2004年09月30日

無敵会議第9回 便利かい?議 満員御礼に感謝 報告第1弾

昨日は台風到来にも関わらず、ご参加ありがとうございました。

報告を書かれた方はトラックバックお願いします。

第一部では主宰の橋本、田口の二人が10個ずつ、便利だと思うツールを紹介しました。とりあえず、私の10個をまずご紹介。

■サーチクロス
・サーチクロス 文書ファイルと電子メールの高速検索
http://www.villagecenter.co.jp/soft/searchx/
searchx.JPG

デスクトップ検索ソフト。オンライン版2,100円。これは私にとってはなくてはならないマストツールのひとつ。ハードディスク上のあらゆるファイル、Word、Excel、PDF、PowerPoint、電子メールから、2ちゃんねるのログ(DAT)までを高速検索するソフトウェア。これさえあれば、整理せずとも必要なときにすぐに情報やファイルが見つかる。

・アマゾンで購入可能。コメントも絶賛してるものが。
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■ジョブ管理型ブラウザ ぶらぶら
http://www.geocities.jp/katssakuma/freew.html
buraburabr01.JPG

単純だが巡回に便利なブラウザ。たとえば朝日、読売、毎日、日経、産経、報知など新聞社のサイトのURLを「新聞カテゴリ」リストとして登録しておく。ブラウザを立ち上げて次へボタンを押すだけで、ページをその順序で表示する。MSIEのブックマークは「次へ」はできない。シンプルなコンセプト、軽い動作。ちょっとしたことだけれども、巡回が便利になる。

■Powerbullet
http://powerbullet.com/samples.html

フラッシュでプレゼンテーション作成するフリーソフト。実は日本語フォントは使えないのだが、いったん画像化することで日本語を使うことができる。比較的簡単なインタフェースでページ単位のプレゼンが作成でき、Flashとして出力可能。たとえば作ってみたのはこんな感じで、単体動作可能なExeファイルとしても出力できる。

作成サンプル

■PCWorld.com - Dead Man's Switch
http://www.pcworld.com/downloads/file_description/0,fid,23183,00.asp
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毎時間、毎週、毎月、定期的にボタンを押さないと、予め指定したコマンドが発動する。本来はユーザが死亡したときに、家族や友人にサヨナラのメールを送ったり、掲示板に用意した遺言を書き込んだりするためのソフト。暗号化機能を持ち、実際にコマンド発動までは残すメッセージを秘匿できたりもする。

■B.F.R. -Becky Feed Reader plugin-
http://mxg.s54.xrea.com/bfr/
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Becky!でRSSをメールとして受け取るプラグイン。RSSリーダーは便利だが、ブラウザやメールソフトと同時に常駐させると重たい。RSSまでメールソフトで受信、振り分けができるから、なおさら便利である。

■POBox for Windows
http://pitecan.com/OpenPOBox/Windows/

ソニーの携帯電話などで有名な高機能予測入力をWindowsで実現するソフト。普段書いている言葉を学習して、どんどん賢くなっていく日本語入力。これを使うと少ない打鍵数でいつもの文章を書くことができる。逆に言うとこれを使っている限りは、いつもの語彙、文体を使った文章になりがち。定型文と自由文の中間的文章が効果的なサポートメールや、急いで打ちたいチャットメッセージなどに効果的。

■オープンサムネイル
http://www.thumbshots.org/

例えば、

http://open.thumbshots.org/image.pxf?url=http://www.yahoo.co.jp

と書くとYAHOO!のサムネイルが得られる。

ここには最新のWebのスクリーンショットのサムネイルがアップデートされている。ロゴを張ることFree thumbnail preview by Thumbshots.orgが使用条件だが、フリーで利用できる。テキストのリンク集をサムネイルつきのビジュアルリンク集にすることが簡単にできるわけで便利でしょう。

■劇場版 ディスプレイキャプチャー あれ - ベクターソフトニュース
http://www.vector.co.jp/magazine/softnews/020316/n0203161.html
gekiare3.JPG

デスクトップの特定の範囲やウィンドウの動きをビデオファイルにするソフトウェア。ソフトのデモやサポートに大変便利。しかもフリーソフト。

■The Code Project - Command Prompt Explorer Bar - C# Programming
http://www.codeproject.com/csharp/CommandBar.asp
CommandBar01.jpg

GUI(エクスプローラ)とCUI(コマンドプロンプト)を同時に操作する画期的ソフトウェア。エクスプローラの下部にコマンドプロンプトが張り付く。エクスプローラでフォルダを移動すると、コマンドプロンプトも連動してcdコマンドで自動的にディレクトリ移動する。ほかにもファイル選択支援機能などが充実。もうウィンドウ派だとかコマンドライン派だとか言わなくても良い。

■Cactium(WindowsNT/2000/XP/パーソナル)
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/personal/se338853.html
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付箋紙のようなメモソフトだが、デスクトップで使っているアプリケーションごとにメモが新たに用意される。アプリケーションのフォーカスを切り替えると、メモも切り替わる。ブラウザのメモ、Photoshopのメモ、Excelのメモ、iTunesのメモ、メールソフトのメモなど、作業メモやアイデアメモを残せる。まるでアプリのウィンドウの裏にメモを残せるような感覚が斬新で便利だ。


でも、一番便利で良いのは...。この後ご紹介します。

なお、田口氏もどこでそんなの見つかるんだ?という便利で新しいソフト、サービスを紹介していました。たぶん、トラックバックに報告サイトが登録されると思います。

Posted by daiya at 01:41 | Comments (4) | TrackBack

2004年09月29日

脳と仮想

脳と仮想
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クオリア論で有名な茂木健一郎氏の最新刊。

■主観的体験とクオリアと仮想

小林秀雄の講演「信ずることと考えること」のことばが前半で主題となる。「この科学的経験というものと僕らの経験というものは、全然違うものなんですよ」。科学は計量化できるものだけを対象とする。文学者、小林秀雄が生涯をかけて追い求めたのは、科学が捨て去っている計量化できない主観的経験の方である。著者の提唱するクオリアも、まさに小林秀雄が追究していたものと同じである。

小林秀雄は母を亡くしたとき、暗闇に舞う蛍を見て、あれは姿を変えた母親だと直感したという。科学的には何の意味も持たない考えだが、本人が切実にそう思ったのであれば、それは人間にとって真実の経験である。主観的経験を省き、こころの働きを脳の随伴現象として、あってもなくても良い物として扱う科学は間違っていると著者は言う。

主観的体験は仮想の世界である。私たちのこころは世界の特定の場所に目を向ける。世界のすべてを見ようとはしないし、見ることもできない。意識は志向性を持っている。この志向性の束が、仮想の世界の時空を構成していく。有限の脳細胞の上に無限の仮想世界を作り出す。

私たちは現実そのものに直接触れることができないが、現実がなければ仮想することができない。現実は意識にとっての脳と同じように、仮想の無限の探求を行うための安全基地の役割を担っている。精神は現実世界と仮想世界の二つの国籍を持つとまとめられている。

・小林秀雄 カセット 信ずることと考えること 新潮カセット文庫 小林秀雄講演
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4108001028/daiya0b-22/
著者べた褒めなので聴いてみたくなった。

■生まれる前の記憶と思い出せない記憶

私たちの身体は長い生物進化の歴史の痕跡から成り立っている。個体として生まれる前からの系統発生的な記憶を人類は連綿と持ち続けてきた。また、長い人生の中で、思い出せない記憶も、実は仮想に大きな影響力を持っていることを指摘する。言語化できない潜在意識の記憶も、顕在意識上に仮想を生成するための基盤となっているということ。言語もまた、それを受け継いできた膨大な経験から構成されている。

時間の経過は仮想を陳腐化していく。多くの仮想は生成の瞬間は躍動感に満ちたものであっても、次第にそれはありふれて俗っぽさを増していく。生成の躍動の連続として、過去を再評価することができれば、歴史は退屈なものではなくなる。そうした態度によって、世界を意味に満ちたものとして捉えなおせるのでないかと著者は言いたいようだ。つまり、私たちが意識していることなど氷山の一角に過ぎないということ。

こうした無数のクオリアが世界を構成したものがこの本の言う仮想ということになるだろう。仮想はバーチャルと一般に訳されるが、著者の仮想はコンピュータ用語のバーチャルリアリティとはだいぶ違うものを指しているように思えた。

仮想は無数の見えないクオリアから影響を受けて立ち上がる世界であり、要素還元式に単純化されたコンピュータ上のシミュレーション世界とは対極にあるといってもいいだろう。西洋式の思考は、対象を環境から切り離して眺めることで成立する。だが、生き物や生体の器官は環境から切り出したら死んでしまう。著者が追い求めているクオリアや仮想の考え方は、切り出さずに世界全体を理解する、まったく新しい方法論なのだと思う。

では、そのまったく新しい方法とは何なのかというと著者も率直に言うように、科学的にはまったくわかっていない。ポストモダンの先へ進むブレークスルーは、自然科学以外の世界から何らかのメタファーを引き出す必要がある気がする。だから、文学や芸術や精神世界にそれをみつけようと必死になっている著者がいるのだと思った。その切実で、未踏の知的探求を、同時代的に読めるのが楽しい。思想史を塗り替える何百年に一度の金脈が掘り当てられる日もいつかやってくるのかもしれないと予感。

この本は著者の本の中ではかなり文系的な本である。引用される人物も、小林秀雄、樋口一葉、夏目漱石、ワグナー、柳田国男といった具合で、脳科学の先端の話はあまり出てこない。そうした主観的経験の追究者たちが考えていたことと、クオリアや仮想の思想が向かっているものは、ほとんど同じであるというのが基調。相変わらず面白い。

最近精力的に著述を続ける茂木氏。クオリアの次は仮想だった。次はなんだろうか。仮想を究極的に濃密にすると宗教になる気がする。たとえば「祈り」とかどうだろうか。

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2004年09月28日

日本はどう報じられているか

日本はどう報じられているか
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各国のマスメディアが日本をどう報道しているかの比較研究。取り上げられるのはイギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、アラブ世界、中国、韓国の日本報道。現地在住かもしくは詳しいジャーナリスト、学者らが書いている。

日頃、米国の日本報道は取り上げられることが多いが、他の国のマスメディアの報道姿勢は見えにくい。

たとえばフランスでは、かつては「文化のフランス、経済の日本」だったが、日本経済の後退とフランス経済の復興に伴い、「文化の日本、経済のフランス」と逆転した印象が持たれているという。

日本は明治以降ドイツに片思いをする関係で、ドイツ人側は日本をたいして意識していないこと。むしろ似ている国の失敗例として日本の二の舞を避けたいと考えていること。

米国ではイチロー、マツイが好意的に報道されるが、それはもはや経済面で脅威でなくなった日本が前提とされ、「世界から人材が集まるアメリカ」という自賛に過ぎないのだ、日本が評価されているわけではないという見方。

アラブ世界では、日本はそもそも報道にまず出てこない。王室のある国では皇室との交流がクローズアップされて時々登場する程度。日本は世界に注目されているというのは嘘であると述べられている。

中国ではなぜか「女体盛」などというものがネットで有名になったりしていること。

各様の日本報道の典型姿勢があるのだが、欧米の全体傾向は、日本経済の低迷に伴い、

ジャパンバッシング(日本叩き)

ジャパンパッシング(日本外し)

ジャパンナッシング(日本無し)

というように進んできているようだ。間違った報道をされる程度なら、まだマシなわけで、存在自体が見えないのは悲しい。

ところでニュースや新聞報道以外では、実は観光ガイドというのは大きな影響力を持っているのではないだろうか。日本にわざわざ出向く人たちは潜在的な日本の布教者であるはずだ。

以前、米国の本屋で日本の観光ガイド本を購入したことがある。

Japan Made Easy
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帰りの飛行機で日本は米国でどのように紹介されているのか、興味深く読んだ。至って真面目な本で、日本のサービス業従事者の就業意識に触れ、「チップの小銭を渡すのは失礼に当たるが、よく考えると良い文化だ」という自文化の見直しなどもあるのだが、奇妙な記述も混ざっていた。

観光のポイントとしてソープランドがあり、「ソープランドは女性も楽しめるので一度は訪れよう」などと普通に書かれている。オリエンタリズムはどこかで性と結びついた印象があるのだろうが、短い旅行期間に観光スポットとしてソープランドに行かれたのでは、日本観、何か誤解されるのは間違いない。

日本の大都市も米国の大都市も大差ないから、観光はどうしても自文化と大きく違うところを観たがる。日本を旅行先に選ぶ日本通は帰国してから、そうした違いばかりを喋るかもしれない。観光ガイドも影響力は大きいはずだ。各国の日本観光ガイド本の中身の比較、もう少し調べて見ると面白いかもしれないと思った。

ところで、今、私が外国人を案内するとしたら、オススメはこれ。サービス発表直後に乗車してきたが、日本人ももちろん楽しい。

・スカイバス東京
http://www.skybus.jp/home/index.html
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コース概要:
三菱ビル前 → 皇居(大手門)→ 国立近代美術館 → イギリス大使館 → 国立劇場→ 最高裁判所 → 国会議事堂 → 霞ヶ関(各省庁)→ 銀座 → 東京駅丸の内、三菱ビル前

天井を取り払った二階建てバスで、東京駅から皇居を音声ガイドつきで一周する。日本の近代史にかかわる建築物や景観が集まるこの地域は、皇居の自然も美しいし見もの。毎時出発で大人1200円。


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2004年09月27日

占いの力

占いの力
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■疑われながらも受け入れられている占い

90年代後半、インターネットの占いコンテンツの供給で一儲けした人がいると聞く。バイオリズムや四柱推命の簡単なアルゴリズムを使って、運勢の浮き沈みの波にあうように、各タイプの365日分のテキストを作成し、それを○○占いのテーマに合わせて書き換える。これだけでも、コンテンツを探していたサービスプロバイダー企業にずいぶん売れた、らしい。占いは単独コンテンツとしても使えるし、各種サービスメニューの一つとしても、手ごろであることが、受けた理由のようだ。

朝のテレビ番組でも、ニュースや天気予報と並んで今日の運勢のコーナーが堂々と存在していたりする。公共電波を使って当たるも八卦、当たらぬも八卦の情報を流してよいのか?とは誰も問題にしない国である。だが、占い師を職業とするもの以外は、占いを科学とは言わない。外れても訴える人はまずいない。それが怪しげな知識だとは認識されていながら、同時に広く受け入れられている。占いを信じる層も幅広く、高名な経営者も占いを信じていたりする。井深大、本田宗一郎、松下幸之助らも占いやオカルトが嫌いではなかったという。

この本は、古今東西の占いに触れながら、現代における占いの流行の構造を探る。対象は血液型占いや性格診断や風水までも含む。かなりお気楽な文体で書かれており、冗長な部分もあるのだが、現代人の占い人気を考えるのに面白い記述がある。

■アブダクションと物語発生装置としての占い

この本によると、占いには大きく3タイプがあるそうだ。

命占 誕生の時を軸に運命を解明する、四柱推命、占星術など
相占 万物の形象に宿るメッセージを読み解く、手相、姓名判断など
卜占 道具を用いて天意を読み解く、易、タロット、トランプ占いなど

そして、どのタイプも、

天意→占い師→私

という流れでメッセージが伝わる。天意はそれ相応の専門家でなければ読み取ることができないのがポイントである。一般人は本を読んで占星術のホロスコープやタロットカードの組み合わせを作ることはできても、その図柄を解釈することができない。

そして、占い師→私においては、誰にでも当てはまる上に受け入れられやすい記述が渡される。「誰にでも楽しんでもらえる」を売りにした実在のサーカス団の名前を取って「バーナム」効果という心理用語があるそうだ。万人が受け入れてしまうメッセージのこと。人間は誰しも人と違う自分を認めてもらいたいと思っている。そうした心理を突いたメッセージで、これって私のことかもと思わせるのが占いの巧妙さであるとする。

面白かったのは占いはアブダクションだとする著者の考え。

演繹法では、

(ルール)赤いものを持っていると幸せになる
(実例)赤いものを身につけていた
(結果)幸せになった

の順序であるが、これでは説得力に欠ける。赤いものを持っても良いことがなければ、信用度が落ちる。

帰納法では、

(実例)赤いものを身につけていた
(結果)幸せになった
(ルール)赤いものを持っていると幸せになれる

となる。が、これでは、実例と結果の間の推論がどう考えても不自然に思われる。

だが、あらかじめルールを暗示しておいた場合、

アブダクションでは、

(ルール)赤いものを持っていると幸せになる
(結果)幸せになった
(実例)赤いものを身につけていた

という構造になる。たまたま、幸せになった人たちが、予め暗示されたルールを、因果関係として推論することで、納得してしまうという説。後だしジャンケンみたいなものだが、これが占いの本質であるとする。

今流行しているオカルトの多くは実は近代になって流行したものであると著者は言う。科学を強く意識すればするほど、それが扱えない事象が気になる。オカルトは荒唐無稽なようでいて、(しばしば飛躍した)論理で原因と結果の因果関係を物語る、物語発生装置なのだというのが著者の結論である。

インターネットサイトでも相変わらず占いや性格診断は人気が高い。ひとつには、コミュニティで転送して楽しめるのが原因であるようだ。この本のエッセンスから、転送されやすい、増殖されやすい占いを開発して一儲けたくらんでみようか。


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2004年09月26日

閉じつつ開かれる世界―メディア研究の方法序説

閉じつつ開かれる世界―メディア研究の方法序説
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著者の東海大学の水島助教授とは面識がある。インフォシーク編成部長として黎明期からバブル時代にかけてネット広告の最前線で働き、引退。東大の情報学で有名な西垣通教授に弟子入りしメディア研究に没頭。現在は東海大学で教鞭をとっている。

学者として最初の渾身の一作。期待度200%で熟読。3割もまだ理解できていないような気はするのだが、勇気を出して書評させていただきます。

■境界、3項、連続する記号過程、正八面体

著者は、パースの記号論の三項図式の拡張を試みる。まずソシュールから入る。

ソシュールは記号の意味作用のはたらきには二つの項、”シニフィエ”(意味するもの)、”シニフィアン”(意味されるもの)があるとした。単純化すれば、林檎(意味されるもの)を表す「林檎」という言葉(意味するもの)という二項の関係である。

これに対して、パース記号学は3項目に”解釈内容”を持ち込んだ。その記号を使う主体が、どのような意図でその記号を使い、そして、どのように受け止められたか、という視点が入ってくる。それは林檎のクオリアみたいなもの。

ラカンは記号について「記号の機能を掴もうとすると、いつも記号から記号へとたらいまわしにされてしまう(略)つまり記号の体系は出口のないひとつの秩序を設立している。」と書いた。

例えば密室とそこで出生以来育てられた独りの人間と、机の上に辞書があるとする。辞書はシニフィエとシニフィアンの参照ネットワークである。特定の記号で特定の意味を指し示す用具である。よく編纂された辞書であれば、その関係性に矛盾はないから、自律した閉じた意味世界を構成している。だが、いかなる経験も持たない人間は、辞書に書かれた事柄を知らないのだとしたら、意味を芋づる式にいくら調べても、何も分かったことにならない。閉じた世界では生きた意味がない。

言葉は使われてはじめて意味が確定するものでもある。ラカンはコミュニケーションにおけるラング(言語)とパロール(発話行為)を区別した。



しかし、同時に記号は、ソシュールの定義やラカンの解釈を前提とすると、体系として自律しており、しかも恣意性の中に「閉じている」。ここに私たちは、記号という概念が孕む二重性に気がつくことができる。体系、すなわち構造的には「閉じている」のだが、活動としては「開かれている」。このことをハイデガーは「記号は、ある存在的な用具的存在者でありながら」「同時用具性、指示関係の全体性および世界性の存在論的構造に際会させるものという機能を備えているのである」という。記号は、閉じた世界に拘束されながら、その世界を立ち上がらせる媒介を担うのである。

こうしたことから、記号がその機能を発揮する位置はすなわち「境界」であると言うことができよう。システムの干渉の場でもある。先に挙げたパースの「記号の定義」も、このことを証明している。つまり、”話しかける”ものとしての記号は、ある人の心の中に、同じ記号を映し出す場合もあるし、また新たな記号を創造する場合もある。この「新しさ」はどこから来るのだろうか。

記号が機能を発揮する「境界」とはすなわちメディアのことである。新しい意味が創発される、カオスの縁とも言える。こうした意味と世界が立ち上がるメディアのトポロジーを明らかにすることが、この本の前半の主題である。

パースの3項(意味するもの、意味されるもの、解釈内容)の3点を結ぶと3角形ができる。これが意味作用の基本図形である。この3角形が、内的世界(自我の領域)から外的世界へ(他者の領域)と意味を伝達する記号過程の運動を担う。

3項は外部と内部それぞれにあると考えられる。よって連続する記号過程のモデルには最低「内と外」の二重化が必要だ。3項×二重化=6つの頂点が必要ということになる。6種類の頂点を重複して使用せずに描ける三角形を組み合わせて作る、最もシンプルな多面体は正八面体である。意味作用は正八面体のトポロジー上で3項が運動することで、閉じつつ開かれる世界を現出させているというのが著者の主張である。

この意味作用の構成要素同士の構造が明らかになったことで、メディア研究の叙説が完成することになる。第2部では、こうして定義した道具を使って、現代のメディア、インターネット、コミュニティを解読する。

■電子メディアと多元的実在論

例えばネットサーフィンとWebに書くこと=電子的エクリチュール、についての記述を引用。


ハイパーテクストの空間構制は、本来の記号たる語とともに示される、指標記号としてしか存在しないクリッカブルなリンク表示が、行為の最中に記号としての役割を換え、消えてしまうことで、自らの行為を指標記号でありながら中心化させる「回転する記号過程」に誘い込む。項の位置すなわち意味の生成を担う。もちろん、平行して”読むこと”は作動しているが、そこでハイパーテクストから構成される「張り合わされたコンテクスト」と「ネット上で時間を費やした」ことの満足感とも、没入感とも、徒労感ともつかない自己意識は、必ずしもリニアな関係にはない。

”書くこと”についても同じことがいえる。ジョージ・ランドウはハイパーテクストに対する読者の(”読むこと”の)介入を、テクストの断片化(レクシ)という特性の中に捕らえ、その中で作家性を保持することの困難さに注目している。

リンクの張り合わせの結束点に書く言葉や、相手に反応して書くチャットやメールの言葉は、断片的、記号的であり、近代的知性の価値観では、発展途上の、未成熟な主体の言葉と考えられる。また、電子メディアのインタフェースやインタラクションの稚拙さも「身体の忘却」や「分断化された世界」として指摘する。だが、著者はこうした電子メディア上での主体の未成熟や一貫性のなさを、むしろ、肯定的にとらえようとしている。


分割された身体、断片化した映像やテクストに囲まれた生活環境を単に「相対主義的」に捉えるだけでは、私たちは傍観者の域から脱出することはできない。それを逐次再編し、そして再びその拘束を解き、さらにまた再編するという繰り返しを私たちは自らの「生」として営まねばならないのだ。それこそが意味を生成し続ける無限の記号過程なのである」


ここで示された「多元的実在論」こそが、伝統的存在論でもポスト・モダン的相対主義でもない”第三の道”であるとともに、電子メディア的環境において全面化したシーケンス、インタラクション、モード ---- すなわち「メディアなるもの」をかたち作る構成素を、「世界」へ媒介する「主体」のとるべき姿なのである。

つまり、ネットは便所の落書きかもしれないが、必死に便所の落書きを読み書きする人たちがいる限り、立派にメディアであり、可能性に満ちているのだということだろう。そして、人間は近代的知性が強制した「一貫した自己」から離れて、多くのパースペクティブから物事をあるがままに捉える(ハイデガー的)、多元的自己へと進化できるということを著者は主張したいのだと思う。

人間はネットワーク上で無矛盾でいられない存在であることが暴露されたのだと私は考えている。あらゆるレベルの知がリンクされるネットワーク上では、どんな賢者も一貫性を完全には守ることができない。また守ることが価値ともいえない。表面上、一貫性だけを守ろうとすれば、精神破綻(いわゆる”電波系”)するか、唯我論的後退しかありえない。

多元的であることは、その場しのぎでやり過ごすことでもなくなった。その場しのぎの言葉を書けば、ますます主体の未成熟を露呈してしまうことになる。多元的自己と多元的他者を同時に意識しながら、想像力を持って読み、書くことが、電子的エクリチュールの知の、あるべき姿なのだと私は考える。

「連続的記号過程」という言葉が頻出する本だったが、連続的はすなわち生きていることである。必死に持てる能力を総動員して考えていることである。相手の考えに想像をめぐらせていることである。そうした生きている記号過程を肯定するのが、著者の結論とした多元的自己ということなのだと思う。

■次はわかりやすいのをお願いします

結局、この本は丸々2回、部分的には追加で何度も読み返した。3ヶ月近く読んでいたことになる。学者として最初の単行本出版に、著者の思い入れが強くて、持てる知識を満杯にして送りだされた本。深い意味の込められた文章の連続だが、受け止める読者は、相当量の哲学的予備知識がないと、かなり消耗するのだが、難解さの向こう側には明確な思想が感じられるので、ついつい何度も挑戦したくなる。スルメや固焼煎餅みたいな濃い味わいを楽しみながら、ゆっくり、読むのが適している。

関連書籍も読み返しながら読むことで大変勉強になった。メディア研究をまず研究の仕方から疑い、再構築する意味がよくわかった。中途半端なカルチャラルスタディーとはまったく逆のベクトルを持った正統派メディア論(叙説)である。メディア論を根元からじっくり考えたい人におすすめの一冊。

とはいっても...。

元ビジネスマンの経験を活かして次回はぜひ読みやすい本も水島先生には出していただきたい。2ちゃんねるだとかメーリングリスト、ブログだとかソーシャルネットワーキングだとか、著者も詳しいはずの、ネットの最先端メディア現象を、ネットにどっぷりだった経験を活かして、わかりやすく読み解く本。この本は叙説であるので、きっとこれに続く本で書かれるのだと首を長くしてお待ちしております。


関連:
Passion For The Future: 基礎情報学―生命から社会へ
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001216.html

Passion For The Future: こころの情報学
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001034.html

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2004年09月25日

詳細レポート「コミュニティとメディアの可能性---ブログが拓く世界」

先日、パネリスト参加したイベントの紹介記事が日経BP社によってまとめられた。

・Passion For The Future: ブログが拓く世界報告と読者交流会報告
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002128.html

で簡単に報告したイベントをプロのライターが書き直してくれたもの。

「コミュニティとメディアの可能性---ブログが拓く世界」

全5回の記事。

・第1回ブログが与えたインパクトとは何か? - nikkeibp.jp - 注目のニュース
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/flash/330966

・第2回マーケティングにおけるブログの活用 - nikkeibp.jp - 注目のニュース
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/flash/331044

・第3回「マスメディア」に並ぶ「マイメディア」が登場する - nikkeibp.jp - インタビュー
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/rep03/331126

・第4回ウェブログの未来系 - nikkeibp.jp - インタビュー
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/rep03/331401

・第5回討論:「外とつながる」ブログを考える - nikkeibp.jp - インタビュー
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/rep03/332504

第3回と第5回に私は登場しています。少し補足解説。

・「ブログにはフィルターとなるサイトが求められる」

1 大手ニュースサイト
新聞社や出版社のニュースサイト
2 ジャーナル(日記)型個人ブログ
日記形式のサイト(Passion For The Futureもこれ)
3 フィルター型ブログ
選別と引用とコメントのサイト
4 アグリゲーター(ブログ検索エンジン、RSS集約サイト、RSSリーダー)
未来検索、Bulkfeeds、MyblogJapan、Blogpeopleなど。

現在の多くのブログでは、1と2が一次ソース(ネタ)となる。これらのネタ情報を選別、独自の視点から短くコメントするフィルター型のブログと役割が分かれてきている。だいたい一次ソースは、ネットの外(体験、取材、マスメディア報道、書籍など)からやってくることが多い。

フィルター型ブログ群は階層化されており、いくつかの強い影響力を持つ親フィルターサイトと、それをネタ元とする子フィルターサイト、孫フィルターサイトができてきている。親フィルターに取り上げられると、1日に数千〜数万ページビュー以上の来訪者を得ることも珍しくない。

ジャーナル(日記)型のタイプのブログを成功させるには、「外とつながる」感覚が必要である。フィルター型ブログを成功させるには、ネタを選別するユニークな視点と、子サイト、孫サイトに、伝えてウケるコメントの文章力が鍵になる。

アグリゲーターは、フィルター型がネタ元となるジャーナル型サイトを発見する、ある種の出会い系サイトと見ることもできる。一度出会うと同じフィルター型に連続して取り上げられることも多い。最近ではソーシャルネットワーキングサイトも、ブロッガー同士の出会いと交流を裏側で促進している。

ブログ、SNSともにオフ会が最近増えている印象がある。ブログ、SNSに続くのは名称はどうあれ「オフ会」系のリアルイベントなのではないかと思った。グリーで先に出会ってから実際に会うことを(リアル)グリンクと呼ぶらしい。リアルの会合は飲み会や有料会費イベントなどビジネス的にも可能性を秘めているような気がする。グリンク市場に注目している今日この頃。

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2004年09月24日

バナー広告、業界標準、Flash作成

ホットワイアードに先月、こんな記事があった。

・1万5000種類のバナー広告を集めたサイトが登場
http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/culture/story/20040827206.html

記事中、このバナーレポートというサイトが紹介されている。

・Banner Report
http://www.bannerreport.com/html/gallery.php

このサイトは傑作で、実際に使われたバナー広告が1万5千件も登録されている。検索も可能で468*060サイズなどでappleやmicrosoft、ipodやwindowsで検索すると、どういったバナーが各企業、製品に採用されていたかがよくわかる。

見所は正方形に近い形の大型のFlashバナー広告で、マウスでインタラクティブに反応する作品は楽しい。絵的なデザインだけではなく、触れる仕掛けの工夫がFlash広告の可能性のようだ。サイト自体をバナーの中に閉じ込めてしまうこともできるだろう。PCの性能やブロードバンド化によってFlash広告とGIFアニメ広告は区別がつきにくくなってきた。インタラクティブな楽しさという点では、Flash広告はまだまだ可能性がありそうだ。

ただ、こうした広告のリッチメディア化は、ユーザにとって煩い広告にもなりうる。インターネット広告の業界団体IABのサイトでは、リッチメディア広告の表現について、業界ガイドラインが発表されている。

・IAB Standards and Guidelines - Rich Media Guidelines
http://www.iab.net/standards/richmedia/
bnrichmedia_specs.jpg

これによると、業界標準サイズのリッチメディア広告はFlashを使わない場合は15キロバイト(728*90、300*250、160*600の場合)か20キロバイト(180*150の場合)、Flashなら20キロバイトか30キロバイト程度で、アニメーション時間は15秒程度にしましょうと推奨されている。

こうしたFlash作成は、以前、紹介したFlash Makerで簡単にできる。

Passion For The Future: Flashを手軽に生成するFlashMaker
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000828.html

このソフトはバージョン2になってさらに強化されたようだ。

バナー広告ではないが、サイト丸ごとをFlashで生成するアプリケーションもある。試用版を体験中だがよくできている。デザインセンスがゼロでも美しい見栄えのFlashサイトの出来上がり。

・ID for WebLiFE
http://www.digitalstage.net/jp/product/id/index.html

できてくるサイトのサンプルギャラリーはこちら。

・ID Real Gallery
http://www.digitalstage.net/jp/product/id/gallery/index.html

id for weblife購入はこちら(アマゾン)
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2004年09月23日

嫉妬する人、される人

嫉妬する人、される人
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日本社会では、一人の人間が権力や富、名声のすべてを手にすると、必ず周囲の嫉妬によって没落する。実権を握ったら表に出るな、どこか一つ欠けた部分を持て、お金を扱うと嫌われるぞ、などの処世術を教える本。

タテマエとして実力主義が根付いてきたとはいえ出る杭を打つ人が絶えない日本社会。出世、成功したければ、上役や権力者に睨まれないように、力のないうちは細心の注意を払いなさい。抜擢昇進や特別な便宜供与の話があっても、軽々と乗ったら、後が怖い。権力を手にしてからは欲張り過ぎないように気をつけなさい。すぐにライバルや民衆があなたを引きおろす。それは日本史を振り返ればすぐにわかるのだ、というのが、この本の趣旨。

昔の日本の政治は、天皇、摂関、執権、将軍と多重構造を形成していた。これも一人にすべてが集まることを妬み嫌う日本社会の性質の反映であり、天皇家がもし武装していたら、ここまで長く続かなかっただろうと著者は分析する。

源頼朝は権勢を誇っても当時「稲作奨励団」程度の肩書きであった征夷大将軍を名乗った。決して天皇に取って代わろうとはしなかった。家康の家来、本多正信は有能であったが故に、二万二千石の領地にとどめ、一切の加増を受けなかった。力を持って睨まれるのを避けることで、長く重職を続けることができた。

北条泰時は御成敗式目を発表するにあたって、過去の法律を改定しなかった。古い法を作った人たちの面子をつぶさないためである。実は日本は開闢以来、国法を改定したことがないそうだ。常に憲法に当たるものは、古いものを改定ではなく棚上げして作られるのだという。こうしてできた御成敗式目は、大日本帝国憲法発布までの600年間も有効なままだった。

こうした事例が近代までいくつも紹介される。

著者の少し保守的で伝統的態度を嫌う人も多そうだけれども、嫉妬心を持った上役の心は変えようがないわけだから、お互いが気持ちよく過ごすには、やっぱり、気をつけたほうがいいだろう。良き意図で大志をなしとげたい人に必要なプラグマティズムの一種でもあるような気がしている。

市場を動かす競争原理の大きな原動力も、経営者同士の嫉妬心が、実のところ、少なくないだろう。以前の起業会議でデジハリ社長の藤本氏が起業家へのアドバイスとして「成功した人の近くに行って、自慢話を聞いて影響を受ける(時に悔しがる)のもいい」という趣旨の発言をされていた。敢えて嫉妬しにいけ、闘志を燃やす精神も必要だということだろう。

ネガティブにとらえられがちな嫉妬心だが、実はそのドロドロが、ポジティブパワーの源泉ともなりうると、著者も肯定的にとらえてもいる。

嫉妬心の強い東洋世界、論語や仏教の教えには、規範に照らして誰かひとりが圧倒的に正しいことを認めない知恵があると評価される。釈迦の教えを伝承した弟子たちはそれぞれ異なる教えを広めたが、釈迦的には全て正しいと認めた。東洋の社会は、皆が正しい、あるいは、民衆の言うことが正しいとすることで皆が救われる、共存共栄の思想があるとも言える。

西洋のように、唯一神の言うことが正しいだとか、聖書に書いてないからダメ、審判の日に勝ち組、負け組みがはっきりします、とは言わない。その結果、権力や富の独占が避けられ、大規模な衝突が少なくてすむ。嫉妬心の強い国民文化も、少ないリソースを共有して、共存するには必要な原理であったのかもしれないと思った。

しかし、中途半端に西洋化、近代化された教育を受けてきた私たちは、出る杭が打たれること、年功序列の待ち行列に並ばされること、自分は正しいのにコドモだと言われることを不合理だと感じる。西洋と東洋の原理の裂け目に挟まれてしまった時代に、生きているのだなと思う。だから迷う。

ごく少数のエリートが権力と富と名声を独占支配することへのブレーキとして嫉妬心と足の引っ張り合いがあるのだとすれば、私たちは嫉妬心を再評価してもいいのかもしれない。

不均衡なパワーバランスで成り立つ国際社会においても、貧しい国が富める国に嫉妬している。日本の高度成長は欧米に遅れているという嫉妬心が牽引していた。逆に、今は嫉妬される位置にある。集まる嫉妬心をどう制御して、正の方向へ向かわせるかが、課題なのだとも言える。

後半では、現代の日本を生きるにあたって、どう心得るべきかの処世術のまとめ、日本社会への提言がまとめられている。

歴史上の武将や政治家、経営者の例が多数あり、歴史好き、歴史小説好きは特に楽しめる。

Passion For The Future: 「おしゃべりな人」が得をする おべっか・お世辞の人間学
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001413.html

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2004年09月22日

無敵会議第9弾 便利かい?議 〜仕事に役立つツールを会議する〜へのお誘い

無敵会議第9弾 便利かい?議 〜仕事に役立つツールを会議する〜へのお誘い


便利。英語でコンビニエントの語源は”共に集まる”だってご存知でしたか?


私たちは、少し便利な道具をたくさん集めることで、とても便利な環境を作ることができるのです。3%の効率を高めるツールも、組み合わせることで3割増や3倍増になるかもしれません。今回の会議は特にネットとデジタルの便利ツール、便利ノウハウに焦点を併せます。コンピュータ上ではツールを知っていればできるのに!ってことが多いですよね?。知ることで差をつけようではありませんか。


主宰の二人は便利ツールを何千個も試しては紹介してきました。それは果てしないインストール作業と、試用の連続。ハズレもひきました。売り文句に騙されもしました。容赦ないスパムの嵐にも見舞われました(見舞われ中)。涙がでるくらい感動的な出会いもありました。自ら道具を作ってみたりもしました。そうした体験エッセンスの中から、今、便利なツールを紹介したいと思います。


・定型作業を自動化する【自動化】ツール


・時間を短縮する【時短】ツール


・漏れなく作業する【完璧】ツール


・簡単にする【簡単化】ツール


・偶然と幸運を呼び込む【セレンディピティ】ツール


などなど。便利とは何かの根底にも突っ込みを入れながら、パソコン作業効率を何割増にして共に無敵に近づいちゃいましょうが狙いです。


そして会議ですから全員参加です。今回の会議ではビジネス上の便利を創り出すアイデアを皆で共創します。私たち自身が便利になるだけでなく、世の中を便利にしてしまいましょう、という趣旨です。


参加者全員で、最強無敵の便利ツールを発想してみようではありませんか。


プログラム


■ 第一部 必見!便利ツールの20連発


主宰の二人が見つけたこれは便利だ!なツールを連続紹介。


■ 第二部 便利ツールの未来を考える


便利ツール制作者と考える未来の便利追及セッション。


■ 第三部 最強の便利サービスを考える会議


最強の便利ツールを、個人単位、グループ単位で発想します。

参加お申し込みフォームはこちら!

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2004年09月21日

オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す

・オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す
4334032664.09.MZZZZZZZ.jpg

読み物として面白い。著者の持論は私には衝撃的だったが、情報として読むべき部分もある。これは賛否両論の本だろう。著者は40代、女性、津田塾大教授。確信犯か。真意は読み取れなかったが、過激。過激と思う私がおかしいのか?。

■姥心の権化としての著者の論説に唖然とするが、時代の変化の予兆か?

ウーマンリブやフェミニズムの旗手が聞いたら激怒しそうな記述のオンパレード。


こういう言い方をすると本当に失礼なんですけれども、大した才能もない娘に「仕事して自分の食い扶持さえ稼げればいいんだよ」とか、「いい人がいなければ結婚なんてしなくてもいいんだ」というようなメッセージを出してしまうことは、その子にとってものすごい悲劇の始まりではないかと思うのです。


説明するのがちょっと難しくて誤解も生みそうなのですが、女性というのは、やはり、少しボーッとっとしているのがいいようです。こっちの世界にいるのかあっちの世界にいるのかよくわからないのだけれども、ふわっとしたような感じ、というのがよい状態だと思います。やっぱり、セックスを通じてそういう感じがもっとも身近に得られると思っています

「(夫婦のセックスについて)男と女の関係なんて、ぜったいそれしかないと思っていますから、それがうまくいかなくなるから離婚するのです

つまり、大した才能のない女子は、若さを売りにして男性を捕まえて十代後半から二十歳くらいで、とっとと子供を産みなさい。働いても大して社会の役には立てないのだし、結婚を逃したら後が悲惨。結婚したらセックスを楽しみなさい。女性は身体性が大きいから、精神性以上に重視しなさい。結局、一部のデキル女性以外は、難しいことを考えるより、そうすることが幸せなのよ、とアドバイス。大意はそんな感じである。

以上、ある程度、私が恣意的に抜粋したが、著者のメッセージはそれほど曲げてないつもりだ。上記はごく一部に過ぎない。似たような発言が多数ある。

え。

いいのか。

津田塾の先生はそうなのか?

と、日頃こうしたメッセージを聞きなれない私としては、思うわけだが、それなりに背景を持った先生が言っているようだ。これはもしかして、ウーマンリブ、フェミニズムの次に来る言説の予兆なのかと思ってしまう。

本の表題のオニババ化というのは、そうした身体性というか、セックスや出産を楽しめずに年老いた女性がギスギスした嫌な性格になったり、若い男を襲ったりする!現象を指している。そうした方向に現代は進んでいると著者は指摘する。

■生理、妊娠、出産の自己制御ができた昔の人間

著者の現代女性に送るメッセージの評価は男性の私にはよく分からない。古めかしい、近所のオバチャン的言説にも聞こえてしまうのだが、女性の身体性についての考察は情報として面白い。

女性は本来は意識的に排卵を知ることができたという記述がある。ポリネシアのある部族では思春期のうちは不特定多数の男子とのフリーセックスが当たり前であったが、夫を決めるまでは避妊していないのに妊娠しなかった。夫を決めると妊娠したという事例が取り上げられている。

つい数世代前までの女性には、生理の経血を制御する能力があって、ナプキン等の生理用品は不要だったこと。民俗学者、赤松啓介の研究を引用して、古い日本には、後家や中年女性が若い男子の性の実地教育にたずさわるケースが少なくなかったこと。鳥居は入り口、参道は産道、お宮は子宮でお神輿が精子、神社は女性の身体を表していること、などなどなど。

女性の身体性をめぐるユニークな事例を古今東西よりかき集めて説明してくれる。男性が読むと気恥ずかしいくらい直截的で生々しい記述も多い。が、女性から見た女性の身体性というのが、上野千鶴子らのまだまだ知的なフェミニズム論とも一味違っていて、新鮮である。男性が読んだほうが、むしろ、前述のメッセージに対して反感を持たない分、面白く読めるかもしれない。

■身体性とセックスが地球をやっぱり救うのか

先日書評した「気前の良い人類」でも、地球を救うのはセックスであった。

・Passion For The Future: 気前の良い人類―「良い人」だけが生きのびることをめぐる科学
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002095.html

この本でも、大意をまとめると日本の諸問題と女性を救うのはやっぱりセックスだということになりそうだ。もうちょっと落ち着いた表現では「身体性」ということになる。

男女関係はセックスしかない的発言はともかくとして、日本では日常的に軽く抱きしめる文化がない不幸に言及している点などはなるほどと思う部分もある。


でも、日本では「ちょっと抱きしめる」だけのことというのはまずあり得ませんから、「抱きしめるからには最後までいかなくてはいけない、そうしないのなら、何もしてはいけない」というような極端な状況が、援助交際のような外国の人から見たらたいへん異常な事態を引き起こしているように思うのです

援助交際の原因かどうかは分からないが、男性である私の、十代の個人的体験を振り返っても、そうだったなあと思う。同年齢の異性とはオールオアナッシングな身体関係であったと思うし、両親や友人との身体接触、抱きしめるなどはほとんど経験がない。

こうした身体接触の体験は、昔の日本や世界ではおおらかな文化があり、互いの裸を見たり触れ合ったりする場があったとフィールドワークの成果を著者は提示する。現代人はそれができない分、抑圧され、変な方向にエネルギーが噴出して、良からぬ犯罪や行為に至るのではないかと分析されている。

出産もまた同様である。16歳くらいになれば若年出産はさほど身体への問題がないという話も出ている。あまり男性を選り好みせずに結婚して、若いうちに子供を産んでしまいなさいということにつながる。そして出産体験や子育て体験が、女性の身体性の欲求を自然に満足させると。

身体性を無視してきた結果が現代のさまざまな問題を生み出したのだから、一度もうすこし、おおらかな時代へ回帰することで解消しましょうというのが言いたいことだろうか。感想としては、人間は、人間としての幸せと同時に、オス・メス・動物としての幸せも追求しないと、根源的な部分で失うものが多いということなのかなと思った。

最後に。こんな本を薦めないでよ、とお怒りになる女性もいるような気がしている。それは私の杞憂なのだろうか。むしろ、そんな心配をする私の感覚が古いのか。著者の論旨はかなり明確で、エネルギッシュに、オニババになるな、女の幸せはカラダよ、オトコとセックスすることよ、と繰り返される。女性読者の反応を知りたい興味深い一冊である。

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2004年09月20日

マウスの走行距離で旅行気分

1日にマウスは何メートル、何キロ走るのか?。ブラウザやメールやWordではそれぞれどのくらいマウスを動かしているのか、を記録して分析できるソフトウェア。使い方は常駐させておくだけ。

modemeter
http://www.modometer.com/
odmeter02.JPG

マウス走行距離をマイレージに見立てて、米国の主要観光スポットでどの程度の走行と同じかを説明してくれます。

例:

Landmarks

You are on climb 5 of The Brooklyn Bridge. You have traveled 1445 feet of the 1,595 feet total. You're 90.60 percent of the way.
You are on climb 2 of The Grand Canyon. You have traveled 2545 feet of the 5,280 feet total. You're 48.20 percent of the way.
You are on jump 11 of The Hoover Dam. You have traveled 565 feet of the 726 feet total. You're 77.82 percent of the way.
You are on climb 8 up The Eiffel Tower. You have traveled 433 feet of the 1,056 feet total. You're 41.00 percent of the way.
You are on walk 2 of The Golden Gate Bridge. You have traveled 3625 feet of the 4,200 feet total. You're 86.31 percent of the way.
You are on climb 44 of The Leaning Tower of Pisa. You have traveled 128 feet of the 179 feet total. You're 71.51 percent of the way.
You are on climb 2 of Mount Rushmore. You have traveled 1825 feet of the 6,000 feet total. You're 30.42 percent of the way.

アプリケーションごとに整理してくれる画面はこちら。

modemeter01.JPG

アプリケーションのユーザビリティ設計や、ユーザの作業スタイルの見直しにこのデータは参考になりそうです。マウスの移動距離の少ないアプリケーションを設計したり、マウス移動を短縮するマクロを使うようにしたりすることで、意外な作業の効率化ポイントがみつかるかもしれません。


参考:

・Passion For The Future: インタフェースの計量化、その1 KLM手法
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000662.html

・Passion For The Future: インタフェースの計量化、その2 Fittsの法則
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000677.html

・Passion For The Future: インタフェースの計量化、その3 Hickの法則
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000681.html

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2004年09月19日

Gmailの周辺ツールのブックマーク

旅行中なのでまたもやブックマークネタ。ブックマークのカテゴリはネタが見つかり次第追記していく形にしようと思います。

・gmail
http://www.gmail.com/

Googleが提供するWebメールサービスのベータ版Gmail、百式管理人から招待され、使い始めてから4ヶ月が経過しました。1ギガバイトの容量をまだ6メガバイトしか使っていません。思ったより容量は使えないのですね、これ。

日本語の検索ができない、一部のメールが返信時文字化けするなど、実用性はありません。また次世代メールソフトと言われる割には先端的機能もありません。次世代Webメールの姿と報道されたりしましたが、現時点では見るべきものはほとんどないサービスといってもいいでしょう。

ただひとつ、ユーザの独自開発ツールを除いては...。

Googleの提供する機能が貧弱な分、ユーザが独自に開発したツールがとても充実しているのが特徴です。わざわざそんなものまで作るのかとツッコミたくなるツール群があります。幾つか、今日はそんなツールをご紹介します。

・GmailFS - Gmail Filesystem
http://richard.jones.name/google-hacks/gmail-filesystem/gmail-filesystem.html

Gmailをファイルシステムとして使うことができる大胆なツール。速度が遅くて実用上は問題が多いことや規約違反なのではないかと実用上難ありですが、1ギガバイトを活用するにはメール以外の用途も欲しいというユーザニーズを表しているものでしょう。

・Mark Lyon's GMail Loader (GML) - Import Your Mail into GMail
http://www.marklyon.org/gmail/

普通のメールソフトのログをGmailへ移行させるツールです。いつものアドレスにやってくるメールをGmailで管理したい場合に便利。

・G-Mailto
http://www.rabidsquirrel.net/G-Mailto/

ブラウザでメールアドレスをクリックした際に立ち上がるメールソフトにGmailを割り当てるツール。

・JAYBE.org PopGoesTheGmail
http://jaybe.org/info.htm
POP3のメールをGmailへ転送するツール。
gmailnewmsg.jpg

・Gallina
http://ion.gluch.org.mx/files/Hacks/gallina/

Gmailの内容をブログとして公開するツール。Demoへのリンクあり。

なお、Google自身も一応、支援ツールを発表しています。

・Gmail Notifier
http://toolbar.google.com/gmail-helper/

タスクトレイに常駐し、デスクトップにメールの到着を教えてくれるツール。

・search.cpan.org: Allen Holman Mail-Webmail-Gmail-1.00
http://search.cpan.org/~mincus/
Mail-Webmail-Gmail-1.00はPerlからGmailを操作する開発モジュール。

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2004年09月18日

QRコードのリンク集

今日は連休で旅行中。QRコードのブックマークメモで。

先日の携帯買い替えで、QRコードを使えるようになったので、最近は雑誌や街頭でコードを見かけるたびにスキャンするようになった。なかなか便利なので調べてみた。

ご存知とは思うけれども、QRコードとはこんな画像に情報を埋め込んだもので、専用リーダーや対応機種の携帯カメラで読み取り、復号することができる。

qr_blog_mail.GIF

上記のQRコードは私への感想メールを送るコードです。

■QRコードについての情報

・QRコードドットコム
http://www.qrcode.com/
QRコードを開発したデンソーのオフィシャルサイト

・ケータイ新機能チェック 知ってる? QRコードの使い方
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/review/19299.html

QRコードの一般的な説明はここがまとまっている。

・DoCoMo Net - バーコード読取機能
http://www.nttdocomo.co.jp/p_s/barcode/ドコモの携帯の読み取り機能についての説明

■QRコードの作成ソフト

QRコードを自分で作ってみるには以下のようなツールがあるようだ。

・QRコード作成&活用のススメ
http://qr.quel.jp/

QRコードをオンラインで作成できる。

DoCoMo Net - QRファクトリー
http://www.nttdocomo.co.jp/p_s/imode/make/barcode/qr_fact.html
qrfactory.JPG

ドコモオフィシャルのWindows用ソフトウェア。

・QRWindow(Windows95/98/Me/インターネット&通信)
http://www.vector.co.jp/soft/dl/win95/net/se331759.html

ウィザード形式でより簡単に作成できるフリーソフト。

それと、とてもユニークだなと思ったのは、これ。

・世界初!QRコード掲示板
http://ftvjapan.ddo.jp/~funa/qr/bbs.cgi

書き込み内容がQRコードで表示される掲示板。人間は直接は読めない。

■QRより凄そうなMS MARK

QRコードではないのだが、似たものとして、メディアスティックのMS Markがある。

MEDIASTICK - メディアスティック::
http://www.mediastick.co.jp/what.html
mediastickcenterlogo.gif

QRコードにセキュリティや決済機能をリンクしたサービス。QR対応機種なら専用アプリを使うことで読み取り可能になる。あらかじめアプリに個人情報を保存しておくと、コードを読み取るだけで、買い物ができたり、占いの答えがわかったりする仕組み。

・MS-MARKとQRコードの違いは?
http://m.msmb.jp/faq/user/details.php?c=12&q=50

読み取った後のアクションが安全に、つながるというのが、この技術の魅力のようだ。

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2004年09月17日

画像アルバムPicasaとHelloと肌色

■PicasaとHello
Googleが買収した米国の画像アルバムソフトPicasaが気に入っている。

・Picasa: Automated Digital Photo Organizer software, instant photo albums, sharing & printing: Download
http://www.picasa.com/content/download.php?sourceid=pic&subid=more
picasa01.JPG

Picasaはハードディスクから自動的に画像ファイルを検出して、データベースへ登録してくれる。画像の作成日時から時間軸上に並べてくれるので、だいたいの日付を覚えていれば、スナップ写真を探しやすい。逆にアルバムを日付で見ることで、関連画像から当時何をしていたかも良くわかる。

picasasection2_graphic.jpg

そして、Picasaが面白いのは、関連ツールのHelloを追加して、誰かと画像を共有しながらのチャットができること。またHelloはBlogサービス(Blogger.com)への画像ポストにも対応しており、写真にコメントをつけるタイプのブログが簡単にできる。

・Hello : Welcome
http://www.hello.com/index.php
picasa_hello_chat01.JPG

画像といえばこんなちょっと怪しいソフトもあった。

■肌色ファイルチェッカ

・肌色ファイルチェッカ(Windows95/98/Me/画像&サウンド)
http://www.vector.co.jp/soft/win95/art/se112264.html
hadairofilecheck01.JPG

3000枚くらい画像ファイルを集めてしまったけど、その中に何枚か人間の写った写真が混じっていて、取り出したい。でも3000枚を目視チェックするのは大変だ。そういうことはよくあるわけで(嘘)、そういうときにも便利なソフトである。画像の色成分を分析して肌色の画像を指定したフォルダに移動する。肌色って人種によって違うわけであるが、設定で肌色の強さを設定することができる。

実際に試してみた。スナップ写真と画面キャプチャが大量にあるディレクトリから、人間の写真だけを拾い出せるかの実験。人間の検出はかなり精度が高く8割以上は正解。ただし、人間ではない写真を誤って検出した例多数。非人間の写真について3割以上間違えている印象がある。

たとえばこんな写真まで肌色判断されてしまった。

hadairofilecheck02.JPG

真面目に肌色を検出したい場合には、かなり設定をいじらないといけないようだ。

まあ、本来のアノ用途に使うにはこれで実用的かもしれないが...(笑)。

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2004年09月16日

「ネットの未来」探検ガイド―時間と言葉の壁を超える

「ネットの未来」探検ガイド―時間と言葉の壁を超える
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著者の歌田明弘氏は「ユリイカ」編集長。「インターネットは未来を変えるか?―現代社会を読み解く」「インターネットは未来を変えるか?―科学技術を読み解く」「本の未来はどうなるか―新しい記憶技術の時代へ」など「○○の未来」がこの人の最近の執筆テーマのようだ。

この本は2004年1月出版なので、その時期での最先端を解説したサイト。

・知っていると役立つツールやサイトを紹介すること
・先端技術やサービスに驚くこと

がこの本のねらいだと書かれている。長い解説がついた百式みたいな本である。

具体的には、

・InternetArchive
http://www.webarchive.org/
過去のWebサイトを網羅的に保存したデータベース。URLを打ち込めば、過去の日付のサイトが閲覧できる。インターネットのタイムマシン。

・Alexa
http://www.alexa.com/
類似したサイトを検索したり、ページの人気度を調べたりが可能な検索エンジン。

・SETI@HOME
http://setiathome.ssl.berkeley.edu/
P2P分散コンピューティングであなたのマシンで宇宙からくる信号を解析し、宇宙人のメッセージをみつけようプロジェクト。

・GoogleLabs
http://labs.google.com/
Googleの実験上。ネットの最先端を垣間見ることのできる場所。

のような、ネットの技術の可能性を感じさせる先端的サイトが、呆れるほどたくさん紹介される。専門家の平易な解説で見所がわかる、インターネット観光ツアーの趣き。

百式やスラッシュドットなどを熟読しているネットウォッチャーにとっては、知っているサイトも多いはずだが、情報の抜けをチェックするという意味でも楽しめる本である。サイトの背景説明や位置づけが説明されるのも勉強になる。

こういう先端を紹介する本は難しいなあと読みながら思った。この本で紹介されたいくつかの実験的サイトは、既にネット上から姿を消していたり、ブログのようにすっかりメジャーになって新規性が感じられなくなったものもあるからだ。この本の賞味期限はあと1年くらいだろうか。出版から9ヶ月経過した今は食べ頃。日本の状況がいい感じに追いついていて、この本に書かれていることがわかりやすくなったと思う。

歌田氏が感じている可能性を知りたくて読んだが、それはこの本の目次に端的に整理されているようだ。要約すると、

・グーグルをはじめとする「検索技術」
・ウェブログやニュースサイト、「メディアの可能性」
・ネットアーカイブなど「時間を超える技術」
・機械翻訳、「言葉を超える技術」
・P2P、「人と人の間を超える技術」

ふむふむ、やはり、ここらへんが可能性なのだなあ。

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2004年09月15日

木を見る西洋人 森を見る東洋人思考の違いはいかにして生まれるか

木を見る西洋人 森を見る東洋人思考の違いはいかにして生まれるか
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■世界は名詞の集まりか、動詞の集まりか

「いないいないばあ」のDVDのエンディングロールがテレビに表示されると彼は「おわっちゃった」という。

1歳の息子は動詞をよく覚える。「あった」「終わっちゃった」「ないない(なくなった)」「いっちゃった」。私の予想は名詞を先に覚えてから動詞の順だと思っていたので、「コイツ天才か?」と親バカな勘違いをしそうだったが、この本によれば普通のことなのだそうだ。西洋人のこどもは名詞から覚え、東洋人のこどもは名詞と動詞を半々くらいずつ学習していく傾向があるという。

それは母親のことばの教え方と深い関係がある。典型的な東西の母子のおしゃべり例が紹介されている。

西洋の母親:
    「これはクルマ。クルマを見てごらん。これ好きかな?かっこいい車輪がついているねえ」

東洋の母親:
    「ほら、ブーブーよ。はい、どうぞ。今度はお母さんにどうぞして。はい、ありがとう」

西洋の母親は世界が名詞の集まりだということを教えるが、東洋の母親は世界が関係に満ちていることを教える。実際に育児を観察してみると、アメリカの母親は対象物の名前を言う回数が日本の母親の2倍も多く、逆に日本の母親は社会的な約束事(あいさつ、共感)を教える回数が2倍も多くなるという。動詞は関係を表現するものだから、東洋人では登場回数が多くなる。

これは、東洋の社会は個人の能力以上に、関係性が重んじられる社会であることに起因する。理屈を並べる人よりも、場を和やかにする人、協調性の高い人の方が大切にされる可能性が高い。

東洋人はゲマインシャフト(自然発生的人間関係と、共有されたアイデンティティ意識にもとづく共同社会)的社会に生きる。西洋人はゲゼルシャフト(道具的な目標を達成するために組織された社会、交渉と契約の社会)的社会に生きる、とも言い換えられる。ふたつの社会の違いは、集団主義的か個人主義的かの違いだとも言える。それが母親の教育態度と、こどもの言語学習の違いに現れていると著者は言う。

■関係性を大切にする東洋人

人間関係を重視する子育ては、西洋の基準ではマザコンのこどもを育てる。日米の成人が母親と一緒にいることをどの程度望んでいるかを調査する尺度設定の際、一方の極みを「私はいつも母親と一緒にいたい」という基準にしようと東洋人が真面目に提案したら、西洋人研究者はあきれた顔をしたと言う。独立心を大切にする西洋では赤ちゃんが一人で別の部屋のベッドに寝かされることも珍しくないらしい。東洋では同じ部屋で家族に見守られるケースが多いだろう。我が家ももちろん同じだし、土日には祖父母も現れる。

こどもが少し大きくなってくると、西洋人のこどもは「お母さんの選んだ問題」に興味を失い、自ら選んだ問題の回答に強い意欲を見せる。逆に東洋人のこどもは「お母さんの選んだ問題」の回答に熱心である。東洋人は何事も場に依存しているのである。

大人になってからも同じである。多国籍企業IBMの調査が紹介される。西洋人の社員は個人の独創性が奨励されそれを発揮できる仕事に強い意欲を感じるが、東洋人は全員で力を合わせる仕事を好んだという。これには労働市場の流動性も関係がありそうだ。米国では職業は一時的なものと考える社員が多く(90%)、日本では半永久的なものと考える(40%)社員が多い。

社会環境が異なるので、教育も価値観もまるで異なる内容になってしまう。世界の見え方が根本的に違ってしまう。

■世界を制御できると思う西洋人

世界の経済成長率やがん死亡率のグラフを被験者に見せて、未来を予測させる実験の話も興味深かった。東洋人と西洋人にはトレンドの上昇、下降と変化の大きさに対して、テーマや予備知識と無関係に、一定の予想傾向が現れた。中国人は変化が加速しているときには、それが鈍化、逆転することを予想する人が多く、逆にアメリカ人は加速はその方向への変化が続くと考える人が多かった。

中国人は世界は複雑でたくさんの要素が相互につながっていると考えているので、ある程度同じ状態が続いたことは、次の変化がおきる兆しと考えた。逆にアメリカ人は提示されるグラフの数字だけを見て演繹し、この変化はこれからも同じように続いていくと考えたのだと推測される。

東洋人は中庸を好む。前進よりも回帰を世界の一般法則と考えやすい。水戸黄門のテーマ曲「人生楽ありゃ苦もあるさ」である。人生塞翁が馬である。めぐりめぐって平衡状態に戻るのが世界の在り方だと感じている。

東洋人は世界は複雑に絡み合っているので、自分の力ではどうにもならないことがあることを知っている。西洋人は対象物を環境から切り離して考えるので、世界は自分が努力すれば制御できると考える。これは原因推測の思考の違いにもつながる。

同じ殺人事件を中国の新聞と米国の新聞がどのように報道してきたかの研究では、西洋では犯人の性格に問題があったとするケースが多かった。東洋では犯人を取り巻く環境が原因だとするケースが多かったという。映画羊たちの沈黙などで有名になった犯罪捜査のプロファイリング(心理分析)は欧米の産物である。「アイツはこういう風に異常だから殺人を犯したのだ」というのが西洋の原因推測。劣悪な家庭環境に育ち孤立していたから殺人犯になったというのが東洋的な原因推測。確かに、こうした事件報道はありがちではないか。

■分析的思考、包括的思考

西洋人は目立つ幾つかの対象物の属性に注意を向け、抽象化、単純化したうえで、因果関係を言い当てる「分析的思考」が主流である。これに対して東洋人は対象を取り巻く「場」全体に注意を払い、対象と場の要素との関係を重視する「包括的思考」が主流となる。東西の医学の考え方の違いと同じだ。

分類は西洋人が得意で東洋人が苦手とする思考の典型であるというデータが示されている。知能検査のひとつにキャッテル性格検査という、図形を特徴で分類させるテストがある。言語に依存しないのでどの文化に対しても公正であるはずのこのテストは、実際には西洋人が高い成績を修めるという。しかも非常に得点差が大きいそうだ。

もちろん、現実の世界ではふたつの世界は融合していて、西洋的思考を得意とする東洋人もいれば、逆の人もいる。同じ東洋時でも程度がある。純粋な分析的思考、包括的思考の人はほとんどいない。それでも、社会科学の実験は、背後にふたつの考え方の違いが存在していることを示している。相互理解を考える上では今後もその事実を知っておくことは相互理解のために重要だと著者は述べている。

近代化と西洋化はイコールではなく、近代化が進むにも関わらず、文化的多様性はむしろ多極化していくという予測がある。世界中にコーラを飲み、ジーンズをはくが、包括的思考傾向の強い東洋人はいる。表面が変わってもこころは変わっていない可能性がある。自然に、皆が西洋的思考に収束するわけではない。

人間だから話せば分かる、ではいけないのだ。基本認識が違うのだから、客観的な真実もひとつではないことになる。根源的な認知の違いを知った上でどう調和を取るかが、相互理解、融合の鍵になる。そして、このメタレベルでは全体と関係性を大切にする、包括的思考が活躍するような気がする。

この本はふたつの考え方の存在を文化論としてではなく、科学として説明した面白い本。

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2004年09月14日

キッパリ! たった5分間で自分を変える方法

・キッパリ! たった5分間で自分を変える方法
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なんとこの本、発売一ヶ月で30万部を売った大ベストセラー。著者は無名の主婦イラストレーター。出版社も大手ではない。これは出版不況の中で、ほとんどありえないこと。奇跡が起きたのはこの本の内容が正しかったということかもしれない。

5分でできる自分を変える方法が60個も紹介される。

例えば私が気に入ったアイデアは、

・処分したい新聞雑誌は中身を見ずにさっと束ねる
・光るものを磨く
・迷った時は勇気がいる方を選ぶ
・急いでいる時こそ字を丁寧に書く
・「疲れた」と思ったら、とにかく眠る
・夜空を見上げる
・「遅い」「今さら」「どうせ」は禁句にする
・キレイな水を1日2リットル飲む

ひとつひとつは小さな気分転換だけれど、60個のうち50個を実行すれば、本当に自分が変えられますよというのがこの本の趣旨。実行容易で気持ちの良いことを、いくつも積み上げていくことで、大きく自己を変革するという戦略。

先に身体を動かしてみると、気分が変わることって、確かにあるなあと思う。代表的なのはこの本の表紙になっている天高くコブシを突き上げるポーズ。著者曰く、この本の執筆時に煮詰まった際、何度もこのポーズをとったら力が湧いてきたとのこと。

うまくいく人生って、きっと理屈ではないのだ。落ち込むことがあっても、コブシを突き上げて「やるぞ、オー」と先へ進んでいれば、勇気がでてくる。その結果、夢に近づいていけるのですということを、著者の自身が行動で、証明している。

著者は1965年生まれ、一級建築士で建設会社勤務の後、イラストレータに転職。34歳で柔道を始めて1年後に黒帯取得の、パワフルな主婦、二児の母。経歴と文章からは、普通であると同時にとても有能な女性であることが分かる。お気楽なのだけれど、やることはキッパリ。ついに30万部のベストセラー作家になってしまった。恐らく、売れた理由のひとつは表紙の元気なイラストだと思うのだけれど、これも彼女が描いたものだから実力に納得してしまう。

どうしたら、そうなれるか、その秘訣を、90分もあれば読めるこの本で読むことができた、気がする。早速いくつか試してみようと思った。

・トメ.COM
http://www1.ocn.ne.jp/~tomesan/

著者のサイト。

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2004年09月13日

文房具を楽しく使う ノート手帳篇

文房具を楽しく使う ノート手帳篇
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楽しい一冊。

■海外のノート、手帳の徹底レビュー

ロディア、クォバディス、モールスキン、エルコ、クレールフォンテーヌ、アムパッド。この本で紹介される海外のノート・手帳メーカーの名前である。マルマン、無印、3M(ポストイット)、ツバメノートなど、日本でも良く知られたメーカーももちろんでてくる。紙や表紙の質感がよく伝わるカラー写真を多用して、それぞれの製品の魅力や著者の思い入れ、使い方ノウハウが語られる。

ノートには固定綴じ、バインダー式の大きく2分類があり、固定綴じは糸綴じ(一段綴じ、多段綴じ)、ワイヤー綴じ(シングルワイヤー、ダブルワイヤー)、ステープル綴じ、無線綴じの4種類があり、バインダー式にはリング綴じ(金属リング、プラスティックリング)、パイプ式、ひも綴じの2種類があるとまず、分類が説明される。この分類で優れた製品を次々に紹介する。

著者は文房具情報サイトを運営していて、とにかくたくさんの文房具を日々、試している。店頭で眺めるだけでは、知りえない各製品の長所と短所、活用シーンがとても参考になる。

・ステーショナリープログラム TOP
http://www.pluto.dti.ne.jp/~sprg/sprg.html
著者のサイト

■多ノートのつながり

この本は特定の使い方、○○式を推奨するものではない。むしろ、著者は文房具が大好きで日々新しいノート、手帳を”味わいたい”人のようだ。自ら”多ノート”であると宣言している。複数のノートをTPOにあわせて、組み合わせる”つながり”を熱く語る。携帯して使う小さな手帳と、オフィス・自宅においておく大きなノートの組み合わせや、家計簿と写真アルバムの組み合わせなど、著者周辺の事例がいくつも取り上げられている。

後半では、パソコンやPDAとの連携についても軽く触れられている。ちょっと感心したのが、ロディアのCLIC BLOCというメモ用紙で、上質の紙質のメモであると同時に、マウスパッドにもなる。電子デバイスとパルプの上手な連携と言える。

■「余白」「使わない」も「使っている」

著者はサイト運営の過程でたくさんのユーザのノート、手帳を実際に見る機会があったそうだが、「皆さんの手帳を見てもそれほど蜜に書いているわけではないのですね。余白のほうが多いかたもたくさんおられます。そういった経験から、手帳の紙面を埋める必要はないのだと楽な気持ちになることができました。簡単に言えば「使わない」ことも「使っている」ことに。」と書かれている。

これ、卓見のような気がした。例えばオフィスのプリンタ印刷用の紙やインクにしても、大量に買い置きがあると、気軽に紙に出してみることができる。そうした出力から生まれるインスピレーションもある。残り枚数を気にしていては、こうした実験的な印刷を躊躇してしまう。

私の知人でとてもクリエイティブなプロデューサがいる。彼は、文房具ではなく、画材用の大きなキャンバス用紙をメモ代わりにしている。持ち運びが大変そうだが、大きな用紙を贅沢に使うとアイデアも形になりやすいようだ。

メモには私もA4サイズの黄色いリーガルパッドを使っている。昨年からの習慣なのだが、大きな用紙はアイデアを書き付けるのに自由度が高くていい。一度書いたメモに後から追記することも容易だ。余白や余剰にはアイデアを書かせる「アフォーダンス」があると言えそうだ。

■思い入れも大切な文具選び

この本を読んでの感想は文房具選びは思い入れが、大切なのではないかということ。文具はいくら上質で機能的であったとしても、それが好きでなければ、毎日携帯して使う気にならないと思う。ペンとの相性、書き心地の重要性も指摘されている。それを使う体験全体、質感全体に対して愛着を持つことが、活用の第一歩なのではないかと思う。

この本の場合、大きな文具屋でないと扱っていないであろう、海外の製品が多く紹介されている。無論、世界で選ばれた逸品という理由があるわけだけれども、同時に普段目にしないモノ、他人が使っていないモノは、愛着を持ちやすいということでもあるのだろう。
私は電子メモも多い。以前、紹介したChangelogというアプリケーションを自分なりにカスタマイズを加えて使っている。もともと相当便利なアプリだが、自分なりに少し工夫をできる余地があったことが、愛用の理由になっているなあと思う。


・Passion For The Future: メモが上手になる技術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001388.html

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2004年09月12日

Hostsファイルの管理ツールFastNet99とhosts遊び

ringolab.comというドメインはIPアドレスで表すと221.116.212.168である。ブラウザにURLが入力されると、ドメイン名とIPアドレスを変換するデータベース(DNS)へ問い合わせが行われ、この変換が行われる。

このDNSの問い合わせは省略することができる。WindowsXPであればhostsファイルという特殊な設定ファイルがあり、ここに対応関係を記述しておけばDNSは使われないのだ。

環境によって異なるが、WindowsXPであれば

C:\WINDOWS\system32\drivers\etc

などのパスにこのhostsファイルは存在する。中身は以下のようなものである。


# Copyright (c) 1993-1999 Microsoft Corp.
#
# This is a sample HOSTS file used by Microsoft TCP/IP for Windows.
#
# This file contains the mappings of IP addresses to host names. Each
# entry should be kept on an individual line. The IP address should
# be placed in the first column followed by the corresponding host name.
# The IP address and the host name should be separated by at least one
# space.
#
# Additionally, comments (such as these) may be inserted on individual
# lines or following the machine name denoted by a '#' symbol.
#
# For example:
#
# 102.54.94.97 rhino.acme.com # source server
# 38.25.63.10 x.acme.com # x client host

127.0.0.1 localhost

■Yahoo.comと打つとGoogle.comを表示する設定

実験してみる。

nslookupコマンドを使ってgoogle.comのIPアドレスを調べてみると、216.239.37.99 である。では上記、ホストファイルに

216.239.37.99 www.yahoo.com

という記述を追加して、ブラウザーを使ってみる。

URLに、www.yahoo.com と打つとGoogleのサイトが表示されるようになった。Hostsファイルに書かれたものはDNSに問い合わせが行われず、優先されるからである。

違う遊び方もできる。

216.239.37.99 www.google.com g

と設定すると、g一文字でも216.239.37.99(Google.com)へアクセスするようになる。だから、a、b、cや短い単語に良く使うサイトのIPアドレスを対応設定しておけばショートカットとして利用することができる。

自分だけのドメイン名をでっちあげることも可能だ。私の名前daiyaで遊ぶとすると、

216.239.37.99 www.google.com www.google.daiya

とすれば「 http://www.google.daiya/ 」でgoogleへアクセスできるのだ。最高に便利である(?)。

この方式を使いスパムで宣伝されるサイトや煩いバナー広告サーバにアクセスしないように設定することも可能である。

例えば、そうしたサイトのIPアドレスを登録した巨大なhostsファイルを配布しているサイトもある。これと自分のhostsファイルを入れ替えれば、特別なフィルタリングソフトなしで、広告がブロックできる。

・how to make the internet not suck (as much)
http://someonewhocares.org/hosts/

ちなみにこれを逆手に利用しているウィルスもある。

・Win32.HLLW.Antinny.6
http://www.viruschaser.jp/vi_index/vi_w/Win32.HLLW.Antinny.6.html
Hostsファイルを書き換えてマイクロソフトなどにアクセスできなくするワーム型ウィルス。

■hostsファイルを管理するツール FastNet99

さて、hostsファイル遊びは楽しいのだが、手書きでの書き換えが面倒だ。それを簡単に管理するのが、FastNet99などのフリーソフト。

FastNet99
http://w3.quipo.it/gcriaco/
fnadd01.gif

同様のhostsツールは他にも幾つかある。

Hosts Editor
http://www.ngweb.biz/resources/hostsedit/
hostseditshot01.png

・Mike Bliv's Page
http://www.users.bigpond.com/m.madronio/

HostsToggle
http://www.accs-net.com/hosts/HostsToggle/
ht-anim01.gif

通常のhostsファイルとカスタマイズしたhostsファイルをクリックでスイッチできる。

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2004年09月11日

パスワードを取り戻す、管理する、生成するツール

重要なサービスには結構複雑なパスワードを丸暗記して使っている。それゆえ、忘れてしまうことがよくある。Windowsアプリケーションがパスワードを保持してくれている間は、忘れても大丈夫なのだが、マシンの移行時に「あれ、パスワードなんだっけ?」ということになる。

そういうときに、とても便利なのがPeek Password。入力が*****とマスク表示されるパスワードフォームへ目のアイコンをドラッグアンドドロップすると、パスワードの正体が表示される。Becky!で私はこれをよく使っている。

・忘れてしまったパスワードを表示させるPeek Password
http://www2.tomato.ne.jp/~tokiwa/menu/index.html
peakpasswd01.JPG

たくさんのパスワードを一括管理するソフトもある。Webの無料サービスのIDとパスワード管理にこれも重宝する。

・パスワード管理ソフト ID Manager
http://www.woodensoldier.info/soft/idm.htm
idm_screen01.gif

推測されにくく覚えやすいパスワードを作るツールもある。

語呂合わせで覚えやすいパスワード作成ツール56wz01
http://ta2027.plala.jp/
56wz01.JPG

カタカナでフレーズを入力すると英数でそれっぽい文字列に変換してくれる。

ハシモトダイヤ
84mtd1y

データセクション
dts94n

リンゴラボ
rn5rb

パスワード
pswd

カンゼンムテキノパスワード
knznmtknpswd

といった具合。このままだと容易に破られてしまいそうだが、独自の変換表を与えたり、大文字小文字のランダム化、数字の使用オプションを使うことで、現実的なパスワードをみつけることができる。

こちらは英語で発音しやすいパスワード文字列の作成支援ソフト。

・発音可能な英語っぽいキーワードを作成するPassword Generator
http://www.multicians.org/thvv/gpw.html

histland glygover uripcea ...。ありそうな単語を生成。

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2004年09月10日

ブログが拓く世界報告と読者交流会報告

ブログ三昧な日々が続いているわけですが今日もブログでした。

■読者交流会報告

このブログの読者交流会が昨夜ありました。20人の方にご参加いただき、予定通り濃い飲み会が実現しました。私は飲み会はいつも人任せで、主宰するのは3年ぶりくらい。会場予約やしきりがうまくできたか、分からないのですが、いろいろなお話で盛り上がれて楽しかったです。参加者の皆さんは私の考えていることを大方理解してくださっているので、前置きを飛ばして話せるのが楽しかったです。

pftfoff040909DVC00018.JPG
丁度いい具合に識別不能。正面左のM先生は公人だから、まあ出してもいいでしょう。

それで、2次会もあって12時をまわり、終電を逃した私は帰社して仕事、朝型仮眠して眠い頭で午後から次のイベントへ突入。が、満員の会場の熱気にパッチリ起きて...。

■オーバルリンクセミナー報告

オーバルリンクセミナー 「コミュニティとメディアの可能性 ブログが拓く世界」にパネリストとして参加してきました。会場の日経BP社ホールは満員御礼。想像通り年齢層は高め。

・オーバルリンク
http://www.ovallink.jp/

ovalblogDVC00023.JPG

基調講演はサイゾー編集長の小林弘人氏(インフォバーン)による「ブログが与えたインパクトとは何か?」。

@ニフティのサービス上で、経済評論家の木村剛氏のブログの活用例が紹介されました。この企画をプロデュースしたのが小林氏の会社なのです。有名人の木村氏が日々更新したブログ記事には、外部のブログから、たくさんのトラックバックやコメントが集まりました。

・週刊木村剛
http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/
このブログがベース。

・月刊木村剛
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書籍化された本

このブログの木村氏自身の文章と、外部のそうした意見を編集してまとめた雑誌が「月刊木村剛」です。ブログをベースに紙メディアにしていく。Web連載を単行本にしていく。新しいコンテンツの出版手法としてのブログについてのお話が面白かったです。

ブログ記事+トラックバックの内容+追加取材でこの雑誌は作られますが、重要なのは編集することです。オンラインでは分かりにくかった議論を、時間軸に沿って論理的に、リニアに理解できるようにする。オンラインでは能動的に、リンクを追いかけながら読まないといけないわけですが、編集された紙は自然に読むことができます。Webと紙メディアの双方に魅力がある、新しい出版の形態を模索する実験が今行われているのです。

基調講演を受けて、カレンの四家氏、関心空間の前田氏、Nikkeibp.jp編集長の田邊氏、そして私の4人によるパネルディスカッションが続きました。四家さんは企業ブログの話題が中心のプレゼンでした。「トラックバックは内容が荒れにくい 自分のブログに書くわけだからあまりおかしなことを書いたら自分に返ってきてしまう。自分の家の壁にらくがきはしないのだ、という話は、なるほどと思いました。

関心空間の前田氏がコミュニティの未来をどう見ているかが気になっていたのですが、発言の「ウェブログ周辺技術の未来形」に、なるほどと思いました。



ウェブログ周辺技術における未来形

・Personalized Search&Agent
自分の関心事を通して、情報や人との出会いの精度を高めるツールへの進化

・Personal Ontology Platform
個人の関心事が、第三者へ価値を持つ知識へ体系づけられる仕組み

・Knowledge Based Economy
知識体系そのものの資産課や流通可能な仕組み
知識創出に連動したビジネスモデルの現実化

---

私の15分のプレゼンでは、今日はこんな発表をしてきました。

oval040910_daiya.JPG

#1枚会場オンリーで公開したかったページは抜きました。

ディスカッションでは司会の田邊氏から「ブログコンテンツの信頼性と普段どうやって情報を見ているか?」について問いかけがありました。こんな風に答えてみました。発言では簡略化したので、文章では少し詳しく。


スタンフォード大学に信頼性を研究する機関があります。そこではPI理論が提唱されています。PIとはProminence and Interpretationの略で、Pは突出して目立つこと、Iは解釈すること。PとIの度合いを掛け算したものが信頼性なのだという理論です。

私たちはまず目立つコンテンツを目にします。目立たないものはみつからないのだとも云えます。そして、その意味や重要性を解釈します。何らかの意味で突出して目につきやすく、自分にとって役立つ意味のある情報は信頼性が高いのです。

たくさんのブログの中から信頼できるものを選別し、抽出する装置として、コミュニティが強力に機能します。コミュニティでは、容易に嘘が暴かれます。脇の甘さも突っ込まれます。コンテンツは裸にされて、PとIが露呈します。

中には、ゴシップやイエロージャーナリズムのように、目立つだけのものもあります。Pが高いということです。2ちゃんねるの情報もそうした傾向があります。ですが、ある程度の経験を積んだユーザは、そうした情報の怪しさも見抜きますからIの値は高くなりません。結果的には信頼度はさほど高くならないのです。

RSSリーダーや情報収集ロボットの技術が発達してきましたが、量がいくらあっても、読めないだけです。コミュニティは、多方向から光をあてて、情報の信頼性を暴きだします。私たちは、恐らくは民放テレビチャンネルと同じくらいの数の、信頼できる情報を読むのが一番効率的だと思うのです。私は日常的には、幾つかのフィルター役のサイトに目を通すだけになってしまいました。

大新聞のような大きなメディアの欺瞞も明らかになってしまいました。大手新聞3紙を毎朝読み比べれば世の中がわかるなどというのは、もはや嘘だと思います。変化の激しい現在では大手新聞社が揃って間違うことも珍しくありません。

逆に、信頼できる友達のいうことだけを聴いていた方が、世界を正確に把握することができる時代になりつつあるのかもしれません。ネットがなかった頃は、身近な人間の話しか聴けませんでしたが、今はネットで世界中の、知識ある目利きの意見を直接聞けるのです。そうした判断フィルターを通った意見を重視したほうが、情報はしっかりととらえることができるようになってきたと思っています。

(懇親会でコンパクトにプレゼンが上手にまとまっていましたねえと小林編集長からホメられとても嬉しい)
---

この他にもさまざまな話題が議論されました。懇親会で騒いだら忘れてしまいましたが、ブログやコミュニティの現状と可能性について、バランスのとれた議論が展開されていて、参加者としても楽しい会でした。

・パネリスト 四家氏本人による報告(詳細は追記予定、写真充実)
http://www.current.co.jp/blog/archives/000471.html

報告2本終わり。

さあ、来週はBlogHacks Conferenceです。まだまだブログな日々が続きそうです。

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2004年09月09日

Blog Hacks ―プロが教えるテクニック&ツール100選

Blog Hacks ―プロが教えるテクニック&ツール100選
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■ブログの改造方法を100本収録

オライリーのGoogleHacks、SpideringHacksに並ぶ、ハック本の逸品が登場。日本のブログ系ハッカー集団が、100個のブログ改造法を伝授する。国内ブログのプログラミングをリードしてきたBulkfeedsの宮川氏NDO Weblog(元@Niftyココログ担当)の伊藤氏の二人が中心になって集めた執筆陣はとにかく豪華で濃い。

この本はブログの初心者や、文章を書くだけの一般ユーザにはお勧めできないが、ブログのシステム自体に自ら手を加えてみたい技術系ユーザなら買わないでどうする的な内容。ブログにあんな機能を実装できないかな?と考えている人は、アイデアとヒント、コーディング参考例が満載。

私が注目したHacksは、以下の3つ。

・HACK#31 HTMLからパターンマッチでRSSを生成する
    動的に生成されたWebサイトのHTMLをパターンマッチでRSSに変換してみます

・HACK#69 BlogのエントリからAmazonアフィリエイトサイドバーを生成
    過去にBlogで紹介したアフィリエイト商品をまんべんなくサイドバーで「再」紹介するための方法を紹介します

・HACK#72 GoogleAPIでBlogサービスのシェアをグラフ化
    GoogleAPIによる検索結果件数をグラフ化することで、Blogサービスのシェアを計測します。

■著者宮川氏のおすすめ。

著者の一人宮川氏に聞いたところ、個人的お勧めは以下のHacksだとのこと。

Hack#50 OPMLをパースしてRSSをアグリゲート
    RSSの購読リストとしてOPMLを利用して、新着記事をHTMLメールで配信するRSSアグリゲータを作成します。

Hack#87 MSNメッセンジャーの会話ログをBlogにポスト
    インスタントメッセンジャーの会話ログは、インタビューやブレインストーミングのログとして最適です。MSNメッセンジャーのログをmetaWeblog APIでBlogにポストしてみます。
    
Hack#92 AMIPとWSHで今聞いている曲をBlogエントリに掲載
    mp3プレイヤーで「いまきいている曲」を、Blogエントリの末尾に”Now Listening”として載せてみます。

Hack#97 ベイジアンアルゴリズムによるRSS自動フィルタ
    SPAMフィルタなどで注目されているベイズ理論を使用して、RSSフィードの記事が面白いかつまらないか、自動で確率計算してみます。

■出版記念イベント Blog Hackers Conference 2004開催

で、私もこのブログで自作Hackをひとつここで紹介しようと思ったのですが..。

・Blog Hacks 発売記念イベント Blog Hackers Conference 2004 開催!: Blog Hacks - プロが教えるテクニック & ツール100選
http://hacks.bloghackers.net/archives/2004/09/blog_hacks_blog.html

こんなイベントがあるとのこと。私もご縁あってお手伝いしていますが、著者の二人に「私もゲスト参加させてよー」と頼んでます。うまく調整がつけば、当日、私もここで101個目のHacksをご紹介しようと思っています。会場でお会いしましょう。


以下、主催者発表のデータ:

開催概要

タイトル
   Blog Hackers Conference 2004
日時
   2004/09/15 (Wed) 19:30
会場
   デジハリ東京御茶ノ水本校 (住所・地図)
費用
   無料

協賛
   デジハリ
事前登録
   こちらのフォーム (shibuya.pm.org 内)よりお申し込み下さい。

プログラム
   現在調整中。随時発表します。
備考
   事前登録のない場合、入場をおことわりする可能性があります。会場定員に達し次第申し込みを締め切ります。
   
著者、寄稿者をはじめとする Blog Hacker によるプレゼンテーションを予定しています。開催まで間がありませんが、ぜひご参加ください。なお、書籍 Blog Hacks をお持ちでない方も参加可能です(会場で販売も予定しております)。

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2004年09月08日

宮崎アニメの暗号

宮崎アニメの暗号
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『風の谷のナウシカ』『となりのトトロ』『天空の城ラピュタ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』。宮崎アニメは神話の世界観をベースにした作品が多い。だが、日本だけでなく世界の様々な地域、時代の神話が巧みにブレンドされているため、参考にした神話を特定するのは、暗号解読のような作業と面白さがある。

映画「ミツバチのささやき」、ケルト神話、五行思想、インド神話、宮沢賢治、堀田善衛、漫画家花輪和一の作品、ゴヤの名画「巨人」、旧石器の洞窟壁画「トロワ・フレールの呪術師」。次々にこれに宮崎氏は影響を受けて、この作品を作ったのではないかという候補と証拠が説明されていく。

著者は「もののけ姫」が宮崎作品の思想の頂点と考えているようだ。この作品に登場するエボシ御前は、文明の象徴であり、宮沢賢治の「土神」、民俗学の「金屋子神」、ケルトの女神ブリギットのブレンドだと分析している。そしてベースとなった神話の性質上、エボシ御前は神殺しの属性を持つ。この対極に位置するのが自然を象徴するシシ神であり、殺される神である。そして、このふたつの極のちょうど真ん中に立つのが主人公のアシタカだとする。文明と腐海の森のちょうど間で、両者の衝突を食い止めようとしたナウシカとまったく同じ立場だとし、宮崎作品の典型的な構図を看過してみせる。

とまあ、いろいろと薀蓄を語る本なわけだが、プロットがそっくりで実際にこれを換骨奪胎したのだろうなと思わせる話もあれば、ちょっと強引すぎるのでは?というこじつけ話もあるのだが、宮崎作品に登場する舞台やキャラクターを思い出しながら読むと楽しい時間を過ごせる本だった。

宮崎アニメに限らず、「深い」と云われる作品は多義的で、観たものが多様な解釈を楽しむことができるが故に深いのだと思う。きっと宮崎氏自身も暗号に隠した明確な正解を持っているわけでないではないのだろう。何にも還元できないからこそ、名作は名作なのだと思うから。

関連:

・松山市/道後温泉本館
http://www.city.matsuyama.ehime.jp/dogojimu/tanken/
千と千尋の神隠しの舞台のモデルとなった旅館。マップをクリックで表示される内部写真が映画にソックリ!日本で唯一温泉に入れる重要文化財だとのこと。いつか行かねば。

・カオナシの携帯ストラップ
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/strap/8794.html
私は宮崎作品では「千と千尋の神隠し」のカオナシが好きである。”そもそもカオナシとは”で1時間は語れる、と思う。でも、さほど面白くないので書かない。

・はてなダイアリー - 町山智浩アメリカ日記 
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20040314

とても面白い映画評。しかも説得力がある。宮崎監督は性風俗を描こうとしていたと自ら主張しているのにメディアはその部分だけ取り上げないという話。ある意味、暗号のひとつの正解が見つかった例。

「宮崎駿の『千と千尋の神隠し』に関しては柳下毅一郎の対談本『映画欠席裁判』その他で書いてきたとおり、娼館を舞台にした物語である。

しかし、そう指摘されると怒る人が多いんだ、これがまた。」

「『千と千尋』は、現代の少女をとりまく現実をアニメで象徴させようとしたので、性風俗産業の話になった、と監督は言っている。」

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2004年09月07日

潰れる大学、潰れない大学

潰れる大学、潰れない大学
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2002年の出版なので最新の状況はないが、現在の大学改革の動きを整理するのに役立つ本。考えたことを、メモ的に書いて書評。


18歳人口は1992年度の250万人をピークに減少をたどり、2001年度は約150万人。2009年度には志願者数と入学者数がともに約70万人となり、数字上は全員が入学できる「全入時代」がくるとされる

■新規の大学設立

先月、神戸に行った際に、神戸電子専門学校の教員の方と一晩語ることができた。神戸電子は地元密着の専門学校なのだそうだが、来年度に「オープンソースの大学を作るんですよ」と言われてびっくりする。ApacheやSendmailなどのオープンソース技術の運用と研究に特化した大学なのだそうだ。

・オープンソースの大学 神戸情報大学院大学
http://www.kobedenshi.ac.jp/kic/

規制緩和に伴う、新しい大学というとデジタルハリウッドの株式会社立の大学院と来年度開講予定の4年生大学や、法律学校のLECの大学院などが話題になっている。これに続いて、このオープンソース大学や、大前健一のビジネスブレークスルー大学の開校が申請されているようだ。

新司法試験・法科大学院・試験の合格を目指す:LEC法科大学院サイト
http://www.lec-jp.com/houka/index.shtml

基本は少子化と定員割れによる大学の統廃合が進む中で、こうした新しいタイプの大学が新設されようとしている。

■国立大学の独立行政法人化、TLOと特任教授制度

2004年、国立大学は独立行政法人化された。従来の上から降りてくる予算だけでは大学が経営できなくなった。国立大の代表格、東大の改革というと、CASTIと特任教授制が有名である。

・株式会社東京大学TLO [CASTI]
http://www.casti.co.jp/

CASTIは東京大学の研究を一般企業に移転する、いわゆる産学連携推進のためのTLO機関。大学の研究を特許化し、一般企業へ実用化の提案を行うこと中心に産学連携を推進する。特許をベースにベンチャー企業を設立する。

・米国における産学連携の変遷について
http://www3.jetro.go.jp/ma/tigergate/info/techinfo/pdf/456/456_2.pdf
・「平成15年度大学発ベンチャーに関する基礎調査」結果について−報道発表−経済産業省
http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0005172/

・東京大学 先端研 特任教授制度
Our Project and Tokunin Member (in Japanese)
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/projects/tokunin_member.html

民間からも就任者の多い特任教授の任期は4年間。将来の待遇は保証されない。研究費は自力で獲得。成功すれば多額の報酬を得られる。

■私大の改革、東の慶応のIT、西の立命館の国際化

私大の世界では、ITに特化した慶応大学藤沢キャンパス(SFC)の取り組みは有名である。これに対して、関西では立命館大学が大分県別府に開校したアジア太平洋大学(APU)が注目されている。この本では二つの取り組みについての当事者への取材が詳しい。

・デジタルキャンパスに見る近未来のコミュニケーション - CNET Japan
http://japan.cnet.com/column/tm/
慶応大学SFCの日常を学生が特派員的に伝える。

立命館は国際化をキーワードにした。全世界の人口比に近くなるように、世界の各国から留学生をスカウトしている。キャンパスは小さな地球になる。

・立命館アジア太平洋大学(APU)
http://www1.apu.ac.jp/apu_jp/home.nsf

・国・地域別学生数(2004年5月1日付)
http://www1.apu.ac.jp/apu_jp/home.nsf
最新の学生の国・地域別出身統計。

■○○卒の価値を高める、皆が認める学歴主義

このテーマはそれほど詳しくないのだが、直感的に、大学改革はこれからが面白そうだと思った。時代錯誤の矛盾が多いからだ。

そもそも従来の近代の大学と産業界の関係には無理があったのだと思う。「大学で専門教育を受けてその知識を将来の仕事で活かす。」がタテマエだと思うが、学生時代はバリバリ研究して論文を書くのが良いという、研究者の道を歩かせながら、いざ就職すると、一部の研究職を除いて、学校での知識が役立たなくなってしまう。卒業後の世界では「アカデミック」は必ずしも良い意味で使われない言葉になってしまう。

この際、一般教養は高校までで終わりにして、大学の学部からは将来のキャリア別に

・ビジネスマン育成の大学
・技術者育成の大学
・一流研究者の育成の大学

など、学部から、専門特化してしまうのが良いと思う。大きな方向性としては現在の大学改革もこの方向性のようだ。

大学単位、学部単位で強いカラーが生まれるのは良いことのような気がしている。これまでは○○大学出身といっても、それで何ができるのか、よく分からなかった。「学歴不問」は良いことだけれども、それじゃあ大学の存在価値と4年間の時間は何なの?という気がする。

奨学金や社会人入試の拡大で、誰でも入れるけれど、よほど勉強して実力をつけなければ出られない大学。知識を持っているっていうのはすごいことなんだなと思わせる人材を輩出する大学。そんな大学ばかりであれば、良い意味での学歴主義があってもいいと考える。

関連:

「大学のイメージ」に関する調査【東京私立大学編/関西私立大学編】
http://www.mdb-net.com/w_report/report08.htmlあの大学のイメージは?

・大学における教育内容等の改革状況について
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/16/03/04032301.htm

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2004年09月06日

悪の対話術

・悪の対話術
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■礼儀正しく生意気な人

第一印象を制する対話に必要なものの話がなるほどなあと思う。

「あなたがどれほどの存在であるか、ということは、多少とも頭を使うことを知っている人間であるならば、会った場所や機会などで大体解るのです。では何を云うべきなのか」

それはごく短く印象に残る「批判的な意見」であるとし、「礼儀正しい生意気さ」が大切だと説く。

「私が云う「生意気な人」というのは、組織の中、特に課とか班といった小規模の集団において、自分のおかれている境遇や評価に対する不満、反発を、自身の「分」を意識的にでも、無意識的にでもはずれることで、表明しようとする人たちです。」

もちろん批判の対象や表現をよく選び「トゲから伝わる敬意」が感じられると良いとし、
「大体、ある程度の地位なり力量を持った人間にとって、若い人に期待するものとは、生意気さだけなのです。」

これは分かる気がする。

ビジネスシーンである程度の役職にある人と話す際、そういった人たちは普段、賞賛の言葉と大人しい若手の部下に囲まれている。それに甘んじている人は、つきあうに値しないし、若者を引き上げてくれる力がないような気がする。だとすれば、生意気な一言の持つ違和感で「見所」をアピールする戦略が、その人物の真価を見抜く試金石としても機能して、一番効果的だということだろう。

■適度に緊張させる無口な人

「キャラ立ち」するのではなく、キャラに収まりがつかない緊張感、容易には安心できない雰囲気を漂わせる、ミスティフィカシオン(神秘化)の技術の話も面白い。そのひとつの手法に無口がある。

「例えば明治の元勲西郷隆盛は、きわめて無口なことで知られていました。きわめて少ししか言葉を口にせず、しかも語るとしても相撲や犬といったどうでもいいことしか語らない。政治向きの話はいっさいしないのです。けれども話さないからこそ、周囲の視線は西郷にずっと注がれている。西郷が何を考えているのか忖度し、片言隻句を聞き逃すまいと耳をすましているのです。ですから、一度言葉を発するとその影響力は絶大でした。西郷が進めと、一言発すれば、それで大山が動くように衆がみな従うのです。」

場に緊張感を持たせる人というのは、会議などでも重要な役割を担うと思う。ただし、効果的な無口は、作為的な無口の結果であると著者は言う。緊張によって場を生成していくことで、効果的な対話ができる。

■悪の対話術=意識的で作為的な対話=大人の優しさ?

この本のタイトル「悪の対話術」から、最初は「パワープレイ」のような小手先心理操作と交渉術がテーマかと思ったら、もっと深いレベルの本だった。自分のいいたいことを直球でさらけだすのではなく、相手の立場を理解した上で、作為的に対話をしかけましょうというのがこの本の趣旨。作為性がこの本のいう「悪」であるが、それこそが大人同士の対話の、誠意であり、思いやりなのだ。

ある程度の年齢になると天然の「いい人」は必ずしも善い人ではないなと私も最近、感じるようになった。思ったままを口にするのではなくて、どう状況を変えたいかを考えた上で、将棋の駒の次の一手を置く。そんな対話ができるのが優しい大人なのだなと思う。作為性を仕込んだ言葉は、中途半端ではだめだとも書かれている。中途半端な優しさはダメなのだ。愛にも通じるかもしれない(笑)。

この本には、一般にはネガティブなものとして考えられている悪口や噂、お世辞の、良い使い方なども書かれている。ノウハウ本ではないのだけれど、対話の場の構築術として参考になることが多かった。

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2004年09月05日

気前の良い人類―「良い人」だけが生きのびることをめぐる科学

気前の良い人類―「良い人」だけが生きのびることをめぐる科学
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名著「ユーザーイリュージョン―意識という幻想」の著者の最新刊。
・ユーザーイリュージョンの書評
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001933.html

これもまた興味深い記述の連続。

■気前の良い人が生き残る

ある取引ゲームの話が冒頭に取り上げられる。分かりやすく単位を変えて説明すると、まず私があなたと取引をすることを合意する。

そして私はあなたに胴元から預かった1万円をあげる。あなたは1万円から好きな分だけ取って、残りを私にくれる分割提案をする。例えば5000円をあなたが自分のものにして5000円を私にくれることができる。私がこの取引に合意すれば私もあなたも5000円を得る。私が取引を拒否すればお互いが何も得られない。でも、私はこの折半条件ならば合意するだろう。

この実験を人間で行うと、9900円を自分の取り分にして、100円しか提案者に渡さない欲張りが登場する。このとき私は取引に不満を感じて取引自体を拒否するかもしれない。実際に行われた実験では、提示額が全額の20%を下回ると、しばしば取引を拒否する提案者が多くなるという。

面白いことに、欲張りな相手がコンピュータであると提案者が知っている場合、拒否するものがいないのだそうだ。これはよく考えれば当たり前の話で、100円であってももらえるのならば、提案者が得するゲームだからだ。徹底的に利己的であればどんな分割提案でも受け入れるほうが合理的なアイデアになる。

それにも関わらず人間同士の取引では、拒否が起こる。不当な提案をする相手を取引拒否で罰したいと思う。人間が完全に利己的なホモエコノミクス(経済合理的ヒト)であれば拒否は起きないはずである。

別のスイスの実験では、提案者が相手を選んで繰り返しこの種の取引ゲームを実施した。すると、前回の取引で気前の良かった人と取引を行う傾向が強く見られた。信用ができて、気前の良い同士が利益を上げていく。利他的であることは、ある程度発達した社会の中では、生き残りに役立つ性格になることが分かる。

獲物を共同で狩る、組織的農業を営む、ムラや国家を運営する。協力は人類にとって不可欠な要素である。その協力者を得るには気前よくなければならない。

そして、なぜ生物学的に、気前のよさが発現し、主流派を占めるようになったのかが解明されていく。

■ハンディキャップ理論と面白い人がモテる理由

クジャクのオスは美しい羽を持っている。美しい羽はメスを魅了する。だが、同時に美しい羽は目立つことで肉食獣に見つかりやすくなるハンディキャップでもある。メスが美しいオスに惹かれるのは、羽が美しいからではなくて、こんなハンディキャップを背負っても生き残ることができるオスの強さの証に惚れるのだ、とする説が紹介される。

美しい羽のオスとそれを選ぶメスの子孫もまた、美しい羽とそれを好む遺伝子を持つ。美しい羽という発現型は、生存競争を勝ち抜く強い遺伝型の持ち主であることのシグナルになる。生存以外の部分に割ける余剰能力をどの程度持っているかを、異性に伝えることが大切なのだ。

現代の人間社会では、博士の学位や、MBAなどの資格、偉大な音楽的才能などがシグナルの役割を果たしているのだという。こうした技能や資格を持っていても、無人島でのサバイバルには何の役にも立たない。だが、資格取得までの長い勤勉な学習や、試験での競争に勝つ能力の持ち主であることのシグナルになる。

動物の群れ、原始的な人間の社会では、メスが、強いシグナルを発するオスを性的に選択することで、種は進化してきた。だが現代社会では、男女が同質化し、女性にだけでなく、すべての人にとって好ましい性格がモテるようになった。気前のよさ、優しさ、勤勉さ、我慢強さという利他的な性格は、協力パートナーをみつけやすい。配偶者に求める要素アンケートでも、国際的に上位にあがる。

「面白いユーモアのある人」「深いことをいう人」がモテるわけも同じ原理で説明できる。著者が書いた名著「ユーザーイリュージョン―意識という幻想」では、情報の価値を測る尺度として「論理深度」が取り上げられた。深い意味を持つメッセージを作るのはコストがかかる。気の利いたユーモア、深遠な言葉を使う人は、それを生成するだけの余剰の能力を持っていることのシグナルを発している。だから、モテる。

■真剣なセックスが人類を救うという結論

著者は高等生物の進化の原理として、自然淘汰(=弱肉強食)と、性的選択の二つを挙げている。前者は利己的で、後者は利他的であることがよしとされる。特に生命の直接的危険に晒されない人間の場合は、性的選択の原理の影響が大きくなる。そして、科学や芸術など、人類の一見、洗練された精神的行動の背景にも、セックスが強く作用していると述べる。「精神はセックスであり、セックスは精神である」とまで言う。

異性の前で性器を強調して全裸で踊るような趣味は歓迎されない。異性に選択されるには、回り道のできる余裕を見せる必要がある。ペニスが大きいだけよりも、愉快な話ができる男の方が余裕があるのだ。

このプロセスにおいて、私たちは良い遺伝子を残すという最終目的を意識することはない。性的魅力があって自分の面倒を見てくれる、いい男、いい女を捜すだけだ。人間は生き延びるために食べるが、目の前の飢えを解決するために食べているだけであって、生き延びること自体を年中意識しているわけではないことと同じであると説明する。

後半では地球社会の未来の問題に言及する。

富むものが貧しいものに贈与をすることがセクシーである社会が著者の理想ということのようだ。人類の未来の壮大なビジョンが語られるのだが、結論は「性的選択を守れ」ということになる。真剣にセックスをせよ、というメッセージになる。

性的選択こそ、人間性のすばらしいものを効率的に抽出する過程なのだ。「この人と一緒になって幸せになれるだろうか?」と考える男女の真剣さが、このプロセスを確実なものにする。カップルが性的魅力と一生の面倒を見てくれる気前のよさを持つ伴侶を選ぶことで、世界には優しく、誠実で、勤勉で、忍耐強い、利他的で気前のよい人類が満ち溢れることになる。

性器を使った性交を守れということが直接的に書かれている。近年のバイオテクノロジーへの警鐘も鳴らしている。セックスは世界を結びつける共通の原理である。恋人とのベッドの中で愛するように全人類を愛することができる人を産めよ、殖やせよ!。

■人類の進化の原理についての関連本

ユーザイリュージョンの著者の次の訳書ということで期待しながら読み進めた。性的選択の影響がここまで大きいものなのかは疑問も残るが、一貫した論旨で経済学、社会学、人類学までに踏み込んで総括する、ものすごく魅力的な進化論である。結論は「性愛は地球を救う」で、とても大胆。とにかく読んでいて楽しい本だった。ここまでウィットに富む深い内容を書ける、ノーレットランダーシュはさぞモテモテなことだろう。

以前書評した2冊の本にも、人類を進化させた要因が語られていた。

・Passion For The Future: 天才と分裂病の進化論
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001298.html

この本では、「狂気」が、

・Passion For The Future: 宇宙人としての生き方―アストロバイオロジーへの招待
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001273.html

この本では「おばあさん」が

それぞれ要因として挙げられていた。

話を総合すると、人類を進化させたのは「気前が良い狂気のお婆さん」である。

そういう人にあったら、ありがとうと素直に感謝することにしよう、これからは。


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2004年09月04日

低速回線シミュレータ WebSlower

ブロードバンド環境でWeb制作をしていると、ダイヤルアップ接続ユーザの感覚が分からなくなってくる。このソフトはPCが使うネットワーク帯域を制御することで、任意の低速環境を作るテストツール。昔のモデム利用ユーザだったらどのくらいの重さなのかを確認できる。設定と操作が直感的にできてマル。

・WebSlower
http://www.humanprofile.biz/prodotti.php
フリーソフト。

webslower01.JPG

WebSlowerはプロクシ方式で動作する。プロクシに使うBinding Hostとアクセス先を指定する。

webslower02.JPG

接続速度を選ぶ。デフォルトのオプションでは4.8k 9.6k 14.4k 28.8k 33.3k 56k ISDN64k ISDN128k ADSL256k ADSL650 ADSL2M ADSL8Mが用意されている。cfg.xmlという設定ファイルを書き換えれば任意の速度も選択可能になる。ブラウザーのキャッシュをクリアしてからアクセスすることもできる。

さらに高度な低速回線シミュレータにシェアウェアのNetLimiterがある。

・NetLimiter.com - an ultimate internet traffic control and monitoring tool
http://www.netlimiter.com/
nlscrshot002s.png

こちらは、Webに限らず、あらゆるアプリケーションの低速シミュレーションが可能。ポート別に、上りと下り回線の帯域を設定できたり、実効速度の統計を記録することができる。

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2004年09月03日

おかげさまで1周年 読者の皆様へ オフ会開催のおしらせ

今日でブログを開始してちょうど1年です。

読者の皆さんに感謝します。
読者交流会を開催します。

■おかげさまで1周年 読者の皆様へ

Passion For The Futureは、最初の何週間かは1日10ページビューのサイトでしたが、現在は、月間12万ページビュー程度のサイトになりました。1年間で約1.2万倍の成長率です。アクセス数もさることながら、何より、この日刊サイトを通じて、何百人の方々と出会うことができたことが、良かったなあと思っています。読者の方々の日々のアクセスとご声援のおかげで、続けることができました。

ブログをはじめたきっかけは、このサーバのある会社(私は役員)のリンゴラボの代表の加藤さんが、先にブログを始めたことでした。私は個人としては、データセクション社設立以降、自分の個人Webやメールマガジンでの情報発信を3年間以上していませんでした。原稿はお金をもらってマスメディアに書くもの、というフツーの感覚がありました。

でも、加藤さんのブログに人が集まるのを見て、興味本位と、設立まもなく一般知名度のなかった会社の宣伝にでもなればいいなと思い、軽い気持ちで始めました。

「Passion For The Future」はリンゴラボのキャッチフレーズをそのまま流用しました。
・適当に気になった情報をメモして友人に見てもらう
・会社のプレスリリースを掲載して、ついでに宣伝する
・「情報」について考えたことを書いて未来の自分が読めるようにしておこう

というスタンスで開始。

ところが思いのほか、反響が大きくて、1ヵ月後には真面目にやらないとイカンということになりました。当時、仕事で企業のブログサービス立ち上げのコンサル案件を多く手がけいましたので、私自身がブロッガーであることが仕事にも良い影響を与えていたという理由もありました。

■ブログから始まるリアルのドラマ

12月頃、百式田口さんと企画した忘年会議でたくさんの人に「読んでいる」と言われて、自分の活動が世の中の役に立てているらしい、と実感しました。結局、仕事もこのブログ経由で随分頂きまして、今では公私こんがらがってきていますが、自分の中でなくてはならない情報発信ツールになりました。

ネットでアイデアを書くと、それが実現していくことを実感した1年でした。

最近、ITMediaで「ITは、いま──個人論」というお気に入りの特集連載があるのですが、最新はこんな記事です。

・ITmediaニュース:「mixi依存症なんです」――ソーシャルネットで人生が変わった26歳女性
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0408/31/news049.html?c

ひとりの女性がMixiでの情報発信にハマって、最初は軽い遊びだったのに、やがては自分の人生に大きな変化をもたらすことになったドラマが紹介されています。他にもこのページからはそうした個人の視点のドラマが幾つかリンクされています。

これにはデジャブ感があります。私も97年〜2000年頃までコミュニティ「アクセス向上委員会」のメーリングリストとメールマガジンで、自分の人生が変わってしまったからです。ブログやソーシャルネットワーキングで、今同じような感動ドラマを体験している人が日本中、世界中に増えているのかもしれません。

二度もこうした体験ができるなんて、幸運だったと思います。

■個人主義と商業主義

どこかで一度、お断りしておきたいなと思っていたことがあります。この機会に書いてみます。

アイデアを実現するドラマに一役買ってくれたこのブログですが、自称「個人サイト」です。ですが、非営利で趣味の事柄を書くだけの、一般的な意味での「個人サイト」ではありません。

・ブログで仕事の宣伝を行う
・ブログで物を売るなど商業行為を行う
・利害関係のある友人・知人のビジネスを直接的、間接的に宣伝する

といったことを巧妙に、私はやってきましたし、今後もやっていくつもりです。

ですから、たまに商売の匂いのするエントリがあっても、どうか「作者は商業主義に染まっている」などと批判しないでください。私はそもそも商業主義者なのですから。つまり、ここは、商業主義の個人サイトだとお考えください。私は情報発信を常にビジネスにつなげることを意識して書いています。

儲けることで、活動の継続と拡大をしたいと考えているからです。もちろん、商業主義が色濃くなれば、情報ソースとして信頼できず、つまらないものになるでしょう。バランスを大切にして、これまでと同じように、続けていきたいと考えています。そうすることで、より長く、より面白いサービスを提供したいなと思います。これは百式管理人の考えは分からないのですが、無敵会議についても同様に考えています。純粋な個人サイト、コミュニティ指向ではありません。

■2年目へ向けて

特に内容の変更点は考えていません。このままいこうと思います。新コンセプトを明確に打ち出そうかとも思いましたが、日々の雑多な活動の中で思いつくままに書ける楽しさが原動力なのであると考えました。今後も何のサイトなのか、いまひとつ分からないわけですが、中心テーマは「情報」で、縛られることなく自由に書きたいと思います。

2年目に向けて目標はひとつ考えました。1年後、現在の10倍の、月間100万ページビューのサイトにすることです。現時点では、敢えて達成不可能に思える目標にしてみました。「アクセス数なんて関係あるのか?」とのご意見もありそうですが、私は出自が「アクセス向上委員会」なのです。なんだかんだ言っても、トラフィックが大きなサイトには、素敵な出会い、素敵なドラマも起きやすいことも、身近に見てきました。

無論、宣伝活動や広告で伸ばそうとは思っていません。純粋に面白いコンテンツをできる範囲で書いて、共感してくれる読者を増やしていきたいなと思います。リアルの活動の幅を広げることで、今までご縁のなかった方々にも知ってもらいたいと思います。そうした王道のアクセス向上手法で、月間100万ページビュー。できるでしょうか?。どうか、応援してください。

ただデザインについては近日変更予定です。1周年に間に合いませんでしたが、デザイナーの方とリニューアルも予定しています。読みやすく、シンプルを基調にプランニングしています。今月中には完成することでしょう(ね、安藤さん)。

それでは、このブログサイト、今後もどうかよろしくお願いいたします。

■読者交流会のお知らせ

で、ですね。

初めての読者交流会を開催したいと思います。

といっても、タダの飲み会です。あまり大きなイベントにしたくありません。無敵会議とは違います。私は何も企画をご用意しません。特にテーマもありません。決まっているのは相互の自己紹介くらいでしょうか。普段、このブログを読んでいて、作者と会ってみたいなあと思われている方、共通の関心を持つ他の読者と会いたいな思われている方、お気軽にご参加ください。

なお、全員と直接、お話できる規模で開催したいので、20人くらいで行いたいです。

実施日時:9月9日(木曜日)19:30−
場所:東京、表参道の近辺の私の好きな店(予約が取れれば)
予算:3000円〜4000円

参加希望の方は、

datasection@gmail.com

サブジェクト:「読者交流会参加希望」
本文:適当にコメント、自己紹介など。

でお送りください。

純粋に先着15名の方に場所のご連絡をいたします。

追記:結果報告

Passion For The Future: ブログが拓く世界報告と読者交流会報告
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002128.html

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2004年09月02日

行列のできるメルマガ作成入門

行列のできるメルマガ作成入門
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メールがテーマの会議主宰にあたって予習的に読んだ本。初心者向けだが、分かりやすくて、面白かった。

・高橋浩子ホームページ
http://www.t-cube55.com/cgi-bin/whatsnew/top.cgi

著者のサイト 読み物が満載

メールマガジンは大別して2種類あると思う。

A 個人が発行するもの(趣味)

B 企業が発行するもの(営利)

この本はAの趣味で個人を主な対象としている。もちろん、読者が増えてきて広告や商品販売を開始してBへと移行するメールマガジンのことも、成功例として取り上げられている。

今回のRE:会議ではメールがテーマであるにも関わらず、Aのメールマガジンがあまり話題にならなかった。先端ユーザの関心はブログやソーシャルネットワーキングに向いていて、相対的にメールマガジンは存在感が薄れてきているのかもしれないと感じた。

日本初の最大の配信スタンド「まぐまぐ」はAのタイプが29000誌集まる牙城であるが、開始以来の総配信部数の推移が公開されている。

『まぐまぐ!』まぐまぐデータ>まぐまぐ一般マガジン
http://www.mag2.com/magdata/magmag.htm
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総発行部数でみると2001年4月くらいと同じレベルにある。発行者数と読者数を見ても、同時期から横ばいに近い状況である。どうやらブームはこのくらいの時期で終わってしまったらしい。ADSLなどブロードバンド常時接続の普及によって、メールマガジンよりも、リッチな表現ができるWebに人気が移ったように思われる。

これに対してBの企業発行のメールマガジンは統計データはないが、今も増えているような気がしている。企業サイト構築のプレゼンでは同時にメールマガジンの企画も、というケースが多い。

■個人発行のメールマガジン成功の秘訣 ナレアイマーケティング

私も昔、Aタイプで、3万部のメールマガジン読者を集めたことがあるのだが、5年近く前のことなのでノウハウの移り変わりを意識して読んでみた。

この本では、最初に5人の成功者として1万部以上のメールマガジンを作った個人が登場する。

紹介されたメールマガジン:

・“あの”出す本見事に超ベストセラー!! 幸せとお金の専門家 本田健さん
http://www.aiueoffice.com/

・・「売れるしくみはこうつくれ」の通販業界の風雲児 岡崎太郎さん
http://www.it1616.com/

・創刊前から1万人の読者を集めた中小企業の正義の味方 吉本俊宏さん
http://www.akibare.net/

・ネットショップのメルマガを指導させたら日本一の 込山民子さん
http://www.win-and-win.net/

・1日2回配信の日刊メルマガ「日経でブレーンストーミング」のターレス今井さん
http://www.carriageway.jp/

読者の増加傾向としては、登録時にまぐまぐの新着紹介でドカンと増え、その後は地道に、大きなメディアの紹介を軸にして、階段状に増えていくパターンが多いようだ。これは昔とあまり変わらない。

メールマガジン同士での無料の相互広告が推奨されている。私の経験では、コンテンツ選びが大切だった。テーマがまったく異なるものでは意味がないケースが多かったが、読者層がマッチしていれば1000人以上を一度のバーター広告で得ることができた。協力は強力だ。

で、私はもうメールマガジンを当面発行するつもりもないので、長いこと語らなかった、読者増加の極意をひとつ告白する。個人発行のメールマガジンが一気に読者を伸ばすなら、濃い内容とともに「馴れ合い」である。人気メールマガジンをよく読むと発行者同士がつながって、よく紹介しあっているのを見ると思う。あれが読者数を確実に伸ばす最大の秘訣だ。

だが既に部数が先行したメールマガジンは馴れ合い関係になりにくい。まぐまぐ新着をチェックしてこれは伸びそうだというものを探し、開始数週間以内に感想メールを送る。そして部数の比率が違っても広告交換を行うことで、馴れ合いネットワークを先導していくことができる。無論、最初は戦略的な馴れ合いであっても、相手と気が合えば次第に本当の友人になることもできる。

馴れ合いは共同マーケティングなのだ。うまくいけば、やがて馴れ合いメール連合全体に共通の雰囲気が生まれる。この雰囲気に対してファンがつき始める。発行者同士もその雰囲気を共有して効果的な読者共有の広告戦略が立てられるようになる。

これが今も効果的なノウハウであることは、直接は書かれていないが、この本からも十分読み取れる。


また、企業のメールマガジンにはHTML形式も増えてきている。この本では最後に少しだけ触れられていたが、詳しいサイトがある。

・HTMLメールマーケティングガイド
http://www.html-mail.jp/

■メールマガジン発行支援ツール

幾つかツールも紹介されている。例えばメールマガジンのアドレスを把握して配信したいユーザ向けの配信ソフト「コンビーズメール」など。

・メール配信システムASP(2300円より) CombzMail
http://www.combzmail.jp/index.php?afid=iq4dyf1t

私も幾つか知っているのでここで紹介してみる。

【エディタ】

・製品紹介 - メールマガジン編集ワープロ aquanotes Coordinator
http://www.h2o-space.com/software/coordinator/detail.php

・メールマガジンや文書作りに最適な無料ライティングソフトTeraPad
http://korekini.com/soft-terapad.html

・ベッキー2 プラグイン お勧めメールソフト mailer
http://www.interq.or.jp/world/naoto/benricho/merumaga/plugin.html

【メールでアンケート】

・クリックアンケート
http://clickenquete.com/what.htm

【掲載URLの短縮】
・QRL.jp : URL圧縮、QRコード生成サービス
http://www.qrl.jp/


【文字絵】

・文字絵署名   
http://iwa.eheart.jp/mo/

・@@メールサインデザインコレクション@@
http://www.komasa.net/sign/
コピーして使える実用署名

【リサーチ】

・電子メールマーケティング2003
ユーザーに好かれる企業メルマガの条件とは ダイジェスト版
http://www.fri.fujitsu.com/cyber/mail2003/mail2003.pdf
とてもよくまとまった企業メールマガジンのノウハウ 富士通総研

・メールマーケティング実態調査2003
http://www.mailstyle.com/feature/2003report.html

・HTMLメールマーケティングガイド:ヤコブ・ニールセン氏、メールマーケティングのエッセンスを語る
http://www.html-mail.jp/News-01/000221.html
ユーザビリティの権威が語るメールマーケティング論

・顔文字やアスキーアート、5割が「メールマガジンには必要」
http://japan.internet.com/research/20020614/1.html

・ショッピング HTML メルマガ、52%が購読
http://japan.internet.com/research/20040123/1.html

・これがメールマガジンの効果測定
http://www.aimnow.com/STRG/STRG0311_1.HTM 
・平均の開封率 : 38.8%(前年比 3.2%増)
 ・到達率 : 88.5%(前年比 2.4%増)
 ・平均のクリック率 : 8.3%(前年比 10.7%増)

■いまどき読まれるメールマガジン

私は、というと、実はほとんど読めていない。百式、今日の雑学+、デジクリなど友人、知人が発行するメールマガジンは目を通しておかないとまずいので、過去ログをまとめ読みするか検索して読んでいる。他はほとんど読む時間がとれないので、ときどき開いてみる程度。

唯一毎日読んでいるのが有料のインプレスのウォッチシリーズ3誌。これサイトでほとんど全文読めることは知っているのだが、トップページから個別記事をクリックするのが面倒であるため、メールの価値があると感じて購読を続けている。記事全文がスクロールで読めるのが便利。仕事柄、業界動向を常に把握しておく必要があるので、有料もやむなし。

・impress Watch Headline
http://www.watch.impress.co.jp/

こんな状況の中、最近、読むリストに追加しているメールマガジンが幾つかある。アラート系である。

終わってしまったが良かったのがこれ。NHKのオリンピックメダル速報。

asahi.com : ネット最前線 : NHKの五輪メール、「民業圧迫」の懸念も 新聞協会
http://www.asahi.com/tech/asahinews/TKY200408310265.html

日本人選手がメダルを取る度にメールがリアルタイムに携帯に飛んでくる。野球は3イニングごとに結果を知らせてくれた。期間中はとても楽しめた。

もうひとつはライブドア未来検索のアラートメール

・未来検索livedoor アラート
http://sf.livedoor.com/alert/

ブログを検索して、登録したキーワードに合致する新着があればメールで教えてくれる。自分の名前や近所の地名などを登録している。情報の発見にとても便利。

・読みたい内容や作者の本がメールでいち早くわかるアラートサービス - める?くる!ブックナビ
http://www.gimix-web.com/bknavi/

登録キーワードが合致する新刊書籍が出るとメールで教えてくれる。


RE:会議でアルトビジョンの椎葉さんがタイミングの重要性を言われていたが、こうしたアラートメールはタイミングメールである。メールの最後にキーワードに関連する賞品の広告などが入っていたら、結構買う人は多いのではないだろうかと、思った。

関連:

読んでいないといいつつ、旬なメールマガジンは捜索中。幾つかこれは!というものをご紹介。もし私が今もメールマガジンを続けていたら、こういう方々とナレアイたい。

・日刊「小島章裕の企画“生”ノート
http://www.witem.co.jp/mailmagazine.htm

・ウォートン発 マーケティングコラム
http://www.mag2.com/m/0000102770.htm

・オシャる技術
http://www.zeel.jp/og/
オシャる技術は待ち構えて読んでいます。待っている唯一のメール。ミズノンノ最高!

Posted by daiya at 23:59 | Comments (3) | TrackBack

2004年09月01日

無敵会議第8回 「Re:会議」 満員御礼に感謝 報告第3弾

さて、第4部は全員参加の会議。前半が個人、後半がグループで、最強のメールサービスを発想するパートです。

今回のお題は以下のようなものでした。


2004年末、あなたは画期的なメールソフトの新機能を発明してしまいました。シェアウェアで公開したところ、日本ならず世界中からダウンロードが相次ぎ、ついにマイクロソフトがOutlookの追加機能としてあなたのアイデアを買い上げたい、というオファーまできました。さてあなたが発明したその機能とは?その名称と機能を図解してください。

新機能の名称:

以下にその新機能を具体的に図解してください:


さて、今回もたくさんの企画書ができあがってきましたが、時間の都合上、主宰の二人の独断と偏見で以下の3つを選出しました。


rekaigiSave0010.JPG


rekaigiSave0011.JPG


rekaigiSave0012.JPG

多くの方が久米さんの講演に感銘してメール道実現のための機能を発想していました。

読者の挙手投票で選ばれたのは、この作品でした。

■親から子供への3万6000通のメール
「きずなだ〜」(きずなメール)

子供が生まれたら親は毎日、未来のこどもに宛ててメールを書きます。メールはデータベースに蓄積されていきます。10年後にこどもがメールを使えるようになったら、親からのメールが毎日届くという仕組みです。


これがあれば、小さな頃親がどんな想いで子供を育ててきたかが伝わって、非行に走ったりすることもが減るかもしれませんね。

よく考えると10年続けても3万6000通に...ならない、のですが、恐らく計算を間違われたのでしょう。そんなことはどうでもいいくらい、いい発想だったということで、会場投票で第一位になりました。おめでとうございます。


ちなみに私が考えたのは「瞬メール」

rekaigiSave0009.JPG

受信者に0.1秒間だけ表示されて、メール自体が跡形もなく消えてしまうサブリミナルメールです。

「○○君、好き From よし子」
とか
「ブっころす! From 敵」

とか表示されるのですが、一瞬でメールソフトからも消えてしまう。そんなメッセージを見たような見なかったような気持ちになるというもの。使えそうでしょ?。

参考:

・ビジネスマンの父より息子への30通の手紙
4102428011.09.MZZZZZZZ.jpg

これを連想してしまいました。これも学生時代読んで感銘。

というわけで、第8回無敵会議も無事終了いたしました。「メール」という新規性のないテーマでどこまで内容を作れるか心配でしたが、ゲスト陣と皆さんの発想力で、私も充実した情報を得ることができました。

来月もまたよろしくお願いいたします。

Posted by daiya at 23:59 | Comments (0) | TrackBack