2007年04月11日

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・危ない写真集246
abunaishasinshu01.jpg

いろいろな意味で危ないサブカルチャー写真集を246冊もレビューした奇書。それぞれ代表的な作品が掲載されているので、紹介されている写真集を見た気になることができる。
ここに取り上げられる写真はどれもマスメディアには出てこない危ない写真ばかりである。死体、セックス、奇形、精神病患者、自傷などなど、ちょっとパスしたいシロモノ多数。一人の女性の陰部ばかりを長期にわたってマクロ撮影した写真家や、少年の勃起した裸体ばかり集めたモノもある。

目次

00-ベスト
01-屍体のある風景
02-医学・フリークス・タトゥー
03-ボンデージの愉しみと恐怖
04-セックス&ボディ
05-狂気のポートレイト
06-グロテスクの劇場
07-人間人形時代
08-オールド・ファッションド・エロティカ
09-クラシック・ドキュメンタリー
10-現代のドキュメンタリー
11-危ないアーティスト・ブック
12-コレクションの魔

インターネットの路地裏へ一歩入るとこうした写真は簡単に見つかったりするものだが、体系的にその危うさの意味が論じられているのが、この本の価値である。

たとえば、かつて写真がまだ高級なものであった頃、亡くなった家族の遺体を写真に撮ることは思い出を残す行為として、広く行われていたようだ。精神病院の患者の写真集というのも、人権やプライバシーが重視されていなかった時代には多数出版されていた。それから、結構長期にわたってヌード自体がイリーガルな時代が各国にあった。今見るとライトなヌードも当時は人目を忍ぶディープなポルノであったらしい。時代背景とセットで作品を見ることで、各時代に、権力が何を隠さねばならなかったかがわかってくる。

何を隠すかもまた時代を写す鏡である。

たとえば、いまどきのネットで隠されているものとして「キムタク」がある。

久々に毎週見ていた人気ドラマのサイト(番組は終了)を見ると、

・TBS 日曜劇場「華麗なる一族」
http://www.tbs.co.jp/karei2007/

他の木村拓也の写真は一枚もないのである。他の俳優は配役紹介で顔写真が出ているがキムタクだけイメージ画像であり、極めて不自然だ。

調べてみると分かるが、ネット上ではジャニーズのタレントの肖像権は厳しく管理されている。キムタクがCM出演しているニコンのデジカメのサイトにいけば顔を拝めたりするが、この画像を保存しようとすると「このサイトでは、右クリック操作ができません」とポップアップが出てくる。

・ニコン アドギャラリー
http://www.adgallery.nikon-image.com/

キムタクの顔も、業界関係者にとっては、ある種の危ない写真なのである。別の意味でメディアには封印作品がある。音楽では放送禁止の歌もある。なぜそれが危ないのか、出してはいけないのかを考えると、時代の構造が垣間見えてくる。

そして、危ないものが多い時代はやっぱり危ないのじゃないか、と思う。

・封印作品の謎
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002818.html

封印作品の謎 2
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004341.html

・放送禁止歌
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001449.html

・案外、知らずに歌ってた童謡の謎
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003167.html


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Posted by daiya at 2007年04月11日 23:59 このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加
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