2005年09月05日

地球のなおし方このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加


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・地球のなおし方
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先日書評した「成長の限界 人類の選択」を同じ著者が、一般向けにやさしく要約した本。

・成長の限界 人類の選択
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003701.html

内容はほとんど同じだが予備知識なしに読むにはこちらのほうが向いている。

「技術や市場では環境問題を解決できない」というのが著者が強くいいたいことでもあるようだ。

複雑で限界のある世界では、技術や市場の力で一つの限界を取り除いても、加速度的に成長する世界ではあっという間に、次の限界に達してしまう。大部分のシミュレーションでは枯渇するのは、土地や食糧、自然の汚染吸収能力ではなく、人間の対応能力なのだという。

環境をめぐる政策や技術、合意には時間がかかり、同時にいくつもの限界には対応が難しくなる。CO2の排出量を規制する政策や技術が完璧になっても、その頃には他の有害物質や生産量の限界が出てくる。いたちごっこのサイクルは加速度的にピッチを速めて、やがてこの成長ゲームは破綻してしまう。

また、技術や市場は、ある社会の目標を達成する手段に過ぎない。その社会が持続可能型社会よりも成長型社会を目指す目標を掲げているのであれば、持続可能な世界のための解決は出てこないのだという。

地球の水の97.5%は海水などで、そのまま使うことができない。淡水は2.5%だが、南極の氷や氷河、万年雪は使えないので、川や湖の水、人間がくみ上げることの出来る地下水は0.01%の量しかない。地球上の水がバケツ一杯だとすると、淡水はコップ一杯で、私たちが使える水はスプーン1杯という計算になるらしい。

穀物を育てるのに水が大量に使われている。「1000トンの水で、穀物を1トン生産できる。したがって、水を輸入しようと思えば、穀物の輸入が最も効果的な方法」と環境白書のレスター・ブラウンは言う。世界の穀物市場を舞台に、スプーン1杯の水をめぐる争いが展開されるだろうと予測される。

・未来ビジネスを読む 10年後を知るための知的技術
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003092.html
「今世紀半ばに世界人口は93億人で70億人が水不足に直面する。」

この本にも水の不足とウォータービジネスが注目と書いてあった。

水をめぐる市場や技術が、やがて活性化するのだろう。

だが、技術や市場ではなくて、価値観を変えろとこの本は主張している。

最近の流行キーワードなら、「ほっとけない」、「もったいない」という価値観を持てということになりそう。


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Posted by daiya at 2005年09月05日 23:59 | TrackBack このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加
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