2004年06月29日

ドットコム会議、報告第2弾

編集長の山岸さんがゲスト参加された今回の会議の内容がCNET JAPANでも記事として取り上げていただきました。

・今、投資したいドットコムビジネスとは? - CNET Japan
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20069544,00.htm
040629_muteki1.jpg

#なんで共同主宰なのに私の写真しか記事にないのかって?それはですね...。百式管理人は、巨大財閥の隠れ御曹司で、調査力を活かした大物2重スパイで国際諜報機関に追われている上に、写真に魂が吸い取られてはならない教義の信者だからです。ホントです。本人に聞いてみてください。

昨日に続いての報告第2弾。

山岸さん、百式管理人のプレゼンについては、参加者の皆さんがブログでレポートしてくださっています。内容の報告的なものについていくつか紹介。

・Funky Business Life: 無敵会議シリーズ 「ドットコム会議」
http://funkybusinesslife.com/archives/000108.html

blog@Junkie Surfer Notes: 無敵会議「ドットコム会議」に参加しました。
http://www.love-bears.com/mt/archives/2004-0629-0725.php

たつをの ChangeLog / 2004-06-28
http://nais.to/~yto/clog/2004-06-28.html#2004-06-28-3

今回の会議の時間は、前半の3人のプレゼンを受けて、こんなドットコムの発想を個人単位、その後6人のグループ単位で発想しました。今回はいつもより会議時間を長めに設定。私と百式管理人はその間、とりまとめの準備に費やしていましたが、笑い声の聞こえるグループが多くて「羨ましい、僕らも参加したいなあ」とぼやいていました。

まずは有名な「エレベータピッチ」発想です。

1.あなたはかの有名なウォーレン・バフェットとエレベーターに乗り合わせています。あなたは日頃から暖めていた、画期的なドットコムビジネスのアイデアをぶつけてみることにしました。持ち時間は1分間。次の( )を埋めてあなたのビジネスを効果的にプレゼンテーションしてください。


(       )は ドットコムの名前
(       )向けに ターゲット顧客
(       )を提供しており、 主な機能
(              )に使えます。また、 その効能
(              )と違って、 代替品、競争業者
(              )ができます。 差別化ポイント


2.あなたのプレゼンテーションを聞いたバフェットは興味を示したようです。彼はあなたにこう言いました。「あなたのドットコムサイトの一番特徴的な機能をここに図解してくれないかな?」。もちろんあなたは二つ返事です。下のスペースにその図を描いてください。

こうしてバフェット向けの新規ドットコムビジネスの企画書が個人とグループで約100枚も出来上がりました。厳密だけれども独断の3人の判断で、このグループ発想の中から3つの企画書を選びました。そして、参加者全員で投票を行った結果、最優秀賞が決まりました。

■3位 フレンドステイタス.com

(フレンドステイタス.com)は
(IMのヘビーユーザ )向けに
(キーボードのタッチによって自動的に人の気持ちを把握し、友達に公開)を提供しており、
(最適に友人関係の構築)に使えます。また、
(MSNメッセンジャー)と違って、
(話しかけて気まずい思いをすることがなくなり)ができます。

解説:キーボードの状態を見て相手が忙しいかどうか度が表示されるインスタントメッセンジャーということですね。これは実用的なアイデア。

実はこれに近い研究があります。私が昨年書いた記事ですが、この中で、

・先端技術情報センター | 知識流通
アウェアネス支援ツールとしてのインスタントメッセンジャー
http://sentan.nikkeibp.co.jp/mt/20031104-01.htm

・Tangible Chat
http://www.jaist.ac.jp/~knishi/papers/SIGGN43-yamada.pdf

キーボードチャットにおける触覚を利用した対話状況アウェアネスの伝達。
キーボード打鍵や非言語メッセージを相手に振動で伝える研究

というのを紹介していたのですが、有効性が検証されたアイデアです。いけます。

■2位 Heavenmail.com(別名イタコ)

(Heavenmail.com)は
(いなくなった人と会いたい人)向けに
(思考パターンを分析してお話、会話)を提供しており、
(自動的な会話、対話)に使えます。また、
(自動返信のメール)と違って、
(基本条件をつくることによってそれと合致したお話と回答をもってくること)ができます。

解説:つまり、故人のデータから人工知能の会話ロボを作って、死後も話ができるというもの。例えば著名人、ジョンレノンと対話ができるそうです。用途のひとつとして「仏壇に搭載したり」と言われてはっとしました。それはもしかするといけるのかもしれませんね。

■1位 モレコム

(モレコム)は
(外出先でもよおした人)向けに
(位置連動型トイレ情報)を提供しており、
(大変なときにかけこむ)に使えます。また、
(Webのトイレマップ)と違って、
(店舗が有料で広告を出すこと ワードリンクあり)ができます。
解説:万人の生理作用につけこむ市場性の広さ、急いでいて緊急解決したいニーズの強さ、そしてローカル広告ビジネスとの接点、完璧???もれちゃった保険とかもアリだったりして。


結果としてはユーモアあふれる企画が会場で受けたという結果とも言えますが、まず起業家が企画のアイキャッチ的な面白さ、人をひきつけるプレゼン要素を打ち出すことって、現実の起業、創業でも、大切なことだと思います。もちろん、マジメなビジネス発想も多くありました。次回の起業会議でまた発想を深めていきたいとおもいます。


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2004年06月28日

ドットコム会議、満員御礼に感謝と報告第1弾

本日も満員でありがとうございました。

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また報告を書きたいと思いますが、とりあえず、3人のスピーカーのうち、私のプレゼンファイルを公開します。下のインデックス画像をクリックするとFlashで見ることができます(オリジナルはパワーポイント)。

dotcomkaigi_hasimoto01.JPG

また、PDFで印刷して読みたい方のためにPDFも用意しました。

PDFファイルのダウンロードはここをクリック

FlashもPDFも先日紹介したStarSuiteで作成しました。便利だなあと実感。

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2004年06月27日

気軽に使えて便利なコピ鉄、Gooo、メモ鉄

またセンスのいいオンラインソフト作者を発見。どれも便利なユーティリティ。コピ鉄は特に気に入った。

・コピ鉄
http://hp.vector.co.jp/authors/VA015390/copyfe/index.html
copytetsu02.JPG

クリップボードを拡張して履歴を使いまわすユーティリティはいろいろあるけれどこれはインタフェースが斬新。最近コピーしたデータが、作業中のエリアのすぐ近くに可視化されて置かれていく。使わないでいるとだんだん消えていくなんていう工夫もある。このちょっとしたアイデアが、抜群の効果。

Gooo
http://hp.vector.co.jp/authors/VA015390/gooo/index.html
goo01.JPG

メモリ上にファイルシステムの情報をすべて取り込んで、ファイル名、ディレクトリ名を高速検索するツール。メモリが大量に必要だが、Windowsの標準ファイル検索とは比べ物にならない高速軽快動作。大量メモリを前提にしたオンメモリ動作は他のアプリでもトレンドになるかも。

・メモ鉄
http://hp.vector.co.jp/authors/VA015390/memotetu/help.html
memotetsu01.JPG

アイデアを階層整理しておくツール。

「メモ鉄」はいわゆる典型的なツリー型メモ帳です。使い方はWindows標準のメモ帳と全く同じです(もちろん文字変換や自動URL認識などオリジナル機能もついています。)
要は、メモ帳にエクスプローラがくっついたと考えてもらうとイメージがわくかと思います。この手の作品は数多くありますが

1.フォーマットが特殊
2.Winodws標準のドラッグ&ドロップが実装されていない
3.アイテムの洗練が今一

などと色々不都合があったので今回自作しました。


どれも「ちょこっと」使える感覚が、商業製品ソフトウェアにない使いやすさを提供しているなあと思う。この人の次の作品にも期待。

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2004年06月26日

日本語インクリメンタル検索のmigemoを活用してみる

■ローマ字で日本語文を検索するmigemo

namazuの開発者の高林さんの開発したmigemoは便利。

・Migemo: ローマ字のまま日本語をインクリメンタル検索
http://namazu.org/~satoru/migemo/

migemoは、ローマ字入力で日本語文をインクリメンタル検索するツールである。インクリメンタル検索とは、文字を1文字入力するたびに全文検索を実行し、マッチした結果をリアルタイムに表示する技術である。例えば「イ」と入力すると「インターネット」「イーラーニング」「イントラネット」が検索結果に表示され、「int」まで打つと「インターネット」のみが結果に残る。

従来のインクリメンタル検索は、文字の漢字変換確定を伴うローマ字日本語入力には、不向きであった。migemoはその問題を解決して、日本人にとって使いやすい検索を実現するコンポーネント技術。「i」と打った段階で「インターネット」などにマッチする。日本語変換を確定させる必要がない。検索語の入力、検索実行、結果表示の確認という3つのプロセスをひとつにまとめて行える。

とても便利に感じたので、Windowsでの活用を試してみた。

migemoは、特に大きなサイズの日本語テキスト文書から、キーワードにマッチする箇所を素早く見つけるのに向いていると思う。大きなファイルサイズの日本語テキスト文書というと、日常目にしているものの中から、二つ思い当たる。

1 2ちゃんねるのログ検索

日本最大の掲示板2ちゃんねるは検索が難しい。有料の検索エンジン「2ちゃんねる検索」は優れているのだが、どの板にその単語があるのかという大きなレベルでしか検索ができない。格板は多数の投稿を含んでいるので、板内の検索にはあまり使えない。

2 メールボックスの検索

一般のメールソフトでは検索が面倒である。メールボックスのヘッダ、本文をインクリメンタル検索できると便利そう。

というわけで、少し調べて、MeadowというWindowsの情報処理環境上で、migemoを動かして上記の2つの文書を検索可能にしてみた。

・Meadow Official Site
http://www.meadowy.org/meadow/

■Meadow+2chnavi+migemoによる即効2ちゃんねる検索環境

navi2ch01.JPG

UNIXで人気のエディタで汎用情報処理ツールとして使えるEmacsには、Windows版のMeadowがある。migemoには、emacs用のプラグインがある。また、2ちゃんねるビューアのプラグインもある。この二つをインストールしてみた。

・Navi2ch Project Home Page
http://navi2ch.sourceforge.net/

2ちゃんねるの長いログから、高速にキーワードを検索し、候補をハイライトできた。かなり便利かも。

■Meadow+wandelust+migemoによる即効メール検索環境

migemo_wl.JPG

Meadowと組み合わせて使う高機能メールソフトのWanderlustと組み合わせてみた。メールのタイトルや送信者が表示されるバッファと、本文のバッファを検索できるようになった。(下のキャプチャは、choでインクリメンタル検索された状態)

#なんでECサイトの販促メールマガジンばかりなのかって?...理由はそのうちこのブログでお話しまする...。

・Wanderlust
http://www.gohome.org/wl/index.ja.html

「斉藤さん」でも「斎藤さん」でもsaitoと打てば検索にひっかかる。「インタフェース」と「インターフェース」でも「inta」と打てばひっかかる。表記の揺れが多い人名やメール内容では、インクリメンタル検索の本領発揮という感じがする。

■もっといろいろなWindowsツールと連携できたら楽しい

というわけで、migemo+Meadowでデスクトップでインクリメンタル検索環境を試してみたが、かなり便利である。残念ながら、導入は少し技術的な知識が必要だし、Meadowの操作はWindowsアプリケーションとはまったく違うものなので、習熟も必要とされる。なにか、Windowsで有名なアプリケーションと連携して使えるようになったら、ブレイクしそうな気がしている。OutlookとかBeckyとか。

Meadowについてはいい本がある。今日の環境を自分で構築してみたい人に、おすすめ。

入門Meadow/Emacs
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・migemoを使えるブラウザ fub
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Bay/6049/fub_net.html

・エクスプローラでmigemo MigemizeExplorer
http://www12.plala.or.jp/yoshi223/MigemizeExplorer/

・C/Migemo
http://www.kaoriya.net/#CMIGEMO
migemoはDLL版も存在しており、自作アプリにこの部品を使うことができるようだ。多くのコンパイラに対応しているようなので、今度遊んでみよう。

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2004年06月25日

デジカメ写真をFlashアルバムに一発変換 Zphoto

京都で某研究プロジェクトの合宿。いつかじっくり話してみたいと思っていたNamazu等の開発者として知られる高林哲さんと一晩+新幹線での情報交換が実現。日本のハッカーの代表選手みたいな人なので、技術についての嗅覚抜群で、最近の関心などを聞いているだけで、とても勉強になった。1年分くらいのインスパイアされまくり。

高林さんはハッカー文化論も人気があって、どれも「奥が深い」(笑)

・Shibuya.pm Technical Talk #4: ネットピープル分類学 その傾向と対策
http://namazu.org/~satoru/pub/shibuyapm4/

・UNIXにみる世代間の断絶
http://namazu.org/~satoru/misc/ggap.html

・バッドノウハウと「奥が深い症候群」
http://namazu.org/~satoru/misc/bad-knowhow.html

最近の話題作というとzphotoがある。デジカメの写真を、Webで公開できるFlashのアルバムに一発変換するアプリケーション。Windows版もあるので誰でも簡単に利用可能のフリーソフト。高林さん的にはお遊び的な位置づけらしいけれど。

zphoto: Flashベースのフォトアルバムを作るツール
http://namazu.org/~satoru/zphoto/
zphoto-zooming-mini.png

・窓の杜 - 【NEWS】サムネイルの拡大・縮小など見た目に楽しいWebアルバムを作成できる「zphoto」
http://www.forest.impress.co.jp/article/2004/05/21/zphoto.html

・横着プログラミング 第7回: zphoto: ズーミングするオンラインアルバムを作るツール
http://namazu.org/~satoru/unimag/7/

イベント終了後、一緒に回った京都の三十三間堂、京都国立博物館の写真をzphotoで変換してみた。以前、紹介したFlashMakerより遥かに簡単にFlashアルバムが作成できる。ちょっとした写真の公開に重宝しそう。

作成したFlashアルバム(リンク先のオリジナル画像は容量が大きいので公開を省略。)

高林さんの開発物はUNIX系が多いため、コアな技術者の間では有名でも、一般ユーザには敷居が高いイメージがあった。今後も、その超絶技術で、ぜひ、WindowsでGUI動くやつを作ってほしいなあと思った。

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2004年06月24日

ウェブログ超入門!

・ウェブログ超入門!
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このブログを読んでくださる方の中にも、同じようにブログを始めてみようかなと思っている方もいるはず。これはブログの入門本。出版社から献本を頂いたので読んでみた。

ブログの入門書なのだが、すでにブログを始めているユーザにとっても再確認や発見がたくさんある。最近、IT雑誌にブログ特集が多いが、雑誌記事のメインはホスティングサービスの比較や、技術解説。この本は視点が違っていて、サービス選びや技術の話はほとんどない。ブログを使って情報発信を行っているとぶつかる疑問に、自らどっぷりとブログ文化にはまった著者が、分かりやすい回答をしている。

ウェブログは始めるのはやさしいが、続けるのが難しい。継続するためにはどうしたらよいのか、著者自身が悩んだ末の最終結論なのだろうなと感じる意見が多い。どれも共感できる。

・ウェブログのネーミングは、どんなものが効果的か?
・読んでもらいやすい書き方にはコツがある?
・「無断引用禁止」と書かれたサイトから引用をするのは法律違反?
・どのくらいの文字量までなら引用してもいい? 写真やイラストは引用できる?
・新聞社サイトのニュースの見出しを引用すると訴えられる?

など、始めてみると考えざるを得ない話題ばかり。

すでにブログを始めている中級以上の人にも、後半の

「ウェブログの歴史から見えてくるもの」
「ウェブログの未来についてとことん語ろう」

という章はブログコミュニティの発達の歴史、大きな事件、問題意識などが総括されていて、頭の中が整理される。この1年でコミュニティで議論されてきた事柄は、私もなんとなく知っているのだが、議論する場所が分散していて、完全に理解するのが面倒だった。この本、一冊でそのすべての概要把握ができた。欄外に紹介されるURLも、厳選されていて濃い。

それで著者の松永さんの意見はどれも納得がいくものなのだが、2点ほど、私と意見が異なる部分があった。

反論1:
「ウェブログをはじめたもののなかなか書くネタがみつからない」というテーマに対して
松永さんの答え「書くことがなければ休めばいい」「無理をして書かない」
私の答え「休まず無理して書かないといけません。運動と一緒です。」

反論2:

「読んでもらいやすい書き方にはコツがある?」に対して

松永さんの答え:「長々と書いた文章は読んでもらえない」
私の答え:「長々と書かないと満足できないじゃないか、そもそもアナタが長文派ブログの筆頭ではないのか、ゴラア

と、まあこういう見解の相違(冗談ですよ...)はあるのですが、次々にブログの企画を成功させてきた著者の体験ベースのノウハウは、他の、どのブログ本よりも活き活きとしている。ブログをこれから始めようとしている人には、イチオシでおすすめの本。

・『ウェブログ超入門!』内容紹介
http://kotonoha.main.jp/weblog/000827_super-introduction.html

・はじめてのウェブログ [weblog for beginners]
http://kotonoha.main.jp/weblog/

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2004年06月23日

偉大な、アマチュア科学者たち

偉大な、アマチュア科学者たち
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「科学の世界では、教育機関できちんとその専門分野を修めていなければ、それだけでアマチュアだとみなされる。大学の学位、それも一般的には博士号を持っていないと、権威ある科学者たちはアマチュアとしてしかみない」

そのような逆境の中で、専門の教育を受けず、学位も持たず、ひたすらに自分のテーマを追い続け、成功した人たちの物語。偉大なアマチュア科学者として取り上げられているのは以下の10人。

第1章 グレゴール・ヨハン・メンデル―遺伝学の父
第2章 デイビッド・H.レビー―彗星ハンター
第3章 ヘンリエッタ・スワン・リービット―セファイド変光星の“解読”者
第4章 ジョゼフ・プリーストリ―酸素の発見者
第5章 マイケル・ファラデー―電磁法則の生みの親
第6章 グロート・リーバー―電波天文学の父
第7章 アーサー・C.クラーク―通信衛星の発案者
第8章 トーマス・ジェファーソン―近代考古学の先駆者
第9章 スーザン・ヘンドリクソン―恐竜ハンター
第10章 フェリックス・デレル―バクテリオファージの発見者

アマチュアの強みは、キャリアパスに縛られない自由な発想ができることにあると、この本では結論されている。あとがきにはこの本は「すべてのベンチャー企業家やフリーターの元気の素、組織に甘えるサラリーマンには警告の書になるだろう」とある。確かに、何の専門家でもない自分にも、チャンスがあると分かって大変、勇気づけられた。

専門の科学者の世界にしても、近年は「学際」性というのが重要になってきていると思う。インターネットの研究なら、情報学、認知心理学、社会学、経済学、統計学、数学など異なる領域の知識が必要とされることが多い。すべてにおいて専門家であることは難しいから、ひとつの分野で学位を持っていても、もう片足を、アマチュア領域に置かざるを得ないものだと思う。専門の細分化により、領域の組み合わせは幾何級数的に増えるから、完全なプロがいない領域がたくさん生まれる。

アマチュア科学者のこれからの戦略として面白いのは、この無数の「学際」の部分なのではないだろうか。この本に登場するアマチュア科学者たちの多くは「○○学の祖」などと後に呼ばれる存在になるわけだけれども、つまりは学と学の間に新たな領域を作ってしまった人たちである。一番乗りは自動的にプロに昇格することがある。

最近、読んだ本にこんな本がある。自然科学ではないが、アマとプロの問題では共通していると考えるので紹介。

民俗学の熱き日々―柳田国男とその後継者たち
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柳田国男といえば民俗学の祖と言われる。それまでの文化人類学とも神話研究とも異なる独特の世界を作り上げた。で、この本を読むと柳田は、全国のアマチュア郷土史家から、伝承や民話を吸い上げて、自分の業績にしたと批判する向きもあるようだ。だが、政治学科出身で、農政系の官僚だった柳田自身が、この分野では本来アマチュアだったはずである。ひとつ違ったのはどうすればそれが科学や学問と呼ばれるか、方法論を知っていたことにあるような気がする。

プロの存在意義について、「偉大な、アマチュア科学者たち」に、


プロの学歴や組織の権威は、本来、「とんでもない失敗」をしでかす危険を減らし、自分と世間に対して仕事の質を保証するために存在する

という記述がある。プロの科学者は、先人の取り組みについて熟知しているし、厳密な実験や検証の方法も分かっている。それ故、馬鹿げた取り組みによる、とんでもない失敗に時間を浪費することが少ない。だが、馬鹿げたことの奥にとても小さな確率で大発見があるようだ。経済でいえば、ニッチを狙ったベンチャー企業みたいなものと言える。

ベンチャーを支援する仕組みは最近、充実してきた。だが、アマチュア科学者を支援する仕組みって少ないなと思う。産学連携、産官学連携などという言葉があるが、そのどれでもないアマチュアの「ア」を付け足して、学ア連携とかどうだろうか。情報科学のように、実験に設備投資の要らない分野では、特に有効そうに思う。日々、趣味の研究に取り組む人たちに、研究の仕方、リソースの所在、論文の書き方、適宜のアドバイスなど、プロのアプローチの方法を教えてくれる場があったら、面白いだろうなあと思う。

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2004年06月22日

高速なファイルコピー Fire File Copy

DVカメラやTVキャプチャで録画したビデオや、大きなデータベースのファイルは数百メガ〜数ギガバイトになってしまう。こうした大きなファイルはコピーするのに大変時間がかかる。無駄な時間である。

・Fire File Copy
http://www4.org1.com/~kitt/labo/sw/ffc/
firefilecopy01.JPG

このFire File Copyは、コピー実行時にメモリバッファを大きく取ることでコピー、移動を高速化する。

作者の原理の説明


物理メモリを巨大なバッファとして使用することにより HDDヘッドのシーク動作を抑え、同一パーティション内でのファイルのコピー、別パーティションへのコピーや移動が高速かつ静かに行えます。理屈上、物理的に異なるHDD等やネットワークへの処理は高速化はされませんが、コピー処理によるディスクキャッシュ肥大化による空きメモリの圧迫がなく、ファイルコピー中やコピー後にOSが重くなることが無いという利点があります。また2GB以上の巨大ファイルにも対応し、大きなファイルも断片化を極力抑えて書きこめます。

で、能書きはどうでも良いのだが、このツールはメモリを十分に積んだPCであれば、効果絶大である。同一のハードディスク内のコピー、移動では数倍の高速化が実現できることを確認した。公式サイトにあったベンチマークの表を引用させていただくと、ほぼこのとおりだと感じる。

firefilecopy02.JPG

右クリックやコマンドラインから呼び出す、メモリクリーナーと連携するなどの機能もある。

コマンドラインのオプションは、

FFC.exe [;"exclude"... or ;;] "from" ["from2"...] [/to:"folder"] [/copy or move] [/a] [/t or /tXY] [/tp:high or mid or low or idle] [/bg] [/s or /sr] [/go!] [/sel]

といった多彩な指定ができるため、バッチファイルひとつでバックアップツールとして活用することもできてしまう。もう普通のコピー機能を使う気がしなくなってしまう。

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2004年06月21日

CygwinシェルをTeraTermで使うCygterm

今日は技術的なツールの話です。

UNIXのコマンド群をWindows上で動かすツールにCygwinという素晴らしいツールがある。これを使うと、bash等のシェル、インターネットサーバ、gcc等の開発環境、X-Window環境までをWindowsで動かすことができる。世界中のCygwin愛好者がUnixのプログラムを、Cygwinベースで移植、バイナリも公開しているため、インターネット技術者には、ローカルでの開発テストにも重宝するスグレモノ。

・Cygwin Information and Installation
http://www.cygwin.com/

だが、長年、Cygwinを使ってきてひとつだけ不満に思っていたことがあった。それはCygwinのシェルがDOSコマンドプロンプトの上で動作するということだ。Windowsアプリではないため、コピー&ペースト等の操作感が違ったり、フォントや画面サイズの指定ができなかったりする。

最近知ったのがこのCygTerm。ターミナル・エミュレータによる Cygwin コンソールで、使い慣れたTelnetクライアントから、ログイン作業なしでCygwinシェルを使うことができる。

・CygTerm - Yet another Cygwin console
http://www.dd.iij4u.or.jp/~nsym/cygwin/cygterm/

私の場合は、Tera Term Proと組み合わせて使っている。インストールは上記サイトにあるとおり、Cygwin上でコンパイルを行い、設定ファイルを変更する。TeraTermが標準パスにインストールされているなら、設定ファイルをいじる必要さえない。あとは、TeraTermをカスタマイズすることで、思いのままのシェル操作環境を作ることができる。

cygterm01.JPG

・Tera Term Home Page
http://hp.vector.co.jp/authors/VA002416/

シェルの種類、シェル起動時に設定しておきたい環境変数をCygtermの引数として与えるという機能もある。デスクトップのバッチファイルから直接起動できるのもポイント。

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2004年06月20日

無敵会議:6月はドットコム会議が炸裂

ドットコム会議
http://www.project-on.com/detail.html
dotcom_best_title.jpg

先端ITビジネスの代名詞「ドットコム」。バブルと淘汰の時代もありましたが、今、再び世界の投資家の注目がドットコムに集まっています。ドットコムは新しくて、革命的で、野望に満ちたアドベンチャーだからでしょう。生活者、消費者にとっても、既存の考え方にとらわれることなく、斬新なサービスで私たちの生活を便利にしてくれる頼もしい存在です。

「最先端のドットコムを探す会議をしようじゃないか」

私たちはそう考えました。

共同主宰の百式管理人は、今日までに1,614個の先端ドットコムをサイトで毎日紹介してきました。そのリサーチのプロセスではその20倍程度のドットコムを分析してきました。もう一人の主宰の橋本も、ネット草創期以来のドットコムウォッチャーとして、その歴史を眺めてきました。今回は3人目の特別ゲストとしてITニュースサイトのCNET JAPAN編集長の山岸さんも加わります。これなら日本最強?の専門家チームと自称してもいいですよね?

前半では、3人が各自の「今、投資したいドットコム ベスト5」を紹介します。先端事例の連続紹介で、まずブレインストーミングしてください。その後、インタラクティブ会議ではいつものように、皆さんの知恵を集めて、ある議題について会議してもらいます。

なお、会議ですから全員参加です。このイベントに参加するにはあなたのアイデアを投稿していただく必要があります。

まずは、あなたの「もし100万円を投資するならこのドットコムサイト」を投稿してください。海外サイトでも日本のサイトでも構いません。このサービスはビジネス的に素敵だと思う、サイトをたった一つだけ、教えてください。

※ なお、今回の会議は来月の「起業会議」につながる前哨戦です。起業に興味のある方のために7月はとても気合の入ったイベントを計画中です。今回参加されると次回が2倍楽しめることは間違いありませんと、主宰の二人は、保証してしまいます。

■ 実施要綱

日時 2004年06月28日(月) 19:40-22:00(19:30受付開始)
場所 デジハリ東京本校 (地図)
千代田区神田駿河台2-3 DH2001 Bldg.
費用 3,000円(税込、当日現金払)
定員 限定70名(先着順)
持ち物 筆記用具
協賛 デジタルハリウッド株式会社
主催 橋本大也(Passion for the Future)
百式管理人(百式)

■ プログラム

第1部 「私が投資したいドットコムサイト」

百式管理人(ベスト5)、Passion For The Future橋本(ベスト5)、CNET JAPAN山岸編集長(ベスト5)の3人がこれだと思うドットコムビジネス、サービスを連続紹介します。我々が考える「なぜ今このサイトなのか?」にご注目ください。またCNETの編集長である山岸さんには米国の最新事情をお聞きしましょう。

第2部 全体会議

いつものように個人発想、グループ討議による会議を行います。全員参加です。今回は会議の時間をいつもより長くとりたいと思っています。その後、みなさんのアイデアを発表し、あるやり方で優秀賞をきめたいと思います。

■ 投稿・お申込みはこちらから

会議への参加お申込み、投稿は下からどうぞ。

お申し込みはこちらから
http://www.project-on.com/detail.html

■ お問合せ

このイベントに関するお問合せ、取材のお申込みは info@project-on.com までお願いいたします。


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2004年06月19日

巨大ファイルの大量配信をタダで実現するP2PのBitTorrent

BitTorrentのサーチエンジンが登場したらしい。

・BTbot - BitTorrent Search Engine
http://www.btbot.com/

・P2Pネットワーク「BitTorrent」のファイルを検索するサーチエンジン公開
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/06/08/3397.html

BitTorrentはP2Pファイル交換ソフトのひとつだが、数百メガ、数ギガのファイルのオフィシャル配信に使われたりしている。P2Pの合法利用の可能性を模索しているアプリケーションである。米国のLindowsのダウンロードにもつかわれ話題になった。

・米Lindows、P2PでダウンロードすればLindowsOSを半額に
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/03/05/2332.html

・The Official BitTorrent Home Page
http://bitconjurer.org/BitTorrent/index.htmlオフィシャルサイト

・bt.etree.org | Community Tracker
http://bt.etree.org/index.php
コミュニティサイト

例えば、無敵会議の映像をオンラインで配信したいと思っても、気軽、快適に実現する方法はなかったりする。私は、マッチボックスサイズのストリーミング映像は好きではないので、どうせ配信するなら最低でもVHSクオリティの高解像度映像にしたい。すると2時間の映像は、最新のコーデックDIVXに変換しても700メガバイト相当になる。

700メガバイトのファイルを10人に配信しただけで7ギガバイト。100人なら70ギガバイトで、1000人は700ギガである。百式とこのブログで公開すれば、すぐに回線とサーバ負荷でダウンしてしまうはずである。ストリーミングサーバを借りるのは予算がかかるし、人数の制限もある。

そこで、誰かがダウンロードしたら、そのファイルをコピーしあう、P2Pによる配信はとても魅力的に思える。やり方は、手元のファイルから.torrentというメタデータファイルを作成し、それをWebサーバで公開するだけである。一人以上のダウンローダーが登場すれば、P2P配信が機能しはじめる。ダウンロードされればされるほど、コピーしあう相手が増えるので、高速にダウンロードが可能になる。

アクセスが集中すればするほど快適になるなんて、素晴らしい。そのうち試してみる予定。まずはメモとして紹介。

なお、BittorrentはGUIを持たないが、高機能なGUIアプリケーションも登場している。

・Azureus : Java BitTorrent Client

azdetails_view_small.pnghttp://azureus.sourceforge.net/

・Azureus - BitTorrentクライアント
http://www.genie.x0.com/gtl/help/azureus.html
日本語による解説。


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2004年06月18日

サイトを取り込んで全文検索できるWeBox

WeBoX - Software
http://www-nishio.ise.eng.osaka-u.ac.jp/~nakamura/webox/
webox_small.gif

Webをクリッピングするツールとして「紙」を普段、使っているが、このWebBoxもまたそ
れに匹敵するくらいの便利な情報収集と整理ツール。

ざっと次のような機能を備えている。

ローカルに蓄えておいて,後でゆっくり見ることが可能
ウェブビューを内包しており,蓄えたページを簡単に閲覧可能
マーカーの付加など保存したウェブページの編集が容易
ブラウジングしながらのページ取得が可能
部分的にウェブページをスクラップすることが可能
ウェブサイトをまるごと取り込むことが可能
ツリー&リスト型のインタフェースでコンテンツの整理が容易
タブブラウザとしても利用することができる
ローカルにURL形式で保存するため,ファイルが重複しない
ワンキーでウェブ表示とエディタ表示を切りかえることが可能
タブエディタとして利用することが可能
エディタはSJIS,EUC,JIS,UTF-8,UTF-7,Unicodeなどに対応
同期フォルダを利用することで紙などと連携して利用可能
RSSフォルダを利用することでRSSリーダとして使用可能

特に便利なのは今見ているページからリンクされているページを任意の階層分ダウンロードして保存する機能である。クリッピングする際に、ページ単位ではなく、そのページから3クリックの範囲にあるページだとか、サイト全部をローカルに取り込んでしまうことができるのだ。

取り込んだコンテンツは全文検索ができ、自分のマーカーをつけることもできるので、ナレッジベースとして活用することができる。サイト全体をダウンロードしておいて、モバイル時に読むという使い方を私はしている。

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2004年06月17日

知識経営のすすめ―ナレッジマネジメントとその時代

知識経営のすすめ―ナレッジマネジメントとその時代
4480058257.09.MZZZZZZZ.jpg

■SECIプロセスなど基本のサマリー

ナレッジマネジメントの重鎮、野中氏、紺野氏の共同執筆による入門書。

そもそも何故、知識経営なのか。

冒頭で、マイクロソフトとコカコーラの例が挙げられる。この二つの企業は企業規模や売り上げでは、世界の大企業の中で中位なのだが、時価総額ではトップ10に入る(この本の執筆時点)。ブランドやソフトウェアという知識資産が、規模や売り上げ以上に、市場に高く評価されていることになる。そして、知識ワーカーが知識を生み出し続ける企業が21世紀の経済の主役となると多くの経営者がアンケートに答えている。知識が名実ともに、企業経営の中心となったのだと始まる。

KMの大家である野中郁次郎氏のSECIプロセスはあまりに有名で、大抵のKMの本に引用されている。知識には、文書や言葉になった形式知と、職人の熟練のような言語化できない暗黙知の二つがあるとし、組織における知識創造のプロセスは、ふたつの知が、次の4つの段階を螺旋状に上っていくプロセスだ、という理論。

共同化 身体・五感を駆使、直接経験を通じた暗黙知の共有、創出
表出化 対話・思慮による概念、デザインの創造(暗黙知の形式知化)
統合化 形式知の組み合わせによる新たな知識の創造(情報の活用)
内面化 形式知を行動・実践のレベルで伝達、新たな暗黙知として理解・学習

とても完成度の高い理論で、これはそのとおりだなと思っている。

情報システム主導によるKMは、統合化ばかりを強化しているのが弱点だと思った。この知識スパイラルをまわすためには、4つのプロセスがバランスをとらないといけない。個人の内面や、個と個の間(人間、ジンカン)あたりがポイントなのではないかなと思いながら、読み進めた。

■「知識とは信念である」

この本では、たくさんの理論や要素のリストが紹介されているのだが、なるほどと思ったのは二つある。

ひとつは知識とは信念であるということ。このセンテンスについては、昨年、日経BPの連載でも一度書いた。


ナレッジマネジメントの権威、野中郁次郎氏の著書の中で、知識の定義のひとつとして、「知識とは信念である」というセンテンスがあった。知識とはそれを持つ人にとっては、これまでのところ正しい「真」であり、信じていることだ、とし、この性質に「正当化された真なる信念(Justified True Belief)」という呼称を与えている。別の学者の「行動のための能力(Capacity To Act,K.Sveiby)」という定義も同時に紹介されていた。[橋本大也]

私たちは、知識を行動の原理として使う場合、その知識が正しい、少なくとも最善だ、と思っているものだ。だが、この場合、客観的な正しさや論理的な正しさは必ずしも求められていないように思える。

この続きは詳しくはこちらで。

・情熱的な発信者と知識の影響力
http://sentan.nikkeibp.co.jp/mt/20031111-01.htm
思い込み知識のパフォーマンス、モチベーションと情報感度、その強化方法、ITと個の影響力の範囲拡大、ポスト・デジタル・デバイドの丸裸の個人 影響力を持つ知識の使い手の戦略、悪貨と良貨を見分ける難しさと必要性。

■場と愛嬌

もうひとつは場こそ重要だということ。

表出化の場として会議やお喋りという対話場がある。「対話場は情報システムを介して創出することも可能です。ただし、対話の場自体がサイバー・スペース上にあるのではなく、チームやグループの考えをまとめるのに情報技術を活用するというのが有効な方法といえます」という。当たり前の話であるが、これはKMシステムの導入担当者がしばしば間違う所だと思う。政治家がハコモノを重視してしまうのと同じように、KM担当者はまずシステム主導の知識マネジメントを考えがちである。使われない社内掲示板が作られてしまう原因はここにあるだろう。

対話場というのは、自分や他人から情報を引き出すインタラクションの場である。そうした場は設計が難しいと思う。上から場のレイアウト、テンプレートを与えても、それだけではインタラクションは起きないものだ。例えばどんなによく設計された会議室であっても、意識統一のできていないメンバーを入れてしまったらアウトプットはでない。

私が場の技術でポイントになるのではないかと考えている要素に「愛嬌」がある。知識による理論武装などという言葉があるように、知識や信念に固まった人間同士は、知らず知らずのうちに、鎧を着てしまっているのだと思う。この鎧を溶かすのが「愛嬌のある人」なのではないかと思うのだ。

・放っておけない
・見逃せない
・ホロリとさせる
・ツッコミたくなる
・微笑ましい
・良い意味でのバカ

真の”ファシリテーター(会議の促進者)”とは、場のレイアウトを外や上から与える人ではなく、参加者と同じ視点から、場の雰囲気を、今あるものから、あるべきものへと連続的に変容させることのできる人であるような気がしている。そのはたらきを強く持つのが愛嬌だと思うのだ。愛嬌は知識インタラクションの呼び水であり、アフォーダンスであると考えている。

「知識がある」、「やる気がある」だけでなく「可愛げがある」人、「バカになれる人」を組織に増やすことが実はナレッジマネジメントの重要なポイントになるのじゃないか、そんな風に最近、考えている。そういえばブックオフの本にも「顔を赤くして必死にプレゼンするバカこそ採用すべき」なんてことが書かれていた。少し関係があるかもしれない。(この本の論旨とはだいぶズレた)

この本は、KMの理論や要素リストが多数紹介されており、頭が整理される。入門書としてとてもよい本だなと思った。

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2004年06月16日

ヒューメイン・インタフェース―人に優しいシステムへの新たな指針

・ヒューメイン・インタフェース―人に優しいシステムへの新たな指針
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何年か前に読んだ本なのだけれど。

日本を代表するユーザインタフェースの研究者、増井俊之先生と、百式田口さん、出版社のT部長の4人の飲み会が実現。私にとって、増井先生は憧れの天才で、いつかゆっくりお話させていただきたいなあと思っていたので、夢のような数時間でした。Wiki、LensBar近傍検索を中心にした情報システムで完全武装した増井先生のノートパソコンとPDAを、じーっと覗き込みながら、延々とユーザインタフェースについて語り合いました、というか、教えて頂きました。

・百式田口さんのレポート、ビデオつき
http://bag.100shiki.com/archives/000025.html
増井先生は、携帯電話の予測入力システムPOBOXの開発者でもあり、私もソニーの携帯ユーザなので毎日、その研究成果を使わせてもらっています。技術者の方には、アスキーのUNIX MAGAZINEの名物連載「インタフェースの街角」の著者として知られていると思います。その他、数多くの研究と開発物が、先生のサイトで公開されていて、たっぷり1日楽しめます。

・増井俊之先生のサイト
http://pitecan.com/

・Unix Magazine 関連資料(PDFで過去記事全文が読めます)
http://pitecan.com/UnixMagazine/

会話の中で、私はずっと自分の中で、その価値評価が決められずに、書評できずにいた一冊「ヒューメイン・インタフェース」について、ずばり、どう思われますか?と聞いてみた。「あれはいい本だ」と評価されていた。

この本は、アップルのMacintoshインターフェースの実質上の生みの親であるジェフ・ラスキンが書いたユーザインタフェース論の本。人間中心、ユーザ中心(ヒューメイン)のインタフェースとは何か、著者の知見が展開される。

・Jef Raskin - Welcome to JefRaskin.com
http://humane.sourceforge.net/home/

専門的な言葉も多く使われるので、読みやすくはないのだが、目から鱗が落ちるような知識が大量にある。習慣形成、自動化、注意の所在はひとつ、モードの排除などがラスキンのインタフェース論のキーワードだと思う。

ラスキンは、


理想的なヒューメイン・インタフェースとは、ユーザの作業におけるインタフェース要素を良性の習慣に変えるものなのです。製品を複雑かつ使いづらいものにしている問題の多くは、習慣形成における有用な属性と有害な属性を配慮していないマン・マシン・インタフェース・デザインによって引き起こされているのです。

この習慣形成というのは、たとえば隣り合う一連の続き作業の自動化であり、うまく働けば自然な流れで複雑な操作が可能になるが、


繰り返して行うことになる一連の動作は、最終的には自動化されます。また一連の動作は、統合された単独の動作になります。

ということは、弊害もあり、


(実行してよろしいですか?などのダイアログについて)
固定された回答を要求するすべての確認手順はすぐ使い物にならなくなってしまう

ということだったりする。私たちが誤操作一般や、大切なファイルを上書きや削除で失う前後の作業を考えてみると上記の自動化の弊害によるケースが多いものだと思う。諸刃の剣である。

また、人間の注意の所在はひとつしかなく、同時に複数の注意を払うことができないことを実験から証明し、気をそらすことなく作業に没頭させることが大切だという。


私たちのユーザの作業自身を注意の所在とし続けることなのです

そして、モードである。


あるジェスチャの解釈が一定である場合、そのインタフェースは特定のモードにあるといえる


モード(modes)とは、インタフェースにおける間違い、混乱、不必要な制限、複雑さの温床となる重要なものです。モードによってさまざまな問題が引き起こされるということは世の中で広く認識されているにもかかわらず、完全にモードのないシステムを作るという戦略がほとんど採用されていないのです。

モードとともにカスタマイズにも否定的で、


カスタマイズ機能の学習と操作に費やされる時間は、実際の作業のうちでもっとも無駄な作業と言えるのです。

この本では、こうした前提から始まって、多数の実験や試作物による評価データ、認知心理学の知見を引用して、ラスキンの理想とするユーザインタフェースが語られる。目から鱗の指摘も多いのだが、一方で、すべてこうあるべきだという「べき」論も多く、読者によって、評価は分かれるようだ。常に正しいかどうかは分からないのだが、とにかく面白い本である。

モードの排除、モードレスという方向は、ラスキンの理想であるようだが、増井先生にも共通する要素があると思っていた。

増井先生の論文は大抵読んでいるつもりなのだが、一番感動したのが、「なめらかなユーザインタフェース」という概念を提唱したシャープ在籍時代の、この論文だった。少し長く定義を引用させていただくと、

・なめらかなユーザインタフェース
http://pitecan.com/papers/ProSym96/ProSym96.pdf


2.1 なめらかなインタフェースの定義

「なめらかなインタフェース」とは、直接操作/動的検索/視覚化のような各種のインタラクション技術を統合したものである。我々は以下のような性質をもつインタラクショ
ン手法を「なめらかなインタフェース」と定義する。

連続性 

ユーザの操作に対しシステムがリアルタイムに連続的に反応する。ユーザが小さな操作を行なったときはシステムの状態も大きく変化しない。アイコンをクリックすると突然ウィンドウが出現したり、メニュー操作により突然項目が出現したり消えたりするようなインタフェースは非連続的であるためなめらかではない。また処理の実行を指令するキーやボタンを持つインタフェースは、その前後の状態が連続的でないためなめらかではない。

可逆性

ユーザが逆の操作を行なったときシステムが前の状態に戻る。ウィンドウやアイコンなどのドラッグ操作は可逆的であることが多いが、ウィンドウを開く操作と閉じる操作が異なるインタフェースは非可逆的であるためなめらかではない。

直接性

ファイルを指定する場合やヘルプ機能を使う場合、キーボードから文字列を入力するのが一般的であるが、このような指定は間接的でありなめらかではない。

直感性

多数の機能のあるアプリケーションでは、何を意味するのか簡単には判別できないアイコンが多用されていることがあるが、このようなものは直感的でないためなめらかではない。

増井先生のその後の研究のほとんどは、まさにこのなめらか指向である。LenzBarやインクリメンタル検索、スナッピングなどがその例である。モードから別のモードへの変化を連続的にすることも、「なめらか」なのかもしれない。

私は専門家ではないけれど、インタフェースにひとつ持論があって、「熟練による上達」が可能なインタフェースが最良なのではないかと考えている。たとえば楽器である。人間の学習と熟練のキャパシティは無限大に近いと思う。芸術家のピアノやヴァイオリンを扱う指先の動きのように、練習すれば練習するほど、上手に複雑な動きが可能になる。これに対して、現在のマウス、キーボード操作の多くは、練習したところで「ダブルクリックができるようになりました」「キータイプが速くなりました」どまりである。熟練による上達の幅が狭く、効用の限界が小さすぎると思う。現在のPCのインタフェースの多くは、熟達の余地が少なく、熟達しても効用が小さいということ。

なめらかなインタフェースは熟練による上達の可能性を感じる。今日、増井先生が、自作のなめらかなインタフェースを扱う指先を見て確信した。何万件ものデータから、すばやく必要なデータを連続的ズームイン/アウトで探すツールなのだが、増井先生はノートPCのマウスパッド上で、それを数秒で行う。ギタリストでいうならまさに「スローハンド」状態。この種のツールは私も使ったことがあるけれど、結構最初は操作が難しいものである。

なめらかインタフェースの連続性や直接性は、熟練による上達の幅を広げていると思う。そして、大量の情報から”最適”な情報を”なるべく早く”探すという目的が、効用の上限を拡げているような気がする。熟練することで、初心者の数千倍、数万倍の効用(特に生産性)が期待できるような、インタフェースと用途のセットがあったら、もっとコンピューティングは面白くなる気がする。

熟達の幅が大きく、効用が無限の用途を持つ、なめらかインタフェースというと、奇才ニコラ・テスラらと並んで「3大トンデモ科学者」と呼ばれるテルミン博士が発明した電子楽器テルミンがそれに近い事例かなあと思うのだが、増井先生に今度お会いしたら、「テルミンどう思われますか?」と聞いてみようかなと思っている。

「なめらかすぎると何もないのと同じ」なのかもしれないのだが。

・『テルミン』〜THEREMIN,AN ELECTRONIC ODYSSEY〜
http://theremin.asmik-ace.co.jp/


関連情報:

・ダメなユーザインタフェイス講座
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/8192/

・使いやすさ研究所 ホームページ
http://usability.novas.co.jp/

・Jakob Nielsen博士のAlertbox
http://www.usability.gr.jp/alertbox/

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2004年06月15日

マイクロソフトが人脈活用を意識した電子名刺サービスをプレスリリース

・InterConnect 2004 製品情報
http://www.microsoft.com/japan/office/iconnect/prodinfo/default.mspx

最近、マイクロソフトが名刺管理ツールを発表している。「Microsoft Office System のテーマである、人と人、情報と情報をつなぐことを具現化した、日本で生まれた新しいコミュニケーション ツール」で、プレスリリース版およびLite版が無償ダウンロードできる。

MS Outlook2003の追加プラグインとして動くこのソフトは、メールに添付して交換する電子名刺を、作成、編集、交換するソフトウェアである。Outlook2003を持っていないユーザ向けには機能限定版Liteが用意されている。

電子名刺というと、普及しているものにvCardがあるが、人間関係の管理がInterConnectでは強化されている。人物についてのメモ書き、慶弔情報、会議議事録、経歴、メールのやりとりの履歴などのデータも付加できる。

interconnect01.JPG
作ってみた。本当は写真も入れることができる。

個人の会社名や役職だけでなく、所属しているプロジェクトや上司、部下といった組織の関係情報も入力できる。経歴も保存、検索ができる。これにより、プロジェクトメンバーに議事録を送信したり、引継ぎ情報を送信したりすることが可能。作成した名刺カードには電子証明がつき、認証サービスにも利用できるようになる。

・Personal Data Interchange vCard
http://www.imc.org/pdi/
個人情報管理ソフト(PIMやスケジュール管理)で一般的な規格

最近、Orkut、Greeなどのソーシャルネットワーキングサービスで、仕事の人探しをすることが増えているのだが、パーソナルユースの属性情報が中心なので、ビジネス上のプロフィールが分からないのが難点だなと思っていた。こうしたビジネスに向いた名刺サービスが広まれば、便利になりそうだ。転職、異動があった場合にも、過去に送信した相手に、アップデート情報を送ることができるので、常に人脈情報を、最新の状態に保つことができる。

紙の名刺にIDを印刷して、帰社後IDをPCに入力すると電子名刺を取得できるとか、携帯の赤外線で交換できるなどの機能がついたら、MS Outlookプラットフォームの普及の上で、これはかなり本格的に広まるかもしれない。

名刺管理だけを狙っているわけでもないようだ。Walkerグルメのレストランディレクトリでは、店舗のデータをInterConnectのカード形式で、ダウンロードできる。店舗や会社の情報を、カード化しておくことができる。

・Walkerグルメ東京
http://msrm.walkerplus.com/pack1.html
walkerpluscard.gif

InterConnect2004は、飽くまで電子名刺サービスであるが、ソーシャルネットワークを指向した取り組みであることは間違いないように思える。2004年第3四半期の製品版投入を予定しているそうだが、普及しないと意味がないアプリケーションなだけに、Lite版は無償という戦略は残るのかもしれない。MSIEと統合して、個人ホームページからワンクリックで名刺や会社情報を取り込んだりできるようになるのではないだろうか。

現在のセンターサーバに人脈情報を集約するソーシャルネットワーキングと並んで、ユーザが各自で分散管理する人脈アプリケーションも、もうひとつの大きな可能性だと思う。分散型を実現する技術としては現在FOAFが有力視されているが、対応アプリケーションが少なくて、あまり普及してはいない。結構、このビジネス名刺というのが突破口になるかもしれないなと思った。

・the friend of a friend (foaf) project
http://www.foaf-project.org/
・FoaF Explorer
http://xml.mfd-consult.dk/foaf/explorer/

関連情報:

・マイクロソフト、日本発のOfficeアプリ「InterConnect」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0527/ms.htm

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2004年06月14日

Spidering hacks―ウェブ情報ラクラク取得テクニック101選

Spidering hacks―ウェブ情報ラクラク取得テクニック101選
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■スパイダリングのハック本

これはGoogleHack以来の技術本で大ヒット!。素晴らしい。

クロウラーとかスパイダーと呼ばれるWeb巡回自動ロボットの作り方が実際のコードとともに101個も紹介されている。

スパイダーは、Webのリンクをたどりながら、HTMLを取得、解析して、データを取得していく。特定のキーワードがニュース見出しに登場していたら、本文を取得して一覧を作る、だとか、検索エンジンの検索結果数の変化をグラフにするとか、携帯にニュース更新状況をメールするなど、便利なパーソナルエージェントを作ることができるわけだ。

目次から、わかりやすい応用例をいくつか紹介すると、

・Yahoo! JAPANの新着情報を追跡する
・米Yahoo!とGoogleを組み合わせた拡散検索
・Yahoo!テレビを使って番組の検索を行う
・Yahoo!ブックスから、自分の好みにあった新刊書籍情報を取得する
・Yahoo!ショッピングから売上ランキングの高い商品の情報を調べる
・気になるニュースをケータイに送信する

などなど、どれも楽しそうでしょう?海外の翻訳本でありながら、日本語対応もきちんと考慮されているので安心。

この本で紹介される多くのスクリプトはPerlで記述されている。WWW::Mechanize(及び日本語化されたMechanizeJHack)モジュールは、スパイダー開発の心強い味方だ。URLからHTMLを読み込み、タイトルと本文、リンクに分割したり、特定のキーワード文字列の入ったURLやリンクアンカーをクリックして移動する、フォームに文字列を埋めて送信するといった、一連のWebサーフィンの動作を、簡単な記述で、開発できる。

Mechanizeの応用例 Asamasid
http://nais.to/hiki/hiki.cgi?asamasid

認証が必要なアマゾンアフィリエイトの確認画面へログインし、結果データを取得してメールするプログラム。(あれ?、いつのまにかWindowsに対応している!)

■ThumbWeb ビジュアルリンク集の自動生成プログラム

私も早速ひとつ作ってみたので公開する。WindowsXP、ActivePerlの環境で動作する。

・ThumbWeb ビジュアルリンク集の自動生成プログラム
URLのリストを与えると、スクリーンショット一覧のアルバムを自動生成するプログラム。
ソース一式はここからダウンロードできます

なおサムネイル作成には、

url2bmp
http://www.pixel-technology.com/freeware/url2bmp/english/
url2bmp01.gif

を利用している。こちらも別途ダウンロードが必要。

インストール等詳細は、ZIPファイル内のREADME.TXTを参照のこと。

これを使うとたとえば、こんなリストから、こんなサムネイル一覧をつくることができる。YAHOO!のカテゴリ一覧などから、URLを持ってくればビジュアルなリンク集を作成できる。初期設定では、10ページおきにページ切り替えが行われる。(サンプルは5ページに設定)

・URLのリスト
Download filehttp://www.ringolab.com/note/daiya/archives/sampleurls.txt

・生成されたページのサンプル
サンプルはMHT形式なので、MS Internet Explorerオンリーです。Download file

■富豪的ネタ探しでブログネタを発見する

私の使い方としてはブログのネタ探しに利用している。

具体的には海外のITニュースサイトやコミュニティを別のスパイダーで巡回させ、記事本文に登場する、外部へのリンクのURLを一覧取得する。話題になったURLリストがこうして得られる。ここまでは夜間にマシンにやらせておくのがポイント。

・某海外ITニュースサイトから抽出したURL一覧(4000件、130キロバイト)
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/urls.txt

これを、ThumbWebに与えると、1ページあたり10サイト、400ページのレポートが生成される。あとはひたすら、ビジュアルでチェックしていく。いい絵を探すのだ。面白いネタ探しなら、厳密に漏れがないかチェックするよりも、多くのサイトをザッピングした方が効率が良い。なにしろ何千サイトも候補はあるのだから、富豪的に太っ腹に考える。見落としてもいい、たくましく育って欲しい。

・関連:富豪的プログラミング
http://pitecan.com/articles/Bit/Fugo/fugo.html

■余談 パーソナルエージェントの自作ブーム到来か

実はこのURLリストからスクリーンショットのアルバムを自動生成するツールは、昨年末の忘年会議で使い「近日公開します」と約束していたもの。あれから半年が過ぎ、私の予感では、3人くらいが律儀にも覚えていて、「橋本のやつはいつ公開するつもりなんだゴラア」と思われているような気がしているので、これを機に、必要部分を切り出し、アップデートし、公開することにしました。

私はこれにさらにキーワードフィルタリング機能のついた上位バージョンを調査の実務に使っています。こうしたプログラム群を使うと、経験では1日に8000ページ程度の海外のWebから、探しているテーマの情報サービスや、記事を、ほぼ完璧に洗い出すことができます。

他にも集めた英語のページを夜間にまとめて翻訳させ、ローカルで日本語全文検索をかけられるようにしておくのも、なかなか便利です。個人的には、次は音声化や、モバイルへのアラート機能を作りこんでいこうと計画中です。

スパイダリング技術は、常時接続ブロードバンドの時代に、個人の調べる技術を大幅に拡張する強力なテクノロジーだと思います。面倒なのは対象とするサイトの技術仕様が変化すると、スパイダーのロジックもアップデートしなければならないことです。それが頭の痛いところなのですが、RSSなどXMLメタデータの標準化によって、状況はかなり改善されてきました。

今が旬なテーマでしょう。パーソナルエージェントを自作したい人に、この本はマストバイです。

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2004年06月13日

仏教が好き!

仏教が好き!
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私は無宗教ですが、仏教はかなり好きで、時間があったら、これを勉強してみたいと思っている。この本は、仏教は宗教学者、中沢新一と河合隼雄の仏教についての対談集。チベット密教に入門した経験を持つ異彩の宗教学者と、ユング心理学を研究後、文化庁長官にも就任した大学者が、仏教の本質に迫るスリリングなダイアログ。


・ある時、ひとりの出家修行者がある女性に恋をし、彼女が死んだ後、その墓に納められた骨を集めてヴァギナをつくり、それにペニスを入れた。釈尊は彼を教団追放とした。

・ある時、ラジャーグリハで出家したスンダラという修行僧が道を歩いていると一女性が「大徳、ちょっと立ち止まって敬礼をさせてください」といって彼に礼を捧げつつ、衣をめくって彼のペニスを咥えた。釈尊は彼が楽しみを覚えなかったことを確認し、罪を犯さずとした。

・ある時、バールカッチャに在った出家修行者がもとの妻と性交する夢を見てしまった。その夢で目覚めた修行者は「私は修行者失格だ、教団より去らなくては」と考え、ウパーリ長老に告白した。ウパーリ長老は言った。「聖なる修行者よ、夢の中のことでは、罪をおかしたことにならない」と。

この本の中盤に、釈尊と弟子のセックス問答集として、何をすると教団追放なのか、延々と事例が続く仏教の、パーリ語聖典「律蔵」の引用がある。死姦、獣姦、高度な自慰行為の連発で、それに対する釈尊や高僧の判断が真面目に書かれている。

仏教の戒律というのは実践的なチャートなのだということ。キリスト教のように「淫らなことをするな」として上位概念で過剰なセックスを禁じたら、そこから派生するものもダメという風にはなっていない、ということ。仏教はひたすらに具体的に、どう淫らなことをしちゃいけないのかを規定する。

あるがままの細部を大切にする宗教なのである。キリスト教、ユダヤ教のような原理主義的な思想と対極に位置し、あらゆる思想を飲み込んでいく度量のあるメタ宗教が仏教の本質である、というのが、二人の共通了解みたいだ。

仏教は、メタ宗教であると同時に、科学であり哲学でもある。


中沢---総体として変化していくものを「マトリックス」として理解したことで、量子論は生まれましたが、仏教は同じことを曼荼羅というかたちで表現しています。曼荼羅でも、一つ一つの細部には神様が配置されていて、それぞれが自由な動きをしていますが、その動きは全体に及んでいき、また自分も全体のほうから影響を受けつつ、変化していきます。ですから、曼荼羅には中心に立って、全体に号令を出して動かしていくものはいません。

このくだりなどを読むと、「創発」「複雑系」「ゲシュタルト」などという概念が、連想される。関係性を大切にする仏教らしいコンセプトである。

そういう最先端でも通用するコンセプトを、仏教者は2500年以上前から考え続けてきた。2500年間、仏教圏の知的エリートたちが仏教に関わってきた。長い間、それは世界を理解するための先端的な知恵であり、今の科学の役割を果たしたものである。またこれだけ長く極められた哲学(現代思想)も他にないはずである。仏教は、2500年分の知恵が濃縮された、人類史最大級のナレッジベースといえる。

○○教と具体名のついた現実の仏教宗派は、私はあまり興味がない。どちらかというと思想的に面白いのは、大衆的な大乗仏教ではなくて、厳しい修行者による小乗仏教(上座部)や密教の方が面白そうだ。言ってることが過激だからである。

現代の仏教は落ち着いたお坊さんイメージがあって、おとなしい宗教の印象が一般には強い。だが、もともとは根本的なことを考える思想なのだから、過激でないわけがない。危うさを秘めたその仏教の核心部分を、現代的なテーマと絡めて、この本では、宗教ではない思想哲学としての仏教って過激でユニークで超オモシロイよ、とマニアの二人が語り合っている。その対話もまた面白い。

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2004年06月12日

フリーの高機能DVDツール3種

テレビ録画、デジタルビデオのDVD化や、PCのデータのバックアップにと、最近、DVDをとても活用している。DVDの4.7ギガバイトの容量は、大抵のデータが1枚に収まるので、本当に使い勝手が良い。

DVDを焼くソフトウェアは、多くの場合、PCやDVDレコーダに付属してきたバンドル製品を使うものだと思う。機能的に不足を感じた場合、有償の製品も店頭にいっぱい並んでいるけれど1万円近くしたりして、なかなか手が出ない。

そこで、フリーウェアを、いろいろ探して試した結果、3本ほど、使えるDVD関連ソフトが見つかった。

DVDShrink
http://dvdshrink.org/what.html
dvdshrink01.jpg

4.7ギガに収まらない映像を、自動的に圧縮率を計算してサイズ調整してくれるリッピングツール。たとえば無敵会議の録画ビデオは、総時間3時間に渡るが、これを使うとDVD1枚にまとめられて便利。書き込み機能はないので、DVDに焼く場合には、別の書き込みツールが必要。

DeepBurner
http://www.deepburner.com/
deepburnerscreen1.gif

フリーのDVD書き込みツール。多くのデバイスに対応している。DVDメニューの作成や、ラベル作成と印刷機能を持つ。動作が軽く、バックアップ機能も強力の定番。

FairUse Wizard 0.44
http://fairuse.free.fr/lang_en/index.html
fairuse01.gif

フリーのリッピングツール。MPEGだけでなく、より高圧縮なDIVX、MKVに変換できるので、PCで見るためのビデオファイル作成ならば、これが一番かもしれない。

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