2003年12月31日
私の好きな漫画家たち
私の好きな漫画家たち
特に、最初の3人は私の人生に大きな影響を与えました。(どんな?と聞かれても困りますが)。全作品を所有し絶版をオークションで集めているくらい好きです。
■1位 諸星大二郎
諸星作品は無論全作品を所有しています。先日の新作発表の際には、サイン会にもでかけてサインを頂いてきました。オフィスに飾って拝んでいます。天才。神。私が評論するなどおこがましいのですが、先生は鎮守の森の奥に棲むもののオドロオドロしさを描かせたら古今東西かなうものがいません。(水木しげるがいるって?レベルが違います)。特にここに挙げた作品は各10回は再読しています。
諸星先生、今年生まれた息子には、諸星先生と星野先生絡みの名前をつけてしまいました。私の夢は会社を成功させ億万長者になって、諸星先生の著書専門の出版社を起こすことです。
上記は、妖怪ハンターシリーズと呼ばれる(ひどいネーミング)偉大な4作。
パプアニューギニアの酋長の息子コドワと仲良くなった日本の少女波子。ふたりは、定められた運命と戦いながら、人間の起源へ遡る長く不思議な旅へ。名作。
上記2作は連作といってよさそう。日本と中国の古代史をモチーフに宇宙の成り立ちまでを語ろうとする意欲作。
・諸星大二郎ファンのページ
http://www.tama.or.jp/~hos/morohoshi/
■2位 星野之宣
ある意味、諸星先生と星野先生は共に現人神でいらっしゃり、似ているのですが、諸星先生が天賦の才とすれば、星野先生は努力と才能で、その域に達した方と思います。緻密なプロットで古代日本とSFを描かせると超一級。宗像教授伝奇考を読まずして何が日本人でしょうか。踊る阿呆に見る阿呆。ああ、ヤマタイカ、ヤマタイカ。イザイホー。
2001夜物語の出だしが某映画に似ているのは唯一の汚点ですが、その壮大な構想力がそんなことなどどうでも良いほど偉大なSF漫画作品を生みました。無論、星野全作品読破しています。
日本の古代史の謎に挑む教授の話。
沖縄の巫女が覚醒し、古代日本と現代が交錯する壮大な呪的物語。
宇宙開拓者たちの数百年に及ぶ未来史。
・星野之宣ファンサイト
http://www.kcn.ne.jp/~bluecity/starfield.htm
■3位 安彦良和
安彦良和は一般にはガンダムのイメージがありますが、私にとっては古事記シリーズの人です。歴史解釈のユニークさ、緻密さ、女性の情念の描き方は日本一。感動して涙ぐむことができた貴重な漫画をありがとうございます。先生このシリーズ、続編出してください。10年でも20年でも待ちますよ。
日本の神様、大国主命を実在の人物と捉え、歴史の紐解きを試しつつ、人間ドラマとして鮮やかに描いた大傑作。
ナムジの続編。神武はいわずとしれら初代天皇だが、この作品の主人公は彼を補佐したヤタガラスのツノミの物語。泣ける。
もうひとりのジャンヌダルクの物語。
・安彦良和の宮殿
http://www.asahi-net.or.jp/~sj2n-skrb/yas/
■4位 水島新司
私は野球をしませんが、阪神タイガースと野球漫画が大好きです。数ある作品の中でも選ぶとすれば次の2作品がいいな。
岩田鉄五郎よ永遠なれ。
水島作品において少し異色作。
■5位 手塚治虫
やはりこの先生ははずせません。作品数が多すぎて、傑作が埋もれがちなので、私のお薦めを2冊。
いわずと知れた名作シリーズですが敢えて一作選ぶなら未来編。壮大で気が長いにもほどがあると呆れるくらい手塚先生の構想力は大きなものだったということですね。
因習と国家に支配されたムラ社会の時代錯誤感を感じつつも、とらわれているのは現代の都会生活者も同じかなと思ったり。
■次点的番外編 作品ベースで
少女漫画系で次点を構成。
中国の古典で男女の秘め事をあからさまに描いた禁書「金瓶梅」の漫画化。ねっとりたっぷり男女の変わらぬ営み、情愛と嫉妬など、が延々と描かれてます。
他のとりみきとは作風が違います。日本の民話をベースにした異色作。線画が印象的。
少女漫画なんてと思っていた、私の考え方を変えてくれた作品。薦めてくれた妻には感謝。素直で明るい性格の大切さ、職業人としてプライドを持って生きることの素晴らしさを真面目に学びました。コックになりたいと思ったほど。うっとりするほど魅力的な主人公。
・どうぶつのお医者さん

動物と学生時代をこよなく愛する人に。ほんわかした気分に浸りたければ。DENの松山さんも大ファンなんだとか(ってばらしちゃった)。
2003年12月30日
私の好きな映画たち(2)
昨日に続いて、映画評論第2弾。
古典的な作品から。10年以上前の私が書いた映画評論に、今の私が赤字でツッコミを入れるという、時空を超えた独りチャットをやってみます。
オフコースの名曲「はたちの頃」の唄いだしフレーズ。
「君とは良く話したな、アパートの狭い部屋で。お互い認め合えずに夜更けまで話した」
二十歳の頃。私は大学生。あるNPO団体の機関誌で、誰も読まないのに、映画評論を連載していました。はっきり言って、文章がめちゃくちゃ青いですが、この頃、評論した映画は未だに名作という評価は変わりません。古いワープロからテキストデータを救出しました。若気の至りな部分も多くて恥ずかしい気もしますが、そのまま掲載。26作。
みなさんは二十歳の頃、どんな映画が好きでしたか?
(以下の文章が書かれたのは恐らく1991年〜93年頃時点です。赤字はその評論を読んだ今の私のツッコミ感想)。
「ラストエンペラー」では皇帝の家庭教師レジナルド・ジョンストン役を演じ たピーター・オトゥールが、真面目な英国名門パブリックスクールの堅物教師 を見事に演じきった名作。駆け引きだとか欺瞞だとか、日常生活の中にある、 人生のそんな近道があることは分かっていても、ひたすらまっすぐにしか生き ていくことのできない不器用な男の一生の物語は、どこか共感を覚えてしまい ます。出世や名声などを考えず、仕事に真剣に取り組み、一人の女性をずっと 愛し続けるチップス先生は、何か気詰まりな気がしないでもないけれど、素敵 な人物ではあります。ラスト近くの迫真の演技には、感動して涙が出てきます。 いい映画だなあ。
今の私はチップス先生にそれほど共感しないかな。無口で実直はいいけれど、それだけじゃ、つまらない気がして。近道もそう簡単なことではないなあと思う、悪知恵のついた今日この頃。
「2001年宇宙の旅」で有名なスタンリー・キューブリック監督作品。ドラッグ、 暴力、レイプ、強盗、殺人などなどなど、刺激を求めてなんでもありの近未来 社会で、不良グループのリーダーが主人公。やりたい放題の結果、警察に捕まり、国家に洗脳されて...という映像も物語もショッキングな内容なのです が、見おわるとなんか快感という麻薬的映画作品。こんな内容なのに、テーマ 曲がスタンダードの名曲「雨に唄えば」で、これがまた不思議にはまっている。 Singing in the rainと唄いながらの暴行シーンは名場面。でも、万人向け の映画ではございません。世の中なんか違うよなあ、とお考えの、そこのあな たの為の映画であります。間違っても御家族の団欒に見る映画ではございませんのでご注意を。
今となってみるとそれほど刺激に思えないけれども私がスレちゃったかな。キューブリック的という意味では、「CUBE」のヴィンチェンゾ・ナタリ監督に期待しています。
重厚な映像が「ゴッドファーザー」や「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ アメリカ」を連想させます。もちろんそれらを超えることはできていませんが、 裏切りと欲望渦巻く非常な男の世界を、魅惑的な女性やら、派手な銃撃シーン やらの彩りを加えて、迫力ある鮮やかな映像を作ることに成功しています。知 名度は低いですがお薦めです。
10年経ったけれど同じ感想。B級マフィア映画にしてはよくできてたな
デンマークの作品。本国では絶賛されていたようですが、日本では上映館の少 なさや地味な内容のせいか、あまり評判にならなかったようですが、これは名 作だとおもいますよ。老夫婦が別荘に昔の友人を呼んで、ささやかなパーティ ーを開くところから物語は始まります。パーティーの間、老夫婦は二人の出逢 いから、平坦ではなかった長い人生の軌跡を回想していくのですが...。小 説でも映画でも音楽でも、優れた作品というのは、人間の生き方について語っ ているものですが、この映画もまた生きること、愛することという人間の抱え ている永遠の課題を扱っているように思います。泣かせます。ハンカチの御用 意を。しかし、日本ではなぜこういう名作が大々的に上映されないのでしょうか?
もういちど見たいな。これはいい作品で記憶に残っています。老後に夫婦でみたいですね
ガープの母親は戦時中の看護婦でした。彼女は野戦病院に運び込まれてきた脳 死状態の敵兵を、子供欲しさに犯してしまいます。その結果の産物が、この映 画の主人公ガープでした。母親はこの出生を秘密にもせずにガープに教え、ガープもまた悩みもせずに、この不条理と驚きに満ちた現実世界を、しっかりと いきていくのでした。ラストが泣かせます。主演は「レナードの朝」のロビン・ウィリアムス。原作は「ホテル・ニューハンプシャー」(これもよかった)のアーヴィングです。原作の小説も名作です。
原作がいいのだよね。これ。
アランパーカーの監督作品。主演のタムリン・トミタが日系二世のヒロインを 演じて独特の魅力。彼女を見るだけでもこの作品をみる価値があるかもしれま せん。戦時中の日系二世の女性とアメリカ男性の波乱に満ちたラブストーリー を中心に、当時の人々の人生模様が描かれます。激動の時代の流れに翻弄され つつも、したたかに貫かれる愛の強さに感動します。
タムリン・トミタその後なにしてるのだろうか
アメリカの永住権を意味するのがグリーンカード。このカードがどうしても欲 しい男と、利害関係の一致したアメリカ女性とのひょんなことからの出逢いか ら幕が開きます。偽装結婚でカード取得後は2度と会わない約束が、政府の調査をかわす為に、共同生活するはめに。そして芽生える愛の物語。主演のアン ディ・マクダウェルは、元トップモデルというだけあって奇麗。「セックスと 嘘とビデオテープ」の主演も彼女でした。相手役のジェラール・ドパルデュー も、今や個性派俳優の代表格。キャストですでにこの映画は成功しています。
ドパルデューは名優という評価は揺るがず。
奇才デビット・リンチ監督の名作。「ブルーベルベッド」もそうだけれど、彼 の作品は、何だか常軌を逸した変態的なところがあって、評価は分かれると思いますが、リンチファンにはたまらない魅力です。「ツインピークス」で日本 でも有名になりましたが、本来はカルト系でしょう。リンチの映画が一般に大 ヒットしては、この国も終わりなのかもしれませんね。でも、天才の映画では あります。ワイルドでバイオレントでとってもピュアなラブストーリーです。 首がぶっとんじゃったりしますけどね...。
ロードムービーの最高峰ですねえ。
征服者ピサロの部下アギーレらの部隊はイカダで川を下る。ひたすら下る。原 住民の攻撃、食料の不足、内部分列と殺戮を繰り返しながら。やがて狂気の独 裁者と化したアギーレは、仲間を全員処刑して、一人取り残された、死臭漂う イカダの上で、ニヤリと笑い続けるのでした。人間の奥底に潜む、狂暴な虚栄 心、支配欲、狂気というダークな側面を濃縮してドロドロと吐き出させてみせ たこの作品、迫力がすごいです。
真夜中に独りで見るにはよいB級映画でした
ブラジル映画。セリフが少なく、淡々と物語が進行し、淡々と終わるという淡 々系作品。セリフが少ないので単純なストーリーも、よくみていないとわから なくなる。また、睡魔にも気をつけねばならない。私はビデオで見て途中2度 も眠ってしまった。独特の雰囲気が良い。
静かすぎる映画でしたね、っていうかつまらない映画だったんじゃないか
私の好きな小説家の一人、スティーブン・キング原作。キング原作の映画化作 品の中では、最も良く出来たホラーではないだろうか?いじめられっこの内気 な少女キャリーは、ある日自分に恐ろしい超能力が宿っていることに気づく。 エスカレートしたいじめに彼女の怒りが頂点に達したとき、戦慄の復習劇が始 まる。のですが、私は、何だか見ていて、いじめている方の残酷さが恐くなっ てしまいました。しかし、恐い映画です。心臓に自信のない方はやめたほうが いいかも。
スティーブン・キングはパターンが見えて、最近読まなくなってしまった。彼の原作の映画では「シャイニング」が名作でしょう
主演ロバート・デニーロ、ライザ・ミネリ。ジャズマンを主人公にした映画に は他にも「モ・ベター・ブルース」「バード」「ラウンド・ミッドナイト」な ど数多くの名作がありますが、これもそれらに並ぶ傑作です。160分に及ぶ大 作でありながら、ジャズの演奏や舞台を効果的に織り込み、感動のラストシーンまで飽きさせずに連れていってくれます。内容は、大人のラブストーリーです。
当時ジャズにはまっていたんです。「大人のラブストーリー」って表現は、当時何を思って書いていたんだろう。
ライザ・ミネリの主演作。彼女は歌も踊りもプロということで、この手のミュ ージカル映画ではさすがの演技をみせてくれます。男と女が、出逢い、恋し、 別れていく。単純な話ではありますが、単純ではないのです。
今ならもう少しまともなコメントも書けるけど書かない(笑)
平凡な結婚生活に疲れ、離婚を考えている普通の中年女性ペギー・スー。彼女 は出かけていった高校の同窓会の席で気を失い、25年前の高校時代に逆戻りす る。もう一度人生をやり直せたなら。あの時違う選択をしていたなら。という 誰もが考える人生の「もし」がテーマです。60年代アメリカの若者と文化、 音楽にファッションを見事に再現した舞台の中で2度目の人生を生きるペギ ー・スー。恋愛や友情、家族からの独立、セックス、野望など若い世代の直面 する問題に彼女は、大人の視点で2度目の選択をしていきます。それが、若者 の一途さや無知無経験ゆえの純粋さと対比されていきます。監督コッポラは、 若さゆえの愚かさを暖かい目でみているようで、むしろ大人の冷めた考え方に 対して「人生を楽しむって何でしょう?」という問いを発しているように思え ます。映画にタイムスリップものは数多くあっても、懐古趣味や、舞台設定の 奇抜さをみせるだけのものが大半の中で、たんなる古き良きアメリカ賛歌に終 わらせず、時代の移り変わりと、その流れの中でも変わらない普遍的なものと を対照的に浮き上がらせてみたのはコッポラの巨匠たる所以ではないでしょう か。結局、人生に仮定法はなく、生きるとは「If」ではなく「When」の 問題なのだよ、と監督はいいたいように思えます。また、人生の諸場面の選択 の必然性(運命とも言う)という彼の人生観が根底に感じられます。これは後 に彼の代表作となる「ゴッドファーザー」の死生感、運命の悲劇性にも重なるように思います。
何を言いたいのか分からない文章を書いていますね。でも、言いたいことは分かる気がするし、今もそう思うなあ
たった一晩の話で、登場人物もほとんど3人というシンプルな設定ですが、緻 密な演出(原作は演劇であったというのもうなずけます)と存在感ある登場人 物によって緊張感ある上質のサスペンスになっています。毎日単調な仕事に飽 き飽きしていた冴えない田舎町の駅長と、一緒に夜明けを待つことになった美 しい女性、そこに襲いかかる謎の男のサスペンス仕立てのラブストーリー。こ れは楽しめます。
緊張感のあるドラマだったなあと記憶しています
終始ジャズのスタンダードナンバーのオンパレードという感じの映画ですが、 曲がそれぞれの場面の為に書かれたのではないかと思われるほどはまっており、 ジャズファンには堪えられない作品です。主役は大御所ベッド・ミドラー。歌 唱力には圧倒されます。「PS I Love You」「Come Rain or Come Shine」などを唄うシーンは映画というよりライブを観て いる感じです。内容は二人のジャズ歌手の、それは長い長い(50年以上を描 いています)ラブストーリー。
これはいい映画でした。ベッドミドラー、ライザミネリに駄作は少ない
平凡な田舎の家庭の主婦が、戦時中夫の出征中に、生活費捻出の為、バンドで ピアノを弾いたのがきっかけで、バンドとともに旅行をはじめ、やがてバンド の男と恋に落ちてしまうという、不倫のお話です。「君と一緒にラブソングは 唄えない」という不倫相手のセリフなんかがカッコいいですね。ジャズが好き な人は必見です。
妻子もある今からすると寝取られる夫を想像してしまい、怖い映画だな(笑)
現代フランス文学の代表女流作家マルグリットデュラスの15歳の時の愛人と の性関係を綴った自伝が、ジャンジャック・アノー監督(「薔薇の名前」の監 督)の手で映画化されました。映画としては水準に達していますが、この大物 二人の組み合わせに期待したほどではないというのが本音でしょうか。作家の 愛人関係を描いた官能的な映画としては「ヘンリーアンドジェーン」(北回帰 線のヘンリーミラー)、「カミーユ・クローデル」(ロダンの愛人)などの方 が優れているように思います。そもそも主演のジェーン・マーチがいまいちで す。仏領インドシナの風景は美しいですが...。
車内で手が触れ合うシーンよかったな。今もドキドキするかな
気は優しくて、頭脳明晰、剣の腕も超一流。でも、鼻が滑稽なほど大きいため に、女性とつきあえない、悲しい男のラブストーリー。文句無しになけます。 映像は重厚で豪華キャスト。原作は有名な演劇ですね。昔の演劇の資料に「白野弁十郎」と訳されていて笑えましたが、古典的名作です。これはみないと損ですよ。
その後2回観たかな。
・「ローラ」★★
ジャック・ドゥミ監督が「シェルブールの雨傘」(大傑作!)の前に撮った白黒映画。初恋の去っていった男を、ただひたすら待ち続ける踊り子のお話。実 はこの映画微妙に、「雨傘」と設定がつながっていまして、「雨傘」の予備知 識があれば、さらに面白いかもしれません。しかし、なんで昔の映画はこう単 純なストーリーで人を感動させてしまうのでしょうか?
この映画どこで観たんだろう???大学の図書館だっただろうか。ネットにも情報がみつからず。
・「サウス・キャロライナ」★★
バーバラ・ストライザンド主演・監督。家族の葛藤を描いた秀作で、暗く複雑 なテーマをうまく処理している。ニック・ノルティが主演し、苦悩する男を見 事に演じているのはいいのだけれど、セラピストでヒロインがバーバラという のが気に入らない。バーバラストライザンドはやはり監督に徹するべきです。
苦悩する夫となりつつある今みたら感想ちがうんでしょうね
アウシュビッツ収容所で、生きるために、将校たちの賭けボクサーとして戦う 男の物語。悲惨な状況の中でも強く生きぬいて、人間の尊厳を忘れない人々の 話は、実話なだけに一際心を打ちます。有名な役者は出てきませんが、とても よい作品です。
今思うとたいしたことないかも
黒沢明監督作品。この作品を見ればなぜ「世界のクロサワ」なのかが納得でき るでしょう。代表作「乱」は、日本人が見ると、外国人向けに戦国時代があま りに類型化されすぎていて、違和感があるのですが、こちらは、日本人の為の 日本映画なので、すんなりと入って行けるでしょう。この映画はもう泣けます。 すごく泣けます。冴えない役所の土木課の課長のおじさんが、自分がガンであ と半年の命であることを知ります。おじさんは、そして人生の最後にひとつだ け、何かを残して人生を終えることを決意します。その何かとは...。「生 きる」ことの意味を真正面から描きながら、少しも説教臭さを感じさせず、見 るものを泣かせ、憤らせ、考えさせる、という素晴らしい映画です。日本映画 の頂点と私は思います。
これは未だに最高の映画のひとつと思います。
カルト系映画の巨匠ピーター・グリーナウェイ監督作品。彼の作品はすべて芸 術の香りと死のイメージが基調となる重苦しい映像なのですが、同時に、非常 に美しい絵を撮ることにも定評があります。この映画は、腐敗した食べ物や残 酷な殺人が、それはそれはとても美しく描かれております。見過ごしがちです が部屋ごとに衣装が変わっていることにも注目。他にも「ZOO」「建築家の 娘」「英国式庭園殺人事件」そして「テンペスト」と、グリーナウェイ作品は すべて同じ、重厚で煌びやかな死がテーマのようです。
グリーナウェイに当時はまっていたんです。今はもう少し分かりやすいものが好き
この映画はメジャーですね。素晴らしい映画です。近年まれにみる名作です。 きっと古典になるでしょうね。監督は若干29歳で、この映画を撮りました。 天才ですね。2時間版と3時間完全版がありますが、2時間版がお薦めです。 この映画はまあとにかく見て下さいということで...。単館公開が口コミで 噂が広がり、全国ロードショーになっただけのことはあります。やはりなんと 言ってもラストでしょうか。人生について考えたいあなたに。
その後5回くらい観ました。いいですねえ。
映画史に残る名作の一つですので見た方も多いでしょう。18歳のカトリー ヌ・ドヌーブが主演しております。今はもう大御所である彼女もまだこの頃は 駆け出しでした。ミュージカル映画でしかもフランス語なので、はじめ戸惑う かもしれませんが、とにかく、よくできた映画です。私は「サウンド・オブ・ ミュージック」などよりもこの作品が好きです。非常に洗練されたラブストー リーです。ラストは悲しいような、かっこいいような...。
おしゃれ
2003年12月29日
私の好きな映画たち(1)
映画大好き。
自信を持ってお薦めできる10作+5作。比較的最近のもの。古典的感動名作は明日の第2弾で。
観ていただきたいので、ネタバレ一切なしの短評。解説はアマゾンのサイトへ飛んで読んでください。電気を消して没入して観て、良かったら、コメント書き込んでください。
■お薦めの10作
ウッドストック、フラワームーブメント、60年代フォークロックの好きなあなたに限定で、マジで最高評価。観ないと損。この時代に生きたかった。サントラCDも選曲秀逸。
・プロフェシー

宇宙における人間の存在を哲学したいあなたに。雑誌「ムー」を愛読するなら特にお薦め。
不思議な話を見たいあなたに。四国の暗く深い森と官能的な天海祐希萌え。日本の神話、伝承マニアにはたまりません。
パニックと極限下の人間ドラマが見たいあなたに。実話ベース。原子力潜水艦を舞台に「レッドオクトーバー」を超えている。
宇宙舞台のサイエンスフィクションが観たいあなたに。
シェークスピアの「ロミオとジュリエット」を現代風設定でBGMはハードロック。レオナルド・ディカプリオがまともに名演。
いつか来た道を想いだしたい30代のあなたに。少女の静かな成長を淡々と描く。ジブリ。ジブリもいろいろあるけれど、「おもひでぽろぽろ」が好きならこれもいい。ほんのり暖かい。
怖いものみたさを愛するあなたに。ホラー。黒木瞳主演。母性が切な怖い。
天才を生きるとはこういうことなのか、と知りたいあなたに。以前の記事で紹介しました。
■次点的番外編:クセはあるけど好きならお薦め。
・レッドプラネット

火星探査に参加したいあなたに。同じ舞台設定のSF「ストランデッド」と甲乙つけがたい。こちらの方がメジャーで分かりやすい。
現代の戦争を生々しく体験したいあなたに。1993年10月3日の米軍によるソマリア侵攻の失敗を描いた戦争超大作。実話。
エンゼルハートが好きなホラーファンならば強くお薦め。
永遠に理解できない「少女」的なるものを愛するあなたに。ソフィアコッポラ初監督。サントラ買いました。
淡々と感動したいあなたに。近代中国の歴史の波に生きた女性の壮大な物語。原作はベストセラー。
参考URL:
・映画生活
友人が運営している映画評価サイトで使いやすい。
http://www.eigaseikatu.com/
・映画瓦版
http://www.eiga-kawaraban.com/
レビューが適切、評価に一貫性。著者の好みとはまれば最高のガイド。
・CinemaScape-映画批評空間-
http://cinema.intercritique.com/
明日は古典的お薦め映画中心に紹介の予定。
2003年12月28日
年末年始手抜き企画のお知らせ
年末年始手抜き企画のお知らせ
夢あるのセミナーで日記を毎日続けると宣言したので毎日更新予定です。
年末年始は1月4日までは、いつもの情報技術の話からおもいっきりはずれます。いくら好きとは言え、休み中にこの同じネタを続けると、私もみなさんも疲れるだろうなあというのが理由です(ピュア)。
映画や音楽、ゲームや漫画の話をしたいと思います。情報技術系を期待する方は、1月5日以降にご訪問ください。
この時期は私にも家族サービスもありますので、基本的に書き溜めた原稿で更新予定ですが、コメント欄のチェックは怠りません。というか、コメントへのリプライは普段よりも多くできると楽しみにしています。どうか感想やご意見をお気軽にカキコしてください。
【年末年始の更新予定】
12月29日 私の好きな映画たち(1)
12月30日 私の好きな映画たち(2)
12月31日 私の好きな漫画家たち
1月1日 年始のご挨拶
1月2日 私の好きなゲームたち
1月3日 私の好きな音楽たち
1月4日 この年末年始で楽しんだもの報告
1月5日よりブログ、会社(データセクション)ともに通常営業へ戻ります。
年初、最初の仕事は1月5日の雑誌社WebDesigning編集部訪問です。取材を受けるのですが、大変興味があるので、逆取材してブログネタにしちゃおうと企んでいますので、編集者さん、読まれてたらよろしくお願いします。
・WebDesigning
![]()
Webデザイナーでなくても楽しめるITネタも満載の雑誌だったんですね。これまでデザイナー向けと思って読んでなかったけれども、最新号を頂いて驚き。
2003年12月27日
ナレッジサイエンス―知を再編する64のキーワード
知識科学関連の書評の本。
■日本人の平均読書スピード
どの本を読むかを決めるのは難しい。
日本人の読書の平均速度は、各種調査を調べると、1分に平均600字〜800字程度と言われる。本はデザインによって1ページ当たりの文字量は異なるが、私が普段読んでいる本の平均値を大雑把に見積もったところ、1ページ当たり640字という数字が出た。250ページあるとしよう。
すると一冊当たりの文字量は、
640文字 × 250ページ = 16万文字
である。
読書の平均速度で割ると、1冊読み終わるのに3.3時間〜4.3時間が必要になる。この数字は私の感覚では短すぎるような気がする。多くの場合、何度かに分けて読む際の再開リードタイムや、調べたり考えたりする時間も必要だろう。
だいたいそれらの時間を1.5倍として考えよう。1冊読むのに5,6時間というのが平均の目安になるだろうか。
■個人差の計測と平均読書量、所要時間
読書スピードには無論個人差が大きい。以前紹介した速読メソッドの本では、1ページ1秒などという信じがたい数字が達人の速度として挙げられている。実際に自分のスピードを計算したい場合は次のサービスが参考になる。小説の見開き2ページが表示されるので、読んだらクリックすると、自分の読書スピードと評価が表示される。
・読書速度測定
http://www.zynas.co.jp/genius/sokudoku/sokutei.html
私のスピードは1000字/1分程度で平均を少し上回ることができたが、司法書士試験合格者などは2000字程度をこなすらしい。心の中で声を出して読むことを内読と呼ぶらしいが、これをすると速度が落ちるらしい。私は内読のこだわる派なので、これくらいが限界かもしれない。
日本人の平均読書量は、政府の国語に関する世論調査によると、1から10冊である。
・ 国語力低下とその背景 〜文化庁「国語に関する世論調査」結果を中心に〜
http://www.keinet.ne.jp/keinet/doc/keinet/jyohoshi/gl/toku0309/prt1_3.html解説ページ。「1か月に読む本は、「1冊〜10冊」が最も多く過半数を占めている(58.1%
)。だが、その一方で「まったく読まない」人も37.6%にのぼっている」
1から10冊では参考にならないので、こんな数字の方が気になった。
・雑誌プレジデント 月平均読書量4冊
http://www.president.co.jp/pre/special/editor/150.html
雑誌プレジデントは恐らく経営者、マネージャ層によく読まれている雑誌である。このアンケート調査によると月4冊だそうだ。4冊では64万。純粋に読むと640分だが、上述の根拠により、1.5倍にして必要時間は960分。1日当たりにすると31分の読書でノルマを達成することになる。
毎日読書をする時間を効率的に使うには、
1 上記の読書スピードを高速化する
2 読書時間を増やす
が考えられるが、普通はどちらも難しいもの。
結局、効率を考えると、適切なときに適切な本を読むこと。ハズレを引かないことが一番、良い効果を挙げるのではないだろうか。
■知識科学のキーワードを俯瞰し参考文献を探す最適の書
読書速度の話が多くなってしまったが、この本は情報科学分野で著名な国立大学の北陸先端科学技術大学の先生方が、知識科学におけるキーワードごとに名著を選んで解説したもの。各キーワードは2〜4ページ程度に上手に要約されている。キーワード解説集としても十分に勉強になる。私もこの本で見つけた本を何冊か、この書評で紹介してきた。
紹介されている本はハズレが少ない。2002年12月初版のため、最新の本は少なめだが、古典的な本ばかりというわけでは決してない。新しくて充実した名著をバランスよく選び出している。書評は、そのテーマの面白さ、その本に何を期待して読むべきか、適切に書かれている例が多いので、読書方針を決める際の羅針盤として、一級品の本である。
評価:★★★☆☆
参考URL:
・俺と100冊の成功本 blog.自己啓発.com
http://blog.zikokeihatu.com/
「このサイトは、いわゆる成功本を100冊読むことで、成功できるかを検証するページです。」。アツイ。
2003年12月26日
分かる使える思考法事典―アイディアを生み出し、形にする50の技法
・分かる使える思考法事典―アイディアを生み出し、形にする50の技法

■煮詰まった会議のブレークスルー
新規事業開発プロジェクトの会議にコンサルタントとして参加。全員でブレインストーミングをした。立ち上げ予定のサービスについて、潜在的な需要、用途をリストアップしていく。その中から有望なモデルを探すのが目的。
サービスの特性をX、Yの軸で4象限に分けたマップを作って、アイデアを配置していく。知識経験の豊富なメンバーばかりだったので、最初はアイデアが湧き出るように提案された。このまま続ければ、最後にいい成果を出せるかもしれないという期待感は高まる。途中までは調子よく、ホワイトボードが埋まっていった。
しかし、半分くらいまで進んだ段階で、これでは革命的なビッグアイデアはでないかもしれないと漠然と感じていた。一通り全員が考えをすべて喋って、ニーズのマップも9割完成したときに、やはり、全員がそう思った。どのアイデアも悪くないのだが、飛びぬけたものがない。プロジェクトリーダーも「パラダイムを変えないとだめですね。次回やりなおしましょう」と締めくくった。
こういうブレインストーミングはよくある。「ニーズのマップを埋めていく方式」では、革命的なアイデアは生まれない事が多いなあと思った。これに似た「すべての組み合わせを考える方式」も無難な結果しか生めないことが多いと感じる。発想法を次々に取り替えて議論してみるとうまくいくことがある。
それも発想法を取り替えた最初の「一絞り」にキラリと光るものが見えたりするなあと思う。(みなさんの経験はどうでしょうか?)
この本にもこんな一文があって大きく頷いた。
「薬でも同じですが、思考法も、最初はめざましい結果が出ることがあります。そのうちにたいした結果が出なくなります」
この本は発想法、思考法を50種類も紹介している。KJ法やマトリクス法、ブレインストーミング法等、比較的知名度の高いものから、シネクティクス法、NM法、MBS法、カードBS法、ゴードン法、フィリップス66法など知る人ぞ知る発想法が次々に紹介されていく。
50の技法は、
・学術研究で用いられてきた思考法
・ビジネス分野で定番となっている思考法
・1人に適した思考法
・グループに適した発想法
の4つに整理されている。事典だから、通読するよりも必要な箇所を煮詰まったときに読むと、使える発想がみつかりそうだ。会議室に置くのも効果があるかもしれない、発想法のカタログ書。
■百式田口氏から教えてもらった思考法
今年は年末の忘年会議まで百式管理人田口氏とよく仕事をさせてもらった。彼はコーチングや会議のファシリテーター技術を学んでいるので、発想法、思考法をやたらと知っている。個人の性格との相性もあるけれど、私と田口さんの会議で、毎回うまくいくやり方が最近分かってきた。
彼の提案によるもので、最初はそんなことできるわけないと思った2分間発想法。何か問題解決やアイデア出しをしたいときに、「それじゃあ、今から2分で必要なことをリストアップしてください、はい、スタート」と彼にいきなり宣言される。準備は一切出来ない。私は若干彼の能力にライバル意識を持っているので、それを超えようと必死に考える。2分後に両者が発表し、重複チェック、グループ化、ワークフロー順に並べ替える。これで大抵うまくいく。すごくうまくいくこともある。失敗しても2分しか使わない。
2分間の意味を私なりに考えてみた。次の5つの点が良いのではないかと思う。
1 1分は短すぎる、3分、5分はまとまった単位である、2分には緊迫感が感じられる
2 時間があると思うと完璧主義になったり全体を構成しようとして、アイデアがでない。2分しかないと思うととりあえず思いつくことを出してみる。
3 急いでも、最初に思いついたことというのは大枠正しいことが多い。
4 当意即妙の力を試されている感じがして創造性を刺激される
5 2分では一人で全体を決められないが故に、みんなの意見を組み合わせた内容にまとまるので、コミットメント感が生まれ、その後のプロセスに良い影響が出る。
その他、プロジェクトの成功ケースでは、
・「とにかくスケジュールから決めてしまいましょう」
・「プロジェクト完了まで毎朝、用がなくても電話で話しましょう」
・「じゃあ、それとそれ、お互い30分で今やっちゃいましょう、スタート!」
というセンテンスが使われることが今年は多かった。皆さんのベストプラクティスのためのセンテンス、あったら教えてください。
参考URL:
・コラボレ
http://clbr.jp/
たまごっちを生み出した発想法がWebで体験できる。
・思考法/発想法 N2
http://www.sge.co.jp/n2web/index.html
六角形の構造にアイデアを書き出していく発想法。ソフトウェア体験版もある。
・過去関連記事 デスクトップ発想支援ツールリンク集
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000139.html
2003年12月25日
言語の脳科学―脳はどのようにことばを生みだすか
■言語の獲得と脳
もうすぐ5ヶ月になる息子は、国会の証人喚問風に「橋本○○君」と名前を棒読み口調で呼びかけると微笑む。普通にあやしても中々笑わないのに不思議。彼が言葉を話すようになるのは子育ての本によると生後12ヶ月くらい、らしいので、まだ言葉の内容を理解できているわけではないはずである。
自分が日本語をどう覚えたかの記憶はない。英語のように文法から憶えた記憶ももちろんない。ウチのこどもも脳の成長に伴い近日のどこかで、言語を獲得していくはずで、毎日小さな変化の観察に興味は尽きない。
この本は、人間の脳が言語をどのように獲得し、使っているかの先端的な情報を一般向けに分かりやすく教えてくれる入門書。計測装置の進歩により、人が物事を考えたり、話したりするとき、脳のどの活性化する部位を計測することができるようになった。しかし、言語と脳の関係はまるで解明されていない。分かっていないからこそ、この分野は熱い議論が交わされている。
この本ではチョムスキーの生成文法論を中心に言語と脳の深いつながりが解明されていく。生成文法理論では、人間の脳には生まれつき、文法を処理する機構が備わっているとされる。言語は学習によって後天的に身につけるものとする、従来型の言語理論とは異なる。興味深い多数の実験結果の報告から、「普遍文法」の存在が裏づけられていく。
■生成文法論とコンピュータ応用
近年チョムスキーの生成文法論が人気があるのは、コンピュータの普及と関係があるのではないかと私は考えている。主語はS、動詞はV、目的語はOと、記号化する。例えば、日本語の構文は通常の文章(平叙文)ではSOVである。英語、中国語はSVOである。この本によると、ウェールズ語はVSO、マダガスカル語ではVOS。理論的に組み合わせは6パターンが考えられるが、OSVになる言語は発見されていないそうだ。
記号化された言語の構造モデルを、いろいろなルールで構造変換することで、言葉のバリエーションが生まれる。例外だらけの自然言語という考えと違って、コンピュータで扱いやすい理論であり。今日のコンピュータによる言語処理や意味解析の研究に大きな影響を与えていると言われる。
以前プレゼンテーションを見せてもらったソフトに三菱総研のKnowledgistがある。これは、英語文書の構文を解析しS、V、Oのモデルを抽出した後、「やりたいこと→実現方法」を発見できるという野心的なソフトである。
同社の解説では、
「
自然言語処理技術を長年研究してきた米国インベンションマシン社が、「科学技術に関する文書では、述語と目的語の組み合わせが「やりたいこと=問題」を、主語が「その実現方法(解決策)」を意味しており、技術分野のコンセプトはこの形式で表現できる。」ことを発見したことがベースになっています。」
とのことだ。こういったソフトウェアはチョムスキー的アプローチのビジネス応用と言えそうだ。
・Knowledgist
http://www.internetclub.ne.jp/IM/products/knowledgist.html
#チョムスキーは同時に政治的活動を派手に展開していることも人気の秘密なのかも。
■ブレインーマシンインタフェース
もうひとつの本書のテーマの脳科学。脳の信号を使って機械を操作するハードウェアも既に市場に出ている。
・CyberLink
http://www.brainfingers.com/
脳波、眼球運動、筋肉の動きなどを使ってコンピュータを制御するシステム
・脳内の電気信号によるコンピューター制御へ
http://slashdot.jp/articles/03/11/15/1128201.shtml?topic=70
脳の指示を機械へ伝えるBrain->Machineインタフェースは研究レベルのものが多数みつかるが、逆に機械から脳へ直接に情報を伝えるMachine->Brainインタフェースは少ない気がする。倫理的に問題が大きい。技術的にも脳科学の進歩が追いついていない。そういった課題が山積みだと思うけれど、大容量の記憶装置や、数値計算、辞書検索、翻訳などのモジュールを脳から直接利用できれば、随分、生活や人生は変わりそうだ。
いわゆるサイバネティクスの研究がそれに当ると、言えそうである。以前書いた記事にこんなのがあった。脳に機械が言語的な指示を与えて身体を動かす生物ロボット。
・ゴキブリは電脳ウナギの夢を見るか?
http://sentan.nikkeibp.co.jp/mt/20030523-01.htm
ここでも紹介したが、今年見たショッキングなページに、ゴキブリの脳に電極を取り付けて、行動をコントロールする実験の紹介がある。虫とは言え、倫理的にどうなのか議論の余地はありそうだが。
・Robo-Roach(人によってはショック画像あり。虫嫌いの人はクリック前に注意。私もあんまり見たくない(笑))
http://www.wireheading.com/roboroach/robo-roaches.html
---
余談であるが、URLの先に見たくないグロテスクな画像があることが想定される場合に、便利なコミュニティがある。この2ちゃんねるのスレッドにURLの確認依頼を出すと有志が実際に画像の内容を確認して報告してくれるのだ。Part496ということは過去に49万件以上の書き込みがあった大盛況のスレッドのようだ。
・勇気が無くて見られない画像解説スレPart496
http://ex.2ch.net/test/read.cgi/entrance/1072323640/---
■チョムスキー一辺倒だけれど
著者はチョムスキーの生成文法理論の信奉者で、言語学を語る際に少々態度の偏りがあるように思える。そのかわりに、本書は、分かりやすい一本の筋が通っていると言える。著者は、後で全面否定するものの、必ず一度は対立する意見も紹介している。一般書なので、並列で異なる意見を紹介し読者に判断を任せるより、私はこう考えているのだという専門家の強い語り口で、論を進める戦略は成功しているように感じた。
紹介される臨床例、実験例は特に興味深い。一週間置きに、片方の言語が失語症になるバイリンガル患者がいるだとか、一見読めそうだが無意味な文字列を見ると脳は無意識に反応してしまう、ジャヴァウォッキー文の事例などわくわくした。
評価:★★★☆☆
2003年12月24日
起業人 成功するには理由がある
漫画コラムニストの夏目房之助氏による、ITベンチャー創業者23人へのインタビュー集。発売直後に増刷決定だそうだが、なるほど今までの投資家視点のビットバレー起業家インタビュー集とは一線を画す。
■ヒトに焦点を当てた深い洞察
前書きにこうある。
「本書はIT起業家という、ある種の専門家を、誰でも理解できる「ヒト」の部分で扱っている。タイトルを「起業人」とした由縁である。ITにもビジネスにもまったくド素人、門外漢の私が、ただ「ヒトの面白さを見る技術」だけを武器に、ITベンチャーの現場の人々を取材した、いわば「起業人の人間学」なのである。
私は門外漢だが、ヒトの面白さを見つけ、ナゼそうなのか、どこがポイントなのかを見出すことについていえば、プロである。長年そういう仕事をしてきたし、インタビューによって、その人自身が知らない部分を引き出すことにも自信がある」
ITベンチャーへの取材であるにも関わらず、会員数やページビューがいくらだとか、技術のアルゴリズムがどうだという話はまったく触れられていない。いや、そもそも何のサービスを提供している会社なのかの会社説明も、あっさり各章末に数行で要約されるのみである。徹底的に「人」に焦点が当てられている。
■投資家が重要視する経営者の人柄
以前、私の会社の事業を、ヒアリングしにきた百戦錬磨のベンチャーキャピタリストに、私は逆に「投資する側は会社のどこを見ているんですか?」と聞いたことがある。「実は重視しているのは社長の人柄や性格なんだよね」という答えが返ってきた。ビジネスモデルや実績も大切だが、投資の経験則では、社長の人格の方が起業の繁栄の成否を分ける、最重要要素なのだという。
この本では、その「社長の人格」が、著者の鋭い人間観察眼によってむき出しにされてしまう。著者はインタビューに際して、綿密な資料分析も踏まえて、経営者の性格特徴を引き出すための質問を、慎重に選んでいる。雑談を装いながら、精神分析を仕掛けている。この質問者の戦略は、取材を受ける側にとっては怖い。
著者のインタビューは、まず育った環境や夢中になったものなど、経営者が話しやすいことを探る。軽口を繰り出しながら場を盛り上げる。話し言葉そのままを記録したりはしない。声の抑揚や表情、話し言葉の行間を、著者は呆れるほど丁寧に分析し、活き活きとした人物像を構築していく。
私は、この本で取り上げられた創業者たちの半数と面識がある。中には今一緒に会社を経営している人もいる。初対面のはずの著者が、2時間のインタビューセッションの中で、各経営者の人柄や考え方を的確にキャプチャーできていることに驚かされる。
■人物像を浮き彫りにする、練られた構成の妙
この本は構成も練られている。年代別の章立て、1ページ使った写真、経営者自ら埋めた履歴書は、インタビューを深く読む際の手がかりになる。これらの著者の仕掛けは成功していると言えそうだ。
1980年代生まれから1940年代生まれまで、年代順でインタビューが並ぶ。若い層はITとの出会い感は薄い。ITは子どもの頃から生活の中に既に存在していたからだ。逆に年配の経営者はITをキャリアのどこかで発見し、その社会的意味を深く考察していることが、窺える。時代が色濃く映る、「育ちの環境」に順応した人もいれば、反発した人もいる。
モノクロながら1ページ使った写真には多様な意味がある。経営者の眼差し、身体の表情、身につけているものから、生き方の一端が垣間見える。顔は微笑みながらも眼が笑っていない人も結構いるなあ。
履歴書はその内容よりは、経営者が限られたスペースをどう埋めたか、という視点で読むといい。ここぞとばかりにキャリアと事業実績を並べる人もいれば、あっさり学校の卒業年度と事業開始年度だけで済ます人もいる。年代別ということもあるのだが、女性経営者まで生年が書き込まれているのは珍しい。
■インター・ビューの仕事の参考として
この本は投資家や起業志望者はもちろんのこと、インタビューの仕事をする人にもお薦めである。私もよくライターの仕事をする人間だが、インタビュー記事の執筆と言うのは難しい。普通にやるとテープ起こしのまま、企業の広報資料みたいになってしまう。著者くらいの年代にならないと、この手の人間観察は難しいのかもしれないが、その視点と手法から学べることは多そうだ。インタビューは本来「Inter-View」であって双方向のものだ。一方的に聞くだけでは書き手の仕事をしたことにならないぞ、と、この本から私は教えてもらった気がする。
余談ながら、著者の夏目房之助氏は、作家夏目漱石の孫にあたる。日本を代表する文豪の子孫が今日、どんな視点で、どんな文章を書いているか、という興味で読んでも十分に面白い。
参考URL:
・いい電子
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757702353/daiya0b-22/
ゲーム業界ド素人の書いた突撃取材漫画として私は全冊読んでいる。笑える。
・過去の関連記事 その夢はいつやるんですか
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000383.html
注意:この本は出版社メディアセレクト社から献本を受けました。同社の代表者と私は関係があります(リンゴラボ代表者と同一人物)が、書評執筆に当っては、そのことを意識しないよう努めました。純粋に、読んで素直な評価としました。このブログの書評はまじめに書きたいという思いから一応付記致します。
この本で紹介される経営者のリストは以下の通り。
第1章 1980年代生まれの起業人
伊藤正裕(株式会社ヤッパ)
自分で勝手に情報を処理する自己完結系なんです
第2章 1970年代生まれの起業人
石田宏樹(フリービット株式会社)
目標や意義が納得できないとなにもできない
上田祐司(株式会社ガイアックス)
効率は愛――。これすごく大切なことだと思う
園田智也(うたごえ株式会社)
ゼロからできるという例を作りたかった
第3章 1960年代生まれの起業人
高須賀宣(サイボウズ株式会社)
重要なのは、速度、単純、魂
加治木紀子(株式会社オフィスノア)
面白いと思ってやっているうちに、後からつじつまが合う
堀主知ロバート(株式会社サイバード)
いちばん重要なのは、問題解決能力だ
原口豊(株式会社ベイテックシステムズ)
絶対、常に上昇してないといけない
關信彦(キュービットスターシステムズ株式会社)
コンピュータのネットワークで、みんなが自分を表現していく
宇野康秀(株式会社有線ブロードネットワークス)
本質的には商人と武士と両方できなきゃいけない
宋文洲(ソフトブレーン株式会社)
日本にばかりいられない。グローバルにやんないと、やられちゃうからね
安哲秀(アン研究所)
地道な方法は時間がかかるけど、最後には必ず勝ちます
舩川治郎(デジット株式会社)
最後には国連に代わる機構をつくるかもしれない
神原弥奈子(株式会社ニューズ・ツー・ユー)
スタッフが50人を超えて、待つことの大切さがわかった
竹内宏彰(株式会社コミックス・ウェーブ)
ノウハウはマンガ編集者から学んだ
市川啓一(株式会社レスキューナウ・ドット・ネット)
人のニーズに応えることが得意だったんです
南場 智子(株式会社ディー・エヌ・エー)
やっちゃった以上、成功するしかない
川上陽介(株式会社セルシス)
誰もやりたがらないことだから、やりたいんです
第4章 1950年代生まれの起業人
金丸恭文(フューチャーシステムコンサルティング株式会社)
勝つためには健全な臆病さがいる
杉山知之(デジタルハリウッド株式会社)
エンジニアの自覚は、自然に身についた感覚ですね
ティム・ブレイ(アンタークティカ・システムズ)
自分の才能がどこにあるかを探すことは、とても重要
第5章 1940年代生まれの起業人
三野明洋(株式会社イーライセンス)
10のうち8を失敗しても、成功した2を伸ばすべき
栗村信一郎(アリエルネットワーク株式会社)
若い人をサポートして生かしていく
2003年12月23日
最速で開発し最短で納めるプロジェクト・マネジメント
・最速で開発し最短で納めるプロジェクト・マネジメント―TOCの管理手法“クリティカル・チェーン”

私はベストセラービジネス小説「ザ・ゴール」シリーズのファンである。
著者の物理学博士エリヤフゴールドラットが考案したTOC(制約条件理論)が主題の名作。工場長である主人公は、閉鎖寸前の工場の業績を、TOC理論を使って生産プロセスを最適化することで、業界に革命を起こす。その過程で、TOCの考え方が、工場の経営だけでなく、あらゆるプロジェクトや日常生活までをも最適化できる汎用的な理論であることが分かっていく。
この本では、博士の小説では詳しく語られなかった理論的側面が解説されている。ザ・ゴールとあわせて読むと、特にITの開発プロジェクトにも目が向けられており、IT業界の開発マネージャに参考になる。
TOCは幾つもの理論から構成されているが、概要は次のようなもの。
■ボトルネック、中間在庫、手あまり
例えばこんな作業ラインがあるとして、括弧内にそれぞれの1日当たりの生産能力(処理できるユニット数)を示すとする。
第一工程(100)→第2工程(25)→第3工程(80)→スループット(成果)
ボトルネック:
この工程にいくら作業を投入しても、1日当たりの成果は25ユニットを超えることはできない。第2工程の作業者が病気で休んでしまったり、使う機械が壊れてしまうことがあるから、大抵は25以下である。第2工程が、TOCの重要な要素「制約条件(ボトルネック)」となっている。
溜まる中間在庫:
企業の生産性は、成果として1日何ユニット生産できるかだけでは測らない。上記のラインで1日100ユニットを投入すると、終業時には第1工程と第2工程の間に、75個の中間在庫が溜まることになる。日を追うごとにこの数字が増えていく。中間在庫は、企業にとってコストとして評価されてしまう。
手あまり:
さらに第3工程では、1日80の生産力があるのに、直前の工程からは最大25しか流れてこないものだから、55分の生産力が無駄になってしまう。第3工程の人たちはやることがなくて、ぶらぶらする結果、この作業ライン全体の人件費の効率を下げてしまう。
「工場の生産性はボトルネック工程の能力以上には絶対に向上しない」という博士の結論がある。TOCでは、ボトルネックを強化することをまず考える。
■ボトルネックの最適化
TOCの改善方法は、上の作業ラインを使って説明すると、次のような流れになる。
1 制約条件の発見
第2工程がボトルネックだということを発見する
2 制約条件の最大限の活用
第2工程が1日当たり25ユニットを必ず生産できるようにする
3 制約条件以外を制約条件にあわせる
第1工程の生産力を25を少し上回る程度に調整する
4 制約条件の強化
第2工程にスタッフや機材を増やす
5 変化のチェックと繰り返し
別の工程がボトルネックに変化していないか等チェックし1へ戻る
いくつか細かなルールがある。ボトルネックの前の工程は生産力を多めに配分し、少量の中間在庫をわざと残す。第1工程が事故で止まった場合でも第2工程以下が動き続けられるからである(保護能力)。また、手あまりの存在を容認し、全体にゆとりをもたせる(バッファー)。
■ドラムバッファーロープによるスケジュール作成
TOCではドラムバッファーロープというスケジュール管理手法がある。比ゆ的な表現として、ボトルネック工程が自分のペースに合わせて工場内に聞こえるように太鼓を叩く。太鼓のペースで他の工程は作業をする。各工程をロープで結びつけ、歩調を合わせるわけだが、わざとロープにたるみを持たせる。ボトルネック工程以外が遅れが起きても、たるみのおかげで、連鎖的に作業が中断することを防ぐ。
TOCは作業は確率的に見て必ず遅れるものという前提で組み立てられている。各工程はサイコロを振っているようなものとみなす。出た目が処理して次の工程へ渡すユニット数であるとする。サイコロは平均3.5が出るようになっているが、途中プロセスの誰かが3.5を下回る数を出せば、最終工程の出す成果は3.5を下回ってしまう計算になる(遅れの伝播)。
例えば第1工程と第2工程が2を出した場合、第3工程が6を出しても、処理すべきユニットは2しかないので、2以上の成果は出ない。逆に第1工程と第2工程が6を出したとしても、第3工程の確率平均は3.5でしかないので、最終成果も3.5程度になる可能性が高い。業務フローの遅れは伝播するが、早く仕上げた結果は伝播しないのだ。人間が行う作業である以上は、常に完璧を期待できない。遅れは必然となる。
■導入に際しての気持ちが分かる第4章
この本の面白さは第4章「夢をかたちに変えるスケジュール 開発部門のプロジェクト管理に挑む 物語編」にあると感じた。この章では、理論解説ではなく、各業界に散らばった同期が集まって、TOCの考え方をそれぞれの視点で議論する対話になっている。
TOCはマネジメントの考え方だから、管理する方と管理される方の意識の違いが導入時の最大の課題になる気がする。人は誰しも、自分の仕事を最適化したいけれど、上から最適化されたくはないと思う。この章では、クリエイターやデザイナーなどの非マネジメントサイドの意見がある。
3人以上のチームでフロー作業を行う場合にTOCは価値がある考え方と思った。他にも問題解決法の「思考プロセス」や、プロジェクトの安全余裕バッファーの量と配置の理論、全作業の中で最も重要なラインを強化する「クリティカルパス」などの理論も解説されている。
私も来年こそは遅れゼロを目指したいのだけれど、それって去年もそう言ってたっけ...。
2003年12月22日
連想の技術、プライミング効果、履歴からお薦めWebページ
■連想パターンとプライミング効果
昨日、紹介したESP Gameは、ネットコミュニティを使って連想語をデータベース化する試みだった。インターネット広告では、検索キーワードに応じた連動広告が注目されている。集めた連想語データはビジネスにすぐにも使えそうだ。ESP Gameで集まる内容が気になる。
日本人の大学生1000人に、ある言葉(刺激語)を提示したとき、どんな言葉(反応語)を最初に連想するかをデータ収集した実験がある(「連想基準表」東京大学出版会、梅本、1969)。ここにサンプルを引用してみる。
・連想基準表
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=987022508X
米国人の大学生を対象として同種の調査もある(Postman、Keppel、1970)。
n=1008
ある言葉を見たり聞いたりすると、次の言葉の連想内容に影響が及ぶことをプライミング効果と呼ぶ。賛成と反対、予防と注射、空腹と食物のように、刺激語同士が連想関係にある場合に発生する。
国と言語が異なっても、連想するパターンが一位は同一であることが興味深い。主な連想のパターンには以下のようなタイプが存在している。
また反応速度をパターン別に調べた結果は以下のような表になる。
上記の例は「人間の言語情報処理 言語理解の認知科学、1994、安陪-桃内-金子-李)より引用。
反意語関係のプライミング効果が著しく高い。人は連想を行わせると反対語があるときには真っ先に思い浮かべてしまうということだ。だから、広告表現で、テーマパークのとしまえんが「史上最悪の遊園地」という新聞広告を出したことがあったが、これなどは、反意語「史上最高」を連想させてしまうプライミング効果を狙ったものと考えられる。
これは音声上でも働く効果だ。先日書評を書いた広告の本にも、足すと14になる計算を繰り返させた後に「なにか野菜の名前を挙げてください」と聞くと、米国人の多くが「にんじん」と答えるという。14→14金(Gold)→14カラット(carat)→にんじん(carrot)という発音上の連想なのだそうだ。
インターネットの利用にこういったプライミング効果を活用できないだろうか。
■Googleキーワードで調べる検索エンジンユーザの連想語
Googleはキーワード広告主のために、あるキーワードと同時にどんなキーワードが一緒に検索されているか、調べるツールを提供している。
・Google AdWords キーワードアドバイス
https://adwords.google.co.jp/select/main
これを使うとこんなことが分かる。
・クリスマスの同時検索語
ソング、素材、ディナー、素材、イルミネーション、壁紙、リース、壁紙、プレゼント、、イラスト、イベント、料理、ヒッキーの、ナイトメアビフォア、画像、の約束、ホワイト、島
・「忘年会」の同時検索語
ゲーム、挨拶、幹事、予約、案内、プラン、のお知らせ、会場、大阪、余興、案内状、新宿、芸、司会、ホテル
・「長い」の同時検索語
髪、世界一、橋、世界一、名前、亜麻色の、亜麻色の髪、夜、一番 日、単語、ファイル名、髪を、英単語、日曜日、脚
・「医者」の類似キーワード
病院、クリニック、医院、医師、歯医者、名医、倫子、国立、歯科、産婦人科、病院、検索、看護、学会、介護、整形外科、内科、整体、皮膚科、眼科、小児科
どうやらネット上の検索では、反意語関係以外が検索されているようだ。どの連想関係パターンが、検索エンジン利用において、最も多いのか調べる研究があったら更に面白い。(もし存在していたら教えてください)
Webサイトの運営者はこれらのデータから、ユーザの傾向を調べ、検索順位が上がるように自分のページ内容を変更することができる。また、客を呼び込むためのキーワード広告を購入することができる。
■ネットサーフィンの履歴から最適な情報を推薦する
ページに書かれている言葉から連想できる、別のページをユーザにお薦めする技術は、たくさん研究されてきた(私の会社の開発部門も含む)。今、この分野で必要なのは、ユーザが今何を探しているかという文脈を、正しく推測して、連想されるものを機械提案する技術だろう。
ブラウザの過去履歴と、そして今何を見ているかは、ユーザの情報探索の文脈を知る上で重要な情報になりそうだ。ユーザは目的を持って情報を探すが、直近に見るページの影響(プライミング効果)を受けている。クリスマスのプレゼントを探していたはずが、関連ページを読んでいるうちに、いつの間にかサンタの由来を調べていたりする。あるいは、もっと良い方法が直前のページで分かり、別の方法を探したりする。今○○を探していますと明確に自分も分からないことさえある。
今、そして最近見たページは、最新の関心に関係を取り出す文脈データとして向いている。Webの閲覧履歴から最適な情報を提案する技術では、こんな研究がある。
・Using Document Access Sequences to Recommend Customized Information
(Web履歴から最適情報を推薦する)
http://www.cs.indiana.edu/~leake/papers/p-01-09.pdf
ここでは、WordSieveという原理を使ってユーザの関心キーワードを抽出する。仕組みはこの表の通りで、3つのフィルターから構成される。1番目のフィルターはユーザの見ているWebページに最も頻度が多く出てきた単語をみつける。2番目のフィルターは過去に見たページ群で最も多く出てきた単語をみつける。3番目のフィルターは過去にあまり出てこなかった単語をみつける。
3つの種類の単語のパターンを数学的に計算することで、ユーザが今最も欲しがっているキーワードを含むWebページをユーザに推薦する。研究者たちは、Calvinという専用ブラウザーを試作している。ユーザが使えば使うほど賢い提案ができるブラウザーだ。
今見ているページと閲覧履歴から、活性化している連想キーワードを色分けして表示。
これは巨大なキーワードデータベースを持たなくても、効果的な提案ができる優れたやり方であると論文は結論している。連想語とプライミング効果の研究によって、見たいページを次々に見られる未来のブラウザーが誕生しようとしている。
・Real Time User Context Modeling for Information Retrieval Agents
http://www.cs.indiana.edu/~leake/papers/p-01-09.pdf
同じ研究者によるキーワード抽出部の研究。
・WordSieve: Learning task differentiating keywords automatically
http://research.microsoft.com/~sdumais/SIGIR2003/ExtendedAbstracts/BAUER_bauer.pdf
キーワード抽出手法には幾つかある。WordSieveアルゴリズムの優位性を主張するマイクロソフトリサーチの論文。TD/IDF法などとの対比。
・語の活性度に基づくキーワード抽出法(人工知能学会論文誌17巻4号F、2002)
http://www.miv.t.u-tokyo.ac.jp/papers/matumuraJSAI-PAI.pdf
日本の研究。著者の主張をキーワードとして取り出すKeyGraphの取り組み。KeyGraphについては後日記事に書きたい。
2003年12月21日
スケベ心で巨富を築く技術?テストステロンコンピューティング
先日こんな本を読んだ。巨富である。巨富。
評価:★★☆☆☆
■英雄は色を好むのか
なぜこのベタな本を読んだかの経緯は、過去の記事から察して頂くとして、内容は結構、真面目に楽しめた。ビジネスと人生で成功し巨富を築くための13の条件が列挙されているが、(もちろん)、気になったのは、その一要素に「性衝動」があり、一章を割り振られていたことだ。
「第十章 人類の本能を創造的なものに転換する」によると、まず、過去2千年の歴史や自伝を調べた結果、以下の事実が判明したという。
1 偉大な事業を成し遂げた人は、高度に発達した性本能の持ち主であり、性衝動の転換方法を体得した人である。
2 巨富を蓄積した人、文学、芸術、産業、技術、その他専門分野において顕著な業績を残した人は、いずれも異性の影響力によって成し得たものである。
また、あるインストラクターは3万人のセールスパースン教育を担当してきたが、性本能に関心の高い人ほど有能であるという事実を発見した、という。
恐らくは男性ホルモンのテストステロンの分泌量と、社会的な行動の活発さには相関があるであろう。活動的な人が現世的な意味で確率的に成功しやすいこと、異性の注目を浴びやすいことの関係も推測はできる。
米国の心理学者James M. Dabbs博士は、長年の調査から、成功する経営者や政治家のテストステロン分泌量が高いことをWebサイトでも報告している。
・James M. Dabbs博士のサイト
http://www.gsu.edu/~psyjmd/
このテストステロンパワーはオンラインでもアダルトサイトに集約されているはずだ。残念ながら、膨大な量の、巨富を築けるはずのエネルギーが無駄に消費されてしまっていることになる。だが、この性衝動のエネルギーをビジネスや技術に活用するアイデアを考えた若者がいる。
それは、まったく無関係のように見えるゲームの話から始まる。
■超能力ゲームで遊ぶと検索エンジンの精度が高まる
・ESP Game
http://www.espgame.org/

このサイトは、ESPつまり超能力を試すオンラインゲームサイトである。ゲームを開始すると、ランダムにWeb上の画像を提示される。その画像から連想される言葉を参加者は入力する。
このゲームには、同時にログインしている対戦相手がいる。相手と同じ連想語を入力できればゲームで得点でき、次の画像提示へ進める。制約がひとつある。タブーワードとして表示される言葉は入力できないのだ。
例えば何もない白い部屋の画像が提示されているとき、タブーワードは「White」「Room」であったりする。プレイヤーは他の言葉で連想でき、且つ対戦相手も思い浮かべそうな言葉を考えないといけない。例えば「Clean(クリーン)」「vacant(空き室)」「Clapton(ロックアーティストEric ClaptonにIn the white roomという有名な楽曲がある)」などが良いだろう。相手と一致すれば次の画像が提示され、時間内にどのくらい当てられるかを競う。
さて、こうしたゲームを遊ばせた主催者は、膨大な画像とその連想語データベースを手にすることができる。画像を見たときに、他人が思い浮かべそうな言葉ばかりのリストは、連想語として非常に質の高いものであるはずだ。このデータは、精度の高い画像検索サービスのデータとして利用していくことができる。ユーザが検索する際に、「White Room」でも「Clean」、「Vacant」、「Clapton」と入力しても白い部屋の画像を検索できる。
ユーザが超能力ゲームを面白がって遊ぶ。結果として、どこかの画像検索エンジンの精度が高まっているのだ。風が吹くと桶屋が儲かる原理に似ている。
■ポルノサイトに集まるテストステロン・パワーでスーパーコンピュータに
このアイデアを考えたのは、カーネギーメロン大学の24歳の若い研究者である。彼は次のWebページで、インタビューに答えている。
・CMU student taps brain's game skills
http://www.post-gazette.com/pg/03278/228349.stm
ここで彼は、もし1日平均5000人がESPゲームで遊ぶなら、Google画像検索で検索される4億2500万の画像に1つずつのキーワードをつけることができる。半年あれば画像ひとつに6つのキーワードをつけることも可能だ、と述べている。
この記事では更なるアイデアが発案されている。オンラインのコンテンツ保護技術のCaptchaと組み合わせることで、さらにこの仕組みを発展させたるのではないか?という提案だ。
・Captcha
http://www.captcha.net/
Captchaは、画像を使ったセキュリティ技術の一種である。ログインが必要なサービスに、犯罪者やスパム業者などのソフトウェアロボットが自動ログインできないように、ユーザに画像に書かれている文字列の入力を求める。こんなふうに画像をゆがめる。

例えば、同種の技術を採用しているドメイン管理組織のベリサインでは、他人のドメイン名の登録情報を調べようとすると、以下のような画像に書かれたのと同じ文字列の入力を求められる。ベリサインは人間にだけ情報を開示したいのだ。
この歪曲された文字の画像はソフトウェアは読み取ることが出来ないが、人間は容易に読み取ることができる。
しかし、もしアダルトサイトが「ポルノ画像をもっと見たいなら、この画像に書かれた文字列を入力してください」とユーザに提案したらどうなるだろうか。膨大なアダルトサイトのユーザたちが、完璧な答えを即座に入力してしまうだろう。このセキュリティは破られ、業者は内部の情報を収集することができてしまう。
つまり、この方法を使えば、オンラインのテストステロンを使って、「人間の認知能力では簡単にできるが、コンピュータには難しいこと」を、大量に処理する人間の分散コンピューティングができるということだ。
この方法を巧妙に駆使することができれば、冒頭の本のように「高度に発達した性本能の持ち主」でなくても「偉大な事業を成し遂げ」「巨富を蓄積」することが可能なのかもしれない。
(まあ私は発達してるから問題ないですけどね<何が?)
参考URL:
・Kinsey
http://www.indiana.edu/~kinsey/index.html
セックスとジェンダーの研究で著名なキンゼイレポートの発行機関。赤裸々な統計が。英語だから会社で読んでもばれないかも。
・20万人がネット・ポルノ中毒
http://www.hotwired.co.jp/news/news/Culture/story/20000907205.html
・日本のセックスIndex
http://www.enoplan.jp/sexindex/
性関連 ニュース&トピックス
・バーチャルなセックス、リアルな楽しさ
http://www.hotwired.co.jp/news/news/1427.html
・セックスとテクノロジーがテーマのブログ・ベンチャー『フレッシュボット』
http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20031119204.html
米ニールセン・ネットレイティングスの調査によると9月中、およそ3200万人の米国人――米国のインターネット・ユーザーの24%にあたる――がポルノ系のサイトを訪れた
・Nakednews
http://www.nakednews.com/
男女のアナウンサーがニュースを読みながら脱いでいく...。有料コンテンツだがデモが見られる。ユーザがニュースをレイティングしたりコメントしたりするとアナウンサーが脱ぐとしたら、このサイトも面白いデータ収集ができるかもしれない。
・以前に書いた関連記事:好き嫌い好き嫌い好き?
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000345.html
・エログリッドコンピューティング
http://blog.bulknews.net/mt/archives/000518.html
今日の記事はこの記事を膨らませて解説してみたもの。



































