2005年12月08日

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・ホーキング、宇宙のすべてを語る
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「ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで」の続編。

最初に古代から近代までの宇宙観の変遷が説明される。世界は亀の上にのっかっているという伝説や、地球を中心に天空が回転しているとした天動説など、科学者が各時代の考え方をいかに乗り越えて、現在に続く宇宙モデルを作り上げてきたかの歴史。ホーキングの語り口は平易で、わかりやすい。

そして、最新のモデルの理解に必要になる一般相対性理論と量子論について、比喩をたくさん用いた解説がある。どちらか一方では宇宙のモデルを完全に記述できない。


私たちの最も大きな望みは、宇宙の最初から最後までの完全な理解を得ることです。この望みは、量子論と一般相対性理論という、一方だけでは世界を記述するには不完全である二つの理論を、一つの量子重力論に統一することで可能になるでしょう。この理論では、時間の始まりを含む宇宙のどの時刻でも、特異点なしで一般的な科学の法則が成立するのです。

超ひも理論、pブレーン理論、超重力理論など最新の理論も紹介される。科学者が目指しているのは、万物の4つの根源的な力(重力、電磁力、強い力、弱い力)を、一つの統一理論で説明すること。つまりは万物理論のこと。

ホーキングの万物理論についての予想が興味深い。


研究者はこの根元的理論を探し求めましたが、今までのところまったく成功していません。ゲーデルが示したように、算術を一つの公理系だけで定式化することができないのと同じく、根元的理論も一つに定式化することはできないという可能性があります。その代わり、それは地図のようなものかもしれません。

それは人間の知識の深まりと共に漸進的に精度を高めていくような理論なのではないかと言う予想に対しては、


(前略)より高いエネルギーを研究対象にするようになると、だんだんと精度が高くなる理論の連続には、何らかの限界があるべきだと考えられます。こう考えると、宇宙には何らかの究極の理論があるはずです。

と反論している。


宇宙の初期状態と数学的無矛盾性の要件を研究していけば、私たちがまだ生きているうちに完全な統一理論が得られるチャンスは十分にあるように思われます。

万物理論の解明に、この車椅子の大天才、まだまだやる気まんまんなのである。

文中によく「神」という記述がでてくるのが印象的であった。ホーキングは明らかにすべてに超越的な神の存在を、肯定しているようだ。科学の最先端の象徴の人物が直接、一般読者に語りかけるこの本、とても楽しめた。また次が出てほしい。


・奇想、宇宙をゆく―最先端物理学12の物語
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003562.html

・広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由―フェルミのパラドックス
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003540.html

・科学者は妄想する
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003473.html

・人類はなぜUFOと遭遇するのか
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002440.html

・宇宙人としての生き方―アストロバイオロジーへの招待
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001273.html


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Posted by daiya at 2005年12月08日 23:59 | TrackBack このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加
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