートの画面を素早く操作することができる。マウスを動かしてスクロールバーを操作する必要はない。」
ということ。
ワイアレスであるけれど、遅延レスポンスはまったく気にならない。まず、過去のMSのマウス同様に人間工学デザインが、普通に使いやすい。ホイールの操作感覚が特に素敵。表現が難しいが、グリッド感があると同時になめらかで、すーっと吸い込まれそうな心地よさ。
左右スクロール機能は、使う場面が限定されてしまうのだが、項目数の多いEXCELの表には重宝する。ゲームでもこの機能は利用できそうだ。
ロジクールも左右スクロールのコンセプトを採用したモデルをリリースしている。マウスのトレンドになるかもしれない。
・logicool Cordless Click!Plus Optical Mouse
http://www.logicool.co.jp/products/c_mouse/clk_c71.html

マウス+αというコンセプトは次々に登場している。プリンタ内蔵マウスに興味あり。
・触覚マウスホームページ
http://www.fujixerox.co.jp/tangible_mouse/

画面上の凹凸をうねり感と振動で指に伝える触覚マウス。
・CASIO [ Products ] - PCミニプリンター
http://www.casio.co.jp/EZ-USB/printer/kp_c50/

ラベルプリンタ内蔵マウス。選択中テキストを印刷。
・Cool Mouseの説明会にようこそ。。。。。。。。。。。 iGNC
http://www.ilink4you.com/list/cool/

クーラーつきのマウスで汗かき人間も快適に長時間操作。
関連情報:
・マウス斡旋紹介所
http://mousesyokunin.parfait.ne.jp/link/link.html
防水マウス、メタルマウス、巨大マウス、黄金マウス、木製マウス、ダブルマウス、指紋認証マウス、GPS内蔵マウス、頭で動かすヘッドマウスなど多数の変り種マウスのリンク集。
2004年07月17日
テンキー電卓、テキストエディタ電卓
ノートPCにはテンキーがないから、頻繁な計算は面倒である。そこで、この記事を読んで、早速キヤノンの電卓テンキーを買いに走ったのだが、
・俺の“テンキー電卓やテンキーパッドの選び方”
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/stapa/18654.html
PCにUSB接続で計算結果を転送できる電卓2種。とても便利そう。液晶がついているので、PCに接続していない間は普通の電卓として機能する。
売り場で、各種実物を見た妻(本当のユーザ)曰く「これはキー配列が電卓であってテンキーではないから使いにくい」と言う。
結局、テンキー配列のこちらを購入した。実際、上の記事でもスタパ斉藤氏が「正直申しまして、電卓使いまくりな人にとっては、KS-120TKRのキー配列はちょい扱いにくいよーな気もする。」とそのことに触れている。私は変わらないと思うのだが...テンキーを使っていないからか。
結局、電卓機能はない、普通のUSB接続のテンキー。
特徴としては、付属ソフトのインストールにより、テンキーからの数字の入力を”絶対半角化”できること。Excelの領収書の入力のように、全角文字と数字が混ざる文書の作業でこれは便利だ。
■テキストエディタ電卓 SC-66、
で、ついでに電卓周りのツールを幾つか試してみた。便利だったのは、テキストエディタから電卓を呼び出して、計算結果を、元のテキスト入力位置へ挿入するSC-66というソフト。
・ソフト紹介 SC-66
http://hp.vector.co.jp/authors/VA013186/soft.html
エディタを使用中に「ALT」+「スペース」を押すと計算ウィンドウが立ち上がる。計算式を入力してリターンキーを押すと、計算結果が入力位置に貼り付けられる。
もうひとつ、こちらも長年探していた機能を実現していて感動。計算式を入力すると結果を横に表示してくれるエディタタイプの電卓。変数も使えるし、他のツールへ結果をペーストもできる。文章を書きながら、内容について、ちょっと試算してみたいときに打ってつけのツールだ。
・テキストエディタタイプ電卓KCalcLt
http://hp.vector.co.jp/authors/VA004101/kcalclt/j_kcalclt.htm

それから、この分野での驚異的な比較サイトを発見。
・V-Tails/電卓ソフト比較/テキストエディタ電卓
http://www.aa.isas.ne.jp/v-tails/soft/memo.html
「Windowsで動作するテキストエディタ形式の電卓ソフトについて、かってに比較しました。」とのこと。徹底的です。素晴らしいです。感動。
これらのツールを、購入したテンキーで使ってみると、とても快適で、計算がしたくなってきた。何か計算するものないだろうか。
2004年07月16日
MSNメッセンジャー、マウスで手書きチャット
チャット仲間のたつを氏に教えてもらった「MSN Messenger で手書きメッセージ」ツールは素晴らしい。タブレットがなくても、マウスによる手書きの絵を気軽にチャットで利用できる。
・MSN Messenger で手書きメッセージ
http://nais.to/~yto/clog/2004-07-16.html#2004-07-16-4
・fhw - msnmessenger-handwriting
http://disense.org/fhw/hiki.cgi?msnmessenger-handwriting
使用例1 :たつを氏との手書きを混ぜたチャットのログ。表現力倍増?。
View image
使用例2 :bulkfeedsの宮川さんとも会話してみる
使用例3 :あだち君とも会話してみる
皆、バカ受けで「どうやってます?」で説明することになる。ビジネスシーンでも図解が必要なときに便利なツールだと思う。
インストール方法は、作者のサイトに書かれているが、少しややこしい。msnmsgr.exeに対してパッチ処理を行う。パッチを当てるにはMSN MessengerとInternet Explolerのプロセスを一旦終了させる必要がある。
バイナリエディタを使った修正も示されているが、ひとつ間違うとMSN Messengerを起動できなくなる危険がある。このインストール方法が何を意味しているかを把握している人におすすめ。
関連情報:
・MSN Handwriting
http://www.customizeyourmsn.com/?msn=downloads&id=370&PHPSESSID=817078861cf266072eac040329bd0cd2これも似たソフトのようだ。このサイトはMSN Messengerの情報満載。
・MSNの改造情報のポータル
http://www.mess.be/
・MSNメッセンジャー☆ステーション - MSN Messenger Station
http://messenger.s7.xrea.com/
2004年07月15日
現代消費のニュートレンド―消費を活性化する18のキーワード
・現代消費のニュートレンド―消費を活性化する18のキーワード

■マーケティングのネタ本として使える情報満載
この本は電通のニュースレター「トレンドボックス」の内容を元に、現代消費のキーワードを解説する本。根拠となる調査データのグラフが豊富に掲載されており、マーケティングの仕事のネタ本に重宝する。
・電通 消費者情報トレンドボックス
http://www.dentsu.co.jp/trendbox/index.html
目次は以下のとおり。なるほどと実感した項目を太字にしてみた。
Part1 ポジティブ消費者を探せ!
01 "遊ぶ大人"が消費をリードする
02 "癒されたい"から"元気になりたい!"へ
03 いまどきの若返り術。
04 "わたしづくり"の文化消費
Part2 新しい消費ユニットを狙え!
01 新しい消費単位としての"平成拡大家族"
02 "週末二人暮らし"カップルの"新・おうち消費"に大注目!!
03 アクティブ大ママ進化論
04 飼い犬の家族かが掘り起こす"D.O.G"市場
Part3 消費者の世代特性を掴め!
01 平成型中学生のユニット感覚
02 "キャラばーゆ族"が変えるワークスタイル
03 仕事モードも、ボクモード。
04 インビシブル30代の底力
05 ほっと!なママは"してみたい族"
06 "ソフトボイルド"な男たち
Part4 新しい消費者像を描け!
01 "ユビキタス"消費の可能性
02 拡大するワガママ消費!!
03 センスでこなす!主婦は食品オカイモノ達人
04 ドリンクはココロの鏡?!
Part5 座談会「消費者研究の最前線」
■セグメンテーションの終焉と多自由構造な生活
統計の専門家、社会心理学の専門家だからといって、必ずヒット商品を作れるわけではない。市場の傾向や、個別のお客の声をマイニングすることで”改善案”は分かるだろうが、パラダイム革新は起こせないものだと思う。





