2005年10月27日

人はなぜ恋に落ちるのか?―恋と愛情と性欲の脳科学このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加


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・人はなぜ恋に落ちるのか?―恋と愛情と性欲の脳科学
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夏に日本科学未来館でこんな展示を家族で見た。

・日本科学未来館 特別企画展(既に終了)
『恋愛物語展 − どうして一人ではいられないの?』
http://www.miraikan.jst.go.jp/j/event/2005/0815_plan_01.html

恋愛という言葉を聞くと、誰もがなぜか反応します。
人間であると同時に、一つの生命システムに組み込まれた一つの個体であるわたしたち。その個体はさらに細かく見ていけば、さまざまな物質の集合体です。そんな人間にとって、他人を好きになり、パートナーを見つけ、生涯を送るということにどのような意味があるのでしょうか。
このような疑問から、わたしたちは「恋愛」というものを、あえて科学的な立場からとらえ直してみることにしました。すると、それが生命の神秘であると同時に、人間という生命にとってきわめて特徴的な行為であるということが見えてきました。

ハイテクで触れる展示が多くて、2歳の息子も楽しんでいた。

恋愛を科学するというのは、娯楽としても成立するのだなと思った。

この本は、恋愛感情は主に脳内で交配衝動を作動させるための動機システムであるという脳科学の本。前作では生物学的に人間の愛は4年しか続かないという内容で物議を醸した人類学者が書いている。今回は熱烈恋愛中や失恋直後の被験者を集めて、fMRI装置にかけて、脳内部位の活性状態を分析するなど、意欲的な実験も満載。

・浮気性か家庭的かはホルモンバランスで決まる
・なかなか手に入らない相手に燃える
・好きになったら引き返せない
・近くにいる人と恋に落ちやすい
・男性が好む理想の女性の体型は世界中でウエスト:ヒップ=7:10

など、恋愛カウンセラーではなくて、学者がデータに基づいて真面目に知見を述べる。

「愛」の中身は、

1 性欲
2 恋愛感情
3 愛着

であり、それぞれが、出会いたいと思うこと、熱く燃えること、長く安定した愛情を維持することに関与している。3つの仕組みを動作させる脳内の化学物質も列挙されている。著者の手にかかると「愛」が化学物質や脳の活性化に還元されていく。


しかし、恋愛を理解したからといって、感じかたまで変わったわけではない。ベートーベンの第九の楽譜をすべて知っていたとしても、それを耳にするごとにおぼえる興奮が変わらないのと同じだ

まあ、そういうことかもしれないが、割り切ってしまうのも、割り切れない気がする読後感であった。


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Posted by daiya at 2005年10月27日 23:59 | TrackBack このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加
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